メルマガ:日刊ドラマ速報
タイトル:Daily Drama Express 2005/06/09 恋に落ちたら (9)  2005/06/23


===================================================== 発行部数   23 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2005/06/09 (Thu) ☆☆
======================================================================

== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
======================================================================

----------------------------------------------------------------------
1. 木曜日の連続ドラマ
----------------------------------------------------------------------
タイトル 恋におちたら・僕の成功の秘密
局  名 フジテレビ系
放映日時 木曜22時
キャスト 鈴木島男(草なぎ剛)
 高柳徹 (堤真一)
 星野守子(佐藤江梨子)
 鈴木まり子(木村佳乃)
 安藤龍太(山本耕史)
 神谷陸 (谷原章介)
 桐野七海(和久井映見)
 白川香織(松下奈緒)
 藤井裕美(滝沢沙織)
脚  本 佐藤嗣麻子
主題歌  −

あらすじ  第九話『愛を止めないで』

 臨時取締役会で、『ロイドブラザーズ』の橘(村井克行)が副社長
に任命された。
 「これでロイド側の取締役が 3分の2を超えました」
 会議後、不安を感じた神谷(谷原章介)が島男(草なぎ剛)に話し
掛けるが、「心配ない」と全く気にしていない様子。
 「彼らは敵ではありませんし 利害も一致しています」
 遅れて現れた桜庭(鶴見辰吾)とともに去っていく島男の後姿を、
神谷は不安そうに見つめる。

 社長室に、子会社の『フロンティアパブリッシング』社長の種田が
呼び出されていた。島男は「33の子会社のうち、赤字を出している
のはここだけ」と、パソコン画面を見せ 種田を責める。
 「1ヶ月の猶予をあげましょう」
 島男の言葉に 驚き青ざめる種田に 島男は更に冷たく言い放つ。
 「ご不満ですか? 高柳社長なら、この瞬間にクビを切られてます
よ」

 種田は 重い足取りで、社長室を後にする。
 「1ヶ月でどんな成果を上げるんでしょうかね、あの男は」
 と同席していた桜庭が尋ねると、「上がらなければ切るまで」と島
男。
 「ならば今切るべきじゃないですか?」
 「フロンティアのことは、社長である私に任せてもらえませんか」
 島男の答えに「失礼しました」と頭を下げ、桜庭は作り笑いを浮か
べる。

 その夜。
 このところずっと六本木のホテルに泊まっていた島男に、桜庭は 
家具付きの高級マンションを案内していたが、そこは あの高柳と同
じマンションだった。
 「高柳さんよりは 上の階を用意しましたよ、もちろん」
 島男は満足げに 窓の外を見つめる。

 同じ頃、神谷は高柳(堤真一)を見舞いに来ていた。だが 高柳に
は会えず、代わりに七海(和久井映見)が応対する。
 「七海さんが辞めるとは思っていませんでした――いえ、本当は思
ってました」
 と 神谷は正直に打ち明ける。
 島男のことを気にかけている七海。神谷は「フロンティアの企業評
価が上がった」と伝えると、「すごいじゃない」と七海は微笑む。

 数日後。
 「たった今、連絡がありまして――」
 慌てて島男に報告する香織(松下奈緒)。
 「フロンティアパブリッシングの種田社長がお亡くなりになったそ
うです」
 「? 誰?」
 「…先日 ここでお会いになった方です」
 しかし 島男は種田を覚えておらず、葬式と香典のことを指図する
だけ。
 「それだけ、ですか?」
 「? ――ああ、それから今度のパーティーの件、招待客をあと
50人ほど追加して欲しいんですよ――」
 自分の披露パーティーのことで頭が一杯になっているのだろうか、
この間会ったばかりの 決して無関係とはいえない人が死んでいるに
も関わらず、島男は動じることなく再びパソコンに向かう。その口元
には笑みさえ浮かんでいる。
 香織はそんな島男をいぶかしげに見つめながら、社長室を出て行く。

