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タイトル:Daily Drama Express 2005/01/20 H2 (2)  2005/01/27


===================================================== 発行部数   20 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2005/01/20 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル H2〜君といた日々
局  名 TBS系
放映日時 木曜22時
キャスト 国見比呂(山田孝之)
 古賀春華(石原さとみ)
 橘英雄 (田中幸太朗)
 野田敦 (中尾明慶)
 雨宮ひかり(市川由衣)
 木根竜太郎(石垣佑麿)
原作  あだち充
脚  本 関えり香
 山崎淳也

あらすじ あらすじ

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 −(春華のN)中学時代、全国の強豪高校が注目した、ピッチャー
の国見比呂。夢は甲子園のはずだったのですが、このまま投げ続けれ
ば3カ月で壊れるガラスの肘、と診断され、野球を断念。しかし再検
査の結果、国見くんの肘はなんともないことがわかり、また野球がで
きることになりました。目指せ甲子園!わたしはうれしくて跳び上が
りそうになったのですが……

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 「ごめん、できないよ、みんなといっしょになんて」と比呂(山田
孝之)は重たい口調で切り出す。合点のいかない敦(中尾明慶)と春
華を見、そして熱心に練習する微笑ましそうに見つめながら比呂は
「みんな今でも十分に楽しそうだよ。わざわざつらい思いをしてまで
甲子園を目指す必要ないよ。俺、野球を誰にも嫌いになってほしくな
いんだ」と言う。そこへ、校長が直々に野球愛好会の解散を宣告した
という知らせが入る。驚いた春華たちはすぐさま校長室へ駆けつける。



 解散の理由を詰め寄る春華たちに校長の柳(竜雷太)は学校とは勉
学の場であり、お遊びでやるグループを置いておくことはできない、
他の勤勉な生徒にも悪影響が出ると言う。春華は「野球愛好会はお遊
びグループなんかではありません」と反論するが、柳は何の目的も持
たず商店街の草野球チームとしか試合ができないチームはお遊びグル
ープとしか言いようがないと冷たく言う。春華は「それなら部活動と
して承認してください、私たちは甲子園を目指します」と宣言する。
突発的な甲子園を目指す発言に愛好会の会員たちはざわつきだす。す
ると柳の表情が険しくなり、「何が甲子園だ、虫唾が走る!野球はく
だらん!!」と声を荒げる。春華も「野球はくだらなくない!野球も、
甲子園も素敵です!」と言い返す。比呂は柳と春華のやりとりを黙っ
たままじっと聞いている。柳は明和一高の校長の話を持ち出し、甲子
園に行くことができれば、多額の寄付金が集まり、入学志願者も増え
る、そんな話ばかりしとるんだ、それでも素敵だというのかね、と嫌
味っぽく言うが、春華は「そんな話、純粋に甲子園を目指す私たちに
は関係ありません」と一歩も引かない。すると柳は甲子園を目指すと
宣言する。
 話が終わった後、野球愛好会員たちはいつも練習している校舎裏に
戻ってくるが、練習をしようとしない。春華は「あきらめずに、がん
ばりましょうよ」と声をかけて回るが、みな口々にもう愛好会は解散
だ、俺らは甲子園なんてどうでもいいのに、勝手に決めちゃってどう
責任とってくれるんだと春華を責めたてるので、春華は困り果ててし
まう。すると比呂が「勝てばいいんですよ」と口を挟む。すると野球
愛好会会員たちは、(解散になったら)僕たちは君みたいに転校して
甲子園を目指すっていうわけにはいかないんだと文句を言うので、比
呂は「それなら、試合に負けたら俺も野球をやめます、これでお互い
条件は同じでしょ。ただし人任せで辞めることになるのは嫌なんで俺
も試合に出ますよ」と言う。敦が「試合やるのはいいけどおまえ、か
るい気持ちでおかしなこと言っちゃってないか?」と諭すが、比呂は
「おかしいのはやる前からあきらめちまうような奴らのほうだ」と言
い残して立ち去ってしまう。



 その夜、春華は比呂の家を訪ねる。出迎えた太郎(柳沢慎吾)と信
子(石野真子)は自分の会社の社長令嬢と比呂が親しくなったことを
知って、これで我が家も安泰だと大はしゃぎし、春華を大歓迎する。



 そのころ比呂は自分の部屋で敦と愛好会存続をかけた練習試合につ
いての話をしていた。敦が「まっ、夏休みも近くてグラウンドも結構
使えるみたいだし、鍛えればあの先輩たちも何とかなるんじゃない」
と今後の方針を練るが、比呂は「点を与えなきゃ負けはしねえ」と一
言言う。敦も「でもってこっちの点は俺がとる」と表情を引き締める。
比呂は「燃えてきたなぁ」と静かに闘志を燃やしはじめる。



