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タイトル:Daily Drama Express 2004/11/03 一番大切な人は誰ですか? (4)  2004/11/11


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2004/11/03 (Wed) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.水曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 水曜日の連続ドラマ
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タイトル 一番大切な人は誰ですか?
局  名 日本テレビ系
放映日時 水曜22時
キャスト 中町東子(宮沢りえ)
 松ヶ谷要(岸谷五朗)
 松ヶ谷路留(牧瀬里穂)
 坂下公也(内藤剛志)
 藤尾哲春(佐藤隆太)
 中町小南(小林涼子)
 北村逸子(吉田日出子)
脚  本 大森寿美男

あらすじ  要(岸谷五朗)は、店のシャッターを叩く手を止め、川口(忍成
修吾)のアパートの前で 木幡(鶴見辰吾)から手渡された 東子
(宮沢りえ)の写真を見つめる。
 ――部屋にこんなの たくさん貼ってあったよ。コンビニ襲ったの
も、彼女の店で服を作るためだったのか…――
 木幡の話を聞き、要は大急ぎで この店に駆けつけたのだったが…。
 ふと 写真から顔を上げると、裏口から東子が出て来ていた。この
店で手伝っていた川口が、実はコンビニ強盗の容疑者だったと 要。
 「絶対入れちゃ だめだ!」
 「もう来たわよ! もう帰ったわよ! また来たかと思ったじゃな
い!」

 2人は 家の中に入る。
 「目が覚めたら、立ってたのよ、目の前に――」
 東子は 興奮気味に、ついさっきのことを思い出しながら 話し出
す。
 「早く捕まえて! 絶対八つ裂きにしてね!」
 「八つ裂き…」
 テーブルの上に、家の鍵と すっかり空の金庫が置いてある。鍵は
 川口が勝手に作ったものらしく、今夜はその鍵を使って 忍び込ん
だようだ。
 「いくら 取られたんだ?」
 「全部よ。あなたからもらったお金 全部」
 東子が、戦うつもりで持っていたハンガーを 乱暴にテーブルに置
くと、「小南が 起きるだろ」と 要が小声で注意する。小南(小林
涼子)のことを気にかけているのだが、既に騒ぎに気づいた小南は 
階段に隠れて、2人の会話を盗み聞いていた。
 「――とにかく な、この部屋はそのままにしとけ」
 「よくそんな冷静でいられるわね。 あなたが小南のためにくれた
お金、取られたのよ?! 私の不注意で」
 「それは仕方ないよ」
 「どうすればいいの? 怖かったんだから、死ぬほど。死ぬかと思
ったよ…」
 冷静さを取り戻してきた東子だったが、かえってその時の恐怖がよ
みがえってきたのだろう、震えながら うなだれる。
 要が東子の肩を叩き、「心配するな」と立ち上がったその時、いき
なり東子が足にすがりつき、要は仰向けに倒れる。
 「行かないでよ! 助けてよ…」
 東子は泣きながら、要の上にのしかかってくる。
 「どこにも 行かないよ。助けるから。お前をこんな目に遭わした
奴、許しておかないよ。大丈夫――」
 要は 胸にすがって泣きじゃくる東子を抱きしめ、優しく言葉をか
ける。

 帰宅すると、路留(牧瀬里穂)が朝ごはんを作って 待っていた。
要はいつものように、財布から小銭を出し、“招き猫の貯金箱”に入
れる。実は、この貯金箱は 路留がこっそりリサイクルショップで全
く同じものを買ってきたのだったが、要には 気づくはずもない。

 要は お金のことが悔しくて眠れず、布団から出てくる。昼下がり、
路留は出かけて留守。ベランダでぼんやりしていると ピンポーン…
ドアのチャイムが鳴る――義母の逸子(吉田日出子)だった…。

 布団が敷きっぱなしなのを見て 逸子は慌てる。
 「つい私、だんなさんは昼間はいらっしゃらないものと 思い込ん
でたものだから…」
 「そうですよね」
 「あらやだ、それじゃいかにもあなたに会いたくないみたい…」
 「そうですよね…」
 気まずい雰囲気の中、要はお茶を入れようとする。
 「路留はふだん そんなことさせてるの?」
 「いや。いないから…」
 2人はつい 微笑みあってしまう。

