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タイトル:Daily Drama Express 2005/02/22 みんな昔は子供だった (7)  2005/03/01


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2005/02/22 (Tue) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.火曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 火曜日の連続ドラマ
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タイトル みんな昔は子供だった
局  名 フジテレビ
放映日時 火曜22時
キャスト 照崎アイ子(国仲涼子)
 矢吹昭平(陣内孝則)
 佐上柾 (瑛太)
 旗ゆかり(白石美帆)
 田所肇 (筧利夫)
 佐上欣也(大杉漣)
 高木ナツ(風吹ジュン)
 矢吹龍平(深澤嵐)
 中村美紀恵(滝沢沙織)
脚  本 水橋文美江

あらすじ  第七話 『笑顔がつなげる愛』

 今日は、中間報告会。子供たちの親たちが 久しぶりに村にやって
くることになっている。
 宿泊センターでは、「お楽しみ会」の準備が着々と進んでいた。ワ
タル(糟谷健二)が 母親にプレゼントしようとしていたペンダント
も、何とかその朝完成した。誇らしげに、出来上がったペンダントを
みんなに見せるワタル。モモ(伊藤沙利)や詩音(野村涼乃)は「す
っごいかわいい」とほめる。

 朝食を作りに来ていた昭平(陣内孝則)に、龍平(深澤嵐)が飛び
ついてくる。
 「父ちゃん、今日 見にきてくれるんだよね?」
 「あったりまえだろ! ビシッとキメていくからよぉ、おまえもバ
シッとキメろよ!」
 そんな中、アイ子(国仲涼子)が宿泊センターに到着。
 「今日は、みんなと登校したいと思って」
 と、いつも以上の笑顔で 柾(瑛太)と話している。柾が こころ
なしかアイ子を見つめすぎているような気がして、昭平は気が気でな
らない。

 森の水分校では、佐上(大杉漣)とナツ(風吹ジュン)が 教室の
飾り付けを終えたところだった。
 「何で あんなに嬉しかったのかしらね、授業参観」
 とナツは 飾り付けを満足そうに眺めながら 話しかける。
 「その時間だけはずっと、親の気持ちを独り占めできるからじゃな
いですかね」
 ――と、その時 田所(筧利夫)が荒々しく教室に入ってきた。
 「大変です!」
 教育委員会の視察委員と一緒に 市長が視察に来ると言うのだ。
 「何も起こらなければ いいのですが…」
 田所が 一人つぶやく。

 校庭に並んだ子供たちと 学校関係者。親たちの乗ったバスを 今
か今かとわくわくしながら待っている。
 「来た!」
 バスの中から みんなが手を振っているのが見える。
 バスのドアが開くと、子供たちは駆け寄って 久しぶりの再会を喜
び合った。
 新(熊谷知博)の父親と昭平も 遅れて現れ、全員がそろった。

 教室。午前中は校外学習で 地図の場所巡りをしながらの発表。午
後からは算数の授業をすると、今日一日の日程を話すアイ子。
 「みなさん、今日は元気にいきましょうね!」
 子供たちが「はーい!」と手を挙げるのに合わせて、昭平も手を挙
げる。

 「初めに、『聖なる木』へ行きまあす!」
 出発しかけた時、田所がアイ子に近づいてくる。
 「午後からの授業に、市長も視察に来ることになりました。教育委
員会の方も 失礼があってはいけないとピリピリしてますから…」
 アイ子の顔から 笑顔が消える。
 「何かあったら、先生だけの責任では済まなくなります。分校の存
続がかかってます。くれぐれも 問題のないように…」
 だが、アイ子は振り返ると、とびきりの笑顔を見せた。
 「それではみなさん、出発しまーす!!」
 アイ子と柾を先頭に、発表会の列が後ろをついていく。