 そこへ春華がやってきて、「わたし国見くんに謝らなきゃ。もし試
合に負けて国見くんが野球を辞めることになったら……」と沈んだ表
情で言う。比呂は「おまえもやる前からあきらめてんの?」と不愉快
になる。春華は「考えれば考えるほどやっぱり……」と弱気になって
いる。比呂は「そんなことよりメンバー足んないの知ってんだろ?マ
ネージャーなら引退した3年生とか集めてこいよ」とかえって突き放
す。それを聞いた春華は「そうだね、いっしょにがんばろうね」と答
えるものの、落ち込んでしまう。



 次の日からグラウンドで練習が始まる。比呂がノックをしながら
「腰を落として正面で受けて」「スタートもう一歩早く」とアドバイ
スしている。ノックボールを比呂に渡しながら敦が「おまえあれから
古賀ちゃんに謝った?」と声をかけるが、比呂は答えない。敦は
「(謝っていない)だろうな。あれから古賀ちゃん元気ないし」とベ
ンチでぽつんと座っている春華を見やる。春華はベンチで険しい表情
をしていたが、その目線の先にはサッカーの練習をしている竜太郎
(石垣佑磨)の姿があった。一方比呂は「謝れば元気になんのかよ」
と素っ気ないので、敦は
 「マネージャーが元気ないと選手の士気に影響でんだよなあ」とエ
ラーを連発する野球愛好会員たちの姿に注意を促す。比呂は「わかっ
たよ」と言って、敦にバットをわたし、しぶしぶ春華のところへ歩い
ていく。



 すると春華の背後に一人の男子生徒がいるのが目にはいる。比呂の
視線に気づいたその生徒は慌てて自転車に乗って去っていく。それを
見て比呂は「柳が逃げた」と大急ぎで追いかける。敦も「柳ってあの
セカンドの?」と比呂の後を追う。自分の前を駆け抜けていく比呂と
敦を見て春華は首をかしげる。



 その夜、比呂と敦は柳守道(森廉)の家を訪ねて呼び出す。家から
出てきた守道に比呂と敦は「ど〜も〜、千川高校野球愛好会スカウト
のもので〜す」と笑顔を作って声をかけるが、守道は「高校野球はや
らないと父と約束したので」と断る。7〜8年前守道の父親の母校が
甲子園に初出場したが大敗し、そのことが全国的に有名になり、どこ
へ行っても恥をかくので好きだった野球を毛嫌いするようになったの
だという。守道は中学時代、走攻守三拍子そろった実力のあるセカン
ドだったので、やらないのは惜しすぎると比呂は説得しようとするが、
守道は「うちの父が頑固なのはわかっているでしょ」とすまなそうに
言う。守道の父とは千川高校校長のあの柳なのだ。それに気づいて比
呂と敦は愕然とする。



 翌日、練習しながらなんとか守道をチームに入れられないかと比呂
と敦は思案する。ふと敦が「今日は古賀ちゃん来てないね」と言うと、
比呂は思わずノックするボールを空振りしてしまう。敦はさらに「こ
のまま野球やめたりして」と言うと、比呂はまた空振りし、よろめい
てしまう。



 その夜、比呂がひかりの実家の本屋に立ち寄ってまた袋とじを破こ
うとしていると、春華の女友達が走ってやってきて、春華が竜太郎に
野球愛好会入部を勧めたこと、竜太郎が交換条件に春華とのデートを
出してきたこと、竜太郎が春華をゲットしたも同然と勘違いして、決
めるなら今夜だと一人テンション高くなっていると告げる。それを聞
いた比呂は慌てて春華を探しに行く。



 ちょうどそのころ竜太郎は春華にキスを迫っていた。春華も野球愛
好会に入ってくれるならと諦めた様子だが、そのとき、ハンドボール
くらいのゴムボールが飛んできて春華の頭に当たり、春華はよろめい
て倒れてしまう。いらだつ竜太郎の前に比呂が現れる。竜太郎は「俺
の力が必要なんだろ?邪魔なんだからさっさと失せな」と比呂に言う
が、比呂は「他人の弱みにつけこむやつなんか必要ない」と断る。竜
太郎は「後悔しても知らねえぞ!」と捨て台詞を残して逃げていく。
春華は気まずそうな、嬉しそうな感じの表情を浮かべる。比呂は「お
まえがこんなことして試合に勝ったところで誰も喜べねえよ」と春華
に言うと、春華は「少し嬉しいな、わたしのこと心配して探してくれ
て、嬉しいな」とつぶやくように言う。



