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タイトル:Daily Drama Express 2005/03/15 みんな昔は子供だった (10)  2005/03/22


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2005/03/15 (Tue) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.火曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 火曜日の連続ドラマ
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タイトル みんな昔は子供だった
局  名 フジテレビ
放映日時 火曜22時
キャスト 照崎アイ子(国仲涼子)
 矢吹昭平(陣内孝則)
 佐上柾 (瑛太)
 旗ゆかり(白石美帆)
 田所肇 (筧利夫)
 佐上欣也(大杉漣)
 高木ナツ(風吹ジュン)
 矢吹龍平(深澤嵐)
 中村美紀恵(滝沢沙織)
脚  本 水橋文美江

あらすじ  『廃校!涙の訴え』

 校庭で『だるまさんがころんだ』で遊ぶ子供たちとアイ子(国仲涼
子)。その平和な一時をうち壊すかのように、田所(筧利夫)が血相
を変えて走って来る。
 「職員室に来てください! 今、すぐにです!」
 アイ子は「すぐ戻ってくる」と言い残し、職員室へ急ぐ。

 「次の市長の方針によれば、森の水分校は3月をもって廃校になり
ます」
 と佐上(大杉漣)。今まで便宜を図ってくれていた市長が選挙で落
選し、風向きが変わったのだ。職員室に重苦しい空気が流れる。
 「もう私たちには、何も出来ないってこと?」
 ナツ(風吹ジュン)の問いかけに、佐上は無念そうにうなずく。ア
イ子は、拳を握りしめる。

 アイ子は、肩を落として教室に向かう。窓越しに、子供たちの会話
が聞こえてくる。
 「もうすぐ、山村留学終わっちゃうじゃん!」
 「もっと ここにいたいなあ」
 「もっといられるよう、親に頼んでみようよ」
 アイ子は教室に入れないまま、子供たちの様子を眺めている。

 田所は、矢吹食堂に立ち寄り、昭平(陣内孝則)と柾(瑛太)に分
校廃校のニュースを伝える。
 昭平はそれを聞いて「よくがんばったじゃないか。あとは本校でし
っかりやれ」と田所をねぎらう言葉をかけるが、田所にはいつものよ
うなテンションの高さは全くない。
 「分校がなくなると聞いて、胸にぽっかり穴が開いたようなんだ…」
 「――!! 分校、なくなっちゃうの?!」
 いつのまにか、店先に龍平(深澤嵐)が立っていた。田所の話をす
っかり聞いてしまったらしい。
 「あのな、龍平――」
 「分校がなくなったら、おれ、どこに行けばいいの?!」
 「4月から 本校に通うんだ」
 「アイ子先生は?! アイ子先生は 本校の先生になるの?!」
 「……」
 黙り込んだ田所に代わって、昭平が答える。
 「他の学校に行くしかないかもな…」

 龍平から話を聞いてショックを受けた子供たちは、アイ子に直接話
を聞こうと、宿泊センターを飛び出す。子供たちは、心配してついて
きた柾とともに 全速力でアイ子の家を目指す。

 「アイ子先生!!」
 丁度 家に着いたところのアイ子に、声をかける子供たち。
 「分校 なくなるってホント?」
 子供たちに急かされて、アイ子は戸惑いながら 真実を話す。
 「――ほんとです。山村留学が終わったら、森の水分校も終わりま
す…」
 子供たちの口から「もっと残りたい」「離れたくない」「一緒にい
たい」という言葉があとからあとから出てくる。この子達の気持ちを、
どうしたらいいのか――アイ子は悩む。

 ―――― あの時、ぼくはただ黙って立っていた。何か言えば、泣
いてしまいそうな気がしたから。ただ黙って、アイ子先生を見つめて
いた ――――

 アイ子にはそれしか言うことが出来なかった。とぼとぼとセンター
へ戻る子供たちに 柾は「元気出そうぜ」と声をかけるが、それも無
駄だった。子供たちは、黙ったまま唇をかみ締めて、今来た道を帰っ
ていく。
 アイ子は、部屋で 子供たちが『10年後の自分』について書いた
作文を眺めて、物思いに沈む。

 翌日。職員室に向かった子供たちは、佐上に頭を下げる。
 「森の水分校を廃校にしないで下さい!お願いします!」
 だが、佐上は「先生にもどうすることも出来ない」と答える。
 「偉い人たちにね、この分校の良さを伝えることが出来なかった。
だけど、みんながこの分校のことを 大好きになってくれた。分校が
なくなったとしても、その気持ちが消えることはありません」
 佐上はしゃがんで、子供たちの顔を見回す。
 「そうでしょ?」
 子供たちは、しかし納得がいかなかった。龍平は「おれたちで何と
かしよう」とみんなに提案する。不安げな子供たちに、アイ子は「大
丈夫ですよ」と、Vサインで微笑んでみせる。

