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タイトル:Daily Drama Express 2006/02/15 相棒 (17)  2006/02/22


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2006/02/15 (Wed) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.水曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 水曜日の連続ドラマ
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タイトル 相棒
局  名 テレビ朝日
放映日時 水曜21時
キャスト 杉下右京(水谷豊)
 亀山薫 (寺脇康文)
 小野田公顕(岸部一徳)
 宮部たまき(高樹沙耶)
 奥寺美和子(鈴木砂羽)
脚  本 輿水泰弘ほか
主題歌  「」

あらすじ シーズンIV 第17話「告発の行方」  

 ビルからの転落と思われる男性の死体がある。捜査一課が男性の部
屋を調べている。壁は壁紙が所々ボコボコと剥がれている。机の上は
引っかき傷がある。

 鑑識の米沢守(六角精児)によると部屋中の指紋が拭き取られてい
る。男性の名前はルポライター・堂島丈一(長谷川公彦)。最近では
「週刊キリン芸能」という週刊誌に記事を載せている。堂島の部屋に
はジャーナリスト大賞最優秀賞のトロフィーもあった。トロフィーで
頭部を何者かに殴られ、その後窓から転落したのか?

 特命係。亀山薫(寺脇康文)は堂島の記事を読んでいる。杉下右京
(水谷豊)によると気骨のあるルポライターだったそうだが、現在は
アイドルのゴジップなども書いている。角田六郎(山西惇)が入って
来て堂島の死に興味を示す。堂島は暴力団絡みの記事も書いており、
その記事を書いたせいで死んだのか?

 創起出版社ビルから出て来た捜査一課の3人と右京と薫は鉢合わせ
する。三浦信輔(大谷亮介)は右京らが勝手に捜査しないように事件
について聞くべきことはすべて自分たちが聞いたと牽制する。

 編集長・栗又幸治(松重豊)は先程捜査一課にすべて話したと右京
らを迷惑顔で迎える。右京は最後に堂島が書いた記事「国土交通大臣
・古賀由起生(石山輝夫)の半生を褒めたたえただけで堂島独自の鋭
い視点がないことを不思議に思うと伝え、記事の決定はどうやってな
されているのかを問う。

 栗又は編集会議で決定するが、決まらない場合は編集長の裁量で決
めると答える。

 「花の里」。薫は堂島の記事のコピーを読み、右京は堂島の著書
「血税の墓場」(箱物行政の無駄を批判し賞を取った)を読んでいる。
右京によると堂島は社会問題を的確に批判していた。宮部たまき(高
樹沙耶)は帝都新聞記者・奥寺美和子(鈴木砂羽)も堂島を褒めてい
たと話す。

 右京は骨太な記事を書いていた堂島が大臣をただ褒めただけの記事
を載せることに対する疑念が消えない。ゴシップを書いている時でさ
え鋭い視点があった堂島なのに、今回の記事は大臣のHPを見ればわか
るような内容で本当にインタビューしたのかさえ怪しい。

 古賀大臣の部屋。大臣は堂島のことを良く覚えていないようで、昨
日の記憶さえ曖昧。秘書・赤枝文和(羽場裕一)からもう一度後援会
長のアドレスを書いたメモを貰い、なくさないように机の上のボード
に貼り付ける。

 昼食を食べる赤枝から二人は話を聞く。赤枝はインタビューには自
分が答えたと話す。大臣の地元は四国の南山市でドームがある。

 堂島がインタビューを行った居酒屋を訪ねる。店長から赤枝が来た
時の様子を聞く。店長は堂島が死んだ一昨日に、堂島と栗又編集長が
喧嘩になり仲裁に入ったと話す。堂島は「約束が違うだろう」と言っ
て揉めていた。

 編集部。栗又は堂島と揉めていた事実を否認する。堂島と別れた後
は編集部で原松美(富樫真)と共に残業したとアリバイを説明する。

 出版社の屋上。右京と薫は松美から話を聞く。右京は堂島の原稿を
編集長が差し替えたのではないかと思っている。右京は真実は闇に葬
ろうとも白日の元にさらされると話す。

