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タイトル:Daily Drama Express 2004/02/12 白い巨塔 (16)  2004/02/18


===================================================== 発行部数   12 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2004/02/12 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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0. お知らせ
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 先にもお知らせ致しましたように、「エースをねらえ!」の第五回は、放映
時刻変更に気付かなかったために後半30分を録画ミスし、あらすじが書けま
せん。
 申し訳ありませんが、この分につきましては、後半30分を入手しましたら、
配信致します。
 また、重ねてのお願いのですが、もし、後半30分分についての録画をお持
ちの方がいらっしゃいましたら、お助け願えないでしょうか?
 もし助けて下さる方がいらっしゃいましたら、下記フッターのアドレスまで
ご連絡頂けますよう、お願いします。
 時刻変更があったので、六回目放送までに再放送してくれるのかと思いまし
たが、不親切ですねぇ....

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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル 白い巨塔
局  名 フジテレビ系
放映日時 木曜22時
キャスト 財前五郎(唐沢寿明)
 里見脩二(江口洋介)
 花森ケイ子(黒木瞳)
 東佐枝子(矢田亜希子)
 里見三知代(水野真紀)
 柳原弘 (伊藤英明)
 東貞蔵 (石坂浩二)
 財前又一(西田敏行)
脚  本 井上由美子

あらすじ  関口守(上川隆也)弁護士の尋問。
 CT写真を示して、「影がありますか?」と問う。「ガン転移の可
能性がありますか?」
 「一般的に炎症性変化ととらえられます。でも、転移の可能性を否
定できません」と里見脩二(江口洋介)。
 「そのような時、一般的に医師ならどうしますか?」と関口。
 「再検査を勧めます。転移の有無により、その後の治療が大きく変
わってきますから」と里見。
 「あなたはそのことを財前さんに指摘されましたか?」と関口。
 「はい」と里見。
 「つまり、財前さんは、あなたが転移の可能性を示唆したにもかか
わらず、検査を勧めたにもかかわらず、検査をしなかったんです
ね.....」と関口。

 「異議あり!」と国平学文(及川光博)弁護士。
 「これで尋問を終わりにします」と関口は言うと、里見の方を向き、
「勇気ある証言、ありがとうございます」と挨拶する。

 国平の反対尋問。
 同期で24年間、共にガンの治療に携わってきたにもかかわらず、
財前五郎(唐沢寿明)の不利になるようなことをしたのか?と国平。
 「不利に?」と里見。
 第一外科に頻繁に出入りし、診療に口を挟み、反対する遺族を説き
伏せて解剖を勧めたのか?と国平。
 診療方法に疑問があれば口も挟むし、佐々木庸平(田山涼成)さん
が何で亡くなられたのかを明らかにすることで、残された遺族の方も
納得できる。

 国平は、同期なのに財前が教授になって、里見は助教授のまま。そ
れをねたんだのだという声もあるが、と問うが、関口が、「異議あ
り!」と国平の質問を封じる。
 裁判長が国平に質問を変えるように言うが、里見は国平の質問に答
えるという。
 技術や知識を争うこともある。だが、それは地位や名誉のためであ
ってはならず、患者のためであり、自分が財前と争うとしたら、永遠
に治療のためでありたい、と言う。

 裁判長は、医学的に難しい問題で、財前と里見の意見も対立してい
るので、鑑定結果を待って決心する予定だと述べる。


 財前は花森ケイ子(黒木瞳)に電話する。本当は結審してからのつ
もりだったが、と。
 「里見先生、来たわね」とケイ子。
 「あいつもバカだ。これでとばされる」と財前。
 「わたし、わかったの。わたしが医大を辞めたのは、醜い権力争い
がイヤになったんじゃない。人の命を扱うのが怖くなったの」 とケ
イ子。
 「オレは負けない」と財前。
 「負けてもいいじゃないの。里見先生によって負かされるなら。わ
たし待ってるわ。勝っても負けても」とケイ子。
 「オレは負けない」と断言すると、財前は乱暴に電話を切る。