 島男の命令で、神谷が種田の葬式に出席した。
 「一生懸命で真面目な人でした…。夜遅くまで働いて、急に頭が痛
いと言って…救急車で運んだ時には もう、手遅れでした…」
 種田の妻が、涙を浮かべながら神谷に訴える。その隣には、きゅっ
と口を結び悲しみをこらえている、一人息子の姿があった。

 病室。
 さっきまで 屋上で飛び降りそうに立っていた高柳を、七海は「ら
しくない」と叱る。だが、高柳はまるで抜け殻のように「全て終わっ
た」と答えるだけ。
 「終わってなんかいないわ!」
 「フロンティアは 俺にとって全てだった。あの会社を失った以上
 俺は終わったも同然だ」
 「新しい何かを手に入れるために 古いものを捨てただけでしょう。
また新たな一歩を踏み出すチャンスじゃない」
 すっかり気弱になっている高柳を元気付けようと、七海は高柳を外
に連れ出す。

 その夜。
 久しぶりに家に戻った島男は、まり子(木村佳乃)に「六本木の高
級マンションに引っ越さないか」と持ちかけるが、まり子は「この家
があるのに」と乗り気でないようだ。
 「社長にふさわしい、住むべき場所があるんだよ」
 そばで聞いていた龍太(山本耕史)が割って入る。
 「がんばってきたのは この家のためだったよな? 何でつらい思
いして 今の仕事就いたんだよ、よく思い出してみろ! それは“こ
こがなくなっちまうから”じゃねえのか?」
 と 龍太は「目標を達成したのに、引っ越すなんて“本末転倒”」
と言う。
 島男は「勝手にしろ!」と 一人で引っ越すことに決める。

 「島男も遠くに行っちまったな…」
 『リオハ』で 一人飲む豊田(金田明夫)がため息をつく。
 「もう一緒に飲むなんてこと ないんだろうな」
 向こう側で 一人座っている香織が「そんなことない」と言う。
 「今は 悪いカゼにかかって高熱を出している時なんです。熱が冷
めて、また周りがよく見えるようになったら、もとの島男さんに戻る
と思うんです」
 守子(佐藤江梨子)は「(島男のことを)本当に好きなのね」と微
笑む。

 七海が高柳を連れて行った先は、とある美術館。そこは 二人が初
めて出会った場所だった。
 ――――――――<回想>
 「この絵がお好きなんですか?」
 フェルメールの『牛乳を注ぐ女』をじっと見つめる若き日の高柳に
 七海が話しかける。
 「この絵の青が好きなんです。原料のラピスラズリは 当時高価な
石で、金持ちでないと使えない色だった――」
 高柳はこう話し、「結局芸術も金次第」と付け加える。
 ――――――――
 あの日と同じ 変わらぬ魅力を放つ絵を前に、高柳は「こんなきれ
いな絵だったんだ」と 改めて気付かされる。

 翌日。とある料亭。
 島男は桜庭の紹介で 橘とともに、国会議員の権藤とその秘書緑川
に会っていた。
 「人工衛星を使った 通信インフラの入札があるんですが、私たち
のパートナーとして フロンティアさんに白羽の矢を立てさせていた
だきました」
 と緑川が切り出す。
 「不正入札、ですか?」
 島男が尋ねると、権藤は笑ってうなづき その条件を話し出す。
 「この緑川を御社で雇っていただき、そして売り上げの15パーセ
ントを 彼の給与として振り込んでいただく。つまり私の 活動資金
になるわけですがね」
 「その条件では お受けできません」
 即答で断る島男に、権藤らはもちろん 桜庭も驚きを隠せない。
 「私の人気を利用しようというだけですね? 私のようなクリーン
なイメージの人気者を使って 世間を安心させたいんでしょう? つ
まりこれは、私なしでは成立しないお話なんですよ――」
 島男の言葉に、焦って顔を見合わせる権藤たち。

