メルマガ:日刊ドラマ速報
タイトル:Daily Drama Express 2004/09/03 世界の中心で、愛を叫ぶ (10)  2004/09/06


===================================================== 発行部数   16 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2004/09/03 (Fri) ☆☆
======================================================================

== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
======================================================================

----------------------------------------------------------------------
1. 金曜日の連続ドラマ
----------------------------------------------------------------------
タイトル 世界の中心で、愛を叫ぶ
局  名 TBS系
放映日時 金曜22時
キャスト 松本朔太郎(山田孝之)
 廣瀬亜紀(綾瀬はるか)
 松本朔太郎(緒方直人)
 小林明希(桜井幸子)
 中西光太(西洋亮)
 谷田部敏美(松下由樹)
 廣瀬綾子(手塚理美)
 廣瀬真 (三浦友和)
 松本謙太郎(仲代達夫)
 大木龍之介(田中幸太朗)
 中川顕良(柄本佑)
 上田智世(本仮屋ユイカ)
 松本芙美子(夏帆)
 松本潤一郎(高橋克実)
 松本富子(大島さと子)
脚  本 森下佳子

あらすじ ●2004年
 一樹(中條友彪)を助けようとしてオートバイにはねられた明希(桜
井幸子は病院へ運ばれる。手術室の前で泣きじゃくる一樹の側で明希
の無事を祈る朔太郎(尾形直人)。

*------------------------------------------------------------*
 −助けてください。この世界でたった一人僕を追いかけてくれた人
を、僕のために笑ってくれる人を、僕のために泣いてくれる人を、僕
を抱きしてくれる人を。助けてください。僕たちを、助けてください。
僕は祈っていた、あの日(気を失った亜紀(綾瀬はるか)を泣きながら
抱きしめる朔太郎(山田孝之)のシーン)と同じように。祈ることしか
できなかった。
*------------------------------------------------------------*

 道路に飛び散った亜紀の骨に雨が当たって溶けてゆく。

●1987年
 真夜中。自分の部屋で世界で一番青い空が見たいというテープの亜
紀の声を何度も聞く朔太郎。

 クリーンユニット内で亜紀に(修学旅行で撮ったウルルの)空の写真
を見せる朔太郎。亜紀はかなり衰弱し、弱々しい声で、「今日この後
1週間クリーンユニットがはずれるから、その間にウルルの空を……」
と朔太郎に言い、朔太郎の手の自分のパスポートを見る。朔太郎は亜
紀に「亜紀は生きることを諦めたの?」と聞くと、亜紀は「死ぬこと
が否定できなくなったとき、死に方に夢を持つのは諦めることなの?
最後まで生きようと思うことの方が……」と言いかけて言葉を飲み込
む。それを聞いた朔太郎はもはや亜紀の言葉を受け入れざるを得ない
気持ちになる。
 朔太郎は病院の屋上へ行き、絶望のあまり泣き崩れる。

 亜紀は病室で一人、ウルルの空の写真を見ながら「私死ぬのかな」
とつぶやく。

 朔太郎はオーストラリア行きの飛行機のチケットを入手しようと代
理店に電話をかけるが、40万円かかると言われて言葉を失う。

 クリーンユニットが取り払われると、亜紀は結婚写真を眺めながら、
綾子(手塚理美)にみんなに会いたいと話す。智世(本仮屋ユイカ)、龍
之介(田中幸太朗)、顕良(柄本佑)が亜紀のもとを訪れる。やつれた様
子を心配する3人に亜紀が自分の髪を剃った姿を見せると、3人は亜紀
の病状の重さに改めてショックを受ける。

 そのころ朔太郎は家の貯金通帳を盗み出そうとしているところを富
子(大島さと子)に見つけられてしまう。理由を問いただす富子に朔太
郎は押し黙る。

 夕方、谷田部(松下由樹)が見舞いに訪れると、亜紀はもう教室に行
けないかもしれないから授業を受けたいと頼む。最初のうち矢田部は
亜紀の弱気を責めるが、亜紀の思いつめた様子に授業を行うことにす
る。谷田部の古文の授業を亜紀は真剣な表情で受ける。

 その夜、朔太郎はミュージックウェーブを聞きながら、オーストラ
リア行きの計画を練っていた。ラジオからは投稿者の両親が駆け落ち
結婚をした、その母が最近亡くなったが、親戚からは誰一人葬式に来
なかった、母はそんな最期で満足だったのか?家族、親戚を失ってま
で愛に走るのは価値のあることなのかという話が流れてくる。
 朔太郎はそれを思いつめた表情で聞く。

