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===================================================== 発行部数 22 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ ☆☆ 2005/05/19 (Thu) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 1.木曜日の連続ドラマ 2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1. 木曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル 恋におちたら・僕の成功の秘密 局 名 フジテレビ系 放映日時 木曜22時 キャスト 鈴木島男（草なぎ剛） 高柳徹 （堤真一） 星野守子（佐藤江梨子） 鈴木まり子（木村佳乃） 安藤龍太（山本耕史） 神谷陸 （谷原章介） 桐野七海（和久井映見） 白川香織（松下奈緒） 藤井裕美（滝沢沙織） 脚 本 佐藤嗣麻子 主題歌 − あらすじ 第六話『ヒルズの秘密』 高柳（堤真一）は、『東條貿易』社長の東條栄一（山本圭）と会っ ていた。 ホテルのロビー。吹き抜けのガラス窓から庭園が見える。 話の途中、突然東條は激しく咳き込む。 「癌です。余命宣告されました…」 東條の言葉に 息を呑む高柳。 「私の体のことなんか どうでもいいんです。――『東條貿易』は 月末に不渡りを出します。２００名ほどいる従業員は高齢者が多くて …。今 会社がつぶれたら、みんな路頭に迷ってしまいます…」 と東條は「会社をフロンティアの力で救ってほしい」と 頭を下げ る。昔はアジアで手広くやってきたが、今の取引先は中国とタイだけ になっていると東條。丁重な挨拶の後、東條は杖をつき 帰っていっ た。 ――高柳の後ろの席で、ずっと二人の話に耳を傾けていた男がいた。 それは『フロンティア』に音楽配信会社を横取りされた森村（入江雅 人）だった。 鈴木家。 「３３５６２円？！」 二人の給料から 借金の利子だけ返したら、残りの生活費はこれっ ぽっち。 まり子（木村佳乃）に「おこずかいはなし」と言われ、ため息をつ く島男（草なぎ剛）。 とそこに龍太（山本耕史）が「外に変な人がいた」と首をかしげな がら入ってくる。 「やだぁー！ 変質者ぁ？」 「いや、サラリーマンっぽかった。４０手前くらいかな――」 突然まり子は 真顔で外に飛び出していく。だが、もう既に男はい なかった。物言いたげな龍太をよそに、まり子は黙って家の中に入る。 その頃、森村は記者の山本（阿南健治）と密談中。 「倒産した会社があるんですよ、２０年以上前にね。『高柳商事』 っていうんですけど、それ 高柳の親父の会社なんですよ…」 高柳に恨みをもっている森村は、高柳の過去を売り込みにきたのだ。 山本をけしかけるように「面白い記事 お願いしますよ」と森村は不 気味に笑う。 一方 高柳は、『東條貿易』についてのデータを集めていた。ネッ トでその取引先を検索しているうちに、検索結果の中の“『高柳商事』 と『東條貿易』が基本的合意へ”の見出しが 目に留まる。 クリックして開けてみると、“『高柳商事』に関する過去のニュー ス”として“事実上倒産”の文字が。高柳は、その文字を 憎らしげ に見つめる。 翌日。『フロンティア』経営事業部 会議室。 高柳は『東條貿易』の買収を話に出すが、神谷（谷原章介）や宮沢 （鈴木浩介）らから「上場もしていないし、負債を抱え込むだけでメ リットはない」と猛反対され、会議は終わろうとする。 「東條貿易をやろう！」 高柳の言葉に 従業員たちはあ然。部長の七海（和久井映見）でさ えも担当を嫌がる。 島男に「お前が担当だ」と言い残し、そのまま席を立ってしまった 高柳。島男は訳が分からず、ただぽかんと口を開けたまま。 島男の心配をよそに、サポートを命じられた七海は 島男に次々に 本を渡す。それは、Ｍ＆Ａに関して書かれた本だった。 顔が隠れるほど高く積まれた本の重さと、「全部読むのよ」という 七海の言葉の重さとで、島男は今にも押しつぶされそうになっている。 高柳は、香織（松下奈緒）と裕美（滝沢沙織）を伴って、東條の屋 敷にやってきた。