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タイトル:Daily Drama Express 2005/04/21 恋に落ちたら (2)  2005/05/05


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2005/04/21 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル 恋におちたら・僕の成功の秘密
局  名 フジテレビ系
放映日時 木曜22時
キャスト 鈴木島男(草なぎ剛)
 高柳徹 (堤真一)
 星野守子(佐藤江梨子)
 鈴木まり子(木村佳乃)
 安藤龍太(山本耕史)
 神谷陸 (谷原章介)
 桐野七海(和久井映見)
 白川香織(松下奈緒)
 藤井裕美(滝沢沙織)
脚  本 佐藤嗣麻子
主題歌  −

あらすじ  第二話『憧れのヒルズへ』

 鈴木家。
 ちゃぶ台で夕食が始まると同時に、龍太(山本耕史)が売れ残りの
かつおのタタキを 皿に山盛りにしてやってくると、まり子(木村佳
乃)は大喜び。
 「警備の仕事、こんなに合うと思わなくってさ…」
 と明るく話す島男(草なぎ剛)を、龍太は「無理してるんじゃない
か」と心配そうに見つめる。
 龍太を交えて乾杯、三人の夕食が始まる。まり子は「この家もあと
一ヶ月で競売」とため息をつく。
 「俺が大金持ちになって 買い戻してやるから! 俺、野望を捨て
ない…」
 「あんたのは、野望じゃなくて “無謀”!」
 いいムードのまり子と龍太を嬉しそうに見ながら、島男はタタキを
ほおばる。

 フロンティア ロビー。
 島男は今朝も、豊田(金田明夫)とともに警備に立つ。社長の高柳
(堤真一)が現れ、待ち構えていた報道陣に囲まれて近づいてくる。
島男と豊田は、報道陣から高柳を守り、社内に導く。
 「ああ、君…」
 高柳は、警備員姿の島男に気づき、声をかける。
 「鈴木…島男くん、だね?」
 「――はい…」
 「あとで 社長室に来ていただけますか?」
 豊田はあ然として 島男を見つめる。
 「お前、何しでかしたんだ?」

 1時間後。島男は受付嬢に導かれて、フロンティア社内へ。
 宮沢(鈴木浩介)や神谷(谷原章介)ら経営事業部の従業員が 驚
いて見つめる中、島男は誇らしげに堂々と社長室に向かう。
 社長室の入り口では 秘書の香織(松下奈緒)が、島男に笑みを返
す。
 「どうぞ こちらへ」

 島男は社長室に通される。
 「やっぱり来ましたね?」
 と高柳はイスから立ち上がると、笑いながら近寄り、島男の手を握
る。
 「で、用件はなんでしょう」
 二人はイスに向かい合って座る。
 「ぜひ、高柳さんに教えてもらいたいことがあります。ぼくにお金
持ちになる方法を教えてください」
 頭を下げる島男を前に、高柳はしばらく考えた後「見てもらいたい
ものがある」と言う。
 「ついてきなさい」

 島男と香織を連れて 高柳の向かった先は、島男の知らない会社だ
った。社員たちは高柳を知っているようで、突然の来社に驚いてぺこ
ぺこしている。
 「2分で終わるよ」
 と高柳(壁の時計は、11時58分を指している)。
 社長の茂田は電話中で、何かトラブルを抱えているようだったが、
高柳の来社に 汗をかきながら電話を終える。
 「君の会社とは、契約の更新はしないことにした」
 高柳が平然と茂田にそう言い、すぐに立ち去ろうとすると、茂田は
無理やり引き止める。その様子を、島男は引きつった顔で見ていた。
 「今 高柳社長に撤退されたら、私の会社はどうなるんですっ?!」
 茂田は、社員はもちろん自分の家族のことも引き合いに出し、土下
座して契約の更新を嘆願するが、高柳は全く気に留めないで、その会
社を後にする。
 時計は12時ジャスト。こんな大事な話を、高柳は確かに2分で終
わらせた。

