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タイトル:Daily Drama Express 2005/06/17 雨と夢のあとに (最終回)  2005/06/23


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2005/06/17 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル 雨と夢のあとに
局  名 テレビ朝日系
放映日時 土曜23時15分
キャスト 桜井雨 (黒川智花)
 桜井朝晴(沢村一樹)
 野中マリア(杏子)
 小柳暁子(木村多江)
 早川霧子(美保純)
 早川岳男(ブラザー・トム)
 早川北斗(速水もこみち)
 白坂真昼(浅見れいな)
原  作 柳美里
脚  本 成井豊
 真柴あずさ
主題歌  −

あらすじ  最終回「希望〜永遠の雨〜」

 岳男(ブラザー・トム)、霧子(美保純)、北斗(速水もこみち)
は暁子(木村多江)も幽霊だったと知り、脱力感に襲われていた。霧
子は「朝晴くんも雨ちゃんに本当のことを言うべきじゃないかしら」
と言うが、北斗は「それじゃ雨がかわいそうすぎる」と反対、みな途
方にくれてしまう。

 そのころ、雨(黒川智花)はがらんとなった暁子の部屋で1人たた
ずみ、暁子のことを考えていた。

 朝晴(沢村一樹)はベランダ越しに暁子の部屋を見やっていた。不
意に「誰かを道連れにしたければ相手に触ればいいんですよ」という
声が朝晴を襲い、朝晴はわなわなと震え、しゃがみこんでしまう。

 雨と朝晴は朝食をとるが、会話はなく空気は重い。そこへ電話がか
かってくる。朝晴が出ようとしないので雨が出る。電話は外務省から
で台湾で見つかった男性の遺体の身元確認をしたいというものだった
ので、雨はムッとして電話を切る。そして朝晴には「間違い電話だよ」
と微笑む。

 雨は「今日は学校に行かないで遊園地に行きたい。観覧車乗ろうよ」
と朝晴を誘うが、朝晴は「作曲が忙しいし、学校を休むのは良くない」
と相手にしない。
 すると雨は「じゃあ、曲ができたら行こう。いいでしょ」と指切り
しようとするが、雨に触れるわけにいかない朝晴は「さっさと学校へ
行きなさい」と追い立ててしまう。

 雨が学校の図書室で女友達とおしゃべりをしている。女友達は、父
親は親父モードでうざいし、母親は口うるさい、親なんかいなければ
いいのにと言いあっている。雨はその話に表情が複雑になる。

 その夜、朝晴は自分の部屋で作曲をしていた。雨はそばで本を読ん
でいたが、朝晴に「あたし、ここいたら邪魔?」と尋ねる。朝晴は
「そんなことないよ。雨は空気みたいなもんだから」と答える。雨は
「何それ、あたしって何もない存在なの?」とむくれるので、朝晴は
「違う、違う、空気は必要不可欠なものだろ」と訂正し、微笑む。雨
もそれを聞いて朝晴に微笑み返す。

 そこへ電話がかかってくる。朝晴にも雨にも緊張が走る。雨が出る
と波代(沢田亜矢子)からだった。雨はホッと一安心し、朝晴に代わ
る。波代は「今日、外務省から台湾へ身元確認の立会いを求められた」
と伝えると、悲しみのあまり泣き崩れる。洋平(山田明郷)が受話器
をとり「お前の通っていた歯医者の歯型との照合も行われる予定で、
明日の夜には身元が判明してしまうだろう。だから、それまでに自分
の口から雨に伝えるんだ」と言う。朝晴は「わかった。ありがとう」
と静かに言い、覚悟を決める。

 雨が自分の部屋に行った後、朝晴は作曲を続けるが、苛立ちが募っ
て集中できない。


 翌朝、朝晴は「話したいことがあるから、今日遊園地に行こう」と
雨を誘う。
 しかし何かあると察した雨は「ダメだよ、私は学校へ行く」と断り、
出かけてしまう。朝晴は「なら、今日はまっすぐ帰ってきてくれ」と
頼む。

 雨が登校してくると、マリア(杏子)のマネージャーが待ち構えて
おり、雨にマリアから大事な話があるので来てほしいと言ってくる。

 一方、朝晴は自分の部屋に岳男と霧子を呼び、今日雨が学校から帰
ってきたらすべてを話すことを打ち明ける。霧子は「もし話したら朝
晴くんはどうなるの?」と不安そうに岳男を見る。岳男は朝晴が消え
ると思い、何も言えない。

 すると霧子は「朝晴くんに謝らなきゃいけないことがある」と切り
出す。霧子は「月江ちゃんが雨ちゃんを捨てて出て行ったとき、朝晴
くんが雨ちゃんを育てるためにアーティストの道を諦めたのが許せな
かったの」と涙を浮かべる。朝晴が「すいません」と謝ると、霧子は
「いいのよ、アーティストにはなれなかったけど世界一の父親になっ
たわ」と朝晴の言葉に受けて言う。そのやり取りを聞いて岳男は「お
い、霧子」と朝晴の方を向かせる。霧子に朝晴の姿が見えるようにな
ったのだ。霧子は驚き、朝晴の顔に手をやるが、そのとき電話が鳴る。

