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タイトル:Daily Drama Express 2005/11/13 トリック -special-  2006/01/12


===================================================== 発行部数   25 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2005/11/13 (Sun) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル トリック
局  名 テレビ朝日系
放映日時 木曜21時
キャスト 山田奈緒子(仲間由紀恵)
          上田次郎(阿部寛)
          矢部謙三(生瀬勝久)
          山田里見(野際陽子)
脚  本 蒔田光治ほか

あらすじ  −− アイザック・ニュートンは、万有引力の発見者として知ら
れる偉大な物理学者であったが、また熱心な占星術の研究者としても
有名であった。
    古来より占星術師達は、時の権力者を動かし、現代のアメリ
カや日本でも、政治家やIT企業家も、重要な決断を占星術師にゆだ
ねてきた。
    占星術に科学的な根拠はあるのか?否定する証拠は今のとこ
ろまだない。


 緊急特番 毎度!スクランブル スペシャル
 司会のテリーいたう(テリー伊藤)と、パレオ・れいこ。
 ゲストは驚異の的中率を誇る占い師・緑川祥子(名取裕子)。
 それを検証する科学者達は、
三田日吉大学教授・福澤慶(大和田伸也)
今出川大学教授・新島同志(本田博太郎)
高田馬場所沢大学教授・大隈早大(小木茂光)
日本科学技術大学教授・上田次郎(阿部寛)

 上田は、占いに頼るよりも、自分の本を読むようにとコメント。

 福澤は占いに科学的根拠はない。特に祥子には、と決めつける。

 祥子は人の運命は宇宙が決めている。それを計算する為の運命演算
術を自分は確立したと反論。水鏡で宇宙の波動を捉え、運命計算尺で
最終的な答えを導き出す、極めて科学的なものと。

 新島は、占いは所詮運が向いてきたとか来ないとか言うだけで、ど
うとでも解釈できるとコメント。

 祥子は、公表していないが、その人がいつ、どこで、どうして死ぬ
のか精確に導き出せると反論。でも、それは特別な場合のみ占う。な
ぜなら、いつ死ぬのかわかっては、社会が大パニックになるから、と
付け足す。

 ざわめく会場。
 その時、観覧席の一人の年輩の男性が立ち上がり、マイクをつかむ
と、「インチキだ!オレの親戚は、運命暗黒年から抜け出す為に水晶
やら墓石やら浄水器やら.....いろいろ買わされた」と怒鳴る。

 祥子は、自分の名前を利用して商売しようとした人にダマされたの
ではないですか?と落ち着いている。
 男性は、怒りの余り、祥子に飛びかかろうとして、スタッフが必死
に止める。
 テリーいたうはCMに切り替えさせる。

 男性は、自分の死ぬ日を占ってくれ!当たったら信じようと言う。

 当たった時には死んでいる(「北斗の拳」のケンシロー?)と上田
がコメントしても意に介さない。

 祥子は「いいでしょう」と言うと、男性の名前と生年月日を聞く。

 加藤けんじ。1960年10月20日生まれ。鼻の下の長さも祥子
は伸ばさせて、弟子に計らせる。
 また、「モウ!!」と大きな声で叫ばせる。
 右手を頭の後ろに回して左の耳たぶを持ち、大きく口を開いて揺ら
せる。
 「そして何か一言」と祥子。
 「チョ」と加藤。

 メモした紙にグラフを書くと、運命計算尺ではかり、「うらーない
で、おもーてなす」と声を上げ、手を胸の前で交差させる。

 「あなたは間もなく心臓麻痺でお亡くなりになるはず。この番組が
終わる前に」と祥子。
 「あんた、この男に何かしようってんじゃないな」と福澤。
 「いえ、わたしは何もしませんわ」と祥子。「心配でしたら、その
方にカメラ、ずっと向けといたらいいじゃ、ありませんか」と続ける。
 早速、5カメが加藤に向けられる。

