Daily Drama Express 2004/03/02 僕と彼女と彼女の生きる道 (9) 2004/03/09

メルマガ：日刊ドラマ速報
タイトル：Daily Drama Express 2004/03/02 僕と彼女と彼女の生きる道 (9) 2004/03/09

===================================================== 発行部数 12 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ 　　　　　　　　　　　 ☆☆ 2004/03/02 (Tue) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 　　1.火曜日の連続ドラマ　　2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1.　火曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル　僕と彼女と彼女の生きる道局　　名　フジテレビ放映日時　火曜22時キャスト　小柳徹朗（草なぎ剛）　北島ゆら（小雪）　小柳可奈子（りょう）　宮林功二（東幹久）　坪井マミ（山口紗弥加）　岸本肇（要潤）　小柳義朗（大杉漣）　大山美奈子（長山藍子）脚　　本　橋部敦子あらすじ　　食べ放題の店でデザートを取りに立つゆら（小雪）。どう見てもヤケ食いにしか見えないゆらを、亮太（大森南朋）と亜希（田村たがめ）はあきれて見ている。亮太は「何かあったのかな」と小声で亜希に尋ねる。　「あーいう時って、考えられる理由は２つしかないよ。１、ものすごーく疲れてる。２、ものすごーく好きな人にフラれた――ゆらのこと、好きなんでしょ？」　突然亜希がそんなことを言うので、亮太はうっかりうなずいてしまう。　「私、凛ちゃんのお父さんだと思うんだけど…」　２人の心配をよそに、ゆらは嬉々としてデザートを口に運び続ける。　「３人で暮らすこと、考えてみてくれないか？」　真剣な徹朗（草彅剛）を見て、可奈子（りょう）はふきだして笑う。　「この家を出てから何度も考えたの、これから先どういう人生を送っていきたいのか…その中に、あなたはいない」　可奈子は、仕事の都合で夏には神戸に行くそうだ。徹朗が「神戸で仕事を探す」と言うのを聞いて、可奈子は「銀行を辞められるわけがない」と笑う。銀行をとうに辞めたことを明かすと、さすがに可奈子は驚く。　徹朗は本当に変わった。だが可奈子は、凛のことを考えて銀行を辞めたのだと聞いても、まるで動じない。　「私の人生に、あなたはもう必要ないから。愛し合ってる両親なら必要だけど、あなたを愛することは、もう、ない」　「凛は、渡せない」　いきなり可奈子は、凛の部屋のドアを開ける。　「これも、これも、これも…みんな私が作ったの！」　手提げ袋やぬいぐるみを次々に指して、可奈子は訴えるように言う。　「確かに私はこの数ヶ月、凛と離れてたけど、それまでの７年間、凛を育ててきたのは私よ！あなたは何もしてないじゃない！？たった数ヶ月、凛を見ただけで父親ぶらないで！！」　「…その通りだ。可奈子をここまで追い詰めたのは、俺だと思う」　「だったら凛を私に返して！――どうしても、だめなら…」　徹朗を見据える可奈子。可奈子は凛の『親権変更』の調停を家裁に申し立てることに決めた。　本を片手に、夕食のカレーの支度をする徹朗から、近くの洋食屋でアルバイトを始めたと聞き、ゆらは驚く。仕事探しは続けるつもりだが、勤務時間が交代制で自分の都合が利くので、とりあえず決めたのだと徹朗。収入が激減したため、教科を英語だけにして、その分月謝を減らしてほしいとゆらに頼む。　「手伝わせて下さい。私に時間がある時は、勉強を見させて下さい」　ゆらは「月謝は英語の分だけでいい」とまで言ってくれる。　「私が、ここに来たいと思うから…」　ゆらの申し出を、徹朗はありがたく受け入れる。　――カレーが出来上がった。ゆらを交えて、３人で食卓を囲む。徹朗は「おいしい！」と誉める凛やゆらに、「味見は怖くて出来なかった」と笑いながらうちあける。　和やかなムードの中、義朗（大杉漣）が訪ねて来る。徹朗は父を寝室に通す。　今は凛との時間を大切にしたいと考えて銀行を辞めたこと、信用金庫の話がなくなり、洋食屋で働いていることを聞いて、義朗は徹朗を怒鳴りつける。　「凛のことは一時的なことだろ？！銀行を辞めるってことは、一生を棒にふるってことだぞ！」　「俺はオヤジと違うから。