 翌日、空の写真ばかり撮っていて学校に来てなかった朔太郎が久し
ぶりに登校すると、龍之介、智世、顕良に亜紀の見舞いに行こうよと
持ちかけられる。ぼんやりした表情で話が耳に入らない朔太郎。

 その日朔太郎が病院へ行くと、綾子が自分の両親が見たがっている
ので結婚写真の焼き増しをしてほしいと頼む。そのあと朔太郎が病室
へ行くと、亜紀は「チケット取れた?」と尋ねる。朔太郎は「本当に
これでいいのかな?亜紀が会いたい人、亜紀に会いたい人たくさんい
るんじゃないかな。みんな亜紀の顔を一日でも長く見たいと思うんじ
ゃないかな」とためらいがちに言うと、亜紀は「だけどもう時間がな
いじゃない」と泣き出す。

 朔太郎は谷田部に亜紀をウルルに連れて行くべきかを相談する。谷
田部は迷うならやめなさい、もしものことがあったら自分の責任とし
てしょいこんでしまうからと話す。その日谷田部は亜紀の授業のため
に病院を訪れる。谷田部はどうせなら亜紀が一番やりたいことを授業
しようかと提案する。亜紀は「私は何のために死ぬのでしょうか?」
と質問する。谷田部は「それは残された人が一人一人考えることじゃ
ないかな、その人の生き様を見て。廣瀬亜紀はどんな風に生きてき
た?」と言う。

 朔太郎は自宅で亜紀の願いを聞くべきかどうか、謙太郎(仲代達矢)
の遺影に問いかけていると、潤一郎(高橋克実)がやってきて、謙太郎
が朔太郎のために残した通帳を差し出し、どう使うかは謙太郎と相談
して決めろと言う。朔太郎はそれでオーストラリア行きのチケットを
購入する。

 朔太郎が亜紀にチケットを渡すと、亜紀は出発日が10月23日なのを
見て「サクちゃんの誕生日だね」と言う。朔太郎は「亜紀は本当に、
本当に行きたいんだよね。みんなと会えなくなっても後悔しない?」
と念を押すように聞く。亜紀は強くうなずき「わがままばかり言って
ごめんね」と言う。そして亜紀は朔太郎に真(三浦友和)と綾子への伝
言を頼む。その晩、亜紀は真と綾子と一緒に自分の子供のころ話を楽
しみながら夕御飯をとるのだった。

 その間、朔太郎は迷いを払拭できないまま、亜紀の部屋に忍び込ん
で必要なものを荷造りし、オーストラリア行きの準備を進める。

*------------------------------------------------------------*
 −ふと奇妙な感覚に襲われた。何もかもが亜紀をかたどる部屋の中
で、亜紀だけがいなかった。もしかして、これが僕の未来なのだろう
か。何も変わらない、亜紀だけがすっぽり抜け落ちた世界。亜紀の死
とともにやってくる世界。誰かの痛みも、受けるかもしれない非難も、
ひとりで死を見取る恐怖も、すべてを越えて、ただもう二人で空を見
たいと思った。
*------------------------------------------------------------*

 亜紀の荷物を詰めた朔太郎は、亜紀のもとに戻り、「一緒に見にい
こう、空」と告げる。翌朝早く、朔太郎はこっそりオーストラリアに
旅立とうとするところを富子に見つかる。しかし富子はお守りを二つ
渡し、「変なことはするんじゃないよ」とだけ言う。

 朔太郎は病院へ行き、亜紀を連れ出す。朔太郎は外でタクシーを呼
びとめて亜紀を乗せ、自分も乗り込もうとするが、亜紀は朔太郎を突
き飛ばし、一人で行ってしまう。

 そのころ真と綾子と主治医は亜紀の病室のベッドの上に真、綾子、
智世、龍之介、顕良ら一人一人にあてたテープが並べられているのを
見つける。主治医が今病院を出るのは自殺行為に等しいと言うので、
動揺した綾子はすぐに探しに行こうとする。しかし真がそれを留め、
テープを聴くことにする。

*------------------------------------------------------------*
 −お父さん、お母さん、ごめんね。これが自殺なのかなんなのか、
わかりません。だけど頑固で負けず嫌いで、かっこつけで、泣き虫の
私の最後のわがまま。白血病で私が死ぬことが私の運命だとしても、
そんなことに私の17年をつぶされたくない。きっと生きたいように生
まれてきたから。最後までそうしたい。青い空を見に行く。わがまま
でごめんなさい。
*------------------------------------------------------------*

