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タイトル:Daily Drama Express 2006/02/22 神はサイコロを振らない (6)  2006/03/01


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2006/02/22 (Wed) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.水曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 水曜日の連続ドラマ
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タイトル 神はサイコロを振らない
局  名 日本テレビ系
放映日時 水曜22時
キャスト 黛ヤス子(小林聡美)
 竹林亜紀(ともさかりえ)
 木内哲也(山本太郎)
 黛菊介 (武田真治)
 大屋本部長(岸部一徳)
 加藤久彦(大杉漣)
 坂倉将 (升毅)
 後藤瑠璃子(鳴海璃子)
 浜砂柚子(市川実和子)
 甲斐陽介(尾美としのり)
 甲斐航星(中村友也)
 黒木亮 (小清水一輝)
 浜砂桃子(佐々木麻緒)
 中武昇子(明星真由美)
 浜砂藤吉(片桐仁)
 日向啓太(丸山智己)
 霧島藍 (矢沢心)
 神蔵竜蔵(ベンガル)
 神蔵英子(大川栄子)
 早川真澄[機長](石橋祐)
 後藤杏子(高橋惠子)
 神蔵弘美(通山景織子)

原  作 大石英司
脚  本 水橋文美江
主題歌  『』

あらすじ  the 6th day「10年前の恋人は今、友達ですか?」

 −東洋航空402便が再び姿を現した6日後、残された時間はあと5日。

 亮(小清水一輝)は両親に連れられて、動物園や水族館に出かけて
行った。両親は離婚したことを内緒にし、亮に対して仲のいい親子を
演じることに決めていた。

 亮たちを見送ったヤス子(小林聡美)がその様子を亜紀(ともさか
りえ)に話すと、亜紀は「亮くんも演じてるのかもよ」と複雑な表情
を浮かべる。しかしヤス子は「そんなことより」と「観覧車でチュー
しておいで」の封筒について亜紀を問いただす。

 亜紀の世話焼きぶりにヤス子は閉口し、「あのね、私は私と哲のこ
とを考えてくれるアッチがたまらなく愛しいよ。だからここはあんた
にチューすることで勘弁して」と遊園地行きを断る。亜紀は「臆病に
ならずに、ここは一気にチューしちゃ……」と食い下がる。ヤス子は
無視して立ち去ってしまう。亜紀がなおも追いかけようとすると、加
藤教授(大杉漣)がやってきて「チューとはどういうことだ」と突っ
込み始める。

 桃子(佐々木麻緒)は昇子(明星真由美)と柚子(市川実和子)に
「諦めないで夢をかなえて欲しい」と訴える。その熱意に柚子は奮起
し、昇子にまたがんばろうと声をかける。しかし昇子は残された時間
のことを考えると決心がつかなかった。桃子は藤吉(片桐仁)の手を
ひっぱって昇子と柚子の2人にする。「こういうことは2人で話し合っ
てもらうのが一番。中武さんが答えを出すのを待ったほうがいい」と。

 瑠璃子(鳴海璃子)はコンサートに出ることを杏子(高橋惠子)に
伝えたとヤス子に話す。

 瑠璃子と別れてロビーに降りてきたヤス子は、藤吉を探す桃子を見
かける。迷子かと思うヤス子だが、桃子は「いえ、お父ちゃんがはぐ
れたんです」と答えて、また探しに行く。

 哲也(山本太郎)は亜紀の「観覧車でチュー」の手紙を見て考え込
んでいた。
 そこへ「お父ちゃん!」と桃子が入ってくる。しかし部屋を間違っ
たと気づいた桃子はすぐに出て行ってしまう。その後入れ替わるよう
にヤス子が入ってくる。

 啓太(丸山智巳)と藍(矢沢心)はホテルのエスカレーターを上っ
ている途中、バッグに詰まった現金をどうするかでもめあっていた。
そこへ反対側のエスカレーターを降りる桃子が「しかたない、(お父
ちゃんのことを)警察に届けよう」と独り言しているのに出くわす。
自分らの現金のことと勘違いした啓太と藍は慌てる。

 ヤス子は哲也とともに桃子を探し回る。すると前方にウェディング
ドレス姿の花嫁が通ったので、2人とも妙に意識してしまう。

 哲也は「亜紀がくれたチケットのことだけど」と切り出す。哲也は
ヤス子にプロポーズを断られた時点できっぱりと諦めようと思ったの
で、これからは友達で行こうとたどたどしく告げる。

 −10年前、恋人だった人と友達になれますか?