 電話は外務省からで、台湾の日本人男性の死体が朝晴であることが
正式に判明し、記者発表を行うという通知だった。それを聞いた霧子
は「何してるの、早く雨ちゃんのもとに!」と朝晴と岳男を急き立て
る。

 朝晴と岳男は学校に来るが、雨は今日休むと連絡があったとの回答
に慌てる。

 そのころ、雨は矢島邸にいた。マリアは雨に精神科医を引き合わせ
る。マリアは矢島と懇意にしている外務省関係者から、台湾で発見さ
れた日本人男性の遺体が朝晴であることを知り、雨が朝晴と暮らして
いると言うのが精神異常からくるものだと考えたのだ。

 マリアは雨に朝晴が死んだことを理解させようとするが、雨は「い
や!聞きたくない!」と激しく拒絶する。それでもマリアは雨に朝晴
がすでに死んでいることを話そうとするので、雨は極度のショックか
ら倒れて気を失ってしまう。

 テレビで台湾で見つかった日本人男性の遺体が朝晴であることが報
道される。街頭でもニュース映像が流れる。それをデート中の真昼
(浅見れいな)が見、「嘘……」と絶句する。

 朝晴と岳男は自宅に戻るが、雨はおらず、携帯にかけてみるがつな
がらない。「雨がニュースを見たら……。昨晩話すべきだった。どう
していつも俺は……」と自分を責める。すると岳男は「しっかりしろ
!辛いのはお前よりも雨ちゃんのほうだろが!」と朝晴を叱咤する。

 雨が意識を回復するとベッドに寝かされており、そばにマリアがい
た。雨は時計が16時を指しているのを見ると、帰ろうと跳ね起きるが、
マリアが「まだ熱があるから寝てなさい。熱が引いたら好きにしてい
いから」と止めるので、雨はまた横になる。

 マリアが出て行った後、雨は携帯で自宅に電話するが、朝晴の自宅
には報道陣がつめかけ、取材の電話もひっきりなしという状態なので、
電話線を抜いていてつながらない。雨は北斗に電話をする。

 岳男の携帯に真昼から連絡が入る。ニュース映像を見た真昼は動転
し、朝晴のマンションまで来たが、報道陣でごった返し中に入れない
状態だった。岳男は真昼に報道陣をひきつけるために取材に応じてく
れと頼む。

 真昼が朝晴の知人であると言ったため、玄関先に押しかけていた報
道陣は一斉に外へ出て行く。その隙に朝晴と岳男はマンションを抜け
出す。真昼がマンションの出入り口を見ていると、岳男が出てきてサ
ンキューと口で表現する。真昼は報道陣をひきつけるために泣いて回
答を続けるが、またふと見ると、岳男の後ろを朝晴がついていくのが
見える。

 北斗が矢島邸にかけつけてきたので、雨は外に出ようとする。しか
しマリアは雨を目ざとく見つけ「雨、落ち着いて。朝晴はすでに死ん
でいて、あなたはずっと夢を見ていたのよ」と必死に諭す。雨は「夢
ではありません。私は父と一緒に暮らしてきました。間違いありませ
ん」ときっぱりと言う。それでもマリアは「私の話を聞いて頂戴!」
と雨を引きとめようとする。

 すると突風が起こって、マリアを部屋の中に閉じ込めてしまう。雨
が振り向くと暁子の姿があった。雨が驚くと、暁子は「早く行きなさ
い」と優しく言う。

 雨は岳男の携帯に電話し、北斗と一緒にいることを伝える。岳男は
「ニュースって見た?」とさりげなく聞くと「見てない」との答え。
岳男はそのことを朝晴に教え、朝晴はこどものころよく行った遊園地
の観覧車のところで落ち合おうと伝える。

 雨は、北斗のバイクに乗り遊園地に向かう。マリアも女性マネージ
ャーに言って車を出させ、後を追う。

 一足先に遊園地に着いた北斗と雨はマリアを気にしながら観覧車へ
急ぐ。続いて岳男と朝晴が到着する。岳男は「俺はここで待っている。
ちゃんと話して来い」と朝晴の肩を叩く。朝晴は「岳さん、今まで本
当にありがとうございました。雨のことよろしくお願いします」と頭
を下げると、岳男は「俺に任せろ、寂しい思いはさせない」と声を詰
まらせ、朝晴を抱きしめる。朝晴は泣きそうになるのをこらえ、観覧
車へ向かう。

 観覧車へ続く階段を朝晴が走っていくと、暁子の姿が見える。朝晴
は「どうして、成仏したんじゃ?」と驚くが、暁子は「私の心残りは
高柴くんじゃなくて、桜井さんと雨ちゃんに変わっていたみたいです」
と微笑む。そして「まもなくマリアさんが来ます。話し合ってくださ
い」と言う。朝晴は「でも月江には俺が見えないんですよ」とためら
いを見せると、暁子は朝晴の手を握りスッと朝晴の体内に入る。

