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タイトル:Daily Drama Express 2004/03/04 白い巨塔 (19)  2004/03/23


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2004/03/04 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル 白い巨塔
局  名 フジテレビ系
放映日時 木曜22時
キャスト 財前五郎(唐沢寿明)
 里見脩二(江口洋介)
 花森ケイ子(黒木瞳)
 東佐枝子(矢田亜希子)
 里見三知代(水野真紀)
 柳原弘 (伊藤英明)
 東貞蔵 (石坂浩二)
 財前又一(西田敏行)
脚  本 井上由美子

あらすじ  東貞蔵(石坂浩二)近畿労災病院院長は、一審の鑑定に異議を唱
える。
 国平学文(及川光博)弁護士は、東が浪速大17年間の勤続の間、
多くの弟子を育てたが、そのうちの1人の財前五郎(唐沢寿明)第一
外科教授を否定するのは、現役の時、2人の間に確執があったからで
はないか?だから、法廷で貶めたのだと、切り口上で述べると、尋問
を終える。
 東は、今の尋問に答えさせて欲しいと裁判長に訴える。

 裁判官に赦された東は、財前との間に確執があったのは事実だが、
財前を貶めるために来たのではない。その逆で、潔く非を認め、もっ
て後進の範となって欲しいと思ったから来た。財前のミスは則ちその
指導教授たる自分の責任。よって、近畿労災病院の院長の職を辞する
という。
 東佐枝子(矢田亜希子)は驚き、東政子(高畑淳子)は傍聴席で立
ち上がる。

 「この席をお借りして、わたしからお詫び申し上げます」と、東は
佐々木よし江(かたせ梨乃)達に深々と頭を下げる。

 佐枝子は、法廷の外へ出る。
 その佐枝子を、里見脩二(江口洋介)が追って出、「大丈夫です
か?」と声を掛ける。
 「わたしが父を巻き込んでしまったと思うと」と佐枝子。
 「それだけ、この事件は根が深い、ということです。佐々木さん
1人の死だけではなく、医学全体の問題です。わたしは今、浪速大を
辞めたことを後悔していません。さ、法廷に戻りましょう」と里見。

 東都大学の船尾医学部長は、一審の鑑定を支持。
 国平は船尾に佐々木庸平(田山涼成)の処置について聞く。船尾は、
自分ならすぐに手術した。検査をすれば、少なくとも2週間の手術の
延期になる。その間に、転移が生じる危険性もある。
 すなわち、財前と同じ処置をした、と。

 東の証言と、多くの点で食い違うが、という国平の尋問に、自分は
東都大医学部長及び日本医学会長として証言している。職を辞した人
の無責任な証言とは違う、と答える。
 財前が、ニンマリとする。

 関口守(上川隆也)弁護士は反対尋問のために立ち上がるが、しば
らく考えた後、尋問はないと、着席。

 裁判長が、次回は財前とよし江への本人尋問と説明。
 その説明中、財前がしつこい咳をする。
 里見が財前を心配そうに見る。


 裁判後の料亭。
 鵜飼医学部長(伊武雅刀)は、がんセンターに東都大からも大勢呼
ばなければ、と言い、「裁判と引き替えにするほど、うちは困ってい
ないよ」と船尾。「それは失礼しました。天下の東都大さんに」と鵜
飼。

 国平がこれからの裁判の説明。
 看護師の亀山君子(西田尚美)と里見の証言。
 君子に対しては、国平から出廷を拒否するようにいうと言う。
 里見についても、控訴審で一審と同じ尋問はできないから、原告側
は手詰まりだろう。
 だから、柳原弘(伊藤英明)医局員の証言もなくていい、と言う。
 そして、次回の尋問が山場だから、三ヶ月後には結審するだろう、
と国平。


 裁判後、東、政子、佐枝子でお茶を飲む。
 政子は法廷で恥をかかされ、苦労した末に見付けた近畿労災病院長
も辞めるなんて、恥ずかしくてお茶の会にも行けない、と文句を言う。
 東は、「いい加減にしなさい。男の仕事に、もうこれ以上、口を挟
むのではない。自分の引き際は自分で決める」と声を荒げる。
 政子は席を立って、走っていってしまう。

 佐枝子は政子を追おうとしたが、すぐにやめ、席に戻る。
 「佐枝子、不思議なもんだな。最初は、財前君を憎む気持ちがあっ
た。それが、里見君やお前や、関口さんの話を聞くうちに、純粋に医
学者として、この問題に立ち向かわなければ、と思うようになった。
いささか、遅すぎたかもしれんがね」と東。
 「遅すぎはしないわ。今日法廷に立ったお父様は、とても立派でし
た」と佐枝子。