 南東京大会予選決勝の日。ひかり(市川由衣)は朝早くから応援に
出かけようとしていると、父の太一(杉本哲太)が英雄(田中幸太朗)
の雑誌記事を出して見せてくれる。(英雄という)名前のとおり育っ
てくれて親も嬉しいだろうと太一は感心しきりに言うと、ひかりは
「スクラップ用!」と言ってその雑誌を持って出かけていく。さくら
(七瀬なつみ)が「そういえばもう一人の英雄(えいゆう)はどうし
ているのかしら?」と太一に言うと、「そっか、比呂でヒーローか」
と太一が答える。



 その日、比呂と敦は学食にいた。比呂は自分の携帯を机上に置いて
じっと見ていると着信のベルが鳴る。比呂が急いで出ると、ひかりか
ら英雄が決勝で敗れたことが伝えられる。がっかりする比呂と敦だが、
ふと思いついたように「ということは練習試合の相手は明和一高かよ
!」と非常事態に陥ったかのように慌てる。



 その夜、比呂と敦は英雄の家に行って慰めるつもりが、頭の中は練
習試合のことでいっぱいで、英雄の部屋でノートを開いて「セカンド
は柳に入ってもらって……」と作戦を練り、英雄のことはお構いなし
になってしまう。



 次の日、英雄はひかりに比呂との練習試合の話とともに、比呂たち
の愛好会が負ければ解散、勝てば部に昇格することを話す。ひかりは
「ただの練習試合でしょ、負けるべし」と英雄に言うが、英雄は「失
礼だろ、それに比呂との真剣勝負が楽しみなんだ」とあくまで全力で
やると言い、そのままロードワークに出て行く。融通の利かない英雄
にひかりは少々不満な表情になる。



 比呂は守道を何とか加わってもらおうと、下校途中の守道を捕まえ
「試合は10日後、明和一高のグラウンドだ。セカンドを空けて待って
おくから」と伝える。
 守道は「野球はやめたんで」と相変わらず断るが、比呂は「今のお
まえはくつひもがほどけているんだ。くつひもをしっかり結びあわさ
なければ走れない。それと同じように親子も結び合わされなければう
まくいかないんだ」とスパイクのひもを結びながら説得する。守道と
別れて戻ってくると敦が浮かない顔をしていた。比呂が「どうだ、く
つひもは?」と言うと、敦は「なんかいまいちなぁ……」と顔をしか
める。比呂は守道説得用にくつひもの話を作って準備していたのだ。



 市内の野球広場。少年野球チームが野球をしている。その様子を竜
太郎が眺めていた。するとロードワークで通りかかった英雄が声をか
ける。英雄は「おまえはリトルリーグでいっしょだったとき、俺が
4番ならチームを辞めるって言ったよな」とからかうような口調で言
う。竜太郎は「見る目のねえ監督だったぜ」とはき捨てるが、英雄は
「いや、あれは俺がやめるように仕向けたんだ。監督の財布を見つか
りやすいようにおまえのカバンに入れてな」と薄笑いを浮かべる。英
雄はさらに「すんなりやめてくれておまえには感謝しているよ。そう
だ、俺がプロに入ったらおまえにスパイク磨かせてやるよ、負け犬」
と挑発してくる。それを聞いた竜太郎の顔色がみるみるうちに変わり、
「覚えてろよ、俺はおまえを絶対許さねえ」と言って走っていく。そ
れを見ながら英雄は「素直というか、単純というか、普通そんな(監
督の財布をカバンに入れておいてやめさせる)ことしねえよ」とあき
れる。



 その夜、守道は昔の自分のプレーする写真を見ていた父親を見かけ
る。守道は「あのころはよく父さんがスパイクのひもを結んでくれた
ね」と柳に言う。それを聞いた柳はじっと考え込んでしまう。



 試合当日。試合前、英雄の周りには女子高生たちが群がっている。
それをベンチから見た竜太郎が「俺は負け犬じゃねえぞ!」と叫んで
いる。春華が比呂のところへ来て守道がまだ来ないと伝える。比呂は
「とりあえずあいつにやってもらうから」と言って指差すと、ベンチ
の隅っこで咳をしている、マスクをかけた選手が座っている。春華も
敦も「誰だろう?」と首をかしげる。



