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タイトル:Daily Drama Express 2006/02/16 けものみち (6)  2006/02/22


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2006/02/16 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル けものみち
局  名 テレビ朝日系
放映日時 木曜21時
キャスト 成沢民子(米倉涼子)
 小滝章二郎(佐藤浩市)
 如月初音(東ちづる)
 久恒春樹(仲村トオル)
 佐伯米子(若村麻由美)
 鬼頭洪太(平幹二朗)
原  作 松本清張
脚  本 寺田敏雄
主題歌  中島みゆき「帰らぬ者」

あらすじ  第六章 愛人の意地

 茶菓を持って行こうとする佐伯米子(若村真由美)を止める弁護士
・秦野重武(吹越満)。そして、小滝章二郎(佐藤浩市)だけを呼ん
だはずだが、と言う。
 米子は、さあ、虫の知らせじゃない?とはぐらかす。
 秦野は、場合によってはまた一つ始末しなければならないかもしれ
ない、と言う。

 小滝に白刃を突きつけながら鬼頭洪太(平幹二朗)は、椎茸が嫌い
だ。たとえかけらでも入っていればすぐわかる。唯一勝てない相手だ、
という。

 そして成沢民子(米倉涼子)に白刃を持たせ、鬼頭か小滝か民子の
誰かを殺せ、と言う。

 米子は庭に、黒谷富雄(前川泰之)を呼びに行き、また一つ死体が
出るらしいから始末をするように。そしてにんじんとタマネギも切れ
そうだから飼ってくるように命じる。

 鬼頭は小滝に、民子のどこに惚れた?と問う。
 小滝が無言のうちに、鬼頭は民子の心意気に惚れた。それに情の細
やかなところも、と言う。

 小滝は、「相性がいい.....体の」と言う。そしてマスカレードに
名を連ねたのは金儲けをするため、と言う。

 鬼頭は民子に、早く決めるように言う。

 ふすまに耳を押し当てている米子と秦野。二人の間に、白刃が飛び
出す。
 そして何事もなかったかのように引っ込む。

 白刃は小滝が手にしていた。
 民子は自分のバッグを手に持つと、米子や秦野がくっついている例
のふすまを開け、少しよろけながらも、サッサとその部屋を出て行く。

 鬼頭は小滝に、小滝がどれだけ民子を抱こうがかまわない。だが民
子は自分の女だという。
 小滝は、自分は心だなんだのという形のないものは信じない、と言
う。

 その部屋に、匕首を手にした黒谷が飛び込む。
 小滝は白刃を鞘に収め、その部屋を出て行く。

 秦野が、小滝も鬼頭の顔を見て、少しは思い知っただろうという。
 「君はまだまだ青二才だね。あいつは自分の顔を見せに来たんだよ。
椎茸よりも食えん男だ」と鬼頭。


 ニューロイヤルホテルの総支配人室の前で、イライラと待つ民子。

 戻ってきた小滝が鍵を開けて中へ入ると、ついて入る民子。そして、
一度も寝たことがないのに、自分たちの体の相性が合うなんて、わか
るんだという。

 小滝は民子を隣室のベッドの上に押し倒すと、民子はまだ鬼頭のこ
とをわかっていない。ああでも言わなければ、今頃自分たち二人は殺
されていた。鬼頭が嫌うのは、自分たちの間に、体以外のつながりが
あることだ、と言う。そして、マスカレードの取締役を降りるという。

 民子は、ニューロイヤルホテルという後ろ盾が絶対必要だとしがみ
つくが、小滝は思い上がるのもいい加減にしろ。何の上に成り立った
成功かゆく考えるように、と言う。

 鬼頭が怖くなったの!?と民子が迫ると、小滝は民子のやることは
すべて番狂わせだ。だが、民子はもう麻布の奥座敷から抜け出せない、
と言う。

 民子は今度は落ち着いた声で、小滝は鬼頭の顔を見て、怖くなった
のだ。小滝のそんな顔だけは見たくなかった、と言って総支配人室を
出て行く。


 雪の降る中を歩く民子。

 小滝は総支配人室で、声を殺して泣き笑い。


 米子は真っ赤な長襦袢姿で、勝手に鬼頭の布団に潜り込む。
 「何をしている?」と鬼頭。
 「今日は冷えますから。外は雪ですよ。今日はこわかった。民子さ
んがあなたの前で自害するんじゃないかと思って。いつかの女のよう
に。わたしだって、ほしいものは欲しいっていいますよ」と米子。