 ―――― 空を見上げて ぼくは神さまにお願いをした。今日一日
が 無事に終わりますようにって。みんなが笑顔で いられますよう
にって ――――

 『聖なる木』では 最年長の風太(高木優希)が、樹齢300年以
上の村の守り神である この古木について堂々と発表した。

 続いては『風のふく丘』。
 龍平が教えてくれたこの丘で、昨日 父親と飛行機を飛ばして遊ん
だと、嬉しそうに発表する新。父親も嬉しそうだ。

 『光の林』と名づけたあの竹林では、モモが発表。箸を作るために
 ここに来た時感じたことを、ちゃんと言葉にしていた。

 火の見やぐらは『消防隊長のとりで』。ワタルがつかえつかえ や
っと作文を読み終えると、大きな拍手が起こった。

 その頃、職員室では…。
 田所は一人、全く落ち着かない様子で 視察委員と市長が現れるの
を待っている。見かねた佐上とナツが声をかけるが、何しろ 出世が
かかっている田所には、何も聞こえていないようだ。

 最後の『星の見える丘』にやってきた一行。だが、発表するのに丘
に立った詩音は、急に元気を無くし うつむいてしまう。
 「ちょっと 座りましょう」
 アイ子がそう言うと、子供たちは 詩音の隣に並んで座った。心配
そうだった親たちも、その場に腰を下ろした。
 「ここは空が広いですねえ」
 アイ子の言葉に、詩音以外の全員が 大空を気持ちよさそうに見上
げる。
 「先生が小学生の頃にね、月曜の全校朝礼の時に『空を見ましょう』
って必ず言う 校長先生がいたんです。
 月曜日って、学校に行きたくないなって思うこと あるでしょ? 
でも、真っ青な空を見てたらね、不思議とそういう気持ちが すーっ
と晴れていったんです。下を向いてると、気持ちまでおっこっちゃう
よ って、校長先生は 言いたかったんだと思います。
 だからみなさんも 落ち込んだりくじけそうになった時、ちょっと
でいいから 空を見上げてみてください。そしたらきっと 元気が湧
いてくるはずです」
 ようやく顔をあげ、お日様の光を顔いっぱいに浴びた詩音は、勇気
が出たようで、立ち上がる。
 「ここは、私の好きな『星の見える丘』です。先生は、この村には
本物の夜があると 教えてくれました」
 親たちの方に くるりと体を向ける詩音。
 「本物の夜空の下にいる龍平くんは、望遠鏡なしで この小さな
7等星が見えます」
 詩音は、画用紙に描いたオリオン座の一部分を指差し、発表を続け
る。
 「だから、私も7等星が見えるようになりたいと思いました。この
丘は 星のたくさん見える丘です。私の大好きな場所です」
 詩音はこう言い終えると、その絵を母親に手渡す。拍手が二人を包
む。

 森の水分校に 市長の神田(鶴田忍)と視察委員がやってきた。
 神田が職員室を見回して「趣のある学校だ」と感想を言うと、佐上
と田所は「二人ともこの学校の卒業生」と 自己紹介。

 宿泊センターでは、柾とゆかり(白石美帆)が「お楽しみ会」の準
備におおわらわ。
 「いいなあ、アイ子先生。自分の信じる道 歩いてて。その後を 
子供たちがついてきてる…」
 柾が アイ子の話をするのを、ゆかりはあまりいい気がしない。
 「東京で小学校の先生だったんだ。うまくいかなくて あっさり辞
めちゃったけど、ちょっともったいないことしちゃったかな」
 「今からでも 遅くないんじゃない?」
 「?」
 「教師って“気持ち”でしょ? 大切なのは、やりたいって気持ち。
そう気づかせてくれたの、柾くんじゃん」
 ゆかりに言われて、柾は はっとする。

 発表が終わり、一行は校庭に帰ってきていた。どの親も 我が子の
発表を誉めていたが、龍平の発表がなかった昭平は苦い顔。
 「おまえ、発表は?」
 「おれね、あれなの…オオトリ!」
 昭平は「オオトリかあ…」とにんまり。

 午後の授業が始まった。だが、ワタルの様子が落ち着かない。プレ
ゼントのペンダントを、どこかに無くしてしまったのだ。
 ワタルを気にするアイ子だったが、田所に案内されてやってきた市
長と視察委員の目があり、声を掛けられない。
 気配に気づいた田所が 昭平から事情を聞くが、田所には何の余裕
もない。
 「授業を始めてください! アイ子先生!」
 田所の目が、アイ子に訴えているのが分かる。アイ子は仕方なく、
授業を始める。
 だが、ワタルは泣き出してしまった。親たちも心配そうに見つめて
いる。
 「先生! トイレ行ってきていいですか?」
 龍平が手を挙げたのをきっかけに、次々に子供たちが「トイレ!」
と言って教室を出て行ってしまい、あっと言う間に全員 いなくなっ
てしまった。
 アイ子は慌てて 教室を飛び出す。

