Daily Drama Express 2004/02/17 僕と彼女と彼女の生きる道 (7) 2004/02/23

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タイトル：Daily Drama Express 2004/02/17 僕と彼女と彼女の生きる道 (7) 2004/02/23

===================================================== 発行部数 11 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ 　　　　　　　　　　　 ☆☆ 2004/02/17 (Tue) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 　　1.火曜日の連続ドラマ　　2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1.　火曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル　僕と彼女と彼女の生きる道局　　名　フジテレビ放映日時　火曜22時キャスト　小柳徹朗（草なぎ剛）　北島ゆら（小雪）　小柳可奈子（りょう）　宮林功二（東幹久）　坪井マミ（山口紗弥加）　岸本肇（要潤）　小柳義朗（大杉漣）　大山美奈子（長山藍子）脚　　本　橋部敦子あらすじ　　井上（小日向文世）の飛び降り自殺――支店長の話では、井上はかろうじて一命を取り留めたものの、まだ意識は戻らず、危険な状態が続いているらしく、「自殺した理由が見当たらず、遺書もない」と言う。　「何が理由か見当たらないだよ、井上部長、常務になれなかったことを既に知らされていたらしいよ」　と宮林（東幹久）。自殺直前に井上に会っていた徹朗（草彅剛）は、昨夜の井上の様子をひとつひとつ思い出していた。　徹朗は着替えと頼まれたアンパンを持って、父の見舞いに向かった。病院の前庭で父義朗（大杉漣）がタバコを吸っているのを見かけ、声をかける。義朗が早速アンパンを袋から出して割ってみると、中はこしあん。　「こしあんじゃないか！！俺はつぶあんが食べたかったんだよ！！」　「だったら自分で買えよ」　「何だ！その口の利き方は！――いいよ、食べるから」　「食べなくっていいって言ってるだろ！？」　むしりとるように、乱暴に義朗の手からアンパンを取り上げると、今まで徹朗の心の中で渦巻いていた思いが、どっと口からほとばしり出る。　「どうして骨なんか折ったんだよ！？どうして入院なんかしたんだよ？！面会時間が気になって、井上部長のことが気付けなかったじゃないか！オヤジが入院なんかしなきゃ、こんなことにならなかった！」　「落ち着け！！」　義朗の声にはっと我に返った徹朗は、義朗に井上の自殺未遂を話し、「今度はつぶあん買ってくる」と謝って、立ち去る。　帰宅すると、ゆら（小雪）が待っていた。ビールを飲む気にもなれず、徹朗はぼんやりとソファに座る。　「今思うと、夕べの井上部長、やっぱりおかしかった」　徹朗は「何で気付かなかったか」と自分を責め、落ち込んでいた。ゆらがココアをそっと差し出し、「凛が元気のない徹朗を心配している」と言う。　「おいしい……自分でいれるより誰かにいれてもらったココアのほうが、ずっとおいしいよな」　前はこんなこと思ったこともなかったと、徹朗。　翌朝、「毎朝ジュースを作る」と決めた徹朗は、ジューサーを手に「今日はバナナジュースだ！」と意気込む。凛（美山加恋）は、包丁でぎこちなくバナナを切る徹朗を心配そうに見ている。バナナ、牛乳、はちみつを入れ、ふたをして、ボタンを押すのは凛――出来上がり！　乾杯をして、一口飲むと「おいしい！」。　お互いの上唇についた泡を「ひげー！」と指差しあって、笑う徹朗と凛。　休日。凛に留守番を頼み、徹朗は、昨日意識の戻った井上を見舞いに行く。　会ってもらえないかと思ったが、意外にもすんなり病室に通されると、ベッドの上で井上は、窓の外を見ながら「いい天気だ」と繰り返す。　「井上部長か…俺はみどり銀行東兜町支店の法人営業部長だったんだな。全てのことが、遠い昔のことのように思える…いや、遠い昔のことなんだな」　話し方が柔らかい。厳しさが消え、別人の様な井上。　「遠い昔のことって、どういう意味ですか？」　徹朗が問いかけると、井上は急に『シクラメンのかほり』を口ずさむ。　「『シクラメンのかほり』どう思う？俺、宴会でよく歌うけど、歌うの止めた方がいいかな？」　「正直に言うと、止めた方がいいと思います――ああいう歌は、上手い人が歌わないと…。下手なだけならいいんですが、下手なのに気持ちよさそうに歌われると――」　「聞いてる方はたまらないよな。もっと早く言ってくれりゃよかったのに」　「言えませんよ…」　二人は見つめ合って笑う。　