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タイトル:Daily Drama Express 2006/02/08 神はサイコロを振らない (4)  2006/02/13


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2006/02/08 (Wed) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.水曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 水曜日の連続ドラマ
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タイトル 神はサイコロを振らない
局  名 日本テレビ系
放映日時 水曜22時
キャスト 黛ヤス子(小林聡美)
 竹林亜紀(ともさかりえ)
 木内哲也(山本太郎)
 黛菊介 (武田真治)
 大屋本部長(岸部一徳)
 加藤久彦(大杉漣)
 坂倉将 (升毅)
 後藤瑠璃子(鳴海璃子)
 浜砂柚子(市川実和子)
 甲斐陽介(尾美としのり)
 甲斐航星(中村友也)
 黒木亮 (小清水一輝)
 浜砂桃子(佐々木麻緒)
 中武昇子(明星真由美)
 浜砂藤吉(片桐仁)
 日向啓太(丸山智己)
 霧島藍 (矢沢心)
 神蔵竜蔵(ベンガル)
 神蔵英子(大川栄子)
 早川真澄[機長](石橋祐)
 後藤杏子(高橋惠子)
 神蔵弘美(通山景織子)

原  作 大石英司
脚  本 水橋文美江
主題歌  『』

あらすじ  the 4th day「10年前の夢を今も覚えてますか?」

 −東洋航空402便が再び姿を現した4日目。

 自分の家に泊まった亜紀(ともさかりえ)の寝姿を見てヤス子(小
林聡美)は考え込んでいた。10年前に死んだと思われていた人間が今
こうして生きている、しかも10年前の姿で。何度考えてもしっくりこ
ない。亜紀の頬を軽くつねったり、足の指をつまんだりしてみても今
ひとつ実感がわかない。

 そんなヤス子のところに哲也(山本太郎)がやってくる。哲也は菊
介(武田真治)が例の402便のサイトを作っていたことに腹を立てて
いた。おまけに昔は音大に通ってピアニストを目指していたのに、今
は家でぶらぶらしているだけということも拍車をかけていた。

 かと思えば、哲也は「すまん、あれは俺が悪かった」と言い出す。
ヤス子がポカンとしていると、哲也は10年前ケンカ別れしたことを謝
りだした。「お前にとっては10年前のことだけど、俺にとってはつい
この間のことだったんだ。あのころ俺たち夢を語り合ったよな」と哲
也は真剣な顔で続ける。しかしヤス子は10年前のことだけにピンと来
ず戸惑いを隠せない。

 そこへ坂倉課長(升毅)から電話が入る。坂倉は「今朝の新聞見て
ないのか!こっちは大わらわだ。お前も早くホテルに向かって乗客の
ケアに当たれ!」と怒鳴る。

 −1996年。アトランタ五輪で有森選手が銅メダルをとり、たまごっ
ちが大ヒット。百武彗星が地球に最接近した。東洋航空402便の乗客
たちは時間が止まったまま2006年を生きている、限られた時間かもし
れない中で。

 出勤途中の道で、ヤス子は哲也が10年前のケンカを昨日のことのよ
うに考えていることにどうすればよいのか考え込んでいた。

 −10年前の夢を今も覚えてますか?

 ヤス子はホテルにやってくる。すると新聞片手に血相を変えた柚子
(市川実和子)が「また消えるって本当ですか?」と走ってくる。柚
子は昇子(明星真由美)に負い目を感じていた。あの日柚子も402便
に乗る予定だったが、寝坊して乗りそこねた。柚子は助かって内心ホ
ッとした自分に苦しんでいて、残された日々でどうすればいいのか動
揺していた。

 ヤス子は乗客を集めて状況を説明し、何でもするから言ってくださ
いと伝える。すると竜蔵(ベンガル)は「私は娘の結婚式に出たかっ
た。それにあと半年で定年だった。最後の生徒たちを卒業させてやめ
たかった。返してください、私の時間を。何でもするんでしょ!」と
苛立ちをぶつけてくる。ヤス子はその言葉の重さに何も言えなくなる。