 松美は堂島が社会性の強いネタが売れないため自分が思うことが書
けないことで悩んでおり、嘆くあまり自室の壁を傷だらけにしていた
と話す。堂島は才能があって強い人だったが本当はとても弱い人と言
って立ち去る。

 堂島の部屋。精神的に追い詰められていたようで壁は傷だらけ、机
にはボールペンでの引っかき傷がある。机の上の傷には一部血痕がつ
いている。堂島は原稿を手書きしていたのかパソコンがない。

 差し替えられた原稿には何が書かれていたのだろうか?差し替えら
れなければならず、殺されなければならなかった内容とは?右京は捜
査二課にも探りを入れる。

 右京と薫は会議室に呼ばれる。刑務部監察官・大河内春樹(神保悟
志)、内村 警視長(片桐竜次)、中園警視正(小野了)らがおり、
捜査二課で二人が得た情報について聞かれる。

 古賀大臣は以前地元である南山市にプロ野球の誘致を計画したが失
敗。ドーム球場を作り第三セクターで経営したが今年500億の負債を
抱えて倒産。100億の税金を投入することが決まり、南山市の住民税
は値上げすることになった。古賀大臣はドーム建設の見返りとして地
元企業から2億円の闇献金を受けていた。この時期に古賀大臣が逮捕
されては大変なので、警視庁では自主規制をとって公にするのを控え
ている。

 薫は自主規制していることにより、殺人事件に発展しているかもし
れないと堂島の死と古賀大臣との関係をほのめかすが、証拠となる堂
島の記事はない。

 右京と薫は「自分たちの足元を心配しろ」と上から圧力をかけられ
る。

 特命係。右京と薫は圧力に屈することなく原稿探しを始める。

 堂島と仕事をしたことのある写真家から堂島が手書きをしていたと
いう証言を得る。

 堂島の原稿をパソコンに打ち出している編集者に尋ねると最後の古
賀大臣の記事のみデーターで来たので打ち出していないという。

 編集部。編集長は別の人間が書いた記事と差し替えたことを認める。
理由は面白くなかったから。

 松美が右京と薫を呼び止める。編集長は記事を自主規制だと言って
差し替えた。事が明るみになれば、古賀大臣、建設会社などからクレ
ームが殺到することを怖れた。右京は追求する側が揺るぎない信念を
持っていればクレームなどはねのけられる。マスコミが規制する方向
にまわってはいけないと編集長のやり方を非難する。

 堂島は今回の仕事に再起をかけており差し替え記事が載ったことは
どんなにか無念であっただろう。松美は記事を読んでほしいと二人に
堂島の原稿を渡す。内容は闇献金を告発する内容。

 国会議事堂前。二人は赤枝を呼び止め車の中で堂島の原稿を見せる。
インタビューは差し替えられていた。やがて車は堂島のマンションに
着く。雑誌発売日に堂島の部屋に来たのは赤枝ではないかと言うと、
赤枝は一度も部屋に来たことはないと言う。

 3人は堂島の部屋に入る。右京が大臣から借りた後援会長のメール
アドレスを書いたメモ用紙を見せる。それは赤枝が書いた物。薫はメ
モ用紙を取り出し、机の上の引っ掻き傷を鉛筆で浮き出させる。

 右京の持つメモと薫のメモを照合すると机の傷跡が一致する。一昨
日後援会長から連絡を受けた赤枝が堂島の部屋にいた決定的な証拠だ。
 赤枝が語り始める。大臣が賄賂を貰ったという不様な形で逮捕され
ることに耐えられず、自分で告発しようと思った。大臣が逮捕される
のは時間の問題、警察が逮捕する前に自分で告発したかった。

 堂島が記事に命をかけていたので彼のインタビューを受けた。だが
発売日には記事は差し替えられていた。抗議するため堂島の部屋を訪
ねたが、堂島はかなり酔っていた。最初は謝っていたが、差し替えら
れたのは自分のせいではないと言った。