 歩いていった東の先で、政子が泣いている。
 東に優しく促され、政子は戻ってくる。


 関口は事務所で、よし江と佐々木庸一(中村俊太)に、今日のこと
を詫びる。次回には、盲点を見付けます、と。
 「また、訳のわからないこと、するんですか?」と庸一。
 「わたしたちが起こした裁判なのに、お医者さん達が出てきて訳の
わからないことばっかり言って.....」とよし江。
 「親父が生きていたら、きっとどなってたよ。オレのわかるように
言え!って」と庸一。

 しばらくの沈黙の後、「ボクは戦い方を間違っていたのかも知れま
せん」と関口。


 財前は、がんセンターの建設現場で、花森ケイ子(黒木瞳)に、や
っとセンター長に決まったと言う。
 でも、ケイ子は喜ばない。
 「どこまで偉くなっちゃうのかなって。手の届かないところに」と
ケイ子。
 「この世に手の届かない所なんて、あるもんか」と財前。
 財前はイヤな咳をした後、タバコを一服。


 財前は医局で、この中の何人かにも、がんセンターに来て貰いたい
し、系列の大学からも優秀な人材を呼び寄せ、逆にこの中から地方大
に行って貰う人もいる、と言う。

 財前が柳原を呼ぶ。
 結婚はいつかと聞き、裁判も先が見えてきたし、法廷に立って貰う
必要もない。
 結婚式までに、論文も通してやる。がんセンターに連れて行くリス
トにも入れた。
 だが、自分に背くことがあれば、と脅す。


 関口は、里見を千成病院に訪ね、弁護方針を変えると言う。このま
ま、医学論争になっては、一番大切なものを見失ってしまう。
 「それは何ですか?」と聞く里見に、「亡くなられた佐々木さんと、
ご遺族です」と関口。すなわち、医療の高度さではなく、医者と患者
が、どう向き合うか、そのために不可欠なことは何かと、里見に問う。
 「話すことです。それに尽きます」と里見。
 ガン治療には、様々な方法がある。化学療法なら、一ヶ月で亡くな
ることはない。ただ、オペをすれば、根治の可能性もある。
 だが、財前はそのようないろいろな方法があるとは言わず、オペし
かないと言った。もし、財前と佐々木の間に、もっと信頼関係があっ
たならば、佐々木はもっと安らかに死ねただろう。


 柳原が、竹内医局員(佐々木蔵之介)と帰ってくると、野田華子が
待っている。スペアリブ作ったから、と。それを渡すと、今日はこれ
で、また、と帰っていく。

 柳原と竹内は、華子の料理を食べる。
 「オレ、これでいいんだよな」と柳原は竹内に同意を求め、竹内は、
今更本当のことを言ったらクビだし、偽証罪にも問われるぞ、と言う。


 君子が勤務を終えて外に出てくると、国平が現れ、証言しない代わ
りにと、封筒を差し出す。
 君子は、証言する気はない。浪速大のことはすべて忘れた、と言う。
 「それはよかった。新潟のお姉さんの離婚も、上手くいくでしょう」
と国平。
 驚く君子に、「証人のことは徹底的に調べさせて頂きます」と国平。


 朝出がけに、財前杏子(若村麻由美)が財前の母・黒川きぬ(池内
淳子)から、裁判が心配だと電話があったが、苦手だからすぐ切っち
ゃった。電話してあげて、と言う。
 財前はイヤな咳をし、「かぜ?」と聞く杏子に、「違う。心配する
な」とハイヤーに乗り込む。

 車中、財前は里見に電話し、傍聴するのか聞く。
 「ああ、するよ。悔いのない証言をしてくれ」と里見。
 「悪いが、説教は聞きたくない。今日は君に、報告があって電話し
た。がんセンターのセンター長に決まった。裁判が終わったら、もう
一度、内科部長として口説きに行くよ」と財前。
 「それはないよ」と里見。
 「できあがったがんセンターを見れば、気が変わるよ」と財前。

 だが、里見はそのことよりも、財前の咳を心配する。先日法廷で見
た時も顔色が悪かったが、と。
 「医者は自分の体調の変化を見落としがちだぞ」と里見。
 「誰に話をしている。オレは浪速大医学部教授だぞ」と財前。

 電話を終えた里見に、里見三知代(水野真紀)は好きにして、と言
う。
 「その代わり、裁判が終わったら、もう佐枝子さんに会わないで欲
しいの.....佐枝子さんは、わたしの友達だから」と三知代。


 控訴審 第二回 人証調べ

 財前は傍聴席にきぬが入ってきたのに気付き、固まる。
 「どうしたんですか?」と国平。
 「いえ」と財前。
 ケイ子がそれに気付き、きぬを連れて外へ出る。

 「あの、どういうことでしょうか?」ときぬ。
 「財前先生に、ご案内するように頼まれました」とケイ子。
 「わたしは、裁判を見に」ときぬ。
 「いえ、見せないようにと」とケイ子。
 「見せられないようなこと、したんでしょうか?」ときぬ。
 「いえ、被告席に立つところを、見せたくないんでしょう」とケイ
子。