 菊介は、哲也と亜紀に402便のサイトのことについてやりすぎだっ
たと謝っていた。亜紀は「本当の理由はなんなの?」と聞く。

 402便のことについて、ヤス子は菊介に話さず抱え込んでいた。菊
介は唯一の親友と恋人を一度に失って自分の殻に閉じこもってしまっ
たと感じていた。そしてヤス子にもう一度アクティブになって欲しい
という気持ちから402便について調べ始めたのだという。そして、恋
人の哲也に「姉ちゃんのことお願いします」と頭を下げる。

 大屋本部長(岸部一徳)は、事故支援対策室に加藤教授(大杉漣)
を招き、402便の資料を自由に使わせる代わりに乗員乗客が再び消え
る記事を撤回するように求め、加藤教授は「知的好奇心から」という
口実をつけてそれを受け入れた。

 甲斐(尾美としのり)は「いや、事件についてすべて包み隠さず出
すべきなんです」と反論する。そもそも新聞記事が載ったのは、甲斐
が航星の写真のネガと引き換えにマスコミに加藤教授の学説を公表す
るように求めたからだという。

 ヤス子は、加藤教授が消える説を出したかと思えば、すぐ引っ込め
るといった態度に「乗客の気持ちを何だと思っているのか」と一喝す
る。その迫力に押された加藤教授は呆然としてしまう。

 ヤス子は神蔵夫妻にアパートを斡旋し、「あの私に何でもぶつけて
ください。私はそのためにいるのですから」と申し出る。

 杏子(高橋惠子)からヤス子に電話が入る。杏子は乗客が再び消え
ることを知りコンサートを早めたいのだという。杏子はバタバタして
いる状況にイラついている様子だったが、「私、あの子のピアノがも
う一度聞きたい」とヤス子に訴える。

 −2006年。この10年日本はどう変わったっけ。実質ゼロ成長、金融
破綻、ゼロ金利政策、量的緩和、少子高齢化……

 ヤス子は瑠璃子(鳴海璃子)を東京見物に連れ出す。そしてしゃべ
っているうちに菊介が音大生だったことを話す。それを聞いた瑠璃子
は「すごい、会いたいです!」と目を輝かせるので、自宅に連れて行
く。

 瑠璃子はヤス子の家のグランドピアノを嬉しそうに見るので、ヤス
子は「今は使ってないんだけど」とばつが悪そうに答える。すると菊
介が「使ってるよ」と口を挟む。ヤス子は「本当。いやぁ、姉ちゃん
全然知らなかったよ」と驚き戸惑いながら、菊介がピアノを諦めてな
かったことを嬉しく思う。

 しかし菊介は「まっ、いろいろ物を置いたり、よっかかったりとか、
それなりに使ってる」とさらりと付け加えたのでヤス子をがっかりさ
せる。

 ヤス子は「ご、ごめんね。こいつは夢とかにまっすぐすすむやつじ
ゃないから」と瑠璃子に謝りながら非難の目を菊介に向ける。

 すると菊介は「だったら姉ちゃんには夢があんのかよ」と言い返す。
ヤス子は一瞬答えに詰まり「ほ、ほらカーテンの色を薄紫に変えたり
とか、10年前の養老年金が満期になるぞ」といったことしか言えない。

 菊介は「姉ちゃんだって夢を諦めて、会社と家の往復の日々じゃな
いか。僕だけじゃありません。時代、今まさにそういう時代なんです」
と揚げ足をとる。

 ヤス子は思わず菊介を平手打ちし「自分の思い通りにならないこと
を時代のせいにすんじゃないよ」と怒る。402便の乗客たちの境遇を
考えたことがあるのか、夢もって生きたくてもできない人たちがいる
ことを……。

 菊介は、反省したように頷くが、いきなりヤス子を平手打ちしかえ
す。亜紀は「えっ、何で?」とびっくりするが、菊介は「わかんない」
としか言わない。聞いたヤス子はまた菊介を平手打ちする。菊介もま
たヤス子を平手打ちし、互いに何度も何度も平手打ちを繰り返す。ヤ
ス子も菊介も自分たちが夢を失ったふがいない自分を騙しながら生き
ていることにやりきれない思いがあった。