ものすごい豪邸に驚く裕美。 車椅子で現れた東條は「何もかも昔のままでしょう」と 話しかけ る。高柳は微笑みながら 机や柱のキズを懐かしそうに触っている。 「以前 高柳家だったのを、私が買い取ったんです」 と東條が言うと、ようやく香織たちも納得する。 東條は、古びた８ミリカメラを持ってくる。 「こんな形で再会するとは 思っても見ませんでした。覚えていま すか？」 とそのカメラを手渡すと、「父のカメラです」と高柳。引越しの時 に、忘れてしまったらしい。 「お父さんが最初に輸入したのは、その８ミリカメラでしたね。お 父さんはそのカメラが好きで、こだわって扱ってましたよ」 高柳はカメラを 感慨深げに眺める。 「フロンティアは 東條貿易を引き取ることにしました」 と 高柳は会議で決定したことを告げる。 「本当ですか？！ ありがとう」 車椅子から身を乗り出し、東條は高柳の手を握り締める。 一方、神谷と宮沢は 高柳の決定に不信を感じ、『東條貿易』につ いて調査を始めた。 「社長の家は『高柳商事』という輸入会社で…」 と宮沢は話し出す。神谷は、高柳の過去を初めて知った。 「東條社長は、『高柳商事』が倒産したときに 何かと面倒を見た そうです」 高柳の父親と東條が、無二の親友だったと聞き、神谷は「親父の恩 人か…」とつぶやく。 その夜。 龍太が「今日は鯵（アジ）♪」と鈴木家にやってくる。 「昨日の奴、あれ 誰？」 「たぶん谷崎部長。私の上司で不倫相手。でもフラれた」 「！ 不倫相手ぇ？！」 まり子はこともなげに「しょーがないじゃん、奥さんいるんだしさ」 と言ったまま、黙ってコンロの火をつける。 島男は、今夜はＭ＆Ａの勉強のため残業。七海に「お金にならない 会社を何故買おうとするのか」と尋ねると、「直接聞いてみたら」と 答えが帰ってくる。 自宅でぼんやり、昔のことを考える高柳。 １１歳のときの父親との永遠の別れ。ランドセルやグローブなどが 次々と運び出され、『高柳』の表札がはずされるのを見ていたあの日。 それらは 高柳の脳裏に、今もくっきりと焼きついていた。 そこに島男が現れる。 「あの会社を買収するのに、負債を合わせて８５４億円が必要にな ります。どこに『フロンティア』の利益があるんですか？」 高柳は、自分の父親と東條が仕事仲間であり かつ親友だったこと、 父親の貿易会社が倒産したとき、従業員を引き受けてくれたのが 東 條だったことを明かした。 「企業は人で成り立ってる と東條社長はよく言っていた。父親が 死んだとき、東條社長から受けた恩を返してほしいと言われた。―― それじゃあ 理由にならないか？」 帰宅した島男は、自分たちと高柳の境遇が良く似ていると まり子 に話す。 「お父さんの恩人が倒産しかけていて、それを助けようとしてるん だ、何の見返りもなく。『世の中 金だ』って言ってた高柳社長がだ よ。あんな社長、初めて見たよ」 「そりゃあ高柳さんだって 人の子だもん。情けは人のためならず」 まり子の話を聞いて 清清しい気持ちになった島男は、黙々と Ｍ＆Ａの本を読みふける。 一体どこから漏れたのか、『フロンティア』の『東條貿易』買収が 新聞にすっぱ抜かれた。混乱を防ぐため、高柳は会見を開くことに する。 記者たちの質問に 高柳は笑みを浮かべながら 卒なく答えるが、 その質問だけは違った。 「親父さんのことなんじゃないですかぁ？」 静まり返る場内。質問したのは、あの山本だった。 「親父さんのやってた会社がありましたねぇ。それと何か関係があ るんじゃないですか？」 戸惑う高柳。記者たちが騒ぎ立てる中、会見は打ち切りになる。 会見後『フロンティア』の株が下がり始めた。 ３日連続で１００００円下がったとのニュースに、森村は笑いなが ら 一人祝杯をあげる。 株価は下げ止まる気配がない。 「会社の価値が 一晩で１０００億下がったってことだ！」 と焦る宮沢。 だが高柳は、従業員に「株価は時期に回復する」と強気の姿勢を見 せる。 「社長と東條社長が 以前からの知り合いというのは 本当です か？」 七海の質問に、高柳は熱っぽく語る。 「本当だ、父親が世話になった。恩人である東條貿易が倒産しかけ てる。それに、社長自身病気で、長くはないらしい。俺は 東條社長 を助けたい」 「社長は、会社の利益よりも恩返しをとったんですか？」 