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タイトル:Daily Drama Express 2004/03/11 白い巨塔 (20)  2004/03/17


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2004/03/11 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル 白い巨塔
局  名 フジテレビ系
放映日時 木曜22時
キャスト 財前五郎(唐沢寿明)
 里見脩二(江口洋介)
 花森ケイ子(黒木瞳)
 東佐枝子(矢田亜希子)
 里見三知代(水野真紀)
 柳原弘 (伊藤英明)
 東貞蔵 (石坂浩二)
 財前又一(西田敏行)
脚  本 井上由美子

あらすじ  関口守(上川隆也)弁護士が立ち上がり、柳原弘(伊藤英明)医
局員の発言は重要なので、在廷証人として採用して欲しいと言い、国
平学文(及川光博)弁護士は、柳原は佐々木庸平(田山涼成)の死の
責任を恐れる余りの暴言、と応酬。
 関口はなおもこの機会を逃したら、二度と柳原の貴重な意見は聞け
ない、と頑張る。

 裁判官は合議の結果、法廷を混乱させかねないので、採用しないと
いい、閉廷となる。

 看護師の亀山君子(西田尚美)が関口に、「今からでも遅くないで
しょうか?」と聞く。
 彼女の様子を国平が見ている。


 料亭で作戦会議。
 財前五郎(唐沢寿明)が柳原を除籍にすると言うが、鵜飼学長(伊
武雅刀)は止める。なぜなら、今辞めさせると、世間は柳原が真実を
述べたから大学を追われたと思うだろう、と。
 国平は、傍聴席での発言はヤジと一緒だから、裁判記録に残らない。
だが、今後、柳原の発言を擁護するような証言や、物的証拠が出てき
たらまずい、と言う。特に君子が原告に近づいているのに、用心しな
ければ、と国平。

 財前は佐々木のカンファレンスの席に君子がいたことを思い出し、
その記録がまだ医局にあるはずだから、すぐに佃友博(片岡孝太郎)
講師に始末させると、携帯を取り出す。


 関口の事務所に現れた柳原と君比は、カンファレンスを思い出す。
 柳原がコピーしてくると言う。
 君子は、そんなことしたら大学を追われると心配するが、柳原は、
今までウソを付いていたことのせめての罪滅ぼしと言う。


 柳原が暗闇の中、医局のカンファレンスのファイルを探すが、
2003年12月分が無い。
 そこにそのファイルを抱えた佃と安西信也(小林正寛)医局長が現
れ、柳原に「帰れ!」と言う。

 君子が帰宅しようとすると、アパートの前で国平が待っており、慌
てて君子は身を隠す。

 柳原が帰宅してアパートの階段を上っているところに君子が声を掛
け、家に入れて貰う。

 君子は、まさか国平が待っているとは思わなかったと言い、柳原は
関口に言った方がいいと言う。そして自分もカンファレンスのファイ
ルを取ってこられなかったことを報告するという。
 そして柳原は、もう自分が何を言っても信じて貰えないだろうし、
記録も持ち出せなかった。ダメだと、自分の頭を何度も叩く。
 君子はその柳原を止め、まだ裁判は終わっていない、と言う。
 柳原は、証拠がなければダメだ.....と落ち込む。


 財前は国平に、危機一髪カンファレンスのファイルを持ち出せたこ
とを報告し、該当ページは何らかの事故によって紛失したことにする、
と言って、シュレッダーにかける。
 国平はギリギリまで君子を追ってみると言う。
 財前は、今度こそ勝てるんでしょうねぇ、と国平に確認し、国平は
医療裁判で負けたことが無い、と答える。


 関口は里見脩二(江口洋介)に、勝っても負けても、里見に締めく
くって欲しいと頼む。
 里見は何度でも証言するが、もし財前が負けたらどうなるか問う。
 関口は、まだまだ医療過誤における医師の責任は軽いが、それでも
これだけの騒ぎを起こしたのだから、浪速大は追われることになるだ
ろう、と言う。
 里見は自分の証言によって、財前からメスを奪うかも知れないこと
を悩む。


