メルマガ:日刊ドラマ速報
タイトル:Daily Drama Express 2005/03/08 みんな昔は子供だった (9)  2005/03/15


===================================================== 発行部数   20 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2005/03/08 (Tue) ☆☆
======================================================================

== 目次 ==============================================================
  1.火曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
======================================================================

----------------------------------------------------------------------
1. 火曜日の連続ドラマ
----------------------------------------------------------------------
タイトル みんな昔は子供だった
局  名 フジテレビ
放映日時 火曜22時
キャスト 照崎アイ子(国仲涼子)
 矢吹昭平(陣内孝則)
 佐上柾 (瑛太)
 旗ゆかり(白石美帆)
 田所肇 (筧利夫)
 佐上欣也(大杉漣)
 高木ナツ(風吹ジュン)
 矢吹龍平(深澤嵐)
 中村美紀恵(滝沢沙織)
脚  本 水橋文美江

あらすじ  第九話 『SOS! 冬の嵐』

 体育の授業。子供たちは サッカーボールをさかんに蹴りあってい
る。審判をするアイ子(国仲涼子)だったが、頭の中は 入江悠にあ
てた手紙のことでいっぱいになっていた。
 手紙を読んでくれたのだろうか、そしてどう思っただろうか…。何
となく元気のないアイ子を、龍平(深澤嵐)は気にかけている。

 職員室に、子供たちを迎えに来た柾(瑛太)が入ってくる。
 「あさってだっけ、墓参り、母さんの…」
 うなずく佐上(大杉漣)に、柾は「花は俺が買って行く」と言う。
 田所(筧利夫)が、村のパンフレットや観光用の小冊子を抱えてや
ってくる。
 「こんなにたくさん、何に使うんですか?」
 「森の水分校の うたい文句に使えないかと思って…」
 と佐上。
 「なるほど。山村留学の場として この分校を本格的に提供してい
こうというわけですか」
 田所と佐上の会話を 柾はじっと聞いている。

 「アイ子先生、何かヘンなんだ…」
 帰り道、龍平は 柾にアイ子のことを相談してみるが、「大人には
いろいろあるんだ」と言われるだけ。

 宿泊センター。
 柾と詩音(野村涼乃)は、ゆかり(白石美帆)の部屋を訪ねていた。
詩音が、古い雑誌の中に『森の水天文台』の写真があるのを見つけた
が、柾には分からないので、ゆかりならと思ったのだ。
 「小さい時 何度か行ったことがある」
 と懐かしそうなゆかりに、詩音は「行ってみたい」と頼む。
 「今の時期は どうかな…。山の上にあるからサ、冬の夜はちょっ
とね…」
 ゆかりの話を聞いて残念がる詩音だったが、柾は何か思いついたよ
うだった。

 その頃、矢吹食堂のカウンターで 大きくため息をつく田所と龍平
の姿を、昭平(陣内孝則)は“シンキくさそうな”目で見ていた。
 田所は 美紀恵(滝沢沙織)のことで、龍平はアイ子先生のことで
悩んでいたのだ。
 「俺がいくらおもしろいトークかましても、『おもしろいですね…』
で終わりなんだ」
 昭平は、美紀恵はいつもクールな感じだからと、あまり気にしない。
 「クールに見えても、宅配さんの笑顔には びみょーな違いがある
んだ!」
 突然いきり立つ田所に、龍平がうなずく。
 「おれには分かるよ。見た目にはびみょーでも ほんとは大っきな
違いがあるんだよね。女心って、難しい…」
 大人びた龍平のセリフに、昭平は 唖然としている。

 夕方 アイ子が家に戻ると、郵便受けに差出人のない封書があった。
それは、思ったとおり、あの入江悠からの封書だった。だが、この間
アイ子が送った手紙が 封を切った状態で入っているだけで、他には
何も入っていなかった。

 数日後、柾はゆかりとともに、例の『森の水天文台』に向かった。
柾が「そんなに星がきれいなのか」と尋ねると、ゆかりは「星空の中
に 埋まってる感じ」と、目を輝かせる。
 柾は この場所を、山村留学のうりにできればと考えていたのだ。
 「星が見たいと思っている子は たくさんいると思うんだよね。
山村留学の場として分校が続けば、俺もまた教師やれるかもしれな
いし…」
 と柾が自分の考えを話すと、ゆかりはうなずく。

