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タイトル:Daily Drama Express 2004/08/27 世界の中心で、愛を叫ぶ (9)  2004/09/03


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2004/08/27 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル 世界の中心で、愛を叫ぶ
局  名 TBS系
放映日時 金曜22時
キャスト 松本朔太郎(山田孝之)
 廣瀬亜紀(綾瀬はるか)
 松本朔太郎(緒方直人)
 小林明希(桜井幸子)
 中西光太(西洋亮)
 谷田部敏美(松下由樹)
 廣瀬綾子(手塚理美)
 廣瀬真 (三浦友和)
 松本謙太郎(仲代達夫)
 大木龍之介(田中幸太朗)
 中川顕良(柄本佑)
 上田智世(本仮屋ユイカ)
 松本芙美子(夏帆)
 松本潤一郎(高橋克実)
 松本富子(大島さと子)
脚  本 森下佳子

あらすじ ●2004年
 朔太郎と亜紀の結婚写真を見ながら、明希(桜井幸子)は亜紀と自分
に似ているところある?と尋ねる。朔太郎(緒方直人)は、おとなしそ
うに見えて勝気なところとかと答える。一樹(中條友彪)が朔太郎に僕
のパパになってくれるの?と聞くと、朔太郎は急に涙ぐみ「ここんと
ころ涙もろくて」と言うで、亜紀は一樹を別に部屋に行くように促し、
朔太郎に「一度しか聞かないから教えて。(結婚写真を見ると)こん
なふうに幸せだったんなら、いい思い出になるもんじゃないの、普通
は、なんだけど。17年はちょっと長すぎない?本当に普通の死別だっ
たの?」と問いかける。

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 −僕は話し始めた。僕と亜紀の最後の日々について。幸せな日々の
終焉。暖かな世界の崩壊。むせ返るような死の匂い。僕たちの、僕の
最後の選択……
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●1987年
 亜紀(綾瀬はるか)の病室で、婚姻届に署名する朔太郎。その様子を
亜紀は不可解そうな顔つきで見ている。書き終えると朔太郎は亜紀に
も署名を促すが、亜紀は男の子は16歳では結婚できないと言う。朔太
郎は自分の年齢を16歳から18歳に書き換える。
 しかし亜紀は親の許可は?年齢詐称がばれたら?と心配するので、
朔太郎は俺と結婚したくないの?と少しむっとする。亜紀は仕方なく
自分も署名し、さらに何か言おうとするが、朔太郎は明日朝一で出す
よと言ってさっさと病室を出て届けに行ってしまう。そんな朔太郎を
亜紀はほほえましく思う。ふと亜紀は真島のスケッチブックに目をや
り「10月23日(朔太郎の誕生日) 」とつぶやく。その夜亜紀は真島の
スケッチブックの絵を見ていると、突然耳鳴り(抗がん剤の副作用)
に見舞われる。

 そのころ、真(三浦友和)と綾子(手塚理美)は主治医から、抗がん剤
が効いてないのでさらに強くすることを伝えられる。副作用に苦しむ
亜紀の姿を見ている綾子は、「亜紀が薬に殺される」とヒステリック
に怒鳴るので、真はそれを制する。それでも綾子は「次の薬は効くん
ですか?効かないとどうなるんですか?」と聞く。それに対して主治
医は「(助からない)覚悟をしてください」と言う。

 病室で眠る亜紀を険しい表情で見つめる真。ぐっと手を握り締め悔
しい思いを押し殺す。

 翌朝朔太郎は龍之介(田中幸太朗)、顕良(柄本佑)、智世(本仮屋ユ
イカ)、谷田部(松下由樹)に矢継ぎ早に証人印を貰おうとするが、谷
田部にそれは私文書偽造にあたると一蹴される。