 亜紀はよろよろとしながら駅の階段を昇っていく。

 聞き終えた真は主治医に「これは自殺ですか?」と尋ねると、主治
医は「反抗期だと思います」と答える。真は「そうですね」と言う。

 肩で息をしながら駅のベンチで列車を待つ亜紀。そこへ朔太郎が現
れ、「何かあったらどうすんだよ」と言う。亜紀は「だってこれ以上、
迷惑かけられないよ。私死んだらどうすんの?」と言うと、朔太郎は
「かついで戻ってくるよ」と言う。亜紀は「重いかも」と言うと、朔
太郎は「いいよ」と言う。亜紀は「腐るかも」と言うと、朔太郎は
「亜紀はそのままでいいんだよ」と言う。亜紀は朔太郎の肩に頭をの
せる。
 雨が降り始める。

 列車内で朔太郎は亜紀に「思い出してた、亜紀の誕生日。7月2日、
俺が生まれてきたのは亜紀のいる世界だったんだって」と言う。亜紀
は「待ってたの。私はずっとサクのいない世界でサクが生まれるの、
私は待ってたのよ」と答える。朔太郎は涙を流しながら「亜紀はたっ
た3ヶ月とちょっとじゃない、一人だったの。それってずるくない。
俺、これからずっとだよ」と言うと、亜紀は「私はいないんだもん、
私」と言う。朔太郎は少し笑みを浮かべ「どこへ行くんだよ、そんな
に走って。あの世なんてないって言っていたじゃない」と言うと、亜
紀は「天国」と静かに言う。朔太郎は「逃げんなよ」とやさしく言う。

 大雨が降りしきる中、朔太郎と亜紀は空港に到着する。亜紀はかな
り衰弱しているが大丈夫だと言うので、朔太郎は搭乗手続きをとりに
カウンターへ行く。しかし亜紀はすでに体力の限界で意識が朦朧とし
ていて、ベンチから転げ落ちてしまう。慌てて駆けつけた朔太郎は
「戻ろう」と言うが、亜紀は「行く、行きたいの」と懇願する。亜紀
を支えながら、朔太郎は搭乗ゲートへ歩こうとするが、亜紀は気を失
い、倒れてしまう。朔太郎が「亜紀、亜紀」と声をかけると、亜紀は
目を開け「サクちゃん、やっぱりあの世なんて、ない。天国なんて、
ない。ここ……ここ……天国だもん……」と言う。そして朔太郎を見
つめ、「好きよ、サクちゃん」と言い、気を失う。

*------------------------------------------------------------*
 −僕が生きてきた日の中で亜紀がいなかった日はなかった。
*------------------------------------------------------------*

 朔太郎は亜紀を抱きかかえ、こみ上げてくる涙をこらえながら、
「助けてください、助けてください」と震える声を絞り出す。

●2004年
 降りしきる雨に打たれる割れた亜紀の骨の入った小瓶。空港のベン
チに落ちている一枚の花柄のハンカチ。


寸  評  純愛というテーマが一番よく描けていた回だと思いました。亜紀
が空を見たいからと無理してオーストラリアに行こうとする気持ちに
対し、おそらく周囲の人すべてが反対する(理解できない)ことでし
ょう。しかし朔太郎は悩みながらも、亜紀を死なせることを知りつつ
も亜紀の願いを聞き入れました。ここには亜紀と朔太郎の二人にしか
わからない世界があるように思うのです。たぶんそういう二人しか入
り込めない世界を持てること、それがこの作品の人気が空前の域まで
達した一因ではないでしょうか?

執 筆 者 ケン(kain_evel@yahoo.co.jp)

----------------------------------------------------------------------
2. 編集後記
----------------------------------------------------------------------
 森鴎外の『高瀬舟』という作品を思い出しました。病気で苦しむ弟が兄に殺
してくれと頼むので、兄はその願いを聞いて弟を殺します。しかしそれは殺人
にあたるため兄は捕らえられて罪人を運ぶ高瀬舟に乗ることになるという安楽
死の是非を扱った話です。できる限り延命することがよいのか、それとも患者
の意思を尊重するのがよいのか、このドラマの主題からはそれていますが、非
常に気になり、考えさせられる回でもありました。(ケン)

======================================================================
発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。
(http://www.mailux.com/)
======================================================================

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。