 三人は その足で、高級レストランに向かう。ボーイが、シャンパ
ンをグラスに注ぐのを 島男は複雑な表情で見つめる。
 再会の乾杯の後「あの社長を、かわいそうだと思うか」と高柳は尋
ねる。
 「はい。この間僕自身が経験したことですから…」
 島男は高柳に、自分の会社が倒産したこと、そのショックで母親が
心臓を病んで死んだことを話した。
 「過労と心労が重なったのが原因と、医者は言っていました」
 「それが、本当の原因だと思っていますか? ――『貧乏だから』
…違いますか?」
 島男はどきっとする。
 「――その通りです。だから もう二度とあんなことが起きないよ
うに、僕は金持ちになりたいんです。SE(システムエンジニア)と
しては自信があります」
 「君が天才プログラマと呼ばれていたことは、よく知っています」
 と高柳は、先日七海(和久井映見)から渡された 6年前の新聞の
切り抜きを取り出し、テーブルの上へ。
 「6年前、あなたの会社を買収したのは ぼくでしたから」
 高柳の意外な言葉に、島男ははっとする。父親が亡くなった直後、
共同経営者の友人から『ハイアイランド』を売ってしまったと聞かさ
れたときのことを思い出していた。
 「二束三文でした。あなたが 他人に経営を任せきりにしなければ、
会社を失うこともなく、貧乏にもならなかったでしょう。お母さんも
失くさずに済んだかもしれない。
 ――あなたは言いましたね、『金持ちになる方法を教えてください』
と。僕が所属しているのは、10億20億の金を一瞬で動かす世界で
す。あなたは その住人になりたくて、来たのではありませんか?」
 高柳は 島男をじっと見据える。
 「世の中には 2種類の人間しかいないんです。使うものと使われ
るもの、いわゆる貴族と奴隷の関係です。古代ローマでの奴隷の定義
は『自分で自分の運命を決めることを許されない人』。――どちらを、
選びますか?」
 島男は、テーブルに並べられたワインと水のグラスを 交互に見つ
める。

 スペインバル『リオハ』。
 豊田は高柳のことを「雲の上に住んでるすっげえ人」と言う。
 「起業して成功して、大金持ちになって トップに立つような奴は、
ロクな奴じゃない!」
 と厳しい豊田の言葉を聞きながら、島男は 守子(佐藤江梨子)が
「サービス」と出してくれたつまみとワインに 舌鼓を打つ。

 警備の仕事が終わり 家に戻ると、まり子が母親の遺影を前に 涙
ぐんでいるのが、居間のガラス戸越しに見えた。まり子は島男の帰宅
に気づき、慌てて取り繕う。
 島男は自分の部屋にあがり、明かりもつけずに 物置から古いパソ
コンを取り出す。そして、6年ぶりにその電源を入れてみる――暗闇
が青白い光で満たされる――。島男の決心はついた。

 翌朝。
 島男はスーツ姿で、背を向けたままの豊田に挨拶。豊田の頬は、涙
でぐしょぐしょになっていた。
 「気をつけろよ! あそこの奴らは人間じゃねえ。気ぃ許すと食わ
れちまうぞ!」
 お礼のビール箱を置き、島男は豊田の背中に向かって 深々と礼を
する。

 フロンティア 経営事業部。今日から島男は、ここで働く。
 「鈴木島男です。アイランドの島に 男と書きます」
 と自己紹介すると、神谷や宮沢はイヤな顔で目をそらす。

 「SEとして雇うかと思ってた。何の気まぐれ? 利益優先じゃな
いの?」
 「あいつはね、金持ちになる方法を教えてくれって。ストレートに
聞いてくる奴は今までいなかったからね。面白いと思ったんだよ」
 社長室。
 高柳と七海は 島男がモノになるかどうか賭けるようだ。七海は
「もちろんモノになる方」と言う。

 「鈴木。初仕事だ!」
 と神谷が島男を呼びつける。
 「うちのショッピングモールで業績の悪い店を切りたい。この店だ」
 神谷は、フロンティアのインターネットショッピングモールのサイ
トを開き「明日までに片付けろ」と命令する。
 コンピュータの画面には、『おもちゃの亀や』のサイトと人のよさ
そうな店主の画像が映し出されていた。