 ソファに座った逸子は コーヒーカップを手に、この間の食事会の
後、路留から初めて長いメールをもらったと 話し始める。
 「――私ね、あの子はもしかしたら 結婚しないのでは と思って
たの。私のこと、嫌ってたから。1人の 主婦としてね…」
 向かい合って座った要は、黙って 話を聞いている。
 「家の主人は忙しくて…。昔からあの子は 私にべったり。厳しく
監視しすぎたかも知れない。毎日車に乗せて、塾の送り迎えをして。
付き合う友達も、私が限定してね…。小学生の路留にね、面と向かっ
て言われたことがあるの、『お母さんは、どうしてそんなに寂しい
の?』――とっさに私、笑おうって思ったんだけど、泣いてしまった
の」
 逸子は続ける。
 「それからあの子は、私の言うことに 一切逆らわなくなった。逆
らったら私が壊れちゃうとでも 思ったのね。そういう素直さを奪っ
たのは 私なの」 「それは、お母さんが嫌いなんじゃなくて、彼女
が優しいから ですよ」
 「あなたと出会えてよかったと 思うわ。また、逆らうようになっ
たもの」
 と逸子は ふふっと笑う。
 「私もつい けんかしたくなってね、用もないのに訪ねてきて、あ
の子の神経逆なでするようなこと したくなっちゃうの。それで あ
なたに、ずいぶんひどいことを言ったと思います」
 固まっていた2人の間の空気が、少し溶けたような気がして 微笑
む要。
 「けどね」
 と逸子。
 「あなたの別れた奥さんやお子さんに対しては、私も路留も 何も
言えません」
 要は何も言えず、カップを持った手を下ろす。

 同じ頃、下校途中の小南と 偶然会った路留は、いつもの川辺の木
陰に誘い合って やってきていた。
 「この近くに 住んでるの?」
 「…商店街」
 小南の答えに 路留は「ああ」とうなずく。
 「“小南ちゃん”って いうんだ。さっき、友達が そう呼んでた
から」
 「その名前、あんまり好きじゃないんです。お父さんが つけたか
ら」
 「お父さんのこと、好きじゃないの?」
 「離婚して、いません」
 路留はうなずいて見せる。本当はこの子が要の実の娘と 知りなが
ら。
 「あの…もし知ってることがあるなら、言いません? ばかばかし
いから」
 突然 小南がそう言いだすので、一瞬路留はひるむが「何のこと?」
としらばくれる。
 「――私のお父さんも 卑怯なんです。離婚したのに、わざわざ近
所に転勤してきて…」
 「転勤?」
 「お母さんのこと心配して そうしたらしいんです。お母さんのた
めに、お金渡して 励まして 優しくしようとするんです――困った
人でしょ?」
 小南に「そうねえ」とあいまいに答える路留。

 「何しに来たの?」
 大きな買い物袋2個を、テーブルの上に置いた路留は、要から 自
分の留守中に逸子が来たと聞いて 驚く。
 「ごめんね、眠れなかったでしょ、全然」
 「平気だよ。嬉しかったよ、いろいろ話せて。お義母さんも 満足
して帰られたんだ」
 「また、ヤなこと 言われなかった?」
 「言われないよ。君をよろしくって」
 今夜の松ヶ谷家の夕食は お鍋。要の手作りポン酢が 色を添える。