 後を追ってきたマリアが観覧車へ続く階段を昇ってくると朝晴がい
るので驚く。
 朝晴はマリアに向かい「俺は今日まで雨と一緒に暮らしてきた。で
もそれも今日で終わりだ。だから俺の口から雨に言わせてほしい」と
頼む。マリアが不満げに押し黙っていると、朝晴は「雨はまだ中学生
だ。できる限り力になってほしい。
 雨がお前と暮らすのでも俺はいいと思っている。でもそれは雨自身
が望んだらだ。雨のしたいようにさせてほしい。もちろん雨が間違っ
ていたらしかってくれ」と続ける。マリアは考え込み「私を親として
認めてくれるの?」と聞くと、朝晴は「ああ」とはっきりした口調で
答える。マリアは「わかった」と微笑む。

 雨と合流した朝晴は観覧車に乗りこむ。北斗は雨に「朝晴さんとゆ
っくり話をしてこいよ」と言う。

 雨は「景色きれいだね。今度は夜来よう」とうれしそうにしている
と、朝晴は「家についたら俺の作った曲を聴いてくれ」と言う。雨が
「タイトルは?」と聞くと、朝晴は「『永遠の雨』だ」と答える。自
分のことが音楽になっていると知って雨は喜ぶが、朝晴は一転真剣な
面持ちで「雨、聞いてくれ。実は俺はもう死んでるんだ」と告げる。

 雨は視線を落とすが、微笑みながら「知ってたよ、とっくの昔に。
でもそんなことどうでもよかったの。お父さんはお父さんじゃない。
こうやって話もできるし、手も触れるし」と朝晴の手を握る。しかし
朝晴は「俺が触ると生命力を奪うんだ」と雨の手をどける。雨は「触
らなければいいの?そしたら一緒に暮らせるの?」と朝晴を見つめる
が、朝晴は「お前のためにはそれはできない」とはっきりと答える。
雨は目に涙をためているが、すべてを受け入れたかのように笑顔で
「私、1人になっちゃうの?」と朝晴に聞く。朝晴は「大丈夫だ。北
斗、岳さん、霧子さん、おじいちゃん、おばあちゃん、それに月江だ
っている。みなお前の力になってくれる」と答える。

 そこへ暁子が観覧車内に現れる。雨はにっこりし「暁子さん、お父
さんと一緒に(天国へ)行ってあげて。1人じゃかわいそうだから」
と頼む。暁子は「わかったわ」と笑顔で答える。雨は「私たちなんだ
か家族みたいだね。ありがとう暁子さん、ありがとうお父さん」と言
い、朝晴に抱きつく。それを見て暁子も朝晴と雨に手をまわし、優し
く抱きしめる。

 観覧車がゆっくりと降りてくる。車内にはすでに朝晴も暁子もおら
ず、雨が1人残されている。しかし雨の表情は穏やかそのものでいる。

 それから――――。雨は洋平と波代のもとで、リンゴ園の手伝いを
しながら暮らしていた。

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 −お父さんと過ごした2ヵ月はあたしの大事な宝物。あの時間は夢
じゃなかった。お父さんは死んでもあたしを守ってくれた。きっと今
でも遠くから見守ってくれているはず。だからあたしは寂しくなんか
ない。たとえ会えなくてもあたしはお父さんを忘れない。大好きなお
父さんが、世界でたった1人のあたしのお父さんを……
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 近所の高台に登り、笑顔で空の向こうを見つめる雨の姿。(終わり)


寸  評  なかなか、感動的な結末でした。朝晴が雨にすべてを打ち明ける
シーンはかっこよかったですね。そして暁子が現れて、雨が「私たち
家族みたい」というセリフが実によかったです。血のつながっていな
い父親、優しいお隣さん、家族とは単に血のつながりでなくて、心と
心がつながった一体感の中で感じるものというのが自然と伝わってき
ました。
 残念だったのは前半の朝晴の設定でしょうか。中学生の雨を1人残
して台湾へ旅行していたこと、雨が必死に母親のことを聞きたがって
いる気持ちをわからず、頭ごなしに怒鳴りつけていたこと、これがマ
イナスに響いたかなと。雨が14歳という多感な年頃でもあり、親を毛
嫌い(親離れ)していくのが普通なので、朝晴の子どもっぽい対応に
なぜ雨は朝晴をそこまで慕うのだろう?とどこかひっかかったままで
した。
 やはり、ドラマは主人公の魅力にかかっているなあと実感しました。

執 筆 者 ケン()

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2. 編集後記
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 普段は録画で見ているので、オープニング主題歌はとばしているのですが、
よくよく見てみると、雨と朝晴と暁子がマンションの玄関に立っていて、雨が
くるっと振り返って中に入っていくのに、朝晴と暁子は外へ歩いていってしま
う、そして1人になった雨が外の方を振り返る――― 暁子が幽霊であること
も、朝晴が最後には消えることもすべて暗示されていたのかと気がつきました。
主題歌の1シーンドラマの展開を暗示させたり、結構重要なポイントだと再認
識しました。(ケン)

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発行元:ドラマ研究会
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