 島男は言われたとおり、『亀や』に向かった。そこは、昔ながらの
店構えの懐かしさただようおもちゃやだった。
 「契約の打ち切りを。ここに署名と捺印をお願いします」
 売り上げが悪いからだと理由を説明するが、店主の亀井(田山涼成)
はただ頭を下げるばかり。
 「今 契約を打ち切られたら困るんです! インターネットでの販
売が、我が家の唯一の収入源なんです!」
 亀井は「資格もなく、この歳では再就職もできない」と土下座まで
する。
 島男は仕方なく「明日また来る」と言って 重い足取りで店を出る。
気分は最悪だった。

 翌日。『おもちゃの亀や』。
 サインを拒む亀井に、妻の静子は「これ以上迷惑をかけられない」
と夫を説得。妻に諭され、亀井はようやくペンを執る。
 島男はふと視線をそらし、店の奥を見つめる。そこには、古いおも
ちゃが山と積まれていた。その中の“何か”に気づいた島男は、今ま
さに判をつこうとしていた亀井の、印鑑の下に慌てて手を差し入れた。
 間一髪。島男の手の甲に、くっきりと判の跡がついた。
 「あれ、何ですか?!」
 「先代の残したがらくたです。捨てるに捨てられなくて…」
 それはコレクターなら、喉から手が出るほどの おもちゃのアンテ
ィークだった。島男は、これらをオークションで売れば儲けになると
思い立ったのだ。

 会社に戻った島男は、神谷にネットオークションをやってほしいと
頼む。
 「全てを2日でやります! 絶対利益をあげます!」
 ダメの一点張りの神谷に、七海がゴーサインを出す。
 島男は喜んで、2日でオークションサイトを作り上げると宣言し、
さっそくコンピュータに向かう。
 「どうしてあいつの肩をもつんですか!」
 「あの鈴木島男が オークションのシステムを構築してテストして
くれるのよ。神谷さんは、彼がどうするか見たくないの?」
 七海は、島男がオークションシステムを構築してくれれば、会社の
メリットになると神谷を説得する。

 その夜。
 ちゃぶ台の刺身を前に、落ち着かない様子の龍太。今夜は 島男が
残業でいないため、まり子と二人きりの夕食なのだ。龍太は、ビール
をけいき付けにぐいっと一口。
 「まり子。結婚しねえ?俺たち」
 「俺たち??」
 自分と結婚すれば、家が競売にかけられても自分の家に来ればいい
と 龍太はメリットの大きさを話し、説得しようとする。
 「うん、いいね」
 「だろっ?!」
 まり子は乗り気のようだ。
 「でも、障害が一つだけ。私、龍太のこと 何とも思ってないもの」
 「!?」
 台所に煮つけをとりにいったまり子。居間に一人残された龍太は、
今度はコップのビールを一気飲みする。

 経営事業部。
 たった一人で残業する島男の元に 香織がやってくる。
 「高柳さんには内緒にしてくださいね。オークションのシステムを
作ってるんです。つぶれそうなおもちゃやがあって その店を切りに
行ったんですが、できませんでした。僕は、僕のやり方でしかできな
いことが分かりました」
 香織は興味を示し、手伝いを名乗りでる。

 翌日。
 オークションサイトはあと少し。昼間、香織とともに『亀や』に出
向き、写してきたおもちゃの画像を 次々と画面に反映させていく。
 「香織さん!出来ました!」
 いつの間にかうたたねしていた香織。二人は、出来上がったサイト
画面を見つめて微笑みあう。

 二人が会社をあとにしたときは、外は既に明るくなっていた。
 「高柳さんが言ったように、僕はただ甘いだけなのかもしれない…」
 「あなたが、社長のようになる必要はないわ」
 島男は、徹夜の仕事に疲れているにも関わらず、いい気持ちで足取
り軽く、駅へと向かう。