 控訴審 第三回認証調べ

 君子が証人として、カンファレンスの席で、柳原が財前に叱られて
いるようだったという。
 国平は、証拠があるのか?と問いつめ、答えられない君子に、「あ
なたは、証拠もないのに、そんな大それたことを言ってるんですか」
と圧力を掛ける。

 関口は君子に、術前の説明の時、医師のカルテとは別に、看護師に
よる記録も取られることを証言させ、その記録を手にする。
 後ほど証拠として提出すると言うと、国平は、そのような記録を原
告側弁護士が持っているのはおかしいと反論するが、関口は、これは
財前が強引にオペをしたことを示す重要な証拠だと譲らない。
 財前の顔が、苦虫を噛み潰したようになる。

 裁判所は、真実を知るために重要な証拠として、採用を認める。
 関口は、12月19日の記録を君子に読ませる。

 国平が里見に尋問。
 オペ以外の方法で根治したかと問う。
 里見は、佐々木のガンは進行が早いが、保存療法で1年か2年生存
できただろうと答える。いくら何でも、オペから、1ヶ月で亡くなる
ことはない、と。
 国平は、1年ないし、2年と、1ヶ月との違いがあっても、死は避
けられないのでは?と問い、里見は覚悟を持って過ごす1年と、突然
亡くなるまでの1ヶ月とでは、患者の死に対する準備が違う。
 人は死を避けられないが、死ぬまでの余命をどのように過ごすかが
大切ではないか。これは1人、財前の責任だけでなく、財前の暴挙を
赦した里見自身や、大学病院にのあり方にも問題がある、と言う。
 国平は、これで尋問を終わりにする。

 裁判官は、最後に財前を呼び、今でも治療方針に間違いが無いと信
じているか聞き、財前は一点の曇りも無いと答える。

 控訴審判決。
 原判決を変え、被告である国及び財前は、控訴人である佐々木よし
江(かたせ梨乃)と佐々木庸一(中村俊太)に、1600万円と、こ
れに対する平成16年1月23日から支払い済みのまでの年5分の利
息を支払えと命ずる。

 判決理由の要旨。
 財前の治療行為自体は平均以上で、これについて責められる点は無
い。
 だが、どのような治療にも、リスクが伴い、そのため患者に対して、
真摯な態度で説明し、納得して貰う義務があるが、「助かりたいなら、
オペしかない」の一言で退けたのは、重大な過失であるといえる。
 医師は医療に関する高度な技術者であり、人間の命を左右する存在
であるので、社会的にも真摯な態度が望まれる。
 特に財前が、研究、治療、教育にあたるべき教授の地位にあること
に鑑み、その社会的責任は重い。

 「何が悪い。わたしは患者を救おうとしたんだ!ガンを切除しよう
としたんだ!!何が悪い」と財前は突然叫びだし、退廷するよう言う
国平に、「まだ裁判は終わってない!最高裁だ」となおも叫ぶが、胸
を押さえて倒れる。

 財前を診た里見は、気胸を起こしているかもしれないと言い、救急
車を呼ばせる。

 財前を、金井助教授(奥田達士)、佃、安西が受け取る。そして、
付き添ってきた里見と義父・財前又一(西田敏行)には、外で待って
いるよう言う。

 又一は財前が倒れたのは里見のせいだ!となじる。
 財前杏子(若村麻由美)も駆け付ける。

 財前の気胸の処置が進む。
 駆けつけた柳原も手伝おうとしたが、佃達は「目障りだ」と柳原を
追い出す。

 花森ケイ子(黒木瞳)が里見に声を掛け、財前は悪い病気なのでは
ないか?半年ほど前からすごく疲れているように見えたが、と聞く。
 里見は、裁判とがんセンター設立とが重なったための過労ではない
か、と答える。
 ケイ子は、財前を助けてくれと頼む。財前は誰に対しても強気なの
だが、里見に対してだけは、畏れを抱いているから、と。
 「畏れ?」と里見は問い返す。
 「誰を打ち負かせても、里見先生にだけは勝てない。誰をだまして
も、里見先生だけはだませない。だからあんな必死で戦ってきたんだ
と思います。里見先生.....五郎ちゃん、お願いです」と言って、ケ
イ子は去っていく。