 巡回中、蛇を異常なほど怖がった藤尾(佐藤隆太)を、要は大笑い
しながら交番に戻った。
 藤尾は「そういえば」と、先日コンビニと『アトリエ東子』を襲っ
た川口のことを 口にする。
 「くやしいですよね、僕らの目と鼻の下で」
 「目と鼻の先 だろ」
 「きれいですからね、アトリエ東子の女主人って。ストーカーだっ
たじゃないですか。娘と二人であんなとこに住んでたら 何されるか
――」
 「よせって言ってんだろ!?」
 要が つい声を荒げると、藤尾は「守ってやれなかったのが悔しい」
と言って、交番の前に立ったまま泣き出す。
 「うちのお袋も、夜道で暴漢に襲われたんです、俺が中学の時でし
た。殴られて財布盗られて。お袋 つかみかかったみたいで、顔にヒ
ドいアザができてて…。警察で泣いてたっスよ。親父が死んだ時だっ
て我慢したお袋が…。めちゃくちゃ…悔しかったですよ…」
 要は、藤尾の帽子を深くかぶらせ、顔を洗いに行かせる。
 ため息を一つついたその時、後ろから 腰を蹴られ、要はつんのめ
る。振り向くと、若い女(ベッキー)が立っていた。
 「いー加減にしろよ! 後輩いじめて 楽しいのかよっ! 八つ当
たってんじゃ ないわよ!」
 女は、要が口をはさむことも出来ないくらい 勢いよく弾丸のよう
にしゃべりまくり、ずかずか交番内に入ってきて、勝手にイスに腰か
けた。その声を聞いて、藤尾が慌てて奥から出てくる。
 「よせよ! この人は違うよ!」
 「お前は泣くなよ、みっともない」
 「そういう先輩じゃないんだ!」
 要は 2人の会話を 唖然として聞いている。
 急に態度を変えた女は、藤尾の恋人で“谷本清美”だと名乗る。
 「もしよかったら、皆さんでお昼に食べて下さい」
 と、さっき藤尾を殴りつけていたバスケットを 要に手渡し、にっ
こり笑う。

 巡回で 店に訪れた要を、東子はにらみつけて迎える。
 犬の服を作っているのを見た要は つい「そんなこともやるのか」
と 口走ってしまう。
 「何でもやんなきゃ しょうがないでしょ?」
 東子は、盗られたお金のことは自分でなんとかするつもりだ。
 「お前は 何にも悪くないんだ」
 「早く捕まえてくれれば それでいい。だってサ、将来もあるしサ、
罪が重くなったら可愛そうじゃない?」
 いい子だったと 川口のことをかばう東子。
 要が店を出ようとすると、最近 小南の様子がおかしいと東子が呼
び止める。要は この間公園で話した時のことを 思い出した。
 「今度、ゆっくり話が――」
 「やめて!そんなことしないで! ただでさえ動揺してるのに。小
南は昔から 私よりあなたのこと好きだって 気づいてたでしょう?
 あの子なりに忘れようと がんばったのよ。そんな気持ち、乱さな
いでよ!」
 「小南は、お前のこと 一番大事に思ってるよ」
 「だったら 私からあの子、取らないで! お願いよ」
 念を押す東子に 要は「分かった」と答える。

 交番では、清美が落し物を届けに来た男性に「いらっしゃいませ〜」
とお茶を出し、藤尾夫婦(?)の“駐在所”のようになっている。

 その夜、勤務明けの要と藤尾が 行きつけのスナックで飲んでいる
と、そこに加奈子(三浦理恵子)、和菓子屋の若女将(手塚里美)、
東子の3人が入ってくる。驚き見つめる要の視線を避ける 東子。
 「捕まりました? 売り上げもってかれたら 生きていけないんで
すからね」
 と加奈子が藤尾に言うのに うなずく東子たち。3人は、要たちの
後ろの ボックス席に座る。
 「東子さん、あっちのほうは どうなの? 再婚とか 考えてない
の?」
 「別にィ〜」
 東子ははぐらかす。
 「私たちね、イイ人見つけようって 企んでるの」
 「軽ーい気持ちで考えてみてよ。だって 東子さん、まだ若いんだ
し きれいだし、もったいないわよぉ」
 要は 3人の会話が気になって、 聞き耳を立てている。
 「泥棒にも入られたんだしィ、絶対誰かいたほうが楽よォー」
 しかし 2人の攻撃に、東子は煮え切らない返事を返すばかり。
 要は あの晩、東子と抱き合ったことを思い返しながら、寂しげに
笑う東子を見つめる。

 大雨。
 「どーだよぉ? 元カミさん、少しは元気取り戻したか?」
 警察署の前で 木幡が声をかけてくる。
 「会ってねえよ」
 「会ってやれよ。犯罪者の女ってのはナ、分かってても惹かれちま
うもんだぜ…」
 「人を犯罪者扱いするな」
 木幡は「面白くなってきたな」と カカッと笑って立ち去る。
 「あいつだけは訳分からん」
 と要は 独り言。雨の中 家路を急ぐ。