 鬼頭は米子に背を向ける。
 米子は布団を出ると、お暇が欲しい、と言う。
 鬼頭は、米子はこの屋敷を出ては生きていけないと言うが、米子は
重ねてお暇が欲しいと言う。


 久恒春樹(仲村トオル)は証拠書類をそろえ、上司(西岡徳馬)に
掛け合う。
 関東高速道路の岡橋会長が死ぬ直前に利用したのも、香川会長の失
踪した愛人との密会によく使っていたのも、汐留のニューロイヤルホ
テルだと言う。
 上司はこれは久恒の単独捜査だし、所轄で扱えるような問題ではな
い。もうあの放火事件は決着がついたという。

 久恒は、民子は鬼頭に切り込むきっかけだというが、上司は取り合
わない。


 鬼頭が大声で米子を呼ぶ。
 黒谷が、そういえば今朝から米子を見ていない、と言う。

 でも、なにごともなかったかのように米子が入ってきて、黒谷を下
がらせる。納戸の整理をしていただけ、と言う。
 そして刀が刺さってあいた穴に、赤い紙を貼り付ける。
 出て行くときは、それなりのご挨拶とお礼をしていきます、と鬼頭
に言う。


 民子は衆議院議員・間宮悦郎(長谷川朝晴)に、小滝に取締役を降
りられたという。ベルコッティー社との提携も、ニューロイヤルホテ
ルという後ろ盾があってのもの、と頭を抱える。
 間宮は別のネームバリューのある人物を捜してみるという。でも、
民子ももう一度小滝に当たってみたら?その美貌にいちころでは?と
言う。

 民子はキッとした眼で間宮をにらみ、慌てて、冗談だと笑う間宮。
 民子は、ベルコッティー社との提携話は明日。時間がない、と頭を
抱える。

 間宮は、要はベルコッティー社だって、ネームバリューが欲しいだ
けなのだから、宝石業界で名前の通った人に、間に立ってもらったら?
と言う。
 その話にヒントを得て、猛然と動き出す民子。

 民子が行ってしまった後、廊下で内緒の電話を受ける木崎光恵(田
丸麻紀)。

 −− アメジストは、透明度が高く、紫が鮮やかで強いものほどい
いとされる。
    この石は、動揺を沈め、行動に勇気を与えてくれる。


 民子はファンと食卓を囲んでいる結城紗和子(野川由美子)を訪ね
る。アポを取ったら会ってくれないかと思い、といいわけ。
 紗和子は、自分のお店だったところ、繁盛しているようね、と言う。

 民子がお話をどこかで聞いてくれませんか?と頼む。
 紗和子は自分も忙しいし、民子も急いでいるようだから、ここでど
うぞ、と言う。

 民子はベルコッティー社と提携しようとしているのだが、そのため
に斯界の大御所に口利きをして欲しい、と頼む。

 紗和子は、「お会いになれば?」と言うと、民子のアメジストを見
て、「いいアメジストね」と言う。
 そして集っている婦人たちに、心に動揺があるとき、アメジストを
着けると、心が静まるのよ、と説明。
 民子はさすが紗和子先生、勉強になりましたわ、と知らなかったふ
りをする。

 紗和子は自分が民子のために何ができるのかしら?ベルコッティー
会長とは懇意だから、ここから国際電話の1本もかければいい?トリ
ノは今、何時かしら?と言う。
 でも、その前に今、ここで民子が自分にできることは1つしかない
わよね、と言う。
 「何を?」と民子。
 「土下座」と紗和子。
 「え?」と民子。
 「早いこと、済ませたら?お互い、忙しい身なのだから」と紗和子。