 「感心しないな、こういう悪ふざけ」と新島。
 「悪ふざけじゃありません。皆さんがどう思おうと、運命は変えら
れないと言うことです」と祥子。


 浅草花やしき。
 −− わたしの名前は山田奈緒子(仲間由起恵)。今をときめく超
実力派マジシャン。亡き父・山田剛三は、日本を代表居る偉大なマジ
シャンだった。そんな父の影響を幼い時から受けて育った。だからそ
の辺にいる人気先行型のマジシャンとはわけが違う。
     今日もワールドツアーを終えて、いつものステージに立てば、
席はホラ、この通り。

 たった一人の観客。


 奈緒子の母・里美(野際陽子)は、長野で書道教室を開いているが、
里美の書く文字には不思議な力があり、最近また、新しい商売を始め
た。
 それは、「女の子が欲しい」、「男の子が授かりたい」という願い
を叶えるお札。1枚1万円。
 「男女産み分けお札」
 万一外れた時は、5000円足して、都合1万5000円返す良心
的なお札と言う。


 これが大ヒットし、全国から依頼があり大もうけ。でも、その金運
が奈緒子に回ってきたことが泣く、奈緒子は敢えなくくびとなる。ラ
スベガスの大ステージは遠のくばかり。


 奈緒子は商店街で、「緊急特番 毎度!スクランブル スペシャル」
の番組を見る。番組の終了まであと3分。奈緒子は上田が出ているの
を知る。
 エンディングの音楽が鳴り始めた頃、加藤が胸を押さえて苦しがり、
よろよろと祥子の方に近づくと、床に倒れる。
 「おわかりでしょ。運命は変えられないのです」と祥子。


 奈緒子はそっとアパートに入ろうとするが、占いの道具を入れたト ランクと靴を落として叫ぶ。

 奈緒子がハムスターと亀に声を掛けていると、上田から電話。たま
には旨いものを食わせてやる、と。
 「緑川祥子と対決しろと言うなら、断るぞ」と奈緒子。

 上田は、祥子の家へ行って対決することになったという。
 奈緒子は自業自得だと断る。
 そこに大家さんとさっき里美に「男の子」のお札を貰った夫婦が入
ってくる。部屋にいる奈緒子は、サンプルで置いてあるだけだと言っ
て、奈緒子の部屋を貸すと、大家。

 奈緒子はたたき出される。家賃を払わないなら、よそへ言ってくれ、
とたたき出され、もう別の人が入居している。


 奈緒子は上田の愛車に乗せられ、緑川祥子記念館へやってくる。

 上田が、「頼もう!」と叫ぶと、大柴(西村雅彦)が出てきて、向
こうの部屋で占いの順を待つよう言う。

 その時、祥子が外出から戻ってきて、上田は自分のインチキを暴く
為に来たのよ、と言う。
 福澤、新島、大隈も来ている。

 上田は奈緒子のことを聞かれ、「99番目の助手です」と紹介。
「つくもはじめか」と内心突っ込む奈緒子。
 福澤は、あの時ずっと加藤を撮っていたビデオを借りてきたという。

 そこに祥子が入ってきて、信者一人一人の体に触り、言葉を掛ける。

 祥子は壇に上ると、「わたしたちのモットーは、うらーないでおも
ーてなし」と抑揚を付けて言う。
 「うまい!」と奈緒子。
 「のせられるな」と上田。

 祥子は、今日の趣旨は、先生方に検証して貰うことで、自分の正し
さをわかってもらうこと。こんな不便なところに館を立てたのはここ
が最も宇宙の波動を見知しやすいから、と水の入った盃に手をかざす
と、たちまち波立つ水面。

 祥子は112番を前に呼ぶ。
 彼女は若いが、すでに暗黒厄年に入っている。暗黒厄年には何をや
ってもダメと祥子。

 そして大柴に白いカードを何枚も持ってこさせ、1枚に『災』と書
いて、112番の女性に引かせる。

 彼女はその『災』の一枚を引いてしまう。

 暗黒厄年を逃れる方法は無いのかと悲痛な叫び声を上げる彼女。

 祥子は逃れることは出来ないが、軽くすることはできる。その方法
については大柴とよく相談するように、と言う。大切なのは、金を惜
しまぬこと、と。

 奈緒子は上田に、あれはインチキマジックだと囁く。

 祥子は自分にはすべて聞こえると言う。
 上田が反論しようとすると祥子は、封筒を4枚取りだし、上田達
4人それぞれの死ぬ日が書かれている。これを上田に預けると言う。
 そしてわざわざ4人の先生方に来て頂いたのだから、と言う。