 「今、友達が来てるの」
 帰宅した要に 路留が服をハンガーにかけながら言う。その服は 
どう見ても“学校の制服”。要は「若い子」と聞いて、不思議がる。
 シャワーから出てきた『友達』は、何と小南だった。絶句する要。
小南は、和室のパソコンを使わせてもらいたい と言う。要は戸惑い、
小声で路留に尋ねる。
 「…どうしたんだ、何で、中学生と会うんだ?」
 「よく 中学生って分かったわね」
 「せ、制服、だろ? どこの子か、知ってるのか?」
 「どこの子か知らないけど、親も素敵な人じゃ ないかな」
 「――どーでしょ?…」

 雨が小降りになってきた。まだ濡れている制服に着替えようとする
小南に、路留は 自分の服を貸すと言い出すが、小南は断る。
 「お母さんが 気を遣うから。お礼だ、何だって ここに来ても 
困るでしょ?」
 「別にいいのに」
 と路留。要は焦る。
 「…いや…だ、だって、あんまり気ぃ遣わしちゃ まずいんじゃ…」
 小南をとにかく早く帰したい要。要の方が「この辺りの地理に詳し
い」という理由で、小南を家まで送ることになった。

 「いい人だね、お父さんにはもったいないよ」
 「知ってて来たんだな?」
 「向こうは知らないんだから、言わない方がいいでしょ?――知ら
なかったんだよ、初めは。話を聞いてて そうだと思ったの」
 2人は雨上がりの夜道を 並んで歩く。
 「黙っててほしい? 知られたくないよね?近くに住んでること。
きっと傷つくだろうなあ、今でもお父さんがお母さんによく会ってる
って 知ったら。お父さんが いけなんだよ、ちゃんと私とお母さん
のこと 嫌いにならないから」
 小南は立ち止まり、要に向かって「ちょうだい」と言うかのように
手を出す。
 「言わないからさ、3万円でいいよ。そのほうがお父さんも楽でし
ょ?優しくしてよ」
 その手を 要の方に伸ばしてくる 小南。
 「小南は、お父さんのこと、嫌いなんだろ?」
 小南は出していた手を下げて「嫌いだよ」と 答える。
 「それで、そんなお金もらって 楽になるのか?」
 「生活が楽になるじゃん。気持ちは要らないんだよ。現金でいいん
だよ。優しくしてよ」
 「そんなに人をみくだしたら だめだ――」
 「あなたの言葉は 要らないんだって!」
 「父親だからって、優しいはずだなんて 思うなよ。そんな人間は
 どこにもいないんだ」
 じっと小南を見つめる。小南は涙をため、走り去っていく。しばら
く立っていたが さすがに気になった要は、小南を追いかける。
 商店街。小南を見失った要は 道の真ん中で 立ち尽くす。

 和菓子屋から出てきた東子が、走ってきた小南とすれ違い 声をか
ける。
 「どうしたの。心配したじゃん」
 振り返った小南の顔が 涙で濡れている。小南は いきなり東子に
抱きつく。
 「母さん…、最低だよ…私…」
 「どうした? 小南が最低なんて あるわけないじゃん!」
 東子は訳が分からないまま、小南を抱きしめる。


寸  評  小南は本当は要が大好き、なんだけど、母親を裏切ったのがどう
しても許せない、何とかして困らせたい…そんなところなんでしょう
か。最後の金をせびるシーン、哀しいくらいでしたね。
 一般的に女の子に対しては お父さんは甘くなりがちだそうで、我
が家もご多分に漏れずそのとおりです。3番目にして初めての女の子
だったので、そうもなるのでしょうが、時々 次男がかわいそうに思
うことがあります。同じことして叱られても、次男だったら『平手打
ち』だったなーとか。
 私は 次男が面白くて好きです。3人兄弟の真ん中って、ほんと、
面白いですよ、何しでかすか、見当がつかなくて。

執 筆 者 三森(anponhana@mail.goo.ne.jp)

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2. 編集後記
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 3日前 ガングリオンの手術を受けました(ガングリオンって何?と思った
人は早速ネットで調べてみてください。結構たくさんヒットしますよー)。手
術は初めてだったので、えっらいキンチョーしました。 麻酔注射の3回目ま
でが 痛い!!その後は何されても感じないんですけどネ。来週抜糸です。あ
ー、これも痛そー!!(三森)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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