家族のことをちゃんと考えたいんだ」　「俺だってちゃんと考えてた！考えてないって言うのか？！家族のために、必死になって働いてきたじゃないか？！」　「…それでよかった？幸せだった？」　義朗は黙り込む。　「――ああ、よかったよ、家族のために働いて、会社にも評価されて、いい人生だったよ。おまえが間違った道進んでいるのに、ほっとけるか？」　「会社辞めたら、すること何もないんだろ？何していいか、分からないんだろ？」　徹朗の中で、何かがはじけた。　「どうしてか、教えてあげようか。オヤジは会社名や肩書きにだけこだわって生きているからだよ！だから仕事なくしたらすることないんだよ！――俺はそうなりたくない！オヤジみたいには、絶対になりたくないんだよ！！」　義朗は愕然として徹朗を見つめる。義朗は「俺は間違ってない！」と最後に一言言って、帰って行った。　徹朗が銀行を辞めたことを知らなかった美奈子（長山藍子）は、可奈子からその話を聞いて驚く。　「凛のために辞めたって言ってたけど、何かあって会社にいられなくなったんじゃないかな。あの人が自分から辞めるわけないもの。私に逃げられて、何もかもうまくいかなくって、何でもいいから何かにすがりたかった…それが凛なのよ」　と可奈子が言うのを、黙って聞いている美奈子。美奈子は「可奈子の思った通りにしなさい、応援するから」と言う。　翌日。凛がハーモニカを吹いていると、可奈子から電話がかかってくる。　「お父さん、料理作ってくれた」　「そう、凛、お母さんの料理が早く食べたいんでしょ。お母さんもがんばるから、凛もがんばってね」　母親からの電話だったのに、気持ちが何も通じなかった気がして、凛は悲しい顔で電話を切る。　ちょうどそこに徹朗が帰宅する。郵便物の中に家裁からの封書があった。封を切って中を見ると『調停期日のお知らせ』とある。いよいよ調停が始まる。　徹朗は調停のため、家庭裁判所に出掛けた。　「ゆら先生。凛はどうなるの？」　凛は父親と母親のどちらと住むことになるのか、不安になっていた。ゆらは涙声になっている凛の頭を優しく撫でる。　しかし、帰ってきた徹朗の話では、調停は不成立に終わりそうだ。　「収入は可奈子の方があるし…銀行辞めたの、まずかったかな」　皿洗いの仕事で、徹朗の手は荒れてきていた。徹朗は薬局で買ったハンドクリームを擦り込む。　翌日。徹朗はコックの斉藤（松重豊）にぶつかり、皿を割ったばかりか、出来上がり寸前の料理をダメにしてしまう。　「この仕事、なめてる？」　斉藤に叱られ、肩を落として帰宅する途中、岸本（要潤）と会ってしまう。　岸本は今の上司のことをグチり、仕事上の判断を徹朗に仰ごうとする。　「上司に聞けば？――俺はもう、岸本君の上司じゃないんだから…」　あぜんとして、徹朗を見送る岸本。　その夜、宮林（東幹久）とマミ（山口紗弥加）が訪ねて来た。徹朗は、信用金庫ではなく、洋食屋で働いていることをようやく２人に告白する。　「面白いです？俺がこんなことになって。みどり銀行にいればいいとこまでいけたのに、バカだな、とか思ってるんじゃないですか？… 今日は帰ってもらえますか…」　玄関先で、ふと宮林は徹朗の方を振り返る。　「思ってるよ、おまえのことバカだって。でも、俺がどう思おうと関係ないだろ？おまえが選んだ道、信念持って進んでいけばいいことなんだから。それとも、もう後悔してるのか？」　義朗がまたやってきた。今度は会社の資料の入った封筒を持って来たのだ。かつての得意先をあたってみてくれたらしいが、徹朗は「こんなこと頼んでない」と突っぱねる。　「今の仕事、続けてみてどうなんだ？思ってたようにはいかないんじゃないのか？子どものためと割り切っても、実際はそう割り切れるものじゃないだろう――ゆっくり考えるんだな」　義朗は穏やかにそれだけ言うと、帰ってしまった。封筒をそのままくずかごに捨てようとするが、徹朗の手は自然に止まる。　審判になったら、勝てる見込みはあるのだろうか…。そんなことばかり考えてしまい、皿を洗っている間もぼんやり考えてしまう。店の窓拭きをしても全く身が入らない。　「お父さん！」　凛の声。ゆらが凛を連れてきてくれた。社会見学なのだそうだ。　「凛ちゃん、とても楽しみにして来たんです。銀行では働く姿を見られなかったから」　凛は厨房に入って、徹朗が皿を洗っている絵を描いている。斉藤は凛にフルーツパフェを作ってくれる。凛が、店のテーブルで待っているゆらの分も頼むと、斉藤はその注文にも「サービス」と言って応じてくれる。　絵が出来上がり、徹朗の就業時間も終わった。　「お父さんの洗ったお皿はピッカピカ！