 暗黒厄年。二日後午前11時までに命を落とす。

 火、水、土、空気。古代ギリシャのたーレスが、宇宙構成の元素と
した。

 祥子は新島に箱を引かせる。

 箱の中には、『水』の文字。
 祥子は箱の中の黒い封筒を開けさせる。
 『あなたは「水」を選ぶ』と書かれている。

 「運命は先生がお札を選ぶずっと前から、決まっていたのです」と
祥子。

 奈緒子が、「ただの手品です」と言う。祥子はあらかじめ方々に封
筒を隠しておいた。例えば花瓶の下とか、盃の下とか.....一つには、
『火を選ぶ』、一つには『土を選ぶ』.....と。当たった一つだけ出
せばいい。
 「面白いことをいますね」と祥子。
 「とぼけるなら、わたしにこの部屋を捜させて下さい」と奈緒子。

 大柴が、「やめなさい!」と叫ぶ。ここには宇宙の波動を感じるた
めの様々な装置があるから、と。
 「だと思った」と奈緒子。

 祥子はどう思おうと自由。でも、これから次々と恐ろしいことが起
きると言う。

 大柴が壇上で、12:30から昼食。『宇宙定食』お一人様
2500円(税別)と言う。他にもいろいろなカップラーメンがある。


 一室に集まる。
 福澤が自分も奈緒子の言ったことは分かっていたが、祥子がもっと
もっとボロを出すまで、待っていたという。
 「ならお前ら、最初にやったカードトリック、説明できるのか?」
と奈緒子。
 福澤が、検証してやるという。

 奈緒子が証明。あらかじめ、全部のカードに『災』と書いてあり、
それを白いカードと軽くのり付けする。そして一枚だけに、『災』と
書く『ふり』をする。
 一枚(正確には一組)引いたら、その上の災と書いた方の一枚だけ
を見せる。だから、『災』と書かれていた。

 「なかなかやるな」と4人の教授達。
 「まるでお前のような奴ばかりだ」と奈緒子が上田に言う。
 「口を慎め」と上田。

 福澤が、封筒は二日後の午前11時まで生きていたら、その封筒を
みんなの前で開けて、思いっきり笑ってやろう、と言う。
 そしてみんなで加藤の件のビデオを見て検証。
 吹き矢説−−映っていないので却下。
 恐怖のあまりの心臓麻痺説−−ピッタリの時間に殺すことは出来な
い。

 上田がお札の件のように、自分が解き明かせてみせると言い、奈緒
子が「おい!」と怒る。

 呪いは本当かもしれないと弱気な大隈。
 奈緒子は、大隈は金平糖をずっと食べているけど、と聞くと、彼は
緊張すると甘いものが欲しくなるのだと上田。

 4通の封筒と共に上田の部屋に入る奈緒子。奈緒子は封筒を見てし
まおうと上田をそそのかす。
 自分の一存では.....と渋る上田に、上田のなら問題ないだろう、
と奈緒子。
 上田はなかなか見る決心が付かない。でも、横から奈緒子に取られ
そうになって開ける。

   『あなたはこの封筒を開けてしまう』

 「は.....」と気落ちする上田。
 「こんなことだろうと思いましたよ」と奈緒子。「こう書いておけ
ば、絶対当たるに決まっているじゃないですか」

 手紙には続きが書いてある。
   『*実は上田先生には、特別な封筒を用意してあります。後ほ
どお渡しします。  緑川祥子』

 笑い出す上田。「こんなことだろうと思った。特別な封筒なんてろ
くでもないんだ」と上田。
 「他の封筒も全部そうでしょうか?」と奈緒子。
 「結局予言なんてどこにも書いてないんだ」と上田。
 考え込んでいる奈緒子。
 そして、「上田、小さいぞ」と言う。


