Daily Drama Express 2004/03/09 僕と彼女と彼女の生きる道 (10) 2004/03/14

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タイトル：Daily Drama Express 2004/03/09 僕と彼女と彼女の生きる道 (10) 2004/03/14

===================================================== 発行部数 12 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ 　　　　　　　　　　　 ☆☆ 2004/03/09 (Tue) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 　　1.火曜日の連続ドラマ　　2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1.　火曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル　僕と彼女と彼女の生きる道局　　名　フジテレビ放映日時　火曜22時キャスト　小柳徹朗（草なぎ剛）　北島ゆら（小雪）　小柳可奈子（りょう）　宮林功二（東幹久）　坪井マミ（山口紗弥加）　岸本肇（要潤）　小柳義朗（大杉漣）　大山美奈子（長山藍子）脚　　本　橋部敦子あらすじ　　「審判になったこと、凛に話さなくちゃいけないよな…」　夕食のかたづけをしながら、ゆら（小雪）に愚痴る徹朗（草彅剛）。　「俺のわがままかな、親権を欲しがること。たった数ヶ月凛を見てきただけなのに…。凛にしたって、自分のことで親が争うなんてつらいだろうし…」　「凛ちゃんがお母さんと暮らしたほうがいいと思ってるんですか？」　「そうじゃないけど…」　とにかく今は弁護士を探すのが先決だ。　その夜、徹朗は凛（美山加恋）に「どちらが凛と暮らすのかを、家庭裁判所というところが決めてくれることになった」と説明した。　「家庭裁判所の人が来るけど、いつも通りにしてればいいから」　凛は「はい」と素直にうなずく。　翌日、美奈子（長山藍子）が訪ねて来る。　「可奈子が勝手なのはよく分かってます。でも、手放したことを今すごく後悔してる。これからは母親として責任持ってやっていくって言ってます。だから、凛ちゃんのこと、可奈子に育てさせてやって下さい」　美奈子は涙ぐんで徹朗に頭を下げるが、徹朗は「すみません」と謝る。　「ごめんなさいね、こんなことお願いしに来て。私も一人の母親なのよ」　丁度その時、家庭裁判所の調査官が現れる。徹朗と凛は、いつものようにバナナでジュースを作って出すと、調査官の女性は、「凛と２人で話したい」と言い、徹朗は寝室で話が終わるのを待つ。　「好きなんでしょ、小柳さんのこと」　スパゲティを頬張るゆらに、亜希（田村たがめ）が問いただす。　「好きだよ」　ゆらの返答はあっけらかんとしている。　「家庭教師以上のこと、してるじゃない？ちょっとは、凛ちゃんの母親気取りだったんじゃないの？」　「私は凛ちゃんのお母さん代わりになれるなんて思ってない」　「でも、凛ちゃんはゆらにどんどん期待するんじゃない？」　亮太（大森南朋）も「もっと距離をおいたほうがいい」と口をはさむ。　「ゆらのことどんどん慕うようになったら、傷つくの、凛ちゃんだからさ。そうなったら、中途半端じゃないの？」　「距離をおいてあたりさわりなく付き合ったほうが中途半端。私は、凛ちゃんに頼られたら出来るだけ答えてあげたいの。人を信じるってことを知って欲しいの。あたりさわりなく付き合ってたら、誰を信じていいのか分からない。凛ちゃんには、別れを怖がって、人を信じない子になって欲しくないの。昔の私みたいに…」　ゆらは毅然として２人を見つめる。　川辺に座っている徹朗、そこにゆらが通りかかる。徹朗はゆらに、今日うちに来た家裁の調査官が、次は可奈子と一緒の時の凛に会うのだと話す。　「俺と一緒の時とは違うのかな？やっぱりもっと楽しそうなのかな…？」　徹朗の見つめる先には、友達と一緒にフラフープを上手に回す凛がいる。　「不安だよ、可奈子に凛を会わせるの」　その日が来てしまった。凛は楽しみにしていたのか、既に出掛ける準備が整っていた。リュックを背負った凛と手をつなぎ、約束の公園に向かう。　調査官と待っていた可奈子（りょう）が、凛に手を振る。　「出来れば今夜、うちに泊めたいんだけど」　可奈子の誘いに、凛は徹朗の顔色をうかがっている。　「いいよ、泊まって」　可奈子と手をつなぎ、嬉しそうに去って行く凛を、徹朗は振り返って見る。　帰り際、徹朗はハローワークに向かった。何とか勤務時間を増やさずに、給料が高いところを探したいと思ったのだ。　「今、別れた妻と子どもの親権を争っていて、向こうの方が収入多いんです！」　面接した職員は、「どうしても早く何とかしたい」と言う徹朗の勢いに困惑している。　