と神谷が尋ねると「そうとって構わない」と高柳は答え、報道にも そう対応するよう裕美に命令する。 従業員たちが黙り込むと、高柳は島男を連れて『東條貿易』に行く ため、「何も悪いことはしていない」からと 堂々と正面玄関に向か う。 取材陣に取り囲まれそうになるが、警備員の豊田（金田明夫）の機 転で、何の混乱もなく、無事車に乗り込むことが出来た。 「横に座れ、今日はお前は俺のかばん持ちじゃない。お前は フロ ンティアの代表として、俺と一緒にビジネスに行くんだ」 と高柳は、助手席に座りかけた島男に言う。 取材陣のバイクが追いかける中、車内では 高柳が「組合員たちを 何としても説得しなければ」と意気込む。 「ＩＴとかいう訳の分からない仕事をしている会社に、我々従業員 の運命を任せることは出来ない！」 組合長らしき初老の男は、高柳について書かれた雑誌の記事を見せ、 床に叩きつける。そこには『高柳に見込まれた企業の運命は ２つし かない。買収か消滅か』とあった。 同席した東條も「（高柳を）信用してほしい」と頼むが「何か証拠 を見せろ」と言われ、高柳は困り果てる。 次々と席を立ち始める、従業員たち。島男は「証拠ならある」と立 ち上がる。 「この案件で見込める利益が いくらと思いますか？ 東條貿易を Ｍ＆Ａの対象として考える企業は、他にないでしょう。今の東條貿易 は 買収の対象として魅力的とは言えません」 島男の気迫に押されて、従業員たちは 再び席に戻った。 「フロンティアは、利益を度外視して 買収を行おうとしています。 それは、自分のお父さんが２７年前に受けた恩を、そのまま返したい という 高柳社長の純粋な思いだからです。従業員を誰一人 路頭に 迷わせたくないという 高柳社長の願いだからです」 島男の真剣な訴えに、高柳は驚く。 「フロンティアの株は、この５日間で急落しています。それでもこ の買収から手を引こうとしていないんです。そこまでして 父親の恩 を返そうとしているんです。信じてください、お願いします！」 高柳も立ち上がり、島男とともにお辞儀をする。 その頃。龍太はまり子の勤める会社を訪ねていた。 「安藤龍太！ ドラゴンの龍に ぶっとい です！」 谷崎が現れると、龍太はいきなり土下座した。 ――谷崎との話が済んだ龍太が 外に出ると、たまたま外出してい たまり子とばったり。 「あんた、何しに来たの！」 龍太はまり子の顔を まともに見ることが出来ず、黙り込む。 「信じらんない！」 まり子はふくれて、社内に消える。 『フロンティア』と『東條貿易』の正式契約が取り交わされた。 「正直言って、君がここまでしてくれるとは思わなかった。君を見 てると、君のお父さんを思い出すよ。本当にありがとう」 と東條は目を細める。 『リオハ』で乾杯する島男と香織。正面の席で「何かいいことあっ たか」と豊田。 「仕事が一段落したんです。それよりも、高柳社長と仕事が出来た ことが嬉しいんです」 と顔を見合わせる島男と香織。 「俺は見たよ、お前が高柳社長の隣に座るのを」 豊田は涙ぐみ、声を詰まらせる。 「出世したなあ、島男…」 そんな時、島男のケータイが鳴る――。 それは東條の危篤の知らせだった。高柳と二人で、急ぎ病院に向か う。 「徹君……東…條貿易を…た…のむ…」 苦しい息の下、自ら酸素マスクをはずし、東條は懇願する。高柳は 「安心してください」とその手を握り締める。 翌日。 東條が亡くなったという連絡を受けた高柳は、すぐにどこかに電話 をする。 「東條が死んだ。東條貿易は、予定通り君のものだ」 偶然 七海が社長室に入って来た。 「売ったのね？ どうして？ あなたあの時 私たちに――」 高柳は、とある半導体会社の名前を挙げ、その会社が 東條貿易の ラオスでの採掘権を欲しがったのだと説明した。最近ラオスで 半導 体に必要な鉱石が発見されたからだ。 「東條貿易は、そのことに 未だに気付いていない」 と高柳はばかにしたように笑う。 「どうして 恩返しだなんて、社員にまでうそついたの」 「東條貿易を手に入れる前に 採掘権のことが外部に知れたら、買 値が跳ね上がる。余計な出費だ」 「島男くんなんか、それ聞いたら大変よ。すっごい高柳ファンにな ってるから。あなたがいい人になったと思って」 「ばかばかしい。そんなことがあるはずがないだろ。お前がいちば ん良く知ってるはずだ」 高柳は、七海に出て行けとばかり、ドアを開け 手で合図する。 