 大隈は金平糖をかじりながら、「もう帰る」と言う。
 福澤と新島は大隈に、「何ビビってるんだ。あの女のインチキをあ
ばいてやる。後20分で食事だ。遅れるな」と言う。

 昼食はスタッフも一緒に食べる。

 みんな目の前のお重のフタを開けると、脇で焼いている焼肉に突進。
1枚7500円税別。お重には海苔と佃煮で、「六十六」と描かれて
いる。
 「無重力か.....」とつぶやく上田。

 そういえば大隈が来ない。帰ってしまったのか?と言い合っている
と、
 「お亡くなりになりました」と祥子。

 大隈の部屋に急ぐ上田達。途中奈緒子は焼肉を1枚お金を払わず失
敬し、食べながら走る。

 大隈の部屋は空。
 首をひねりながら戻ってきた上田達に祥子は、上田に預けられた手
紙を読めばどこでどう死ぬかわかる、と言う。

   『ふるいけや
   かわず飛びこむ
   水の音』

 奈緒子が来る途中の崖の所に、『古池屋』があったと言い、みんな
で駆けていく。

 古池屋の脇には『橋爪功!?』
 いや、『功爪』橋。
 功爪橋がかかる川は、『川谷拓三!?』
 いや、「三拓谷」川。
 茶屋『鈴木庵』。

 みんなよれよれになりながらやっと古池屋に到着。傍らの水場には
蛙の置物。
 『かわず飛び込む水の音』とは、「何も買わずに川に飛び込んだっ
てことでしょうか?」と奈緒子。
 無視する上田達三人。

 店の脇のぬかるみはとても滑りやすい。
 そして崖下を見ると、大隈の墜落死体。
 じっと見つめる奈緒子に、「どうしたのか?」と上田。
 「何か足りないような」と奈緒子。


 秋葉原人(池田鉄洋)は、頭皮のマッサージ屋でパソコンを操作中。
 矢部(生瀬勝久)は頭にタオルを巻いたままマッサージして貰って
いる。

 上田から矢部に電話。
 矢部は殺人だと捜査しに行かなければならないので、事故の方があ
りがたいという。
 上田は、とにかく一度来てくれと言い、矢部は今手がけている『捜
査』が終わったら行くという。


 福澤は祥子に、今、上田に警察に電話して貰った。あれは殺人事件
だという。
 祥子は、あれは手紙に書いたように、事故という。

 絶対殺人だという福澤を、上田が止める。
 福澤と新島が、最後に大隈を見たのは、12時10分。それから
20分後には祥子達と昼食会。古池屋のところまでは走っても往復
30分。大隈が足を滑らせたと考えるのが妥当だと言う。

 どっちの味方なのだと問われて上田は、事実を客観的に述べただけ
と答える。

 運命は、あらかじめ決まっているのだ、と祥子。

 福澤は上田に、封筒をあけてみようと提案。そこに近づかなければ
いいのだから、と。

 新島への手紙は、『溺れる者はわらをも掴む』

 福澤への手紙は、『聖なる水が裁きを下す』

 「川柳か?」と言い出す奈緒子。
 「全部、水に関係しますね」と上田。
 「水に近づかなければいい」と新島。そして本部の建物にはどんな
仕掛けがしてあるかもしれぬので、バンガローに泊まるという。
 『水星』という名の建物は水に関するので、『火星』の方に泊まる
ことにし、今晩は外へ出ないと言う。

 バンガローの屋根に水をまく上田。奈緒子に屋内に水漏れの跡が無
いか調べさせる。どこも大丈夫。

 上田は、念には念を入れること。昔、タクラマカン砂漠を旅してい
て、百年に一度の大雨に遭った時も、ビニール合羽を持っていて、一
人だけ濡れなかったといばる。

 新島は、上田と奈緒子には、外で寝ずの番をして欲しい。外から誰
かが入ってくるかもしれないから、と言う。


 外にいて番をする上田と奈緒子。
 奈緒子はすっかり寝てしまう。


 新島は、こんなところで死んでたまるかと、柱の周りをぐるぐる回
る。すると肩に水滴。
 ロフトを見上げると、花瓶が倒れて、水が落ちている。
 花瓶を起こす新島。手を見ると埃で汚れている。