 すっかり荒れ果てた 小さな天文台が見えてきた。腰をかがめて中
に入ると、そこには 小さな望遠鏡が1台あるだけで かなり傷んで
いた。
 「古いだけあって、開け方もアナログなの!」
 ゆかりに教えられて、二人はドームを手動で開く。

 すぐ近くには『森の水観測所』の建物も建っていた。中は荒れ果て、
電気も通っていない。
 「だめだな。うまくいくんじゃないかって気がしたんだけど、甘か
ったな」
 柾は がっかりしている。
 「――ここじゃなきゃ、ダメ? ここの分校でなきゃ ダメなの?」
 ゆかりは 自分の大学の初等科に教師の空きがあると教える。
 「もし その気があったら、仙台に来ない?」
 答えに困る柾に「じっくり考えて」とゆかり。

 「悠君のお母さんが?!」
 入江悠の母親がこの村の教育委員会に、「もう構わないでほしい」
と言ってきたと田所。あの手紙のことだ。アイ子は愕然とする。
 教育委員会の方から後日呼び出しがあるからと田所が言うのを、ア
イ子はただうつむいて聞くしかなかった。

 今日は、佐上の妻の命日。墓からの帰り道、柾が佐上に尋ねる。
 「何 話してたの? 母さんと」
 「いろいろとな…」
 柾は佐上と別れて アイ子を訪ねる。アイ子はいつもにはない、さ
びしそうな顔で ぼんやり縁側に座っていた。
 柾が「龍平が心配していた」と言うと アイ子は笑う。
 「生徒に心配されるなんて ダメですね」
 柾は「ダメな時だってある」と元気付ける。
 「アイ子先生ってさ、何で この村に来たの?」
 「…別に 理由なんてないですよ。この村で教師をやりたくて来た
だけです」
 とアイ子は精一杯微笑んでみせる。

 一方、佐上は「何となく家に帰りたくなくて」と矢吹食堂に立ち寄
っていた。ナツ(風吹ジュン)は佐上に酒を勧める。
 佐上は、「廃校の件を再検討してもらえることになった」と機嫌が
いい。
 「あの学校で学び、あの学校で教え、そして今 子供たちから日々
新しいことを学んで…。私の人生の全てがあそこにあるんです」
 じっと聞き入っている昭平と龍平。うまそうに酒をあおると、佐上
は満足したように 眠ってしまった。
 急いで迎えに来た柾が、佐上を背負って 夕焼けの道を帰っていっ
た。

 「オヤジさんの期待に答えられなかったって、やっぱり しんどい
ですよね」
 昭平は 柾の気持ちを思いやるが、「自分の人生なんだから、縛ら
れなくていいのに」とナツ。
 「オヤジと息子って特別なんですよ。超えなきゃいけない壁でもあ
り、超えられたくない壁でもあり…。でも、いつまでも逃げ回ってい
るわけにいかないと思うんですよね、あいつもおやっさんも…」

 その頃、宿泊センターに集まっていた子供たちは、詩音から『森の
水天文台』のことを聞かされる。
 「あんた、ここ行ったことある? 案内してよー」
 とモモ(伊藤沙利)たち。
 龍平は「隊長!」と呼ばれ、すっかりその気になってしまう。

 翌朝。
 リュックと長靴で 宿泊センターを出ようとする柾に「これ持って
け!」と昭平が 朝食の残りのバナナを2本手渡す。実は柾は、こっ
そりと もう一度あの天文台に行くつもりだった。

 柾が山道を登ろうとすると、子供たちが先に歩いているのを見かけ
る。
 「何やってんだ! こんなとこで!」
 「天文台に行こうかと…」
 柾は「冬の山は危ない」と何度も注意するが、柾も天文台に行くと
聞いて、子供たちは納得がいかない。しかたなく、柾は子供たちを連
れて行くことに決める。

 「やっぱり、休日が合わないのが原因なのか…」
 いつの間に入ってきていたのか、宿泊センターで一息していた昭平
は、いきなり田所に声を掛けられてびっくり。田所は、あともう一押
しなのに、デートもままならず「これじゃ遠距離恋愛」と嘆く。
 「そういえば子供たちは?」
 上にいると思っていた昭平は、ここで初めて 子供たちがいなくな
っているのに気づく。