「出世争いにも負けたことだし、のんびりやるよ」　井上は銀行には戻るつもりはない。　「奥さんに怒られちゃって…息子と娘にも怒られちゃって…」　井上は声を震わせそう言うと、こらえきれずに泣き出す。徹朗に向き直って、井上は言う。　「新しい仕事、うまくいくといいな。子どものこともうまくいくといいな。お前なら、きっとうまくいく。俺、もう大丈夫だから」　力なく微笑む井上。　その頃、ゆらは大学時代の友人の結婚披露パーティーに出席していた。亜希（田村たがめ）はいつものように食い気たっぷりだが、バイキングの大皿から料理を取りながらも、新しい出会いを求めて早速アプローチにかかる。　「俺は好きになったら結婚を考えるなあ。結婚したら、奥さんにはいつもきれいでいてほしいな。奥さんが、髪を切ったり髪型変えたり、そういうのちゃんと気付くダンナになるんだ…」　ゆらと２人きりになった亮太（大森南朋）が、つぶやくように言う。　夜、徹朗がスーパーでメモを手に買い物をしていると、パーティー帰りのゆらとばったり。ドレスアップしたゆらの美しい姿に、徹朗は息を呑む。　「北島さんは、遊園地好き？…凛が、行きたがってて…」　今朝凛が「遊園地に行きたい」と言っていたが、井上の見舞いのために願いを聞いてやれなかった。徹朗は「今度３人で遊園地に行こう」とゆらを誘う。　「いつにする？」　その時背後から徹朗を呼ぶ声がした。美奈子（長山藍子）だった。　ゆらと別れ、美奈子と歩く徹朗。　「これからどなたかとお付き合いすることがあっても、凛ちゃんのことだけはちゃんと考えてあげてね」　と美奈子。　「でも俺、まだそういうこと全然考えてませんから」　「そうよね。いくらなんでも、まだ早いわよね」　柔らかいが、ちょっととげのある美奈子の口調に、徹朗は戸惑う。　「え？！亡くなった？！」　岸本（要潤）から「井上が死んだ」と聞かされた徹朗。　「俺、昨日、井上部長に会ったんだけど」　夜中に容態が急に悪化したらしい。　「――でも俺、昨日、井上部長と話したんだけど」　井上の死を受け入れられず、愕然とする徹朗。　井上の告別式。　「納得いきませんよ。出世出来なくて死ぬなんて！」　と岸本が悔しそうに言う。　「男のプライドが許さなかったんだろ？井上部長が特別なわけじゃないさ」　宮林の話にマミ（山口紗弥加）は「ばかみたい」と泣き出す。　３人の会話を聞きながら、徹朗はふるまわれた寿司をほおばり、ビールを飲み干す。　井上に代わって部長になったのは香山（大高洋夫）。　「もうすぐやめるんだったな。お前も“負け組”か？」　徹朗は黙っている。　その夜、香山の歓迎会でカラオケボックスへ。香山が『また会う日まで』を熱唱し終わると、『シクラメンのかほり』が入る。だが、誰も入れた覚えがないと言う。　切っても切っても繰り返し入る『シクラメンのかほり』、この曲は死んだ井上の十八番だった――青ざめる宮林らに、徹朗がこっそり Ⅴサインを見せ、岸本もマミも微笑む。徹朗のイタズラだったのだ。　仇をとった気分ですっきりした徹朗はトイレに立つ。洗面台の鏡の横に、大きな『禁煙』のステッカーが貼ってあるのが目に留まる。『禁煙』が口癖だった井上。結局永遠に『禁煙』に成功したのだ。徹朗の目から、突然涙があふれ出す――脳裏に浮かぶ井上の面影――徹朗は井上が自殺して初めて、声を上げて泣いた。　　　――人は、彼を負けた人間だと言うだろう。　　　　　でも、俺は、彼が安らかな眠りについていると信じている。　　　　　彼は最後の最後に、　　　　　かけがえのない家族の存在に気付いたのだから。　家に帰ってベッドに入っても落ち着かないでいると、凛がやって来る。凛も自分と同じく眠れないらしい。凛をベッドに入れてやり、抱きしめる。　「お父さんの子どもに生まれてくれて、ありがとう」　凛の小さな手を握る。“かけがえのない家族”の存在を確かめるように…。　みどり銀行退社の日。　仕事を終え、居酒屋で一人ビールを飲んでいると、マミが来る。宮林たちは残業で遅れるらしいが、それも怪しいものだ。　退院して家にいる義朗から電話が入る。入院中に同じ部屋だった人に、融資のことで話をしてやってほしいと言うのだ。　「――いいけど、みどり銀行の社員じゃなくてもよければ」　「！どういう意味だ！？」　今日退職したことを告げると、義朗はいつものように威圧的な口調で「辞めてどうするんだ！？」と詰問する。　「キングバーンスタイン証券にヘッドハンティングされた」　つい口をついて出たウソ。義朗は「よくやった」と手の平を返して喜ぶ。　「ウソ」　今度は正直に「近所のニコニコ信用金庫」と言うと、義朗の口調がまた元に戻る。顔色が変わったのが、ケータイを通しても分かるくらいだ。　「どうして俺に断りもなしに辞めたりするんだよ！？」　「オヤジに断らないといけないこと？」　「当たり前だ！誰がお前を立派に育てたと思ってるんだ？！