 病室で朔太郎は亜紀にそのことを話すと、亜紀はそんなことも知ら
なかったのと笑う。朔太郎はそれなら写真だけでも撮ろうよと提案す
る。それを聞いて亜紀が「サクちゃん変わったね」と言うと、朔太郎
は「もう先のことを考えるのはやめた。俺も亜紀もどうしても悪い方
へ考えるから。でも人生って毎日の積み重ねだから、今二人にできる
ことを思いっきりやろうって」と答える。亜紀は真にばれることを心
配するが、朔太郎はそんなの関係ないと息巻く。すると背後から突然
真が来て婚姻届を取り上げ「その前にやることがあるんじゃないのか」
と言う。焦った朔太郎は背を伸ばし「お嬢さんを僕にください」と言
うが、真は腕時計を指差し、「学校へ行く時間だ」と言って朔太郎を
追い出す。亜紀は「今の冗談だから」と言って無意識に手で髪を梳く
と大量に抜け落ちてしまう。亜紀は笑って取り繕うが、真は押し黙る。

 病院の待合室で朔太郎と亜紀の婚姻届を見つめている真。前方目を
やると4、5歳くらいの女の子が父親と戯れているのが見える。そこ
へ綾子がやってくる。真は前方を見ながら亜紀が子供のころのヒラヒ
ラのワンピースをねだったが、着る機会のないような服だったので承
知せず、代わりにグリとグラ(童話の本)を買ってやったことを話す。
綾子は亜紀は絵本の編集者になるのが夢だったから間違ってなかった
と言うが、真は「両方買えばよかった。もっと甘やかした方がよかっ
た」と言う。

 たこ焼き屋パパさんで龍之介、顕良、智世にウェディングドレスが
ないかを尋ねる朔太郎。しかし誰の親も持っていない。龍之介は綾子
に聞いてみればいいじゃんと言うので、朔太郎は自転車で綾子のとこ
ろへ急行する。それを見送りながら龍之介は「あいつ完全に忘れてい
るよ」とつぶやく。

 その日の夕方波止場で、真は潤一郎(高橋克実)に結婚写真を撮って
欲しいと懇願する。真は「もし自分が朔太郎の親なら辛くなるものを
残すことになるから反対するだろうから、無理は承知で」と言うが、
潤一郎は「むしろこんな風に幸せになりたいと思うでしょう、人間は
欲の深い生き物ですから」と答え承諾する。

 朔太郎は綾子にウェディングドレスを借りる約束を取り付け、亜紀
のもとに駆けつけてくると、亜紀は真島のスケッチブックに弔辞で読
んだ詩を書き付けていて慌ててそれを隠す。朔太郎は明日結婚写真が
撮れることになったと伝える。亜紀は唐突なことなので一瞬戸惑うが、
にっこりして嬉しいと答える。そしてクリーンユニットに両手を当て、
目を閉じる。朔太郎が呆然としているので、亜紀は自分の手に両手を
あてるように促す。朔太郎はにっこりし、二人はクリーンユニット越
しにキスをする。

 朔太郎が家に帰ってくると、富子(大島さと子)が「龍之介と顕良が
それ持ってきたよ」と言う。朔太郎が見ると、それは朔太郎が完全に
忘れているだろうと思って用意した礼服だった。そのころ自宅で綾子
もウェディングドレスを取り出して複雑な思いで見つめていた。

 その夜病室で亜紀がアボリジニに関する本を読んでいると真が入っ
てくる。亜紀は喧嘩になるのが嫌だからと直接話をせず、ウォークマ
ンを渡して聞くように頼む。

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 −お父さん、私さ、私結婚写真撮るよ、私のウェディングドレスと
か興味ないかもしれないけど、私がんばってシャンとするから、髪の
毛にもがんばるように指令出したのよ、今の私にはもうこんなことし
かがんばれないけど、お父さんに見て欲しい。
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 聞き終えると真は急に立ち、少し離れて「これがやる気のあるやつ
のテープか。日時と場所を言いなさい。誠意とはそういうところに現
れるものだ」と少し涙声になる。亜紀も涙をこぼし、「うん」と答え
る。

 布団の中で眠れない夜を過ごす朔太郎。亜紀も同様に眠れず、起き
上がって枕を見ると髪の毛が大量に抜けているが見える。亜紀は「根
性なし」とつぶやく。そのときまた亜紀に耳鳴りが起こる。