 洗面所で手を洗おうとして、コップを見るとストローが差してある。
 「まさか.....」
 でも、洗面所で溺れることもないだろう、と手を洗い、ついでに小
用も足す。


 上田は寝ている奈緒子を起こす。こんなところを襲われたら、どう
するのだ、と。
 「一人で戦えばいいじゃないですか」と奈緒子。
 でも、上田は奈緒子と話をしたがる。

 奈緒子は里美が始めたお札の商売の話をする。なかなか儲かってい
るらしい、と。

 上田は当然だと言う。男女の生まれる確率は、おおよそ半々。
10組の夫婦がいるとすると、全部に『女』というお札を渡して、当
たるのは5組。外れるのは5組。
 10組から計10万円貰い、15,000円×5組、すなわち75,000円返
しても、25,000円の儲け。50組で125,000円。
 当たった人はお札のおかげだとお礼の手紙を出し、まわりの人にも
当たると宣伝。
 当たらなかったとしても5,000円返ってくるのだから良心的だと思
い、まわりにもそう言う。

 奈緒子も帰ったらこの商売しよう、と言う。


 朝になり、バンガローを覗くが、新島はいない。
 おそるおそるバスルームを覗くと、新島が倒れている。バスタブに
は水。手にはストローを握っている。
 上田はあんなに水を怖がっていた新島が風呂に入ろうとするはずが
ないと言う。しかも、着衣のまま。
 占いが当たったのか?


 上田と奈緒子が本部に戻る。
 福澤は学者同士の話だと言うと、上田だけを呼ぶ。


 あの村の案内図間の前で、福澤は次は自分。こうなったらやられる
前にやらないと。いったい『裁き』とは何かと言う。
 でも、言い過ぎに気付き、先に戻る。


 上田は、地面に点々と金平糖が落ちているのに気づく。拾いながら
たどっていくと、草地を抜け、『幸夫』橋という高いところに掛かっ
ている吊り橋に辿り着く。その橋の上にも、金平糖が落ちている。
 そこで下を見た時、何者かに頭を叩かれる。


 矢部はオープンカーの助手席に、秋葉に運転させ、後部席に警部に
なった菊池愛介(姜暢雄)を乗せている。
 でも、古池屋の前でガス欠。秋葉はガソリンもネットで買えると言
うが、電波が入らない!?

 古池屋の先を歩くと、地面がツルツル滑る。
 担いで行けと言う菊池を残して、矢部と秋葉は歩いていく。
 そして会館に着き、祥子に殺人事件の捜査に来た、と告げる。
 祥子は、事件など無いが、気が済むように調べてよいという。


 奈緒子は信者達に『暗黒女』と罵倒されていた。

 そこに矢部と秋葉がやってきて、現場検証。秋葉はなんと奈緒子に
「萌え」。

 矢部は、新島は風呂に入ろうとして溺れたと言うが、奈緒子が矛盾
点を挙げる。
 なぜ、水を怖がっていた新島が風呂に入ろうとしたのか?
 なぜ、手にストローを握っていたのか?
 なぜ風呂から這い出ようとしてたなら、水が浴槽に満タンになって、
新島の体の分だけ減っていなかったのか?

 矢部は、細かいこと言っていては事件は解決しない、と言う。
 「税金返せ!」と奈緒子。
 「税金払っておらんだろ」と矢部。

 奈緒子が、こうなったら祥子を自分が問いつめる。奥の手を使って、
と言い出す。


 水鏡に向かって、「もうすぐ終わるわ」と祥子。

 そこに奈緒子が、矢部や秋葉と共に入ってくる。矢部が、祥子は殺
人者と奈緒子が言っていたという。

 奈緒子は、自分を怒らせない方が良い。さもなければあなたにとん
でもない災いがふりかかる、と言いながらトランプを差しだし、上か
ら10枚数えるよう、言う。
 「ヒー、フー、ミー、ヨ、イツ、ムー、ナナ、ヤ、キュー、ジュー」
と数える祥子。
 上から3枚引いて破いて捨てて下さい、と奈緒子。
 「ヒー、フー、さん」と祥子は数え、トランプを破く。
 「残りは七枚。それじゃあ、もう一度数えて下さい」と奈緒子。
 「ヒー、フー、さん、ヨ、ご、ろく、ナナ、ヤ、きゅう、ト」と祥
子。
 「わかりましたか。わたしには運命をねじ曲げる力があります。わ
かったら罪を認めなさい」と奈緒子。
 そして構えると、「お前のやったことは全部エブリシングお見通し
だ」と決める。