その頃、凛と可奈子は動物園にいた。キリンのおりの前、凛は以前、父親と訪れた時のことを思い出していた――うっかり『ペンキぬりたて』のベンチに座ってしまい、お尻にべったりペンキがついてしまった――その同じベンチに座ろうとする可奈子。　「ダメ！……この前、ペンキついたから」　可奈子に「大丈夫」と言われ、恐る恐る腰をおろす凛。　「この前って、お父さんと来たの？」　凛は、リュックから『ラッキースタンプ』の台紙を取り出して広げる。　「これ、凛が貼ったの？」　「はい。お母さんが、大切にしてるものだから」　可奈子は「ありがとう」と言って、凛を抱きしめる。　「お母さんが迎えに来るまで、大事にしまっておいてね」　今夜は早く帰っても仕方ないので、自分から進んで残業をした。帰り道で、マミ（山口紗弥加）が待っていた。　「ずっと、好きでした！」　マミの気持ちに気付かなかった徹朗は驚く。マミは立ち去ろうとするが、今夜凛が泊まりに行っていないと聞いて、立ち止まる。　「やっぱり今夜だけ、ずっと一緒にいてもらえませんか？――最後だから」　「ごめん、坪井さんとはそういう気ないんだ」　「…これで本当におしまいに出来ます…」　既に潤んだマミの目から涙がこぼれ出す。徹朗のケータイが鳴り、出ると可奈子からだった。　「今度の週末も、うちに泊めていい？」　電話を切って振り向くと、もうマミの姿は消えていた。　家に帰って、真っ暗な凛の部屋に立ち尽くす。一人になった寂しさをかみしめて、徹朗はため息をつく。　翌日、川辺で凛と可奈子に偶然出会うゆら。凛は「お泊りしてきた！」と嬉しそうにゆらに伝える。　「母ったらね、おかしいの、ゆら先生と小柳が親しそうって言っちゃって」　と可奈子は笑う。たぶん自分が凛と住むことになるので、それまで凛の勉強を見て欲しいと、可奈子は頭を下げる。　「お父さん、ただいま！」　…誰もいない。リビングにも、寝室にも。悲しい気持ちでたたずむ凛…。　「わっ！！」　ベッドの脇に隠れていた徹朗が、凛に飛びつく。凛に「おかえり」と言って抱きしめる。　義朗（大杉漣）が訪ねて来たが、徹朗はすぐ仕事に出かけなければならない。義朗に「もうすぐ北島さんが来るから」とだけ言って、徹朗は急いで行ってしまう。入れ替わりにゆらがやって来る。　「家裁の人が凛のことを聞きに来るかも知れないって言われたって、凛のこと、何も分からなくてね」　と義朗。　「凛と話でもしようかと思ったけど、この前――何だ、その…レストランごっこっていうのか？徹朗と凛がやってたけど――俺、そういうの、やり方が分からないし…」　場を持たすことがうまく出来ず帰ろうとする義朗に、ゆらが話し出す。　「きっとすぐ仲良くなれると思います。凛ちゃんのお父さんだって、２人きりになって、最初はどうしていいか分からなかったけど、あんなに仲良くなれたんですから」　ゆらは微笑む。　「凛ちゃんを呼んできてもらえますか？凛ちゃんのおじいちゃん！」　上着のボタンを掛けなおし、咳払いをして、義朗は凛の部屋をノックする。　「凛、先生が、お見えになったぞ」　ぎこちない義朗の声を、黙って聞いているゆら。　凛はゆらに『ラッキースタンプ』の台紙を見せる。　「お母さんがね、迎えに来るまで、これ大事に持っていてって。お母さんに来て欲しいけど、お父さんとも離れたくない…。これ、大事にとっといた方がいいですか？」　ゆらは返答に困ってしまう。凛は「代わりに持っていて欲しい」とゆらに頼む。　その夜、仕事から戻った徹朗がゆらに尋ねる。　「凛、何か言ってた？可奈子のこと」　『ラッキースタンプ』のことは徹朗には内緒と、ゆらは凛と約束していた。ゆらは「いえ、特に」とウソをつく。　審判が始まった。弁護士の神田（福本伸一）はゆらが亮太に頼んで紹介してくれた。神田は亮太のいとこにあたるのだ。　まず、母親に引き取られれば、子どもは神戸に転校しなければならないことを、可奈子は指摘される。　「子どもにとって問題なのは、親がどれだけ子どもを思っているかで、場所は関係ない」　と可奈子は反論。神田に、子どもをおいてまで家出したことの理由について問われると、可奈子は「何よりもまず、離婚したかった」と言う。　「親権のことは、離婚してから何とでもなると思ってました。もし小柳が親権にこだわったとしても、それは親権者の肩書きが欲しかっただけだと思いました。小柳は、子どもを愛していません」　昔、凛が夜遅く熱を出した時も、徹朗は残業を優先して全く無関心だったことを例に挙げる。　「外面のいい人でした。とてもメンツを気にする人でした」　「俺は、ほんとに変わったんだ」　徹朗が思わず口を出す。　「妻が家を出るほど追い詰めたのは、夫である自分の責任と認めましたね」　と、可奈子側の弁護士が徹朗に尋ねる。　「確かに、あの頃の私は仕事第一に考えてました。夫としても父親としても、失格だと思います」　だが、暴力をふるったことも、ギャンブルにのめりこんだこともない。　「不適切な女性関係は？