 料亭を出ると、桜庭が島男に「権藤の前でメンツをつぶされた」と
言う。
 「メンツで仕事をしてるわけじゃありませんから」
 島男はそう言い捨て、一人 迎えの車に乗り込むと、ドアを閉める。
 「桜庭さん、政治家に言いなりになる時代は終わったんですよ。そ
ういう古い考えは 改めていただけませんか?」
 島男の乗った車を見送る桜庭と橘。桜庭は「鈴木島男も潮時だ」と
つぶやき、橘に ロイド側の役員を集めるよう指示する。

 その夜。島男は マンションを訪れた龍太と、刺身をつまみにシャ
ンパンをあけた。
 「これからどうする? 大会社の社長になって、こんな家に住ん
で…」
 と龍太。
 「こんなの序の口だよ。俺 やりたいことが山のようにあるんだ。
ハリウッドのスタジオとの提携も進んでるし――」
 島男は次々に 膨大な計画を語り「フロンティアは いくらでもで
かくなれる」と豪語する。
 「それじゃキリがねえだろ? 今のお前は 何でも飲み込む“餓
鬼”と一緒だな。いっくら食っても 腹いっぱいになんないんだ」
 「お前やっぱり ビジネスに向いてないよ」
 今の島男には 何を言っても無理なようだ。

 朝、病室で目覚めた七海は ベッドに寝ていたはずの高柳の姿がな
く、病院中を探し回るが、屋上にもその姿はなかった。
 七海の連絡を受け、病院にやってきた香織。七海が青い顔で 出迎
えた。
 「私、間違ったのかも知れない…」
 今にも泣きそうな七海に、香織は かける言葉が見つからない。
 ――そこに、高柳が玄関から入ってくるのが見えた。七海は 泣き
ながら高柳の車椅子に駆け寄り、しっかりとその肩を抱いた。
 高柳は「父親の墓に行っていた」と答え、七海の手をとる。
 「もう大丈夫だ。今度は 僕に付き合ってくれないか?」

 二人は『フロンティア』に乗り込んだ。
 「今の島男くんが あなたの言葉を聞くかしら?」
 「それでも 伝えなければいけないんだ」
 社長室では、島男がパーティーの客と電話中。電話を切り 振り向
くと、そこに七海と車椅子の高柳がいた。見つめあう二人。
 「お加減はいかがですか? で 今日は何でしょう」
 「桜庭に気をつけろ! ロイドは 企業をただの商品としか考えな
い会社だ。ロイドの興味はただ一つ、フロンティアの株だけだ。最初
から俺にもお前にも関心がない」
 真剣な高柳を見て 島男は「そんなことはない」と笑う。
 「また何かの戦略ですか? それとも未練ですか?」
 「そうじゃない! 俺は 自分の作った会社が商品として売買され
るのがいやなだけだ」
 「それこそあなたが 長年してきたことじゃないですか」
 島男が笑って答えると、高柳にはそれ以上何も言えなかった。パー
ティーの招待状を 高柳は黙って受け取る。

 その夜、鈴木家に フロンティアから大きな包みが届いた。手紙に
は「この服を着てぜひパーティーに来てください」とあった。島男か
らだった。
 箱の中身のドレスに驚くまり子。だが 龍太は、同様に届けられた
タキシードを既に身に着け、ポーズをとっていた。
 「どう?似合う? 一枚くらい写真撮ろうぜ、角の藤田写真館で。
だって、これタキシードだぜ? お前のドレスも 最高にイカして
る!」
 まり子は「返すの!」と言って、龍太の首を絞める。

 「ロイド側の役員には 全員確約がとれました」
 と橘。暗闇で「おつかれさまでした」と言う桜庭の目が 不気味に
光る。

 翌日。定例取締役会。会議の終わり際、一人の役員が手を上げた。
 「代表取締役社長の 解任動議を提出します」
 ごくりと唾を飲み込む島男。
 「――どういうことですか? 桜庭さん」
 「あなたがいけないんですよ、鈴木島男さん」
 「あなたは、僕の能力を見込んで 僕にフロンティアを預けたんじ
ゃないんですか?!」
 桜庭は声を上げて笑う。
 「私は フロンティアが欲しかっただけなんです。それで あなた
の人気を利用させてもらった。おとなしく私の言うことを聞いてれば
いいものを。あなたは少々やりすぎた」
 怒りのあまり 桜庭の胸倉をつかむ島男。だが、島男側の役員は 
神谷以外一人もいなかった。全てを悟った島男は 諦めて その手を
緩める。