離婚だの、退職だの、どうして親不孝ばかりするんだよ！！」　徹朗はここまで聞いて、ケータイをぷつっと切った。　無性に飲みたくなった。ビールをまた注文する徹朗を見て、マミは不思議な顔をする。　偶然同じ居酒屋の隣のボックスに入ったゆらと亜希。ゆらがテーブルを枕に熟睡中の徹朗に気付き、「小柳さんの知り合い」とマミに話しかける。マミは、横になってしまった徹朗に「徹朗サン」と声をかけ、自分のコートをかけてやっている。　「せっかくのデートだけど…」　残念そうだが、ちょっぴり嬉しそうなマミ。ゆらは２人を見つめる。　その夜、ゆらはなかなか寝付くことが出来なかった。ゆらは眠るのをあきらめて起き上がると、台所の電気を点け、この前徹朗が電話をくれた時にうっかり焦がしてしまった鍋の底を、ごしごし磨き始める――。　「じゃ、坪井さんと凛がベッドまで運んでくれたの？」　寝てしまった自分をマミがひきずって家まで送ってくれたことを、翌朝になって凛から聞いた徹朗。凛はすねているのかそっぽを向いている。徹朗が凛に謝り「今日のジュースはバナナとりんご」と言うと、やっと凛の頬がゆるむ。　ジュースの泡のひげをつけながら、徹朗は言う。　「お父さん、料理に挑戦しようと思うんだ。凛がびっくりするくらい美味しいもの、作ってやるからな」　来月から働くことになっていたニコニコ信用金庫に、徹朗は突然呼び出された。担当者が開口一番「９時５時、残業なしという条件を受け入れることができなくなった」と頭を下げる。徹朗が入るはずの新しい部署の計画が延期になったと言うのだ。法人営業部の部長になら迎えられるが、それだと９時５時というわけにはいかない。徹朗は悩んだ末「９時から５時の条件を変えるわけにはいかない」と言う。　担当者は徹朗の答えに、「ご縁がなかった」と再度頭を下げる。　夕暮れの道を急ぐ徹朗。このいらいら、もやもやした気持ちをどう整理すればいいのか…徹朗はふと立ち止まり、ケータイのボタンを押す。　鳴ったのはゆらのケータイ。ゆらは着信が『徹朗』だと知ると、ケータイを切り、部屋を出る――台所にはぴかぴかに磨かれた鍋。　同じ頃、徹朗の家の電話が鳴っていた。帰宅した凛が受話器をとる。　「…凛？」　「お母さん！！」　可奈子（りょう）だった。　「元気？ごめんね、連絡しなくて。…お母さん、凛と一緒に暮らしたいの」　「うちに帰ってくるの？」　「その家には帰らない。…お母さん、凛を迎えに行く！」　何も知らず、徹朗は気が抜けたように家路をたどっていた。寸　　評　　徹朗と凛の関係が良くなってきた四話目あたりから、可奈子が凛を取り戻すためにきっとまた出てくるぞ、と思っていました（だって “りょうさん”ですもの。チョイ役のわけがない！）予想通りでうれしいやら悲しいやら。でも、あれほど凛のことを嫌いだと断言していたのに、勝手過ぎますね。　子どもを置いて一人で買い物に出ると、すごーく身軽で楽なんですが、何か大事な忘れ物をしてきたような気持ちになることがあります。で、結局自分のものより子どもへのお土産ばかり買ってしまって、「あれ？」と思う……可奈子も凛を置いてパリに行き、望みどおりになった後、急に「やっぱり必要」と思い直したのでしょうか。執筆者　三森(anponhana@mail.goo.ne.jp) ---------------------------------------------------------------------- 2.　編集後記 ---------------------------------------------------------------------- 　焦げ付いていた鍋をぴかぴかに磨き上げた時って、ほんとに気持ちがいいものです。あと、湯飲みや茶碗のイトゾコのところ（分かりますか？）とか、文様のあるガラス食器の溝のところも結構汚れがたまっていて、小さいブラシのようなものでゴシゴシやるときれいになります。とっても疲れるんですけど、漂白剤を使ったのとは全然違う清清しさ！すっきりします。（三森） ====================================================================== 発行元：ドラマ研究会 e-mail：info@j-drama.tv url ：http://www.j-drama.tv/ ＩＤ：MM3E195F16414CD このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。（http://www.mailux.com/) ======================================================================

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