お仕事お疲れ様でした！」　３人で、徹朗の職場の洋食屋で夕食となった。嬉しそうな凛、凛の描いた絵の中の徹朗もまた、嬉しそうに笑っていた。　　　――俺は、娘に愛されている。　　　　　娘は俺を、無条件に愛してくれている。　　　　　明日も、がんばれる。　「また見に来てもいい？」　と凛が尋ねるのに「もちろん！」と答える徹朗。凛を間に、徹朗とゆらと３人で、手をつないで歩く帰り道。徹朗は父親としての幸せをかみしめる。　翌日、訪ねて来た義朗に、徹朗はこの間の会社の話を断る。　「俺にとって仕事はすごく大切だよ。能力を生かせる場所で成果を挙げたいし、認められたい。でも、凛と過ごす時間も大切だから。凛に何かを求められたら、ちゃんと答えてやりたい。…凛のためじゃない、俺が凛と一緒にいたいんだ」　出掛けていた凛が帰ってくる。児童館で描いてきたという画用紙には『ようしょくや　こやなぎ　めにゅー』とあった。　「レーズンパンとココアしかないじゃないか」　徹朗と凛は笑いあう。義朗はただ、２人の様子を驚いて見ているだけ。凛の袋からのぞいている絵を出してみる――そこには、コックの格好をした徹朗らしき人が、楽しそうに働いていた。義朗はもう一度、２人を眺める。　「おまえの好きにしろ」　義朗は帰り際、クツを履きながら徹朗にこう言った。　「俺のこと、心配してくれてありがとう」　義朗はちょっとはにかんで、ちらっと徹朗を見る。　自分の顔が鏡に映る――眉間に刻まれた深いしわ。義朗は仏壇の前に座り、一人つぶやく。　「知らなかったよ、徹朗があんな顔をして笑うなんて…あれが、父親の顔というものなのか…」　物言わぬ妻の遺影が、義朗にただ微笑みかけている。　調停は不成立となった。　「審判になる」　ゆらにそう語る徹朗の顔は、厳しかった。寸　　評　　ゆらは徹朗をあきらめようと思いながらも、何か力になりたいと思っているようです。反対に徹朗は、ゆらを本当のところ、どう思っているのでしょう。　次回、徹朗はきっと窮地に立たされるはずです。過去のただ１度の浮気、頻繁に小柳家に出入りするゆらという女性、現在の収入…不利なことだらけで、徹朗の負けが目に見えています。　同じ母親であるだけに、私は可奈子の気持ちもよく分かります。７年間ほとんど一人で育てた子どもを、どうしてたった数ヶ月面倒を見ただけの夫に渡せるのか…絶対出来ない。でも、その７年間徹朗がしっかり稼いできたお陰で、ゆっくり物を作る暮らしが出来たのだから、「何もしていない」とは言えないと思うのです。　今度は逆に、可奈子が稼いで徹朗が面倒を見ればいいのだと思うんですけど、夫婦の溝はきっと埋まらないのでしょうね。執筆者　三森(anponhana@mail.goo.ne.jp) ---------------------------------------------------------------------- 2.　編集後記 ---------------------------------------------------------------------- 　徹朗とゆら、凛があんなふうに食事をして、３人で手をつないで歩いていると、絶対に親子と思われてしまいますよね。都会だからこそ出来ることなのかも。　「小柳さん、この前北島さんと歩いとったぞ、子どもと３人で！」　「知っとる知っとる！わしも食堂で見た！北島さんって、あの家庭教師とかしとる、えっらい美人やろ？もう一緒に住んどるんか！？」　「いやー、まだ見たいやけど。小柳さん、奥さん出てってしもて、あんまりたっとらんのにな。何やら、子どものことで裁判するらしいわ」　――田舎なら、こんな会話があちこちの田畑で交わされることになります（？）。（三森） ====================================================================== 発行元：ドラマ研究会 e-mail：info@j-drama.tv url ：http://www.j-drama.tv/ ＩＤ：MM3E195F16414CD このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。（http://www.mailux.com/) ======================================================================

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。