 その頃、ようやく柾と子供たちは『森の水天文台』に到着。柾はデ
ジカメで写真を撮り、この前やったように、天文台のドームを全開に。
子供たちは青空を見上げて「きれい」と 歓声を上げる。
 柾は、子供たちを観測所にも連れて行った。一休みして帰ろうと、
観測所の戸を開けた柾は、天気が一変しているのに 愕然とする。
――いつのまにか外は吹雪になっていたのだ。

 アイ子は 足取り重くバスを降りていた。教育委員会に呼び出され、
厳しく注意をされて帰ってきたのだった。偶然出会ったナツに相談す
る。
 「返ってきた手紙かぁ…」
 「悠くんを苦しめるつもりはないんです。ただ、何もしてあげられ
ないまま終わってしまうのがつらくて――。でも、何も出来なかった
って思うのは 私の身勝手な思いなのかも知れませんね」
 じっと話を聞いてくれるナツに 心が少しばかり癒されたアイ子。
 ――村にも、雪がちらつき始めた。

 子供たちがいなくなったと連絡を受け、アイ子は宿泊センターに駆
けつける。だが、村中どこを探しても、子供たちの姿は見えない。
 美紀恵の話から、柾とともに山の天文台に行ったらしいと分かり、
佐上は警察に連絡しようとするが、そうなると山村留学が危ぶまれる
ことになると 田所は心配する。
 「今いちばん大切なのは、子供たちの安全です!」
 と佐上は決断する。

 昭平と田所も加わって、山の捜索が始まった。宿泊センターで、無
事を祈るアイ子、ナツ、佐上ら。

 すっかり暗くなっていた。観測所のすみで見つけたランプだけが頼
りだ。だが、寒さと空腹が子供たちに襲い掛かる。
 「そうだ!」
 柾が、朝もらったバナナを子供たちに分け与えると、やっと子供た
ちに笑顔が戻った。
 「天文台の写真ってさ、何に使うの?」
 とモモ。
 「みんなが帰った後、分校なくなるかもしれないんだ。もともと龍
平一人しかいなかったからな。天文台を見たいと思う子供たちを た
くさん集められたら、分校も続いてくんじゃないかって思って。そし
たらまた、みんなもここに遊びに来れるしな」

 ――ランプの燃料がそこをつき、辺りはまっくらになってしまった。
子供たちは泣き出してしまう。
 燃料をやっと探しだし 再び明かりがともったが、子供たちは泣き
止まない。柾は子供たちに 隣の子と手を握るように言う。
 「つらいと思うからつらい、寒いと思うから寒い。
  つらくないと思えばつらくない、楽しいと思えば楽しくなる。
  がんばれると思えばがんばれる」
 柾はみんなの顔を覗き込む。
 「そうだ! おしくらまんじゅうをしよう!」
 最初は龍平だけだったが、そのうちみんなが声を出し始めた。
 ♪おしくらまんじゅう 押されて泣くな!
 ♪おしくらまんじゅう 押されて泣くな!

 大声を出して押し合ったら、みんなすっかりあったまったようだ。
 ふと、窓の外を見ると、雪はやんでいるようだ。柾と子供たちは、
外に出て、星空を見上げる。美しい星空に息を呑む子供たち。
 「あ、流れ星!」
 あわてて願い事をする子供たちと柾。そこに、捜索隊の懐中電灯の
明かりが近づいてくる。ほっと息をつく昭平と田所。

 宿泊センターに帰り着いたのは、明け方だった。佐上は柾の姿を見
るなり、柾を殴りつけた。
 「いいかげんな気持ちでやるなと あれほど言っただろう!!」
 「…すいません…」
 うなだれる柾。
 「一体おまえは何やってるんだ! 私たちはいつでも 子供たちの
ことを考えて 行動しなくちゃいけないんだ! どうしてそれが分か
らない!?」
 ワタル(糟谷健二)が、佐上の前に歩み出る。
 「おれたちが勝手について行ったんです。ごめんなさい!」
 「帰ろうとしたら 雪が降ってきて。止むまで待ってたんです!」
 詩音も頭を下げる。
 「ほんとだよ。柾にいは悪くない!」
 と龍平も柾をかばった。
 「ありがとう、みんな。でも、悪いのはやっぱ、俺だよ。あの時み
んなをちゃんと帰してたら、こんな寒い思いも怖い思いも しなくて
済んだんだ」
 柾はもういちど頭を下げると、宿泊センターを出て行った。
 「柾にいは、森の水分校のために天文台に行ったの。天文台が使え
たら、学校が続けられるかも知れないって。そしたら私たちがまた 
ここに遊びに来れるって…」
 モモの話に、佐上やアイ子らははっとする。