 哲也は笑ってヤス子と別れるが、啓太と藍に連れ去られる桃子を見
つけ慌てて「おい友達!」とヤス子に声をかけ、桃子を追いかける。

 加藤教授は亜紀から「観覧車でチュー」の話を聞きだして、激昂し
はじめる。
 しかし亜紀に「ヤッチに恋してんじゃないですか?」と突かれると、
動揺して簡易ベッドに逃げ込んでしまう。

 ヤス子は啓太と藍の部屋に行き、桃子のことを聞くが、啓太はそん
な子いないと言ってドアを閉めてしまう。そこへ柚子から娘が迷子に
なったと携帯に連絡が入る。ヤス子は桃子が娘だとピンと来る。

 ヤス子は警察沙汰をさけようと哲也と話し合って、夫婦になりすま
して桃子を引き取りに行く。哲也はスウ子と適当な名前で桃子を呼ん
で一緒に出て行こうとするが、怪しんだ啓太は桃子に名前を聞く。事
情が飲み込めない桃子は「浜砂桃子です」と答えてしまう。

 啓太と藍ににらまれるヤス子だが、「とにかく事情を話してくださ
い、警察沙汰になる前に」と正攻法に切り替える。警察と聞いた啓太
と藍は顔色を変える。

 亜紀はヤス子の家でぼんやり考え事をしていた。菊介(武田真治)
が声をかけると、亜紀は加藤教授が402便の乗客乗員が10年前に引き
戻される正確な時間を計算したと話す。それによると2月19日午後9時
32分04秒に引き戻されるのだという。

 航星(中村友也)も瑠璃子に加藤教授の計算を話していた。航星は
さらにもうひとつの時間がわかれば死ぬことだけは避けられると言う。
もっとも2006年の世界からは引き離されることに変わりはないのだが。

 「僕は402便のこととはつながりもないから何もできない」と言う
菊介に、亜紀は「ならその瞬間、菊坊に抱きつこうか。一緒に10年前
に行けるかもよ。ついでにヤッチも」と菊介の首に腕を回しながら言
う。しかし「あれ、でも10年前に連れて行ったら、私は28歳のヤッチ
と38歳のヤッチとどっちと友達になればいいんだ?それとあんたも」
と自問する。菊介が「僕は10年の自分の方がいい感じで生きてたんで」
と言うと、亜紀は思わず「10年前より今だろ!今の自分に私を惚れさ
せてみろ!」と一喝する。


 啓太と藍は、見知らぬ人に現金入りのバッグを届けるように言われ
たと話す。
 哲也は嘘だと信じないが、ヤス子は信じなければ話はすすまないと
真剣に話に耳を傾ける。そんなヤス子の姿勢に、藍は「もういいよ」
と観念し、たまたまひったくりしたら現金入りのバッグで、動転して
東京へ行ってパーッと遊ぼうと402便に乗ったのだと正直に告白する。

 啓太は「俺たちを警察に突き出すのか?」とナイフを取り出す。そ
して「どうせ数日後には死ぬかもしれないんだ。人殺したってどうっ
てことない」と平常心を失いだす。

 緊迫したムードが漂う中、哲也は「アホか」と諭すようにつぶやき、
啓太に近づいてナイフを取り上げる。啓太はふるえだし、へたり込ん
でしまう。哲也は「後は俺がなんとかするから、その子を親の元に連
れて行け」とヤス子に指示する。ヤス子は哲也の勇気にびっくりしな
がら、桃子を連れ出す。桃子は「このことは2人の胸にしまっておき
ましょう」とヤス子に提案し、ヤス子はうなづく。桃子は「かっこよ
かったですね」と哲也のことを褒める。ヤス子も自分の知らない哲也
の一面に感じ入るところがあった。

 甲斐(尾美としのり)が精神的苦痛に対する慰謝料を請求するため、
大屋本部長(岸部一徳)のもとを訪れた。坂倉課長(升毅)とヤス子
も同席して話し合いが行われるが、坂倉は「事故調が東洋航空に責任
はないと言っている以上それは無理でしょう」と答える。

 しかし甲斐は「10年という空白をどうお考えですか?」と尋ねる。
大屋本部長は「お金で埋まることではないでしょう」と答える。坂倉
も「精神面でのケアならカウンセラーを派遣しましょう」と答える。
ヤス子は「再度お見舞金を出すことを検討してみてはどうでしょう?」
と提案するが、「君の意見はいい」と斥けられる。

 甲斐は「いえ、黛さんだって恋人の木内さんが乗ってらしたんです。
彼女も10年間の空白が家族にとってどれだけ残酷かわかっているんで
す」と話す。大屋本部長と坂倉はそれが初耳なので驚き「それで家族
側に組するようなことを言ってたのか」「私的感情でものを言ってた
のか」とヤス子を責める。

 ヤス子は「自分はお世話係として言っています。お金で埋めようと
考える現実的な方もいるんです」と弁解するが、大屋本部長は「そう
ですか、木内くんと君が」と耳を貸そうとしない。

 話し合い後、ヤス子は啓太と藍のもとへ行くが、哲也はすでに帰っ
た後だという。哲也は「大切なのはお金じゃない、人の気持ちなんだ」
と説教していたという。啓太も藍も「もうバカなことはしない」と反
省している。