 松本写真館のソファで礼服を着て眠っている朔太郎。
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 −僕は夢(元気な亜紀が朔太郎を自転車の後ろに乗せて走る)を見て
いた。夢の中では亜紀はぴんぴんしていて、その代わり僕が病気にな
っていた。だけど夢を見ながら、頭の隅でこれは夢だとわかっていて、
だけど、だから目覚めたくない夢で、僕はいつまでもこのまま……
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 朝、亜紀と真の声で目が覚める朔太郎。目をあけるとウェディング
姿の亜紀や真がいた。亜紀は朔太郎の蝶ネクタイが曲がっているのを
直してあげる。亜紀のウェディングドレス姿に感激した朔太郎は顔を
洗ってくると言ってその場を立ち去り、陰でぽろぽろと涙をこぼす。

 戻ってみると、潤一郎、富子、真、綾子、亜紀のほかに、芙美子
(夏帆)、龍之介、顕良、智世、谷田部などが勢ぞろいしており、さな
がら本当の結婚式の日みたいな状況になっていると朔太郎は感じる。
そしてさっそく朔太郎と亜紀の写真や、全員が揃った写真を撮る。笑
顔の亜紀に対して、緊張で顔が強張る朔太郎。

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 −みんながいて、亜紀がいて、僕は幸せで……。まるで夢の中のよ
うに幸せで……
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 写真を撮り終わり、みんなで外に出た後、亜紀は空を見つめる。朔
太郎がどうしたのと聞くと、亜紀は「久しぶりだなあ、と思って」と
言う。

●2004年
 明希に亜紀との思い出話をしている朔太郎。朔太郎は「その日から
空の写真を撮り始めたんだ。病室には空がなかったから」と言うと、
明希は「素敵だね」と答える。
 朔太郎は「だから亜紀は、だから手をのばしてしまったんだ、空に」
と苦渋の表情で話す。

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 −亜紀の容態が悪化したのは、血のにじむような空の日だった。
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●1987年
 病室で横たわっている亜紀。ふと目をあけ、付き添いの綾子に「電
話が鳴っている」と言う。亜紀は綾子に「手を握って、目が覚めなく
なる気がする」と怯える。

 病院で綾子と話をしている朔太郎。綾子は亜紀が強い薬の副作用で
体調が悪く、また面会できないと告げ、代わりにウォークマンを渡す。
朔太郎もまた空を撮った写真を亜紀にと綾子に渡す。

 夕暮れの波止場でウォークマンを聞く朔太郎。
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 −サクちゃんいつも空の写真ありがとう。今度の薬はきついけど、
これだけきついんだから効いているはず。ここでがんばれば絶対悪い
細胞をやっつけられる。だから、心配しないでね、サクちゃん。
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 −それからの僕はテープでしか、亜紀の声を聞けなくなった。
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 −サクちゃん、いつも空の写真ありがとう。毎日、朝も昼も夜も。
ちゃんと学校は行ってる?私は最近やっとアボリジニの本を読み終え
ました。アボリジニの世界では、この世のすべてのものに理由がある
の。災害や、争いや死や、私たちの世界ではマイナスと考えられるこ
とに。私の病気にも理由があるはずよ。それを悲しいとか苦しいとか
寂しいとか思うのはきっと理解が足りないせいなんだよね。そうなん
だよね、サクちゃん……。サクちゃん、生きてるってどういうことか
な?死ぬってどういうことかな?たまに生きているのか、死んでいる
のか、わからなくなる。サクちゃん、サクちゃん、サクちゃん、私の
声、聞こえているよね?
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 亜紀に会えない日々が続き、朔太郎は綾子に亜紀に会わせてくれと
頼み込む。気持ちを察した綾子は亜紀に了解を求め、中に入ってもい
いと告げる。朔太郎が中に入ると、ニット帽をかぶった亜紀は弱弱し
い笑いを浮かべ、よろよろと起き上がるが、倒れてしまう。朔太郎が
慌てて、ベッドのところに駆け寄ると、亜紀はニット帽を取り、支持
棒につかまって、よろよろしながら、「面倒くさいから剃っちゃった。
びっくりした?」と言う。朔太郎は涙を流しながらも笑顔で「すごい、
すごいびっくりした」と答える。亜紀が「何で泣くの?」と聞くと、
朔太郎は「亜紀が泣かないからだよ」と言う。亜紀は「サクちゃん、
キスでも、キスでもしませんか?」と涙声で言うと、朔太郎はクリー
ンユニットに両手を当てる。亜紀も自分の手を朔太郎の手にあわせ、
クリーンユニット越しにキスし、亜紀は朔太郎にそっとテープを渡す。