 民子は唇を噛むと、覚悟を決め、土下座し、「お願いします」と言
う。
 「もう一度、おっしゃってみて」と紗和子。
 「お願い、します.....」と民子。

 「あら、忘れていたわ。ベルコッティとは、先日けんか別れしちゃ
ったの。お役に立てないわ」と紗和子は笑う。

 民子は立ち上がると、憮然として出ていく。


 民子は小滝に電話するが、つながらない。頭を抱える民子。


 その頃、総支配人室には、光恵がいた。


 民子がマスカレードの鍵を開けようとすると、久恒が現れ、メシで
もどう?と聞く。
 忙しいと断ると、ここでもいいけど、と言って、民子の手を引っ張
る。酒に酔っている。
 民子を突破口に、鬼頭というヤマを挙げたいと思う。こんな人生が、
民子が望んでいた人生か?と問いかけて。

 民子は、じゃあ、久恒は夢が叶ったのか?言葉に気を付けることね。
わたは鬼頭の女よ!と言って、中へはいる。

 二人のやりとりを物陰から聞いていた秦野。


 久恒のひどい咳に、インフルエンザを心配する妻・薫。
 久恒は、太郎が中学に入るまでか?それとも大学を出るまでか?と
言う。
 公務員だから、あと20年もすれば定年で、恩給が付く、と薫。
 久恒は、自分が女だったら、絶対警察官の妻にはならない、と笑う。


 民子が白妙に入る。間宮が待っている。
 民子は、武藤美代子(星野真里)に、すぐ出るから何も要らない。
コートもかけなくていいと言う。
 美代子は、「そうですか」と口の中で言うと、立ったまま襖を乱暴
に閉めて、出ていく。

 さっそく間宮が本題に入る。ベルコッティ社に対して、資本提携を
こっちから持ちかければいいと言う。
 「いったい、いくらかかると思うの?」と民子。
 「ざっと、60億ぐらいかな?」と間宮。
 「そんなお金、用意できるわけないじゃない」と民子。

 「大学の同期に、五条物産に入ったヤツがいます。そいつが今度、
新規プロジェクトを立ち上げるのですが、それにマスカレードの件を
当てれば、五条物産の融資保証で、銀行から融資をひっぱってこられ
ます」と間宮。
 民子は、それは五条物産の傘下に入ることか?と問う。
 間宮は、なおかつ民子はマスカレードの社長を降り、五条物産の社
員になるのだ、と言う。

 民子は、お話にならない、と言う。
 間宮は、鬼頭の手の外で会社を大きくするには、それぐらいしない
といけない。それがいやなら、鬼頭に泣きつくしかない。
 見方を変えれば、民子は鬼頭に選ばれた、数少ない女、いわばプレ
ミアムな女ということで、女の特権を生かせばいいと言う。

 民子は立ち上がりながら、「もしわたしが男なら、そっくり同じこ
と、言ったでしょうね」と言うと、サッサと出ていく。

 「民子さんも大変ねぇ」と美代子。
 「あなたもね」と民子。


 久恒が上司に呼ばれる。交通課への異動の辞令を渡される。
 久恒が文句を言っても、上司は取り合わない。


 民子は、ボーっと水族館の中を歩く。

 −− そうなのだ。わたしがあの時、迷い込んだ道なのだ。もう戻
らないと決めた道なのだから。


 鬼頭は米子の身を案じる。米子は外の世界をほとんど知らないから、
と。鬼頭はやはり米子はこのままこの屋敷に住み続ければいい。結婚
はどうだ?と言う。
 嫌な顔をする米子。

 鬼頭が襖を開けると、黒谷が控えている。鬼頭は黒谷もこの屋敷へ
来て長い。それに外の世界では生きていけない。二人とも知らぬ仲で
はないのだから、またとない縁談だと思うが、と言う。
 黒谷は嬉しそうにニヤニヤする。
 米子は手に持っていた布を引き裂く。