 哲也は花束を持って事故支援対策室にヤス子を訪ねてくる。すると
加藤教授は「何、恋人?大変興味深い。あのバカ女のどこがいいかま
とめてくれ」と用紙を差し出す。

 ヤス子は瑠璃子をホテルに送り返し「ごめんね、姉弟げんかなんて
見せちゃって」と謝る。しかし瑠璃子は「私もあんなふうにお母さん
とやりあいたかった」と答える。ヤス子は「お母様がコンサートを早
めたいと言ってました。嫌なら断りの連絡を入れますけど、夢だった
んでしょお母さんとコンサートを開くの」と伝える。瑠璃子は俯いて
考え込み部屋に入ってしまう。

 用紙に「ぜんぶ」と大書した文字を見て加藤教授は「これが高学歴
高収入のパイロットの記述か?」と文句をつける。しかし哲也は「そ
うといしか言いようがない。一緒にいるだけで楽しかったんです」と
しんみりと答え、部屋を出て行く。甲斐が「教授は人の心理に興味は
ないのでは?」と尋ねると、加藤教授は「黛ヤス子は特別だ。気にな
る」とボーっとしたような口調で言う。

 ヤス子がホテルに戻ってくると、哲也が待っていた。哲也は「誕生
日じゃないけど、お誕生日おめでとう」と花束を差し出す。哲也とヤ
ス子が10年前ケンカしたのは、哲也がヤス子の誕生日を忘れてしまっ
たからだった。そのことを哲也は気にしていた。

 そして、「俺の夢、居酒屋けろたんで言いたかったのは、お前を嫁
さんにすることだ」と告白し、指輪を見せる。

 ヤス子は動揺を押さえながら「黒木亮くんをお母さんと引き合わせ
ないといけないから」と慌ててその場を立ち去る。哲也は「待ってる
から」と声をかけるが、ヤス子は複雑な思いでいっぱいだった。

 亮(小清水一輝)に再会した母親は、涙を浮かべて亮を抱きしめる。
その様子を背後で見ていたヤス子は心温まる思いだが、改めて10年の
空白の重みを感じる。

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 止まった時計の針を動かすのは神様ではない。私は2006年に生きて
いる、あの人は1996年の私を見ている。あの人は10年前の私を見てい
る、時計の針はまだ動いていない……
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 哲也のところに戻ると、ヤス子は「居酒屋けろたんはつぶれたんだ
よ。1996年の私もね。ずっと後悔してた、誕生日すっぽかしたくらい
でケンカしたこと」と哲也に話す。哲也は「俺は、お前のそういうと
ころが」と答えるが、ヤス子は「だからそういう私はもういないの。
あなたと過ごした時間はすごく楽しかった。
 私にとってはすごく楽しかった思い出なの。ごめん、ごめんなさい」
と頭を下げる。

 哲也は「お前言ったろ、強くてしっかりした女性になりたい、正直
に生きたいって。俺10年前のお前の夢覚えてるから謝るなよ、バカ」
と微笑みながら言って去っていく。

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 私は今を生きている。私は今を生きているのだ……
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 10年前、哲也との楽しい日々を思い返したヤス子は目に涙をため、
去っていく哲也の後姿を切ない思いで見つめる。


寸  評  私は今を生きているのだ、というヤス子の心の叫びが痛切に感じ
られました。
 恋人(哲也)が10年前と同じだと言ってくれたとしても、10年前に
戻ることはできないことを返って感じるだけ。もう一度10年前に戻っ
て最初から始めるというのはつらさだけを積み重ねるだけなのかもし
れません。10年前に戻れないなら、どうすれば哲也とうまく関わりあ
えるだろうと考えてしまいます。時間もあと6日しかないですし、ゆ
っくり考えることもできない状況で、どれだけのことが考えられ、で
きるのか見守りたいです。

執 筆 者 ケン()

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2. 編集後記
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 宇宙に関する本を読んでいます。我々がどれくらいさかのぼって宇宙の姿を
見られるかというと、現在はビッグバンから40万年後の宇宙だそうです。これ
は光がとらえられる最も遠い過去のようです。さらにニュートリノを使えばビ
ッグバンから1秒後の姿が見られるそうです。そういえば数年前田中耕平さん
と一緒にノーベル賞を受賞した小柴昌俊教授がニュートリノの研究をしている
のを思い出しました。(ケン)

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発行元:ドラマ研究会
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