 「これって、ただの手品じゃないのか」と言われて、ハッとする奈
緒子。
 祥子は自分が三枚破いた後、もう一度数えるように自分の方にカー
ドを押した時、あらかじめ手の中に隠していた三枚を上に載せたのだ
ろう、と言う。

 「そういう考え方もありますね」と奈緒子。
 「嘘言うな」と矢部。

 祥子は、矢部はなんと物わかりがいい。こういうことはプロに任せ
ておくべきだ。矢部はたった今、暗黒厄年を抜け出した。これからは
春風が吹き、芽吹き、生い茂る季節。『生命の水』を毎日、芽吹き、
生い茂って欲しいところへ塗るように、と言い、矢部の『髪』に押し
当てる。
 「使わせて頂きます」と矢部。
 1本5万円税抜き。1年分まとめると「300万円」と大変お得。
多ければ多いほど効果がある、という祥子。
 さっそくそのペットボトルを手に取る矢部。代金は秋葉に払わせよ
うとする。


 祥子は奈緒子に、奈緒子の運命も占ってあげるという。良い結果が
出たら、話してあげる。悪い結果なら黙っている、と言う。
 奈緒子は、自分の運命は自分で決める、と断る。

 そして、ふと、隣の部屋の机の上の布の幾何学模様を見て、どこか
で見たような、と首をひねる。
 祥子はあの模様は宇宙の波動を増強するためのもの。他には2つと
てないと言う。

 上田は気づく。
 上田は下半身を川に漬け、上半身は岸に置いている。

 上田は岸へ這い上がり、足元を見ると金平糖の袋が落ちている。


 矢部は祥子に見送られて本部を出、報告書を書くための温泉の場所
を聞く。
 祥子はスーパーかみのゆがいい。ふさふさになり、一浴び一万円と
言う。
 反対する秋葉を引きずって向かう。

 奈緒子は、あの『火星』のバンガローに入る。壁に加勢大周の写真
パネルがかかっている。

 奈緒子はパスルームに入り、洗面所の水栓をひねるが異変はない。
 トイレの水を流すが、こんなものでは溺れられない.....
 はずが、トイレの水が止まらない。
 床に段々水がたまる。
 外へ出ようとすると、ドアが開かない。

 このバスルームのドアは、外からは開くが、中からは開かない。

 トイレの水がどうやっても中では止められない。
 排水溝の穴が極端に小さくて、トイレから流れる水がはけずに、ド
ンドン水がたまっていく。

 なぜ、新島はストローを握っていたか?−−水が天井近くになり、
換気口の網を通して空気を吸おうとしていたからだった。

 でも、遂に窒息死。

 犯人は頃合いを見計らって、外から水栓を閉め、徐々に水は抜けて
いき、あのような姿での新島が残された。そしてバスタブにも水が残
った。

 奈緒子は上田を呼ぶが、一向に来ない。
 浴槽のフタを一本ばらし、換気口の網を突き破り、浴槽のフタの一
本をストロー代わりにして、空気を吸う奈緒子。


 バスルームで気を失っている奈緒子を起こす上田。

 上田は、幸い、川の水深の深いところに落ちたので死なずに岸まで
泳げた。
 落ちていた金平糖を拾って食べ、そのパワーで崖をよじ登った。

 そうしたらその上で、大柴が太極拳をやっていた。

 上田と大柴はそれから空手の技を繰り出し、死闘5時間。最後は仲
良く乾杯。


 奈緒子と上田は幸夫橋へ行く。
 上田は、殴った相手を見ていないが、祥子だったという。

 そういえば、なぜ上田が岸に上がったところに、大隈の金平糖の袋
が落ちていたのか....?