出先から戻ってきた島男は「東條貿易が買値の３倍の１０億で転売 された」と宮沢から聞き、驚いて社長室に走る。 「通夜は明日だ。俺は行けないから。花と香典出しとけ」 「東條貿易を救うんじゃなかったんですか？！ 従業員は？！」 「先方は採掘権が欲しかっただけだから。リストラかな？」 軽い口調で、島男の質問に答える高柳。 「お父さんの遺言は？！ 恩返しでしょ？！」 「父親？ 俺は認めていない。あれはただの負け犬だ」 高柳は、父親も東條も「会社を平気でつぶす、能力のない経営者」 とけなし、島男も「その能力のない経営者の一人」だと言う。 「あなたは託されたんですよ！ 東條社長から会社と従業員たちを。 あの、死んでいく人にうそをついたんですか？！」 「幸せに死ねて よかったんじゃないか？」 「あなたは、人間じゃない！」 と島男は高柳をにらみつける。だが高柳は「人に何と思われても、 俺は構わない」と平然と言ってのけると、おもむろに上着を着込み、 立ち去る。 『リオハ』に乱暴に飛び込んでくる島男。 「僕は、ほんとーにあの人のことが分からなくなりました！」 すぐ前の席では、あの山本が「結局パターンになった」と中途半端 に笑いながら、新聞を置き 店を出て行く。 『株価急上昇』『高柳のＭ＆Ａ戦略的中』 『９６０００円台 値上がり率トップに』 新聞には、そんな見出しが大きく載っていた。 社長室では、香織もまた高柳に意見していた。 「僕らの会社は こうやって金儲けするんだよ。そうしなければ、 大切な社員の給料も払えなくなっちゃうんだ。君の給料もね」 二の句が告げないでいる香織に、「お疲れ」と言って、高柳は社長 室を後にする。 再び『リオハ』。 高柳への不信感を口にする島男に、七海が話しかける。 「普段の高柳だったら、買収したその足で売りに行くはずよ。この 仕事は、神谷さんが担当してもおかしくなかったのに、何であなた に？ …高柳は、迷ってたんじゃないかしら」 納得のいかないままの島男。 スクリーンに映し出されているのは、１１歳の高柳。今も変わらな い あの邸宅の庭で、父親とキャッチボールをしている。それを高柳 はぼんやり見つめる。テープが終わり、静けさの中に 乾いた機械音 だけが残る。それを止めようともせず、高柳は部屋を立ち去る。 寸 評 高柳の真意は、思いっきりフツーの人の私には やっぱり理解で きません。七海は、何か知っているそぶりを見せましたが、まだ過去 に秘密がありそうです。 今回、心に残った台詞は、豊田の「俺は見たよ、お前が高柳社長の 隣に座るのを」と、言葉に詰まるところ。ぐっときました。 実際こんな風に、知り合いが順調に出世していくのを見ると、「良 かった」とは言っても、心の中は全然違っていたりするものです。で も豊田のはそうではない。もちろん同業者でもないし、同期でもない からこそ言えるのかも知れないですが、素直に他人の幸福を喜べるの はすばらしいことだと 思いました。 執 筆 者 三森(anponhana@mail.goo.ne.jp) ---------------------------------------------------------------------- 2. 編集後記 ---------------------------------------------------------------------- 寒くなったり暑くなったりで、カゼをひいてしまいました。セキがとまらな いのです。就職の面接先でもセキコンコンで、「こりゃ、あかんな」と思われ てるに違いありません。うっく。（三森） ====================================================================== 発行元：ドラマ研究会 e-mail：info@j-drama.tv url ：http://www.j-drama.tv/ ＩＤ ：MM3E195F16414CD このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。 （http://www.mailux.com/) ====================================================================== |