 赤枝は部屋にあったジャーナリスト大賞のトロフィーを見て、それ
でもジャーナリストかとなじり、揉み合いになった。堂島に首を絞め
らた赤枝はトロフィーで堂島を殴った。

 堂島は床に倒れ反応がない。赤枝の携帯電話がなり相手は後援会長
から。赤枝は動転しながらも会長のメールアドレスを机の上で書きと
める。

 なぜすぐに自首をしなかったのか?の問いには、人を殺したことが
怖くてできなかったと答える。

 右京は告発は裁判の場でもできると教える。一度は命がけで告発し
ようとした赤枝、「あなたにもう一度その勇気はありますか」と問う。
赤枝は二人から堂島の原稿を譲り受ける。

 右京は赤枝に「あなたはこれから傷害容疑で逮捕されます」と意外
なことを言う。堂島の死は事故もしくは自殺によるもの。机の上の血
痕がそれを証明している。
 赤枝が机でメモを取った後、血痕が付着した。堂島が倒れる前につ
いていたなら、赤枝のメモにも血がつくはず。

 右京の推察。赤枝が逃げた後、堂島は意識を取り戻した。堂島はか
つてのような記事が書けないこと、再起をかけて取組んだのに差し替
えられたこと、赤枝の信頼を裏切ったこと、命がけで取組んだ結果が
報われなかったことを悲観して自殺した。

 編集部。右京と薫が編集長に堂島の原稿のコピーを見せる。二人は
堂島を自殺に追いやった編集長を責める。編集長は堂島の記事が面白
くなかったと自分の否を認めないばかりか、ライターが殺されたとし
ても編集長である自分には責任はないと言う。
 右京は法的には責任はない、ただジャーナリストではないだけと批
判して帰る。

 帰り際、右京は古賀大臣の秘書が逮捕されたことを教え、今書けば
スクープとなると言う。それを聞いた編集長は、原稿を返せと迫る。
薫はしぶしぶ原稿を返す。

 二人が帰った後、編集長は松美に原稿の入力を頼む。松美は編集長
の顔に雑誌を投げつけ、原稿を受け取る。原稿は明後日発売のトップ
記事になる。

 発売日。堂島の遺稿「四国ドームの闇」の記事が載った雑誌が発売
される。雑誌を手にした薫は右京に「良かったんですよね」と尋ねる。
右京は「良かったんです」と答える。


寸  評  このドラマは、現実社会と不思議とリンクしている所が面白いで
す。「殺人ヒーター」の回の後ではある会社の暖房機の欠陥が明らか
になりました。
 「相棒」を長く見続けていた成果でしょうか、ドラマを見終わって
から、櫻井武晴の脚本かどうかはわかるようになりました。今回も櫻
井作品です。警察の組織絡みの隠蔽や時効問題を指摘しています。
 今回も13話に出ていた刑務部監察官・大河内春樹(神保悟志)が
登場しました。神保悟志を最初に認知したのは「29歳のクリスマス」
で山口智子の元恋人役、そして結婚式で仲村トオルに殴られるという
冴えない役でした。現在では昼ドラマに欠かせない存在ですね。
 ドラマ中の国民は消費税が上がることには大騒ぎしても、住民税や
公共料金が上がることには無頓着というのは耳が痛いです。確かにそ
の通りなんです。初めからどうしようもないとあきらめているせいか
もしれません。でも、一体何ができるのでしょう。選挙にこまめに出
かけるしかないんでしょうか。

執 筆 者 たま()

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2. 編集後記
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 ベストセラーになっている「国家の品格」(藤原正彦著 新潮新書)を読み
ました。戦後日本人が欧米化することに気を取られ、失ってしまった日本人と
しての心を取り戻そうという本です。惻隠の情についても触れていますが、弱
い者にいたわりの心を持ったり弱い者いじめをしたりしないことなど、子ども
にも伝えていきたいと思いました。でも、惻隠の情って死語にならないように、
使い続けたいです。言葉は使い続けていないと消えてしまいますから。(たま)

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発行元:ドラマ研究会
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