 試合が始まるが、比呂は全力投球しない。応援にきたひかりが怪訝
そうに見ていると、英雄がやってくる。英雄が「二軍相手なんだ。監
督は俺らが出るまでもないと比呂は思わせておきたいんだ」と言う。
ひかりは「今日だけは比呂の応援するからね、いい?」と言うと、英
雄が「本当に今日だけか?」と言ってくる。
 ひかりは「当たり前よ」と答え、英雄は「なら許す」と認める。



 比呂が打席につこうとしているとき、背後からひかりが「一発大き
いのかましてこいよ!」と声をかける。一瞬驚く比呂だが「おう、任
せとけ」と言ってバッターボックスに入る。ひかりの姿に気づいた春
華がやってきて、「こっちの応援をするならベンチへどうぞ」と進め
る。



 しかし比呂は手堅く進塁打を放ち4番の竜太郎に回す。ベンチに戻
ってくると、ひかりが「ナイス送りバント」と不服そうに言う。竜太
郎は気合十分でヒットを放ち、千川高校が先制する。試合を観戦して
いた柳は明和一高の校長に「負けてもらっては困るんだがね」とぼそ
りと言う。



 試合はそのまま進み、7回裏を終了して1−0で千川高校がリード
している。



 8回表、明和一高の攻撃。マウンド上の比呂を見て、明和一高の監
督が「あのピッチャーどっかで見たことあるな」と首をかしげている。
千川高校側のベンチからはひかりが「比呂、しっかり!」と言えば、
春華も続いて「がんばって、国見くん」と応援する。それを聞いた明
和一高の監督は「比呂?国見!あの国見比呂か!」と気づき、1軍レ
ギュラーを出してくる。春華は「どうしよう、わたしがドジしたばっ
かりに」と青ざめるが、ひかりは「大丈夫、比呂は相手が強ければ強
いほど燃えるから。信じましょう」と言う。マウンド上の比呂はチラ
と柳を見やり「よく見ていてくださいよ、これからがあなたの嫌いな
高校野球です」とつぶやき、振りかぶる。比呂が投げた一球はグンと
伸びて明和一高のレギュラーでも当てることができず三者連続三振と
なる。「すごい、すごい!」と春華は声をからして叫び続ける。



 9回表、明和一高の攻撃でランナー1,2塁。明和一高の校長が
「いよいよ捕まえた感じですな」と言うと、柳は「エラーで出たラン
ナーだ。捕まえたとは言えん。だが、次は4番の橘だ。どうする国見
くん」とつぶやく。



 1球目、2球目とも比呂が全力で投げた速球はファールになるが、
タイミングはあっている。続く3球目、敦があれこれとサインを出す
が、比呂は「ど真ん中に構えてろ!」と怒鳴る。それを聞いた英雄は
「そうか、あいつには高速フォーク(速球に近い球速でバッターの手
元で落ちる落差の少ない変化球)があった」と気づく。比呂が投げた
球は予想通り落ち、英雄はコンパクトに振ってピッチャー返しになる。
球は比呂の足に当たってヒットになり満塁になる。敦が比呂の足を心
配するが、比呂は大丈夫とジェスチャーで返す。



 ベンチでは春華が「よかったぁ、足に当たってなかったんだ」と言
うが、ひかりが「当たっているわ。比呂は大したことじゃないときは
大騒ぎするけど、本当に痛いときは隠す、そういう人なの」と教える。
案の定、比呂の投球に影響が出て、ヒットで同点になってしまう。続
く打者のあたりは大きく外野へ飛ぶが、竜太郎が「(二塁ランナーの)
橘!おまえだけは帰さん!」と全力でバックフォームし、英雄を刺す。
9回表を終了して1−2で明和一高のリード。ベンチでは春華がアイ
シング用の氷水を作っていたが、ひかりは「比呂は隠し通そうとする
わよ」と言う。しかし春華は「でもわたしはマネージャーですから」
と言って比呂を氷水のところに連れてこようとする。



 9回裏、千川高の攻撃も二死となる。明和一高の校長が「あと一人
だ」と勝利を確信した笑みを浮かべると、そばで聞いていた千川高の
英語教師小宮慶子(田丸麻紀)が「えっもう?」と思わず大声をあげ
る。すると柳が「黙っていなさい!」と厳しい口調で注意する。打席
ではマスクをした選手がファールで粘っている。それを厳しい表情で
見つめていた柳から消え、次第に柔和な感じになる。