 財前への尋問の前に、関口が発言を求める。
 原告、被告の『対質尋問』にしたいと提案。今まで一審と合わせて
4回の証人尋問を経たが、未だ食い違いがある。その上は、極めて異
例であるが、原告被告の直接対決にしたい、と関口。

 国平は財前に断ると言うが、財前は望むところだという。その方が
手間がかからないだろう、と。

 ケイ子はきぬをがんセンターの建設現場に連れて行き、そのビルの
最上階の30階に、財前の部屋ができる。裁判が終わる頃になったら、
大学に案内しする、と言う。
 だが、きぬは断る。もう10年以上もまともに顔を合わせていない。
学位論文が取れたら、助教授になったら、教授になったら、呼んでや
ると言いながら、背伸びばかり、と。
 そしてきぬは帰っていく。

 対質尋問の開始。
 関口が財前に対して、佐々木庸平に対する処置に、間違いがなかっ
たか聞く。
 財前は、一点の非もないと答える。
 だがよし江は、納得していないと答える。

 関口は、里見や東は、間違いがあったと言っているが、と聞く。
 財前は、結果論で責められては困る、と答える。

 では、財前の肉親が同じ立場になっても、結果に納得できるかと関
口は聞く。
 財前は、たとえ母親がそうなっても、同じだという。

 関口は財前に、最後の1つの質問をする。ガンの治療には、どんな
方法があるか?と。
 財前は、オペ以外にも、いろいろな方法があると言い、「それを全
部説明するんですか?」と財前。
 「いえ、あなたの『オペ以外の方法もある』という言葉だけで充分
です」と関口は言い、そして、よし江に、その説明があったか聞く。
 よし江は、「助かりたいならオペしかない」の一点張りだったとい
う。

 よし江は肺の影についても、柳原が言葉に詰まっても、財前は心配
ないの一言。
 財前は、それを説明しても、患者には理解できず、いたずらに動揺
させるだけだからやめたという。同意書も貰っているのだから、何の
問題もないはずだ、と財前。
 よし江は、助かりたいならオペしかないと言われ、助かりたい一心
で、同意書にサインするしかなかった。同意しているわけではなかっ
た、と言う。

 その点について問いただす関口に財前は、年間150例以上こなす
ので、記憶を整理したいとしばらく天を仰ぐ。

 そして、あの時は、柳原に充分に説明して、同意頂くようにと指示
した。もしよし江が納得していないとしたら、それは柳原の説明不足
のせい。普段から医局員には、患者さんにはよく説明するようにと、
指導しているので、その点については指導者として、誠に遺憾である、
と財前。

 その時遂に、傍聴席の柳原がキレる。
 財前から、説明しろと言う指示は、受けていない。肺の影の検査に
ついても、無視された。たとえ偽証罪に問われても、本当のことを言
う、と柳原は叫び出す。
 まわりは柳原を取り押さえ、法廷の外に追い出そうとする。
 財前又一(西田敏行)は、「ドアホ!」とどなる。


寸  評  ついに柳原が真相を口走ってしまいました。
 世の中、ウソを突き通せる人、ウソを本当のことだと思いこんでし
まう人、そして、どうしてもウソを付き続けられない人がいますね。
柳原はきっと、ウソを付き続けられないことなのでしょう。
 そんな不安定な柳原を財前は、自分同様に報償を並べれば言うとお
りに動くと思い、逆球(の輿)、学位論文、がんセンターの席、と次
々と餌で釣ろうとしましたが、柳原の本質を見抜けなかった財前の負
けですね。

 本当は、柳原は里見に付き、竹内が財前に付けば、もっと楽だった
のでしょう。とかくこの世は、理想と違う組み合わせが多いものです。

 法学部出身で、裁判物には興味があるのですが、今回初めて、『対
質尋問』というものについて知りました。このあらすじを書いていて、
ATOKで変換しているのですが、この言葉が一発で出てきたので、
法曹の間では、よく知られているのでしょう。勉強不足でした。

執 筆 者 鈴木(sumire_@anet.ne.jp)

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2. 編集後記
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 このドラマ、リメイクだという時に、これほど惹きつけられる仕上がりにな
るとは思っていませんでした。これは、半年間の放送にして正解だったと思い
ます。多分、3ヶ月では、消化不良のできになっていたことでしょう。
 最近には珍しい長丁場のドラマを毎回視聴者を釘付けにし、中だるみもなく
引っ張ってきたのは、すごいことだと思います。ドラマの質は、原作?脚本?
出演者?演出?どれが一番、影響するのでしょうか?
 このドラマ、某協会の大河ドラマより、豪華な出演者のように思いますし、
また、大人が堪能出来るものになっていると思います。
 あとわずかですが、最後まで盛り上がって欲しいと思います。(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
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