 奈緒子は、大隈の倒れていたところに足らないものがある。それは
金平糖、と言う。殺害現場近くにもない。
 すなわち大隈は、古池屋のそばから突き落とされたのではなく、上
田同様、幸夫橋から落とされた。
 館から幸夫橋までは、往復約1キロ。20分間館を離れていた人間
が怪しい。証拠の金平糖を矢部に見せれば.....でも、上田がくだら
ない戦いで食べてしまった。

 では、あのトイレのタンクの仕掛けを矢部に説明すれば.....でも、
一足早く、大柴が修理してしまっていた。

 後は、加藤殺害の謎を解かなければ.....

 福澤はタイムリミットまであと15時間。その間、水に近づかなけ
ればいいと、布団の上に座っている。

 福澤は、奈緒子に水差しの水を注いで、勧める。そして奈緒子が一
口飲むとストップして、奈緒子の体調診る。
 そして無事を確かめると、奈緒子からコップを取り上げ、飲む。奈
緒子に毒味させたのだ。


 奈緒子は、加藤殺害時のビデオを福澤から借り、『裁き』と書かれ
ていたのは、昔祥子と接点があるのでは?と聞く。
 福澤は、自分は科学者。占い師と接点があるはずがない、と怒る。


 ビデオを見ていた奈緒子は、加藤殺害のトリックがわかったと言う。


 福澤は祥子に、もうすぐ11時。本当にそれまでに聖なる水で死ぬ
んだろうな、と確かめる。

 祥子は本当だ。実はその運命は、30年前の6月10日に決まって
いた。その時、福澤は人を殺しただろう、と。
 否定する福澤に聖なる水を指し示し、裁きの力を与えると、あの幾
何学模様のハンカチを掛ける。人を殺したものがその水に手を入れる
と、死ぬ、と。

 水に毒が入っているだろうと言う福澤に対して、祥子が水に手を入
れる。
 無事。
 福澤は、今度は奈緒子にやらせる。
 祥子が奈緒子に、本当にやましいところがないか、胸に手を当て、
よーく考えてから手を入れるよう言う。
 覚悟を決めた奈緒子が手を入れる.....無事。

 祥子は、福澤がためらうのは、人を殺しているからであろう、と言
う。
 祥子が水に手を入れている。
 福澤も覚悟を決めて入れるが.....無事?

 祥子が手を出し、福澤が苦しみ出す。
 「何をしたんだ!?」と福澤。
 「どうぞ苦しみなさい」と祥子。

 福澤は苦しみながら館の外へ歩き出すが、芝生の上で、「悪いこと
は出来ないもんだ」とつぶやくと、逆さに倒れる。

 大柴が、世界で一番奇跡的な瞬間に立ち会えた。「うらーないで、
おもーてなし」素晴らしい、と言う。
 信者達も唱和。

 奈緒子が、素晴らしくなど無い、と止める。

 聖なる水は、一人分の手で水位が上がる位置より上に、透明な猛毒
を塗っておいた。だから、一人の時は何でもなかった。
 祥子はわざと自分の手を入れて、福澤に一緒に手を入れさせた。
 二人分の手で水位が上がり、毒が溶け出すのを確かめると、さっと
自分の手を引き上げた。
 その後も手を入れていた福澤は、爪と皮膚の間から毒が回って死ん
だ。

 奈緒子は上田に、ビデオを持ってこさせる。そして加藤のネクタイ
が祥子の言う聖なる布と同じ柄。加藤は祥子の兄弟では?そして加藤
は自殺。カメラの前で死んでみせればみんな信じる。その上で、占い
の力だと言って、大隈、新島、福澤は次々と殺した。

 なぜ加藤は都合よい時間に自殺できたか?加藤は番組終了近く、苦
しむ演技を始めた。
 そしてカメラの死角にはいると、自分の胸に空気を注射し、注射器
は祥子の足元へ転がし、祥子が回収した。
 加藤は自分のみを犠牲にして、祥子の占いが当たると見せかけた。