 マスクをした選手はファーボールで出塁し、次の比呂も足の痛みを
こらえて内野安打を放つ。続く竜太郎がヒットで満塁とし、敦に回っ
てくる。敦は初球から積極的に打ち、打球は三遊間を抜けそうになる
が、サードの英雄がダイビングキャッチし、一塁へ転送する。タイミ
ングはアウトだったが、ファーストの足がベースから離れていた。し
かし審判は気づかずアウトを宣告し試合終了になる。その様子を見て
いた柳は明和一高の校長に「助かりましたな。昔から目だけはいいの
で」と言い残し、グラウンドをしばし見つめ、静かに去っていく。グ
ラウンドでは悔しさいっぱいの表情を隠せない千川高校の選手たちの
姿があった。



 試合後、比呂は病院へ行くと、全治三週間と診断される。ひかりは
「比呂への打球といい、最後のファインプレーといい、手加減知らな
いんだから」と英雄を責める。英雄は「手加減を知らないのは比呂も
同じだよ」とあっさり言う。英雄は「うちに転校してこいよ、いっし
ょに野球をやろう」と比呂に言う。比呂はそばにいる春華がうつむく
のを見やりしばし考え込むが、おもむろに「手遅れだよ、おまえに投
げる楽しみ知っちまったんだから」と答える。とたんに春華の表情が
明るくなるが、敦が「でもおまえ野球やめるんだろ」と言う。今更な
がら比呂は自分の言ったことに呆然とする。



 翌日、学校近くの河川敷の草むらに寝転がってボーっとした比呂の
もとに守道、竜太郎を含めた野球愛好会の会員たちがやってくる。春
華が「要は愛好会が解散しなければいいんですよ」言うと、比呂は
「なに言ってんだ、負けたんだぞ」と答える。しかし竜太郎が「あん
なの校長の勝手な言いがかりさ」と言えば、守道も「だから、みんな
で愛好会を野球部にして甲子園を目指そう」と言う。上級生たちも
「足引っ張るかもしれないけど、国見くんと野球をやれば夢を見られ
るし」と口々に言うので、比呂も改めて甲子園を目指すことを決意す
る。



 そのころ校長の柳は自宅でまた守道のこどものころの野球の写真を
眺めていた。昔野球を好きだったころの記憶がよみがえってくる。



 野球愛好会の面々はどうやって愛好会を解散させないですむかを考
え、守道に説得の電話を頼むが、守道は抵抗する。しかたなく敦が電
話をかけ「息子を預かっている、解放してほしければ千川高校に野球
部を作れ」と下手な芝居を打つ。
 しかし柳は「わかった、いいだろう」と答えてくる。驚いた敦が
「野球部を作っていいらしいよ」とみんなに言う。すると守道は即座
に家に帰って真意を確かめようとする。



 家に戻り、守道は「父さん、肩を揉もうか」と庭で草いじりをして
いる柳に背後から声をかける。柳は振り返らず「要求は野球部を作る
ことだけで、おまえが野球をやるということはなかったぞ。どうする、
もう一度誘拐されるか?」と言う。守道は「いえ、自分から要求しま
す。野球をやらせてください、父さんが野球を好きなくらい僕も野球
が好きです」とはっきりと言う。柳は「条件がある。肩をもめ」と言
う。



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 −(春華のN)校舎裏から始まった野球愛好会が、このとき野球部
になって甲子園を目指し始めました。

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 部室の前で部員たちがクラッカーを鳴らし、空のビンやペットボト
ルに水をつめてビールかけのマネをして野球部創設を大はしゃぎで祝
っている。



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 −(春華のN)そう、わたしたちはまだ始まったばかりだったので
す。

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寸  評  春華がとても活き活きと描かれていると思います。甲子園に行き
たいと誰よりも強く表に出して言ってますし、明和一高に勝つためな
ら危険承知で竜太郎とデートするなど体当たり的なところも見せてく
れます。練習試合でも一番声を出して応援し、比呂の足をアイシング
するための氷水を作ったりと一番一生懸命さが感じられます。そのせ
いか、最後みんなで野球部創設を喜んでいるときに、春華に対してよ
かったねと声をかけたくなりました。

 最近のドラマを見ていて思うのですが、主人公が受身的な感じを受
けます。脇役が活発に動いて、その結果として主人公の心の変化が起
きるという作り方になってしまうからかもしれませんが、時として主
人公がかすんでしまうのが気になります。

執 筆 者 ケン()

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2. 編集後記
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 高校野球をテーマにしたドラマでいつも思うのは、どうしても長髪じゃない
とだめなのかなということです。実際の甲子園ではみな丸刈り(校風が自由な
都立高校などは長髪で出たこともありますが)ですので、そのへんのリアリテ
ィはどうなんだろうと思います。まあドラマの世界なのでこだわっても仕方な
いとは思いますが、気になります。(ケン)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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