 柾が教室の教壇に立って 教室を眺めていると、そこにアイ子が入
ってくる。
 「白状しちゃいます、私がこの村に来た理由――逃げてきたんです。
大好きだった子を傷つけて、その子の信頼を失って、全てに自信を無
くして 逃げてきたんです――」
 入江悠は、とても絵のうまい子だった。アイ子は、その才能を伸ば
したいと思い、ある秋の日にスケッチに誘った、その日が悠の通う進
学塾の編成テストの日だと知らずに…。テストを受けなかった悠は、
結局最下位のクラスに落ち、成績が上がらないまま、中学受験に失敗
してしまった。
 「悠くんのこと考えてるつもりで、そうじゃなかった。私のせいで
悠くんは、人生の第1段階でつまづいてしまったんです。『先生のせ
いだ』――悠くんにそう言われました。悠くんに責められて、それで
 この村に逃げてきました」
 柾は全てを聞き終わると、吐き捨てるように言った。
 「無理だよな、俺には教師なんて無理なんだよ。アイ子先生ですら
逃げてきたのに、俺にできるわけないんだよ! 人一人の人生背負う
なんて、重すぎるもんな」
 「私は、教師から逃げたわけじゃありません!」
 アイ子は、捨て鉢になっている柾をじっとみつめる。
 「逃げようとしても 逃げられないんです」
 外から、子供たちの『おしくらまんじゅう』の声が聞こえる。アイ
子は教室の窓を開ける。
 「一度失敗したからって、それで終わりですか? 無理だと思うか
ら無理なんじゃないですか? 大丈夫と思えばきっと 大丈夫――」
 アイ子は、柾の方に向き直る。
 「ワタルくんにそう言ったの、柾にいじゃないですか? 私は教師
から逃げません。自分の道に迷ったことあったけど、これからも迷う
かもしれないけど、私はずっと教師を続けていきます」
 アイ子は、その大きな瞳で柾を見上げる。

 子供たちが二人に気づいて 手を振っている。
 「先生も 仲間にいれてくださーい!!」
 アイ子は 柾を誘って、外へ走っていく。

 子供たちが待っていた。
 「ね、柾にいは何お願いしたの? 流れ星。 おれ、森の水分校が
ずっと続きますようにって」
 ワタルがそう言うと、何と全員がそうお願いしたと判明。
 「かなうといいですね」
 アイ子にうなずく子供たち。
 「よおーし! おしくらまんじゅうをやろう!!」
 すっかり元気になった柾のかけ声で、おしくらまんじゅうが始まっ
た。佐上が頬をゆるめながら その光景を見ている。

 ―――― 流れ星が見えたあの日、おしくらまんじゅうのように 
ぼくたちは暖かく ひとつにまとまっていた。だけど、別れの春は 
もうそこまで来ていたんだ ――――


寸  評  柾も勇気を取り戻しつつあるようです。子供たちに教えたことが、
結局自分のためになっている――親になると、しょっちゅう感じるこ
とです。
 失敗は人生につき物。失敗のない人なんて きっといないだろうし、
挫折を繰り返して人は大きくなるのだと思います。挫折ばかりに思え
ても、きっと何かしらいい影響があると信じています。
 今、再再就職を目指しています。なかなか厳しい年頃な上、悪条件
も重なって きっといばらの道でしょう。でも、前を向いてしっかり
がんばろうと思います。

執 筆 者 三森(anponhana@mail.goo.ne.jp)

----------------------------------------------------------------------
2. 編集後記
----------------------------------------------------------------------
 バナナって、冷えませんか? ドラマの中で、子供たちがバナナを食べてる
のを見て、「寒そっ!」と思いました(わたし、だけ?)。
 スキーや山に行く時は、おやつにかならずチョコレートやオレオ(というビ
スケット)を買ってもっていきます。何かあったとき、カロリーの高いこうい
うお菓子がいいのだと、昔お友達に教えてもらったので、ずっと実践している
のです。ちなみに、冬のホイルでくるんだおにぎり。あれは、本当に寒々とし
て、身も心も凍ってしまいそう(これも わたし、だけ?)。(三森)

======================================================================
発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。
(http://www.mailux.com/)
======================================================================

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。