 里見が帰宅すると、妻・里見三知代(水野真紀)も息子・里見好彦
(片岡涼)もいない。


 洛北大・唐木教授による鑑定報告。
 結果から逆算すると、術前から転移があり、これがリンパ管症だっ
た可能性も十分ある。
 ただ、影は炎症性変化に見え、佐々木の1日30本の喫煙歴から、
炎症性変化と診断するのには、妥当性がある。
 また、術後の治療も、術後肺炎を疑うのは普通であり、リンパ管症
の可能性は極めて考えにくい。
 だが、1月8日の時点で肺炎の治療が奏効しなくなり、治療法に問
題がないとは言えない。

 判決。
 主文その一。原告の請求は棄却する。
 主文その二。裁判費用は原告らの負担とする。

 理由。
 転移を疑うことは難しく、財前がオペに踏み切ったことは、誤りと
は言えない。
 また、リンパ管症も死後解剖をしたことにより、初めて明らかにな
ったのであり、このようなことまで医師の責任を問うことは、医療の
萎縮を招き、国民の健康にとって不利益となる。
 よって、原告に同情すべき点は多々あるが、財前に責任はない。


 財前はハイヤーの中で、フーッと深く息を吐くと、クックッと喉の
奥で笑い始める。


 料亭で義父・財前又一(西田敏行)は浮かれ、みんなに頭を下げる。
 鵜飼医学部長(伊武雅刀)が又一をにらみ、又一は、「控訴でもさ
れんことにはな」と言う。
 国平は、控訴の可能性はないと言う。新証拠でも出なければ、判決
を覆せないだろうから、よっぽどの物好きでなければ、控訴はしない、
と。

 そこに招かれた唐木が現れる。
 又一が、唐木の鑑定で命拾いした、とすり寄るが、唐木は鑑定に手
心は加えていない。常々、最近は治療を一生懸命やっても、患者が亡
くなると、すぐ犯人捜しが始まり、誤診、誤診と騒ぐ。これでは、ま
ともな医者がいなくなってしまう、と自説を述べる。
 「財前君、君は堂々としていていいんだよ」と鵜飼。


 佐々木よし江(かたせ梨乃)は関口に、「これが医療裁判ってもん
ですか」と言った後、「すぐに控訴して下さい!」と頼む。
 関口は、控訴期限までは、まだ2週間あるので、慌てなくていい、
と言う。
 負けるのが怖いのか?と息子・佐々木庸一(中村俊太)。
 関口は、控訴するとなれば、また費用もかかる。あの裁判に納得は
できないが、負けるわけにはいかない、と言う。
 同席していたよし江の弟は、関口に、これ以上よし江をけしかけな
いでくれ。店は注文が減り、従業員も辞めていき、滅茶苦茶だ、と言
う。

 その時里見が、「人間、私利私欲で動くことがありますが、時には
信念に突き動かされることもある。証言なら、いつでもします」と言
うと、出ていく。

 里見を追い掛けた東佐枝子(矢田亜希子)は、追いつくと、「大学
は?」と問う。
 「研究は、どこでもできますから」と里見。
 「三知代さん、さぞ心細い日々をお過ごしでしょう」と佐枝子は問
う。
 「三知代は好彦を連れて、実家に帰っております」と里見。


 財前杏子(若村麻由美)は、「おめでとう!」と言う。
 「別に何でもないさ」と財前。
 「長かった!!これで外に出られる」と杏子。
 「ボクは、医学界になくてはならない人材だと認められた」と財前。
 「ハラハラさせられるのは、これで最後よ」と杏子。
 「少しぐらいハラハラした方が、飽きなくていいだろ。少なくとも、
つまらん正義感で、一生を棒に振っちまうよりも」と財前。
 「誰のこと.....」と杏子。