 校庭から走っていこうとする子供たちを止めるアイ子。
 「教室に 戻りましょう!」
 後から 田所がやってくる。
 「何をやっとるんだ 君たちは! 早く教室に 戻りなさい!」
 だが、子供たちは ワタルの無くしたペンダントを探しに行くつも
りなのだ。
 「おれたちで 探しに行ってもいいでしょ?」
 と龍平。みんなの目がアイ子を見つめる。
 「学校の存続がかかってるんですよ! 失敗は 許されないんです
よ!」
 今度は、田所の言葉がアイ子の気持ちを引きとめようとする。
 「おれ、探しに行きたい!」
 とワタルが言うと、揺れていたアイ子の気持ちは決まった。
 「田所先生、すいません! すぐ戻ってきます!」
 アイ子は 子供たちを連れて、学校の石段を駆け下りていった。
 「子供たちのことは、アイ子先生に任せろ」
 と、昭平が なおも止めようとする田所の腕をつかむ。

 教室は 騒然となっていた。不安げな親たちに 佐上が話し掛ける。
 「お子さんたち、すっかり仲良くなりましてね…。心配要りません。
アイ子先生がついてますから」
 親たちに 安堵の表情が戻る。 

 さて、子供たちは午前中 校外学習で歩いた道をたどっていた。落
ち葉、雪の下を這いつくばってかき分ける。硬くなった雪の塊も 苦
労して崩してみるが、出てこない。

 職員室では、市長と視察委員の前で「申し訳ありません」とひたす
ら頭を下げ続ける田所の姿があった。
 視察委員は、この後の市長の予定を気にして いらいらしている。
 「いつまで待たせるんですか!? 山村留学を成功させると言った
のは、あなたでしょ! だから子供たちを預けたんじゃないですか!」
 田所は、子供たちを捜しに出て行った。廊下で待っていた昭平が
「おれはアイ子先生を信じて待つ!」と言うが、「勝手にしろ」と全
く聞く耳を持たない。

 最後の発表の場所だった『星の見える丘』も探し終え、ワタルは
「もういいよ」と言い出す。
 「一度取り組んだことは、最後までやりとげなくちゃ。簡単にあき
らめちゃだめだよ!」
 龍平の言葉を聞いて、子供たちは もう一度最初から探すことに決
める。

 ワタルが手提げ袋を振り回していたから、どこかに飛んでいってし
まったのでは、と風太。川原へ降りた子供たちは、ついに 大きな流
木の上に乗っかっているペンダントを発見する。
 龍平がペンダントに手を伸ばすが、するりとすり抜けたペンダント
は、川の深みに落ちてしまい、しかもその流木が邪魔になって手が届
かない。困り果てるアイ子と子供たち。
 そこに、田所が現れる。
 「授業を放棄して 何をやっとるんだ! 視察委員は待ってはくれ
ませんよ!」
 アイ子は 道路に軽トラックが通りかかっているのを見かけ、その
トラックの前に飛び出す。それは、美紀恵(滝沢沙織)の軽トラック
だった。
 「ロープ、持ってないですか?!」

 借りたロープを流木に結び付け、アイ子を先頭に 子供たち全員が
ロープを引っ張った。流木さえ取り除けば、あのペンダントが取れる
はずだと信じて…。
 つっ立って見ていただけの田所だったが、アイ子の声にあわせてロ
ープを引っ張る子供たちの顔を見ているうち、「しょうがねえなあ」
と 上着を脱ぎ捨て、一緒にロープを引っ張り始める。
 田所が加わったことで、流木が大きく動いた。ワタルが木の枝で、
ペンダントを引っ掛ける。
 「やったー!!」
 手をたたいて 喜び合うアイ子と子供たちを、田所は微笑んで見て
いる。