 財前のCT撮影。


 関口の事務所で、庸平の遺影にビールをあげると、関口、東佐枝子
(矢田亜希子)、よし江、庸一で乾杯をする。
 せっかく勝訴したのに、よし江と庸一の顔色は浮かない。財前が法
廷で倒れたからだった。
 関口は、この裁判は1人佐々木のためのみならず、これからの人た
ちに向け、よい前例となるだろう、と言う。
 よし江は、佐々木の死は無駄ではなかったんですね、と言うと小さ
く微笑む。


 財前の診断が下る。
 金井と佃が説明しているところに鵜飼が入ってきて、財前は癌の専
門家なのだから、回りくどい言い方はしないで、と言って、肺ガンの
ファースト・ステージであると告げる。
 財前はね自分のCT写真を見て納得。
 鵜飼は早く切除した方がいいと勧め、財前もこれから裁判とがんセ
ンターの人員配置もあるので、早くオペすると言う。
 だが鵜飼は、がんセンター長の発表は、しばらくしないと言う。医
者とはいえ、体が大切だと言って。そしてオペは、第一外科の勝山講
師に頼んだらどうか?と言う。
 財前は、しばく1人にして欲しいと言い、鵜飼は金井と佃を促して
病室を出る。

 1人になると財前は携帯を取りだし、国平に電話し、癌でオペする
ことになった。2週間程度の入院になるだろうが、その間に、最高裁
への上告をしておいて欲しいと言う。

 鵜飼が東貞蔵(石坂浩二)前教授に電話する。何度も電話を貰って
いたみたいだが、と。
 東は呼吸器の専門家として、あの倒れ方はただごとできないのでは
ないか、と聞く。
 鵜飼はたいしたことはない。だが、裁判で、次々と思わぬ人が敵に
回って、心労がたたったのでしょう、とやんわりと嫌みを言って電話
を切る。

 財前を心配する鵜飼典江(野川由美子)に、鵜飼は敗訴となるとが
んセンターは別の人に任せねば、と言う。
 「あんなに頑張ってらしたのに、お気の毒」と典江。
 「そこまでの男だったっていうことだ」と鵜飼。


 里見が財前のことを思い出しているところに、財前が現れ、肺ガン
のファースト・ステージだと告白。
 「何人も癌を治してきたボクが癌になるとは」と財前。
 「ボクだってそう思うよ」と里見。
 「君にそう言って貰うと、ホッとするよ」と財前。

 財前のオペを見たいが、もう浪速大に入れないだろうと言う里見に、
まだオペの日にちが決まっていない、と財前。
 一刻も早く切った方がいい。勝山講師は?と聞く里見に、財前は、
勝山はメスのキレが今ひとつ。本当なら自分が切りたいところだが、
今度ばかりはそうはいかない。東が退いてから肺の専門家を育ててこ
なかった。
 里見はそんな財前が東の執刀を望んでいることを悟る。
 財前は裁判であのようなことになって、今更頼めないと言うが、里
見は自分が東に頼んでみると言う。

 里見は東家を訪ね、佐枝子に出迎えられて、東に会う。
 里見は東に財前が肺ガンであることを告げ、東の執刀を請う。
 東は、自分は浪速大を退いた身だから、鵜飼が許さないだろう。そ
れに財前も東の執刀を望まないだろうと言うが、里見は、財前自身が
東の執刀を望んでいる。本人が望んでいては、鵜飼も反対出来ないだ
ろう。東は浪速大を退いても、医師を辞めたわけではない。財前は、
医師であると同時に、1人の患者でもあるのだ、と里見は言葉を尽く
して説得。
 東は執刀を引き受ける。
 「1人の患者の前では、医師は全力を尽くすのみだ。引き受けよう。
鵜飼君には、わたしからも頭を下げよう」と東。
 「ありがとうございます」と里見。