 光恵が、ベルコッティー社との提携話がだめになり、落ち込んでい
る民子を慰めている。民子なら、また近いうち、いい話が舞い込んで
くるだろう、と。

 そこに米子が初めてやってくる。外へ出た用のついでに、民子の外
の世界をのぞいてみたくて、と言う。

 民子は米子に宝石を勧める。
 とまどう米子に、誕生月を聞く。そして9月と聞き、サファイアの
イヤリングを着ける。
 9月の誕生石・サファイアは、慈愛と誠実、純血の象徴とされてい
る。

 「こんなの初めて」と米子。「あなたがデザインしたの?」と聞き、
「いいわね、そういう才能があるって」と言う。
 「好きだったから、子供の時から」と民子。
 「25年よ、鬼頭の家に入ってから.....わたし、結婚するの」と
米子。
 「じゃあ、あのお屋敷、出るの?」と民子。
 「お屋敷には住み続けるわ、しばらくは。でも、旦那様の寝室には
入れていただけなくなるわ」と米子。
 「お相手は?」と民子。
 「いい方よ.....だから次からは旦那様のお世話は頼みますわ、お
食事もたべさせてあげて」と米子。
 民子は米子に、そのイヤリングを差し上げる、結婚祝いにと言う。
 礼を言う米子。


 民子が鬼頭に食事を食べさせる。そして先日のことを謝る。
 鬼頭は自分に任せておけば、全部うまくいくものを。一世一代の提
携話だったのだろう、と言う。
 民子は、もうあの話はどうでもよくなった。もう忘れた、と言う。

 途中で鬼頭が食べ物を戻し、民子は慌てて吐瀉物を袂で受ける。
 大声で人を呼ぶ民子。

 医者が来て、鬼頭に注射を打つ。鬼頭の枕元には、長襦袢姿の民子
と、きちんと着物を着た米子が座り、次の間に黒谷。
 そこに秦野が駆けつける。
 医者は秦野に、鬼頭は毒物を食べさせられたようだと言う。

 黒谷が鬼頭に食べさせたのは米子だと、指さす。


寸  評  小滝に取締役を降りられ、鬼頭に頼れと言う間宮を捨てて。民子
はどこへいくのでしょうか。
 結局鬼頭を頼るしかないように見えます。鬼頭は、民子の反逆を何
とも責めていません。
 でも、鬼頭を毒殺しようとした疑いを掛けられ、これから民子はど
うするのでしょう。仕組んだのはやはり米子でしょうか。

 小滝が民子を突き放したのは、本当に民子が好きだったからでしょ
うか?それとも、民子は駒として使っただけ?
 本当に小滝が言うように、民子主導で運命が動いていくようになる
のでしょうか?
 今までの方が、民子は自由で、これから、鬼頭にますます絡められ
ていくような気がしますが。

 ところで、民子の回りが演技者揃いになると、米倉の下手さが際だ
ってしまいます。他の人は、職業人としての役者ですが、米倉だけ、
学芸会風になってしまっていて。怒るところとか、ふっきれていなく
て、照れているのが気になります。

 また、米子は41歳になるといい、鬼頭家に来てから25年。とい
うことは、16歳の時に来たのですね.....その時から鬼頭と関係
が!?おぞましい。

執 筆 者 鈴木(drama_sumire@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 友達に、ドラマを見て、よく泣くという人がいます。
 ちょっと古くなりますが、たとえば電車男の最初の屋上で一人、自分の誕生
日のケーキを泣きながら見る場面で、大泣きしてしまった、というのです。
 でも、わたしには泣けませんでした。実は、登場人物に先に泣かれてしまう
と、わたし自身の感情がひいてしまうのです。
 逆に、これから悲劇が訪れようとしているのに、つかの間の幸せに浸ってい
るところ等を見ると、涙がこぼれてしまうのです。たとえば、「チャングムの
誓い」で、元サングンの療養先に派遣されたチャングムが、夕方の海岸でチョ
ンホ様と戯れている場面です。

 最近のドラマは、登場人物がよく泣いてしまいます。先を越されて、泣くに
泣けず、ちょっと虚しい気持ちを抱えることが時々あります。
 ああ、たまには泣けるドラマを見たい!(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
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