 おそらく狙いは大隈、新島、福澤を殺害することだろう。

 祥子は、「バレちゃあ、しょうがないや」と髪をほどくと、語り出
す。


 祥子と兄・加藤の父は、発明好きの町工場のオヤジだった。
 ある日、すばらしい発明をする。
 でも30年前、強盗が押し入り、父は殺害された。でも、犯人はわ
からない。

 廃棄物燃料電池。1985年に発表されたが、祥子達の父が10年
も前に発明していた。

 犯人は彼らだと思うが、証拠が無い。
 そこで祥子は占い師となった。占い師なら、いろいろな人の話が聞
けるだろうと思って。
 でも、何も情報は集まらなかった。

 でも、占い師になって10年。父親が発明に使っていた部屋から、
古いコピーを発見した。
 祥子はそれを持って福澤、新島、大隈に25年前、父を殺害したの
はこの発明が欲しいからだっただろうと直談判。

 でも、福澤達は、一介の町の占い師と、自分たち一流の学者では、
世間は自分たちを信じるだろう、と言う。

 そこで加藤は、自分の身を使ったトリックを祥子に持ちかけた。や
むなく祥子もその提案を受け入れた。
 そして、スタジオに、福澤、新島、大隈を呼び出すことに成功した。
上田まで一緒に来たのは計算外だったが。
 御利益があると言って売っている品物もすべて嘘。自分に未来を見
通す力など無い。これで終わり、と言う。

 大柴は、そういうわけにはいかない。この占いビジネスはビッグビ
ジネス。これで食べている人も沢山いる、と言う。

 祥子は、すなほち自分は永遠の占い師となればいいんでしょ。自分
の運命はよく知っていると言う。

 祥子は、あの福澤を殺した水に手を浸し、たちまち苦しみ出す。

 苦しい息の下、行李を指さし、息絶える。

 奈緒子達が行李を開けると、中には、信者からの、病気が治ったな
どの感謝の手紙がどっさり。


 上田の車で下宿の前まで戻る奈緒子。
 上田に、忙しいので高級な食事をおごりたくなった時以外は、連絡
するなと言う。
 でも、上田が奈緒子の手帳を奪うと、ずっと真っ白。

 上田が走り去ると、奈緒子は自室に入る.....が、そこにはあの夫
婦が住んでいる。
 大家さんは、礼金2、敷金2、家賃3ヶ月分に引っ越しそばも貰っ
てしまって、貸さないわけにいかない、と。

 奈緒子は、上田のマンション目指してトボトボ歩き始めるが、上田
のマンションの場所がわからない.....


 その頃上田は、川原に車を止め、のんびりと荒川(?)を眺めてい
た。


寸  評  また、びみょーにゆるいトリックと、ツボを刺激する小ネタ満載
で、一気に見てしまいました。
 祥子さまの、「うらーないで、おもーてなし」も、名取裕子が思い
ついた抑揚なのでしょうか。

 あの行李の中の手紙、祥子さまがインチキ占い師であっても、信者
にとっては、鰯の頭も信心から、病は気からといったところなのでし
ょうか。

 最後、やっぱり悪夢は醒めず、奈緒子は宿無しのままでした。次回
は2006年公開の映画ですが、その時の奈緒子は、どこに住んでい
るのでしょうか?まさか、上田のマンションに同居!?

 因みに、ドラマ放送前の深夜にやっていた、マジシャンの特番まで
見てしまいました。

執 筆 者 鈴木(drama_sumire@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 放送後、だいぶたってしまいましたが、映画公開前にスペシャルを配信した
くて、配信させていただきました。
 トリックは、わたしの中で、ベスト・ファイブ、いやベスト・スリーに入る
かもしれないほど、好きなドラマのシリーズです。だから、見逃してしまった
人がいらっしゃったら、是非、少しでも雰囲気を味わって頂けたらとも思いま
して。小ネタ全てを書き尽くすのは、無理ですが。それにしても、トイレの水
でおぼれ死ぬって。。。。一番いやな死に方です!(鈴木)

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