 島男は、ケータイの呼び出し音で目を覚ます。まだ朦朧としている
島男の耳に、香織の嬉しそうな声が飛び込んでくる。
 「オークション 見て! すぐに!」
 パソコンの画面に映し出されたサイトを見た島男は、値段がどんど
ん上がっていくのに 大きく目を見開く。
 急いで『亀や』に向かい、亀井夫婦と三人 喜んで肩を抱き合う。

 サイトを見た神谷や宮沢らも、さすがに驚きを隠せない。
 「1日で500万売り上げました!」
 と島男は嬉しそうに 七海に報告する。
 「すごいわね。おめでとう。――でも、社長の気持ちは変わらなか
ったわ」
 『亀や』はやはり切ることになると七海。

 納得がいかない島男は 七海とともに高柳の高級マンションに向か
った。高柳は笑顔で二人を迎える。
 島男は「今日の売り上げ500万を元に新たな展開を」と、『亀や』
との契約を続けるよう求める。
 「お前が500万稼いでる間に、我々は 世界最大のおもちゃメー
カー『トイプラネット』を獲得した。彼らの一日の売り上げは、
14億1000万――」
 『トイプラネット』との契約で、ショッピングモール加入の条件と
して 競合する他社の参入を許さなかった。つまり同じおもちゃ屋の
『亀や』は 何が何でも切られることになっていたのだ。
 高柳はイスから立ち上がる。
 「ビジネスに情をはさむな! 母親のことも忘れろ! 一時の感情
で ビジネスは絶対に成功しない! お前がおもちゃ屋の店主を救え
ば、うちの従業員5000人と株主たちが死ぬ」
 「そんなつもりじゃありません!」
 「お前は優しい人間だと思っているかもしれないが、優しくなんか
ない!」
 高柳は「そんなところで寝ているとカゼひくぞ、香織」と口調を変
えて言う。すると、居間のソファで寝ていた香織が 目を覚まして体
を起こした。島男は愕然とする。

 翌日。
 香織は一人『亀や』に向かい、頭を下げる。
 「一時だったけど、いい夢見させてもらいました」
 亀井はすっきりした表情で「楽しかった」と笑い、残ったロボット
のおもちゃを「島男に」と 香織に託す。

 経営事業部。
 香織は、預かってきたロボットのおもちゃを 居心地悪そうに島男
に手渡し、亀井夫婦の伝言を伝える。島男は黙ってそれを受け取り、
よそよそしい態度で退社する。

 社長室では、高柳と七海がシャンパンを飲んでいる。
 「俺のほうに 分があるな」
 「まだ負けてないわよ」 

 スペインバル『リオハ』。
 島男は しけた顔でカウンターに座り、ロボットを触っている。隣
では豊田が酔いつぶれて「食われちまうぞ…」と 寝言を言っている。
 「守子さんは知ってたんですか? 香織さんと高柳さんが付き合っ
てること。どうして教えてくれなかったんですか」
 「あなたに教える筋合い ないじゃない?」
 サービスのつまみも、今夜は味気なく、ひたすら落ち込む島男だっ
た。


寸  評  学生時代に起こした島男の会社を買収したのが 高柳だったとは、
皮肉なものです。ひょっとしたら 島男と高柳の立場が逆だったかも
しれない、そうなっていれば、母親だって死ななくて済んだし、倒産
の苦味も味わうことなどなかったのかも。
 島男がビルに乗り込み、高柳の社長室を超えて屋上にたどり着くオ
ープニングは、つまり、島男が社長の高柳を超えるほど成功すること
を暗示しているのでしょうか。だとしたら、すっきりするんだけどな
あ。

執 筆 者 三森(anponhana@mail.goo.ne.jp)

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2. 編集後記
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 私は事務の経験がほとんどありません。お茶も、会社にみえたお客さんに出
したことは皆無。電話も社内の人ばかりで、お得意様のえらいさんとはどうや
って話をするもんだか 見当もつきません。コピーやファックスも戸惑ってし
まうことがあります。在庫の確認とか発注とかちんぷんかんぷんです。
 こんなんで、就職できるのか? 大丈夫か? ――うーん、ダメかも。(三
森)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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