 哲也の言った言葉をヤス子は考え込みながら帰宅しようとする。す
ると加藤教授がやって来て「異性に心を奪われることは大きな喜びで
あり人生に不可欠なことです。しかしそれが人生の中心になってはい
けません。そうすれば自分の道を失います」とアインシュタインの言
葉をまくしたてる。

 加藤教授は亜紀が画策した「観覧車でチュー」のことが気になって、
ヤス子が行くのを止めようとしているのだった。加藤教授は「お前は
あの男に惚れたことを後悔しているんだ」と声を張り上げる。ヤス子
は思わず「後悔なんか、私は」と反論する。

 加藤教授は動揺しだし「後悔なんか?してない?まさか今も?いや
あの男は危険だ」と“ぜんぶ”と大書された哲也の紙(以前加藤教授
がヤス子のどこが好きか論文にしろと言ったとき書いたもの)を見せ、
「大変危険な知能指数だ、やめたまえ、あんな男!」と叫んで走り去
ってしまう。

 ヤス子は驚いてしばしその紙を見つめているが、そこへ菊介から電
話が入り「今どこいんの?哲さん遊園地で待ってるよ」と伝えてくる。
ヤス子は駆け出し、タクシーを捕まえて東京ファンタジーパークに向
かう。

 やがて前方に観覧車が見えてくる。しかしそのとき亜紀から電話が
入る。ヤス子は哲也に会いに行くと告げようとするが、亜紀は「今哲
と遊園地にいるの。哲に観覧車でチューなんてヤッチはありえないっ
て怒られたよ。ごめん、今度は大人向けのしっとりしたコース考える
から。チケットもったいないんで遊んでいくね。でも観覧車には乗ら
ないから安心しろ!」と陽気にしゃべっている。

 話を聞き終えたヤス子は呆然となり「ここで止めてください」と運
転手に告げ引き返す。

 帰宅したヤス子を見て菊介は「遊園地行かなかったの?」と驚く。
ヤス子は「行くわけないでしょ。あんたが考えたんでしょ、哲が待っ
てるなんて。バレバレよ」と責める。菊介は「でも遊園地にはいるよ。
勇気を持とうよ」と押す。

 ヤス子は「なんでそんなに煽るのよ。それと402便のホームページ
も。あんたって平和ね」と皮肉っぽく言う。すると菊介は「僕はあの
事件について(ヤス子が一人で抱え込むので)部外者だったから、そ
うすることで、いい感じの距離感ができて、人とのつながりが感じら
れたんだ。姉ちゃんはいろいろあって大変だけど、いろいろいいなあ
って思うよ。だから哲さんと……」と真顔になる。

 ヤス子は思わず「あんたも恋人作って、その恋人が時空に消えて
10年後現れたら、私のような日々を送れるよ」と嫌味を言って菊介の
話をさえぎる。

 菊介はため息混じりにピアノに向かいショパンのノクターンを弾き
始める。ヤス子が驚いて菊介を見ると、「なんとなく、昨日からなん
となく」と笑う。

 そんな菊介の変化に、ヤス子は「姉ちゃん、途中まで走ったんだよ。
会いたくて走ったんだ。考えられないよねぇ、402便が帰ってくる前
の私からしたら。まっ私にしちゃ上出来さ」とふうっと息をつくよう
にしゃべる。

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 −本当のことを言えば10年の空白を埋めるのは淡々とした日常だと
思っていた、402便が現れる前は。でも今は……10年の空白を埋める
のは人の気持ちである、人の気持ちが空白が埋めるのだ。
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 ヤス子は亜紀に電話し、哲也、菊介といっしょに屋台のラーメンを
食べに誘う。

 そのころ瑠璃子は硬い表情で杏子と対面していた。


寸  評  後半のしみじみしたストーリー展開がとても良かったと思いまし
た。やはりこれくらいのテイストがぴたりとくると思いました。人の
気持ちが空白を埋めるというのは実感がこもってます。特に30歳をす
ぎると痛感することではないでしょうか。自分の周囲を見回しても、
20代は結構好き勝手やっていた人が最近では「人とのつながりを大事
にしなきゃ」なんてことをよく言ってます。
 よく言われるように過去の事実を変えることは不可能だけれども、
過去の認識を変えることは可能です。ひどい過去があれでよかったと
思えるようになることは可能ということです。今の自分ががんばった
り、人とのつながりの中で認識が変わっていったりする、そんなこと
を感じました。

執 筆 者 ケン()

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2. 編集後記
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 先週書いた早稲田大学ラグビー部の奮闘振りですが、社会人トップチームの
東芝府中には0-43で負けてしまいました。しかし大学生チームがどれだけやれ
るかはラグビーファンの関心の的だったようで普段は空きが見える秩父宮ラグ
ビー場の観客席が埋まっていました。敗れはしましたが、早稲田大学の健闘は
すばらしいものだったと思います。(ケン)

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発行元:ドラマ研究会
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