 教室に 泥だらけの子供たちが戻ってきた。授業を再開しようとす
るが、そこに市長と視察委員の三人がやってくる。
 「もう結構です! 見なくたって分かります。この様子じゃ、大し
た授業はしてないでしょう」
 と言い捨てて、立ち去ろうとする三人。
 「あるだろ!」
 田所は 出て行こうとする三人を引き止めようとする。
 「あの子達の笑顔だよ。――教室の中だけで行われるのが 教育で
すか?
 あの泣いていた子は、お母さんのために 一生懸命作ったペンダン
トを無くして あきらめかけてたのを、必死になって探しにいったん
です。
 寒い中走って、泥まみれになりながら、うんうんうなりながら、流
木動かして、やっとの思いで見つけてきたんですよ。くじけそうにな
ってるあの子を、みんなの力で引っ張りあげたんだ。他人だったあの
子達が、互いを思いやるようになった、それが 山村留学の成果の全
てですよ!」
 だが、少しも動じることなく、三人は学校を後にした。
 田所は肩で息をしながら、気が抜けたようになっている。

 授業は続けられた。
 「それでは、オオトリです」
 いよいよ龍平の番! 昭平は大きく拍手をした。
 「ぼくの好きな場所は、ここ森の水分校です。1年のときから ぼ
くはずっと 一人でした。でも、今は違います。学校に来れば、毎日
 友達に会えます。アイ子先生と二人だけの時も楽しかったけど、今
は その百倍も楽しいです」
 拍手の中、昭平が「いいぞ!」と声をかける。佐上は 嬉しさのあ
まり泣き出してしまい、急いで職員室に戻っていく。

 その頃、市役所に戻った市長と視察委員たち。
 「我々の監督不行き届きで、申し訳ありませんでした」
 「…泥だらけの子供たちの顔、輝いてましたね…」
 思わぬ市長の言葉に、視察委員は驚いている。――田所が 知るは
ずもないことだが…。

 夜。宿泊センターでは、『お楽しみ会』が始まった。
 子供たちは、それぞれの親に 自分たちからのプレゼントを渡す。
どの子供の顔も、自信にあふれ、輝いていた。

 外では、一人、田所がくらーく落ち込んでいた。
 「何へこんでんだよ!」
 と昭平が声をかける。
 「田所肇、栄光の人生が 遂に終わりを告げたのだ。感情に任せて
 奔走したあげく、出世コースからスピンアウト! 俺の人生、何な
んだよ…」
 「くっだらねえこと言ってんじゃねえよ! 一つだけじゃねえだろ、
人生のコースはよぉ!」
 昭平が去ってすぐ、美紀恵が 貸したロープを取りにやって来た。
田所の顔色が たちまち変わり、微笑が戻る。
 「よろしかったら、中のほうへ どうぞ!」
 と 美紀恵のジャンパーを無理やり引っ張る田所。

 宴もたけなわ、和気あいあいとしたムードで 『お楽しみ会』が続
く。
 「この子の元気な顔見て、安心しました。あと1ヶ月、よろしくお
願いしますね」
 と風太の母。アイ子は「はい!」と元気よくうなずく。

 ―――― あの日、ばらばらになってしまいそうなぼくたちを、ア
イ子先生は 一本のロープでつなぎとめてくれた。ぼくたちは 本当
の友達になったんだ ――――


寸  評  流木のシーンは、ちょっと無理があったような感じでしたが、最
終的にはあの市長に気持ちが伝わったようで、よかったです。
 先週も 昭平が田所に言っていましたが、「教育委員会」というの
は そんなに『怖い』ところなんでしょうか? あの視察委員も、人
間臭さ全くなしで、根っからの『お役人』という雰囲気でしたけど、
教育委員会って、教諭免許を持った人で 構成されてるのではないの
ですか? だとしたら、どうして子供たちの気持ちが汲めないのか、
よく分かりません。市長が一緒だから、ああいう対応になってしまっ
たのでしょうか。

執 筆 者 三森(anponhana@mail.goo.ne.jp)

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2. 編集後記
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 ついに、学校での仕事が明日、終わります。もうこの場所に戻ってくること
はありません。でも、悲しい気持ちがそれほどないというのが 本音。「この
子達ともう会えなくなる、何も教えられなくなる」というさびしさはあるので
すが…。
 やはり、何より私の心を占めているのが、『次の仕事』なんですよねえ!
 すぐにハローワークに行かなきゃいけないし、大体 年取ってきてるし、と
にかく不安で不安で…。でもっ! 前向きにがんばらなくちゃ!(三森)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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