 鵜飼は里見に、山陰大学の健康センターの教授に異動するよう、命
じる。
 里見はガン抑制の研究ができなくなることを危惧する。

 そこに財前が入ってくる。
 鵜飼は、裁判の経緯を知らせるように言う。近頃、がんセンター設
立のために飛び回っていたので、詳細を知らないから、と。

 里見は、この話を断る。
 鵜飼は公務員が人事を拒否することは許されない、と念を押す。
 里見が出ていくと、「惜しい男だねぇ.....」と鵜飼は里見を評し、
財前にはがんセンターの模型を示し、これからも頑張って欲しい、と
言う。

 里見は研究室を一渡り見回すと、退職届を書く。


 関口がタクシーで、佐々木の店に駆け付ける。
 店へはいると、店の中は滅茶苦茶。
 陰から庸一が顔を出す。
 「お母さんは?」と関口。

 うずくまったままのよし江は、「何もかもなくなりました」と言い、
空っぽの金庫を見せる。弟がお金も従業員もすべて持っていったのだ。
 「先生、わたし、覚悟決めました。ここ、売ります。そのお金で、
裁判費用、払います」とよし江。
 「オレも大学辞めます。それで控訴して下さい。もう一度、財前を
訴えて下さい!」と庸一。


 財前が、クラブ・アラジンの前に立つと、もう看板。
 顔を出したケイ子は、「財前教授のお席だけは、用意してあります」
と招き入れる。
 ケイ子の部屋に行きたいという財前に、「いきなりはイヤ。もう一
度出会いたいの、財前君に」とケイ子。
 「子供のようなこと言うな」と財前。
 「財前君は、少し変わったわね」とケイ子。
 「そりゃそうさ。助教授から教授になり、やっかいな裁判にも勝っ
たんだ」と財前。
 「里見先生は?」とケイ子。
 「あいつは辞めたよ」と財前。
 「五郎ちゃんは勝ったの?」とケイ子。
 「当たり前だ。柔軟でなければ、組織には残れない」と財前。


 里見が荷物を片づけていると、関口がやってきて、控訴を予定して
いるが、鑑定は?と聞く。
 里見は、今回の鑑定は医師の側に立ったものだが、患者側に立った
鑑定があれば、変わるかも知れない、と言う。
 そして、証言台に再び立ってもいい。大学は辞めるが、医師を辞め
るわけではないので、どこかで患者を診続けるだろう。これは裁判の
せいではないので、関口が気にしないように、と里見。
 その間もタイマーが鳴り、里見はマウスの様子を見る。


 財前教授の総回診。
 財前がカルテを見て、さっと診療した入院患者に対して、看護師の
亀山君子(西田尚美)は、患者が下腹部が張っていると言うので診て
欲しい、と患者の布団をめくる。

 里見は、竹内医局員(佐々木蔵之介)に、研究と患者の申し送り。
里見はこれから自分に合う病院を探すと言うが、「そんな病院ありま
せんよ!」と竹内。
 そして、里見の引き継ぎなんてできない、と言う。毎日毎日マウス
の反応を見て、土日も研究室に立ち寄り、重病患者がいれば、泊まり
込んで、と。
 里見は竹内に握手を求めるが、竹内は里見に、「辞表を撤回して下
さい。辞めなければいつかここに戻ってこられる日もあるでしょう」
と言い、手を出さない。
 里見はそのまま研究室を出て行く。


 君子がナースステーションで、今月で辞めるという。
 安西信也(小林正寛)医局長が、「できちゃったの?」とからかう
と、「ま、そんなとこ」と君子。
 「だから、財前先生に口答えもできるんだ。女は強いよな」と佃友
博(片岡孝太郎)講師。

 柳原弘(伊藤英明)医局員は廊下で君子を捕まえて、「辞めるのは、
自分がウソの証言をしたから?」と聞くが、「うぬぼれないで!」と
君子は柳原の手を、自分の腕からはがす。