 「あ、社長! 明日のパーティーの進行の件で――」
 宮沢(鈴木浩介)が声を掛けるが、島男は無言でエレベーターに乗
る。
 「もう 必要なくなりました」
 と島男。訳が分からない宮沢の前で、エレベーターのドアが ゆっ
くりと閉じる。

 外に出ると、一人の少年が近づいてきた。
 「お父さんを返せ!」
 あの種田の一人息子だと 島男は気付く。
 「お前のせいで お父さんは死んだんだ。毎日お父さんは苦しんで
たんだよ。お前が“売り上げ 売り上げ”ってお父さんを責めるから。
だからお父さんは倒れたんじゃないか!」
 泣きながら 島男に取りすがる少年。全てを失った島男は ビルを
見上げる。

 島男が社長を解任されたニュースが テレビに流れる。
 テレビにかじりつく まり子と龍太。高柳と七海もまた、病室で画
面を見ていた。

 報道陣の待ち構えるマンションにも帰れず、町をさまよった挙句、
3000円を払って、安いビジネスホテルの一室に転がり込んだ島男。
狭い部屋に置かれた固く窮屈なベッドに横たわるが、眠れそうにない。

 島男の行き先が分からず まり子が探しに家を出ると、目の前に島
男が無言で立っていた。
 まり子と龍太は いつものように島男を迎え入れ、いつものように
ビールと刺身をちゃぶ台に並べる。
 島男は黙ったまま 箸をとり、龍太にすすめられるまま カワハギ
の刺身を口に運ぶ。涙が溢れてくる。
 「な? 最高だろ?」
 と龍太。まり子が泣きながら「おかえりなさい」と言うと、島男は
消え入りそうな声で「ただいま」と答えた。こらえていた涙があとか
らあとから 湧いて来る。家族の温かみを 島男はすっかり忘れてい
た。
 呼び鈴が鳴り まり子が出ると、玄関に立っていたのは 島男を心
配して訪ねて来た香織だった。
 龍太のウンチクを聞きながら食べている島男の背中を、香織は 微
笑みながら見守っている。

 工場の中に立つ島男。
 1本のねじを手にとり じっと見つめる。


寸  評  全体的に暗いお話でしたが、ただ一箇所だけ笑えるシーンが!
 ドレスに驚いているまり子とタキシードでキメている龍太のシーン。
「角の藤田写真館」って?? ぜひ今後のお話に出てきてもらいたい
ものです。例えば、誰か(島男&香織、高柳&七海――でもやっぱり、
まり子&龍太かな?)の結婚式のシーンとか。
 ところで、フェルメールの絵、最近人気ですね。私も気に入ってい
ます。この当時の絵画は、貴族の肖像画とか宗教画とかばかりで、こ
ういう庶民の日常を描いた絵はあまり見かけないので、とても新鮮で
す。
 けれど フェルメールの絵は日本には1枚もないはず。「牛乳を注
ぐ女」もどこか外国の美術館所蔵です。七海は「美術館」と言ってま
したが、あれ?っと思いました。

執 筆 者 三森(anponhana@mail.goo.ne.jp)

----------------------------------------------------------------------
2. 編集後記
----------------------------------------------------------------------
 花粉症です。今の時期は「かもがや」という、イネ科の植物がくせものです。
春の杉花粉よりもひどくて、特に目がかゆくてかゆくて。
 肌にも吹き出物が出るので、ひょっとして、とお酢を水で10倍くらいに薄
めて塗ってみました。そしたら何と!ものすごーく効果があったのです。傷口
があると染みるみたいですが(子どものあせもに塗ったら、「ひりひりする〜
っ」と泣きました。ゴメン)、背中に出来てたのが サーッと消えました。び
っくり!!(三森)

======================================================================
発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。
(http://www.mailux.com/)
======================================================================

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。