――浮気をしたことがありますよね、３年程前に」　更に、そのたった１度の浮気を可奈子がとっくに気付いていたと知り、徹朗はうろたえる。　今度は神田が可奈子に尋ねる。　「そういう人によく子どもを任せて、家を出られましたね？」　「母親に任せると思いました」　「でも実際は小柳さんが自分で育てた！子どものためにみどり銀行も辞めています」　「家を出るまでの７年間は、私が育てたんです」　「でも、あなたは出て行った…。お子さんを捨てたんです！」　可奈子は泣き出す。　「何を言ったって、凛を捨てたことに代わりはありません。でも、でも、後悔しているんです、何てバカなことしたんだろうって。もう二度としませんから、凛の母親でいさせて下さい、他に何も要りません…」　室内に可奈子の泣く声が響く。　「実に感動的ですね」　神田が冷ややかに言う。　何日か経って、徹朗は神田の事務所を訪れた。　「とにかく不安で、自分が不利なんじゃないかって。何か出来ることないでしょうか？」　神田は、ここに義朗が来て、手紙を置いていったと言う。　「家庭裁判所に提出するつもりですが……読みますか？」　そこには「徹朗がずっと家庭を顧みなかったのは事実だが、その責任は父親の自分にある」とあった。徹朗は、先を読む。　「私も仕事第一で、子どものことは妻に任せきりだった。徹朗に構ってやろうともしなかった。今思うと、私は子どもとの接し方が分からなかったと思う。だから、徹朗も愛し方の分からない父親になった。でも、私と違って、徹朗は接し方、愛し方を見つけた。現在、徹朗は子どもととても仲良く幸せに暮らしている。全て私の責任、どうか今の幸せを壊さないでやってほしい」　その夜、義朗が出先から帰ると、誰もいないはずの家に灯りがともっており、徹朗が待っていた。　「ありがとう、手紙」　「あんなものが役に立つか、知らないが――。徹朗、お母さんは幸せだったと思うか？――いや、いいんだ…」　義朗は背を向けて、コートを脱ぐ。すっかり小さくなったオヤジの背中。　　　――オヤジは言った、家族のために一生懸命働いたと。　　　　　それがオヤジなりの愛し方だったのだと、今は思う。　夕刊を読み出した義朗の肩を、徹朗は揉み始める。　「おふくろ、幸せだったんじゃない？」　義朗はそれを聞いて、ぐっと涙をこらえる。　「よかったじゃないですか！」　ゆらは、父親の話を聞いて喜ぶ。だが徹朗は、審判が早く終わって欲しいと思う反面、終わるのが怖いと言う。　「今夜もあまり眠れないのかな…」　「小柳さんが眠るまで、お付き合いしますよ」　「え？」　……「シジミの味噌汁って汁だけ飲む？それともシジミも食べる？」　「もちろん食べます」　「え？食べるの？」…… 　お互いの部屋のベッドにそれぞれ横たわって、ケータイを手に、たわいない話を続ける徹朗とゆら。　……「ハマグリは、食べますよネ？」　「うん」　「お吸い物の具は、何が好きですか？」　「…ん…」　徹朗の答えがあいまいになってきた。　「おやすみなさい」　ゆらはケータイを切る。徹朗はケータイを耳にあてたまま、寝入ってしまった。　今夜は半月。寸　　評　　最初弁護士役で、福本伸一さんが出て来た時、「頼りなさそーっ！」と思っちゃいましたが、なかなかやり手でしたね。泣き出した可奈子に「実に感動的ですね」と冷たく言い放った時、「言ってくれたよー！」と思った方も多かったのでは…？　可奈子は知らないでしょうが、視聴者はここまでの徹朗の変化をつぶさに見ているわけで、やはり『徹朗サイド』に立って見てしまうのは仕方がないんですけど。　今回嬉しかったのは、義朗の手紙です。やっと父と息子が寄り添うことが出来、本当によかった。美奈子にしろ、義朗にしろ、徹朗、可奈子にしろ、それぞれが子どもの幸福を望んでいるのは確かです。でも、凛にとっての幸福はどういう形なのでしょう。そして、ゆらにとっての幸福は…？執筆者　三森(anponhana@mail.goo.ne.jp) ---------------------------------------------------------------------- 2.　編集後記 ---------------------------------------------------------------------- 　録画しておいたドラマを、原稿のチェックのために見るのは昼間なので、末子が一緒に並んで見ます。ドラマのことを『凛ちゃんのビデオ』と言い、違う番組に出ている草彅クンのことを『凛ちゃんのお父さん』と呼びます。　きれいな家や、凛ちゃんのかわいい持ち物、センスのいい服など、とってもうらやましそうです。先日「自分の部屋がない」ことに遂に気付いてしまい、小さいながら疑問を感じたみたいです。　面白かったのは、第三話の終盤、赤い風船が飛ばされるシーンを見ていた時のこと。ふと気付くと、目がうるうるになっているのです。風船が飛ばされてしまったのがよほど悲しかったのでしょうね。（三森） 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