 家に戻った龍平は、食堂のカウンターで“宅配さん”こと美紀恵
(滝沢沙織)から「おかえりなさい」と言われ、驚く。昭平の話では
「田所と待ち合わせ」らしい。
 美紀恵の手には、紙袋が…。龍平は「プレゼントかな」とニヤニヤ。
 「だとしたら、えらいこっちゃ!」
 興味津々で、昭平親子が店の奥からのぞいていると、田所がやって
くる。
 「美紀恵さんのためなら、たとえ火の中、水の中!」
 「嬉しい! それを聞いて、安心しました。これ――」
 と美紀恵は、例の紙袋を田所に手渡し「開けてみてください」と言
う。
 田所は、ゴクリとつばを飲むこむ。
 「お付き合いさせて頂けないかと 思いまして…」
 「えっ???」
 突然の美紀恵の告白(?)に田所は驚く。信じられない展開に、昭
平たちもあんぐりと口を開けて 身を乗り出す。
 「――本校の みなさんと…」
 ――美紀恵は、新しい宅配のサービスのビラを渡しに来ただけだっ
たのだ。
 美紀恵が出て行った後、昭平は大笑いで 店の奥から出てくる。
 「俺は、ビラ配りか…。さっそく、行ってくる」
 昭平のあざけるような笑い声の中、龍平はそのビラを見て、何かひ
らめいたようだ。

 宿泊センター。
 龍平は、宅配のビラをみんなに見せて、「自分たちでこういうのを
作ろう」と言う。
 「偉い人のところに持っていって、廃校止めてくださいってお願い
するの。ぼくたちの気持ち、届けるの」
 夕食のことも忘れ、すぐに子供たちは作業に取り掛かった。呼びに
来た柾も動かされ、一緒に作り始める。夕食は、昭平がおにぎりに変
えて、部屋に運んできてくれた。
 「みんな、絶対 分校残そうな!」
 アイ子もやってきて、ビラ作りに加わる。だが、ゆかり(白石美帆)
はあまりいい顔をしない。

 翌日。
 作りあげたビラとプラカードを手に、子供たちとアイ子、昭平、柾、
田所は市役所前、駅前に立ってみるが、肝心の人が誰もいない。そも
そも村の人口が少なすぎるのだ。
 「龍平。この村に人が少ないってこと 計算に入れてないだろ?」
 田所の指摘に、龍平は「一生の不覚」と頭を掻く。
 「宿泊センターに戻って、作戦会議を開きましょう!」
 どこまでも前向きなアイ子と子供たちに、昭平と田所はあ然として
いる。

 ビラ配りではなくて、一軒一軒家を回って、署名を集めることに決
まった。
 田所は、その計画を佐上に話す。
 「我々からももう一度、教育委員会に働きかけることは出来ないで
しょうか」
 と田所は佐上にかけあう。

 モモ(伊藤沙利)やワタル(糟谷健二)が、この分校に残ることに
なり、そんな中 署名運動が始まった。
 子供たちは、村の民家一軒一軒を訪ねて歩き、頭を下げて署名を集
めた。時には、村人たちの仕事場である田畑に出向いたり、老人の囲
碁クラブやゲートボール場に顔を出したり…。
 また、東京のそれぞれの友達に山村留学のよさを伝えたり、森の水
のホームページを作ったり、分校存続のため 一生懸命に取り組んだ。
 そして授業は、いつにも増して 活気のあるものになっていた。

 宿泊センター。
 柾は、署名運動が効率よく回れる道を考えていた。
 「履歴書、送った?」
 以前、自分の大学の資料を柾に渡したゆかりは、心配になって声を
掛ける。だが、柾は「忘れてた」とあっさり。心の中は『分校存続』
のことしかないようだ。
 「早めに出したほうがいいと思うけど」
 ゆかりは怒って、行ってしまう。

 署名運動は順調。
 その日も夜遅く家に戻ったアイ子は、ポストに入江悠からの手紙が
あるのに気づく。玄関先で立ったまま、慌てて封を切るアイ子。
 「アイ子先生へ あの時 先生と見たもみじの色が、うまく思い出
せません」
 アイ子は去年の秋、悠とともにスケッチに出かけた日のことを思い
出していた。色づいたもみじの葉の色を、真っ赤に塗っていた悠の生
き生きとしたまなざしを、アイ子は忘れてはいないのに…。