 里見は子供の患者に、「また明日」と声を掛けられ、複雑な表情。

 里見が雨の中、バス停へ走り、時刻表を見て、コートの襟を立てる
と、そこに傘を差した佐枝子がやってくる。

 里見は佐枝子を連れて、行きつけの大衆食堂へ行き、「こんな店し
か知らなくて。でも、助かりました。今日は1人で食べたくなくて」
と言う。
 「お疲れ様でした。何もできないけど、それだけは言いたくて」と
佐枝子。
 里見は、この店は、医学部に入って初めて来た店で、それから試験
の前、実験の合間にと、訪れては腹ごしらえした。財前ともよく来た、
と言う。
 「きっと里見先生のお力を発揮できる場があると思います」と佐枝
子。


 財前は夜、灯りも付けず、里見の研究室に入る。


 里見が佐枝子に借りた赤い傘をさして帰宅すると、好彦が飛び出し
てくる。
 三知代も戻ってきていて、「お帰りなさい。わがまま言って、ごめ
んなさい」と謝る。
 里見が、今日、浪速大を辞めたというと、三知代はうなずき、離れ
てみて、里見がどんな仕事をしていても、やはり里見と一緒にいたい
と思ったという。
 「おかえり」と里見。


 鵜飼と財前はハイヤーで、『浪速大学付属高度ガン医療センター』
の建設現場を見に行く。
 この計画が4月からの国立大学の独立法人化の目玉で、鵜飼の学長
選もかかっている。
 「君も一汗かいてくれるかね」と鵜飼。
 「喜んで」と財前。
 「そうすれば、君のセンター長も夢じゃない」と鵜飼。
 「これなら世界と渡り合えますね」と財前。


 その頃関口は、控訴状を提出していた。


寸  評  あっさりと財前が勝訴とは予想していませんでした。
 あの裁判官の判決理由だと、検査はできたけど、可能性が低かった
のでしませんでした。その結果、重篤な問題に気付かず患者が亡くな
ってしまいました。でも、それって、医師に責任問うのって、先生が
かわいそうよね。だって、大体の人は、そんな転移なんて、ないんで
すもの。
 先生を恨まずに、そんな病気になった自分、あるいは、検査をして
くれない先生に命をゆだねてしまった自分を恨みなさいね。と言われ
ている気分です。

 執刀に後ろ向きなのは国民の損失かもしれませんが、わたし自身は、
本当になんでもかんでも切っていいの?切っても生きていけるかもし
れないけど、人間の体に無駄なものは無いと思うから、本当に切って
いいかどうか、もっと真剣に考えてよ!と医者に言いたいです。
 セカンド・オピニオンは、重要ということですね。
 でも、セカンド・オピニオンを貰っても、それを生かせるか殺すか
は、患者自身です。
 さて、あなたが佐々木の立場に立った時、里見の意見を信じて、検
査の遂行を要求するか、里見の推薦する財前を全面的に信じてオペを
受けるか、それとも転院するか.....浪速大学の位置付けがよくわか
らないので、転院についての現実味がわからないのですが、東京近辺
の人が、築地のがんセンターで同じようなことを言われたら、転院す
るでしょうか?
 でも、少なくとも他の病院でも診察して貰って、データを自分で集
めておくことは重要ですね。

 そこで問題になるのは、住基システムの付加機能で、他の病院にか
かった既往症がわかることの是非です。他の病院に同じ症状で受診し
ていることがばれてしまったら、純粋なセカンド・オピニオンが得ら
れないと思います。

 以上、この回を見て、いろいろ考えてしまいました。

執 筆 者 鈴木(sumire_@anet.ne.jp)

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2. 編集後記
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 今回の大河で今までと違うと思うこと。それは、大河に出演している役者さ
んが、民放の連ドラでも、主要人物として出演していることです。江口洋介も、
佐藤浩市も.....
 大河が民放の連ドラの主役級で成り立っていると言うべきか、登場人物が多
すぎて、それぞれ片方では共に成り立たないのか?
 それとも、最近は特に分けられていなかったことに、ずっと大河を見ていな
かったために気付かなかったのか.....(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
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