 里見を見送りに出た佐枝子は財前を心配する。
 「たいしたことはありません。念のために東先生にお願いしたので
す」と里見。
 「里見先生は、どうしてここまでできるのですか?裁判の時、里見
先生は財前先生のことを考えて証言されていることがわかりました。
わたしには、とてもマネ出来ないことです」と佐枝子。
 「財前とは、医学部の学生の頃から、ずっと一緒でした。専門も考
え方も違いますが、医師を辞めるその日まで、ずっと一緒に歩いてい
きたいと思います」と里見。
 「財前さんがうらやましいです。よたしも許されるなら、こうやっ
て里見先生と一緒に歩いていきたいです。ずっと、ずっと.....」と
佐枝子。
 里見は驚いた顔で佐枝子を見、「佐枝子さん、もう遅いのでこの辺
で。あなたは三知代の友人です」と言って、去っていく。
 佐枝子はずっと里見の後ろ姿を見つめていた。


 財前はケイ子にこれからオペだと電話する。
 東が執刀だから安心というケイ子に、「オペは何があるかわからな
い。万一のことがあったら、ケイ子、お袋のことを頼みたい」と財前。
 「最高の愛人として、万一の時は、あなたがどんなに優秀な外科医
で、どんなにすてきな男性だったか、話して差し上げるわ」とケイ子。
 「頼むよ」と財前。


 東の財前に対するオペは、大勢の浪速大の医者達がギャラリー席に
座る。
 柳原も隅に座る。

 東がオペ室に入ってきて、オペ開始。

 オペは順調に進むかに見えたが、肺を開いた東の手が突然止まり、
目を見開く。
 モニターを見ていたギャラリー席の医者達も一斉に驚いて立ち上が
る。


寸  評  いよいよ、このドラマも次回で最終回となります。
 最後、みんなは何を見て驚いたのでしょう?財前の癌はステルスで、
開いてみたら、もう手に負えなかった?自分が実は転移をしていた?
それとも炎症性変化だった?肺炎?
 「本当にあった怖い話」風に言えば、佐々木の呪い?

 次回予告で、廊下をしずしずと進むシーツをすっぽりと掛けられた
ストレッチャーには、財前の遺体が横たわっているのでしょうか?
 ただ、次回予告で怒鳴っている財前が写っていましたから、オペ後
そのまま帰らぬ人となるのではなく、ギリギリまで粘って、最後、亡
くなるのでしょうね.....
 財前亡き後、財前の出世を買った又一・杏子親子はどうするのでし
ょう。杏子は、財前よりもっと出世しそうな医者と再婚でもするので
しょうか?それとも、今度は地道に財前マタニティークリニックの後
継者と再婚?

 佐枝子が里見に精一杯の告白をしましたが、里見は上手く断りまし
たね。大人です。

 予定では、来週は15分程度放送時間が長いようです。どんな結末
になるでしょう。楽しみです。

執 筆 者 鈴木(sumire_@anet.ne.jp)

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2. 編集後記
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 先週から来週にかけて、最終回が続きます。
 今回、9回で終わりのドラマもいくつかありました。連続ドラマの回数は、
平均でみれば、確実に短くなっていますね。
 このドラマだけは半年に渡り、骨太に仕上がりましたが。
 回数が少なくても、見応えのあるドラマもあり、連続ドラマの新しい流れか
もしれません。

 このドラマ、根底は医療ドラマなのでしょうね。裁判のカタルシスに至った
時、そのまま、財前が病に倒れる、ということで、次の展開になっています。
 これが、裁判ドラマであった、「太陽は沈まない」などとの軸足の違いだと
思います。
 そういう意味では、裁判の展開自体には、あまり力を尽くしていないように
思います。
 むしろ法廷戦術は稚拙です。

 ところで、財前は上告だと怒鳴っていましたが、上告は、法律論にならなけ
れば、通常できません。事実の争いの場合は、控訴審までで終わりです。
 そこはやり手弁護士の国平、なんのかんのと理屈を付けて、依頼人の意にそ
うよう、頑張るのでしょうか?(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
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