 アイ子と柾は、子供たちとともに署名のノートを携えて、市役所を
訪れた。だが、アイ子は悠の手紙が気になって、心ここにあらずとい
う感じだ。
 「森の水分校を残してください! お願いします!」
 龍平が代表して、署名のノートを職員に差し出した。アイ子は「市
長に会わせてもらいたい」と訴えるが、職員は「市長は多忙だから」
と無下に断る。
 騒ぎを聞いて、奥から出てきたのは、あの教育委員会の視察委員だ
った。
 「照崎先生、中へどうぞ」
 アイ子だけが、応接室に通された。

 「困るんです、こういうことをされると」
 視察委員は、署名のノートをテーブルに叩きつけるように置く。
 「生徒一人しかいない学校を廃校にするのは、結局 森の水村の将
来を考えて出した結果です。東京から来た方に、とやかく言われる筋
合いはない」
 アイ子が口をはさむ隙も与えず、厳しい口調で 話を続ける視察委
員。
 「――入江悠くんが 家出をしました」
 「悠くんが?!」
 「すぐに保護されましたが、こちらに向かう電車に乗っていたそう
です。お母さんは、この村に来るよう あなたがそそのかしたと言っ
ています。いいですか?! ご自分の思っている以上に、あなたは 
児童に影響を与えているんです! これ以上、児童を巻き込むような
真似はやめてください」
 アイ子は、何も言い返すことは出来なかった。

 アイ子がすっかりうなだれて、市役所から出てきた。
 「どうだった?」
 取り囲む子供たちに、アイ子はただ力なく 首を横に振る。

 宿泊センターに戻った柾は、ゆかりの部屋を訪ね、この間行った
『森の水観測所』の写真を見せる。
 「ここを手入れすれば使えるとか、思い切って新しい望遠鏡を入れ
ろとか、アドバイス もらえないかな」
 署名運動が失敗したため、もう一度観測所の具体的な修復計画を立
てたいと柾は考えていたのだ。だが、ゆかりは写真を投げ捨てる。
 「古いものは消えてくの! 分校だってそうでしょ? ここでじた
ばたしたって、廃校が取りやめになるわけじゃない。そんなものにし
がみついて、どうするの? もっと、自分のこと 考えたら? 教師
になりたいんでしょ?」
 柾に背を向けるゆかり。
 「そんなものとか言うなよ! みんなにとって 大事な分校なんだ
よ」
 ゆかりは振り向く。
 「私は あなたが大事なの! 子供たちやアイ子先生のことじゃな
くて、もっと自分のこと考えてほしいの!」
 ゆかりは「アドバイス出来ることはない」と、また背を向ける。柾
は「ごめん」と謝って、部屋を出て行く。

 翌日。
 職員室に教育委員会から電話があった。市役所からクレームがきた
ということで、田所は必死に頭を下げた。
 「一生懸命やっているのに…」
 もうあきらめるしかないのか。ナツは佐上の顔をちらりと見る。
 「直談判しましょう!」
 佐上はついに決断する。田所も大きくうなずく。

 ナツが、佐上の決断を伝えに教室に急ぐと、ぼんやり 物思いにふ
けるアイ子がいた。アイ子はナツに 入江悠の手紙と家出のことを相
談する。
 「悠くんは 私にどうしてほしいんでしょうか」
 「アイ子先生と見たもみじの色を思い出したいのよ。会いたいのよ、
あなたに。だから ここに来ようとして、電車に乗った。あなただっ
て、そう思ってるんでしょ?」
 うなずくアイ子。
 「電話、かけてあげたら? 悠くん、待ってるわよ、きっと」
 困った顔でアイ子は考える。

 アイ子は家に戻ると、思い切って悠の家の電話番号を押した。
 「はい、入江です」
 「悠くん?」
 「――アイ子先生?」
 悠(小越勇輝)の懐かしい声が聞こえる。
 「先生からの手紙、お母さんが黙って返しちゃったから…。でも、
ちゃんと読んだよ」
 アイ子は嬉しかった。
 「卒業証書、まだ持ってる?」
 「持ってますよ」
 「そのまま持ってて。先生には もう会えないから」
 悠は 電話を切ろうとする。
 「待って! 卒業証書、悠くんに送ります!」
 「先生、ぼく 先生に――」
 その時、電話の向こうで母親の声が聞こえた。
 「誰と話してるの?!」
 そのまま電話は切れてしまった。アイ子は受話器を抱きしめる。