 波止場で朔太郎は真に「亜紀はもうだめなんですか?」と問いかけ
る。真は感情を押し殺し無表情で「体力の限界でね、明日から当分薬
の投与を見合わせるそうだ」と答える。朔太郎が「そのあとは?」と
聞くと、真はあきらめに似た感じで「特効薬ができるかもしれないし」
と答える。

 うつろな表情で自転車をこぎながら、亜紀から渡されたテープを聴
く朔太郎。
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 −サクちゃん、昨日夢を見たよ。電話が鳴っていて、そっちの方に
歩いていくと、真っ青な空があるの。それは、きっと、ウルルの空だ
よ。サクちゃん、空が見たい。一度しかない、最後なら、私、世界で、
一番、青い空が見たい。
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 かすれ、弱弱しい亜紀の声に動揺し、自転車から転げ落ちる朔太郎。
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 −何を希望と言うのだろう、何を絶望と言うのだろう、何を生きる
と言うのだろう、何を死ぬというのだろう、何を正気と、何を狂気と
いうのか、もう何も僕にはわからなくなった。だけど亜紀が望むなら
僕は空を見せてやろう、亜紀を眠らせてやろう、世界で一番青い空を
見せて、世界で一番幸せに眠らせてやろう、そう思ったんだ。
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●2004年
 朔太郎は「俺は亜紀が死ぬと知っていて、連れ出した。もしあのま
ま病院にいたら亜紀はもう1年生き延びたかもしれない。4年、5年
生き延びれば骨髄移植を受けられたかもしれない。そんな未来もあっ
たかもしれない」と明希に話す。明希はあまりの重さに「もう聞かな
いね」と言うが、笑顔を作り「だけど、松本くんが話したくなったら
いつでも聞くからね」と言う。

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 −僕の心が軽くなった分は、きっとこの小さな肩にのっている。僕
はこんなやさしさを知らなかった。失いたくないと、大切にしなけれ
ばいけないと思った。
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 朔太郎は明希を後ろから静かに抱きしめる。その前方の机に亜紀の
骨の入った小瓶が置かれている。

 その夜、朔太郎は明希と一樹を見送った後、自宅に戻ると歩き出す。
そして手のひら上の亜紀の骨の入った小瓶を眺める。そこへ一樹が
「サク、やっぱり一緒に」と言って駆けてくるが、横からバイクが走
ってくる。驚いたサクは一樹を助けようとするが、亜紀の骨の入った
小瓶が手からこぼれて、地面に落ちて割れ、骨が飛び散ったので、そ
れに気をとられてしまう。一方反対側から一樹を追ってきた明希は一
樹を助けようと危険を顧みずに飛び込む。


寸  評  朔太郎の明希への思いが変化してきていますので、存在感が大き
くなり始めています。そのせいか、亜紀の存在感が薄くなってきてい
るように感じます。その象徴するかのようにラストの亜紀の骨の入っ
た小瓶が割れてしまうということが起きました。
 なので朔太郎と亜紀の結末もクライマックスを迎えているのに、な
ぜか朔太郎と明希の関係の方が気になってしまうという感じでした。
17年後はドラマ版のオリジナル部分であり、主題であるということな
のかもしれませんが、みなさんはどう感じたでしょうか?

執 筆 者 ケン(kain_evel@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 この前、今回がクライマックスと書いてしまったのですが、そんなことはな
く、早とちりしてしまいました。考えてみれば9回目ですので、クライマック
スはこれからですよね……。失礼いたしました。(ケン)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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