 その夜、アイ子は卒業証書と『10年後の自分へ』と題した悠の作
文とを宅急便で送るため、矢吹食堂へ向かった。
 店の手伝いをしていた龍平に、包みを手渡す。
 「東京の学校で 先生が教えてた生徒です」
 昭平は、それを聞いてピンとくる。その生徒が原因で、アイ子がこ
の村に来ることになったのだと。龍平は包みを手にしたまま、更に尋
ねる。
 「何が入ってるんですか?」
 「卒業証書です。卒業式の日、悠くんは来れなくて…。それで渡せ
なかったんです」
 「悠くんに会って渡さなくていいんですか? 卒業証書、おれだっ
たら ちゃんとアイ子先生からもらいたいです」
 龍平は包みを突返し、「今日は受付終了です」とアイ子を無視する
かのように 店のテーブルを拭き始める。

 昭平はアイ子をおくっていくことにした。
 「らしくないんじゃないですか、卒業証書を小包で送るなんてのは。
冷たいって思われても仕方ないよ。だから、龍平も止めたんだよ。 
何があったか知らないけどさ、先生の手から受け取ってこその卒業証
書だ」
 雪の中、昭平の懐中電灯がゆらゆら揺れている。

 翌朝、アイ子が家を出ようとすると、悠から電話がかかってくる。
 「ぼく、カナダの親戚の家に行くことになったんんだ」
 明日1時の飛行機で発つと言う。
 「描けないんだ、もみじ。先生と見に行ったもみじ、描きたいのに
描けないんだ。どうしたらいいの?先生…」
 アイ子は心を決めた。
 「行きます! 先生、悠くんに会いに行きます! 悠くんがカナダ
に行く前に 必ず会いに行きます! 約束します!」

 教室に 柾と子供たちが入ってくる。
 「龍平くん、明日 悠くんに卒業証書渡してきます!」
 すがすがしい顔で、アイ子は「龍平のおかげだ」と礼を言い、Vサ
インでにっこり笑う。

 その頃、市役所では…。
 「山村留学の児童全員が 森の水分校に残ると言っているんです。
他からも問い合わせが来ているんです。どうか、分校を残していただ
けないでしょうか」
 市長に 深々と頭を下げる佐上。その傍らで同じく頭を下げる田所、
ナツ、そして昭平の姿があった。
 市長は4人の真剣な顔を見つめる。

 「これから、作文を書いてもらいます。みなさんの、この分校への
思いを書いてください」
 アイ子は「最後まであきらめたくない。だからもう一度 がんばろ
う」と、子供たちを見つめる。アイ子と子供たちは 微笑みあう。
 その時、佐上たちが息せき切って教室に飛び込んでくる。
 「やったぞ! チャンスがもらえました!」
 佐上たちの願いが届き、市長が公聴会を開いてくれると約束してく
れたのだ。子供たちは、笑顔で喜びあっている。
 「明日の午後、視察を兼ねて こちらに出向いてくれるそうだ」
 「明日…?」
 明日の午後、悠に会いに東京に行くつもりだったアイ子は愕然とす
る。
 「市長は、何よりも現場のあなたの声を聞きたがっているんです!」
 「アイ子先生の声に、森の水分校の命運がかかっているんです!」
 全員が見つめる中、アイ子はどうしていいか分からずに 呆然と立
ちつくす。


寸  評  龍平の「今日は、受付終了です」がすっごくよかったです。愛す
るがゆえに突き放す、まるで鷹や虎の親子みたい。実際こんな気の利
いた小学3年生は、いないと思いますがね。
 このドラマを見て思うのは、アイ子先生が誰に対しても、言葉遣い
を変えていないというところです。龍平もそれにならってか、或いは
父親昭平の教えなのか、語尾までしっかりと きれいな正しい日本語
で話しているようです。
 実際 周りの子供たちの中には、大人(先生を含む)に対しても友
達に対しても、同じ言葉遣いをする子が多いです。昔私が子供だった
ときは、先生に「○○してもいい?」なんて聞き方はしなかったです。
必ず「○○してもいいですか?」と いわゆる丁寧語を使ったもので
す。一体いつから、何が変わってしまったのか、考えさせられるとこ
ろです。

執 筆 者 三森(anponhana@mail.goo.ne.jp)

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2. 編集後記
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 ハローワークに行くと、私より年上の方が結構いらっしゃいます。自分も大
変なのですが、この方たちもきっとご苦労されてるだろうなと思います。でも、
実際はライバル。「一緒にがんばろうね」と思う反面、「絶対負けられん!」
という気持ちも 正直あります。
 まもなく四月。焦りつつもじっくり構えていこうと思っています。(三森)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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