Daily Drama Express 2004/02/10 僕と彼女と彼女の生きる道 (6) 2004/02/15

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タイトル：Daily Drama Express 2004/02/10 僕と彼女と彼女の生きる道 (6) 2004/02/15

===================================================== 発行部数 10 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ 　　　　　　　　　　　 ☆☆ 2004/02/10 (Tue) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 　　1.火曜日の連続ドラマ　　2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1.　火曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル　僕と彼女と彼女の生きる道局　　名　フジテレビ放映日時　火曜22時キャスト　小柳徹朗（草なぎ剛）　北島ゆら（小雪）　小柳可奈子（りょう）　宮林功二（東幹久）　坪井マミ（山口紗弥加）　岸本肇（要潤）　小柳義朗（大杉漣）　大山美奈子（長山藍子）脚　　本　橋部敦子あらすじ　　「来月末で辞めさせて頂く方向でお願いします」　徹朗（草彅剛）は、辞めた後は自宅近くの信用金庫で働くつもりだと言う。９時５時で残業なし、だが、給料が今の半分になるのも無論承知の上だ。　「子守が大変だとしても、子どもなんてすぐ大きくなるだろ。辞めたことを後悔する日が必ず来るぞ」　井上（小日向文世）の説得にも、徹朗の決意は揺るがない。　「むかつく！……お前に言ってるんじゃない！自分にむかついているんだ！お前がその程度のヤツだって、見抜けなかったわけだからな！」　井上はそう吐き捨てて、足早に会議室を出て行く。　その夜、マンションの玄関先で徹朗の帰宅を待っていたのは、凛の担任の石田（浅野和之）だった。石田を部屋に通すと、凛（美山加恋）の顔が急にこわばる。　石田はソファーに座ると、かばんから凛の下敷きとくつを取り出す。凛のものだ。見つかったんだ！　クラスの女の子２人が、凛が困っているのを見るのがおもしろくて隠したらしい。２人とも「もうしない。凛に謝りたい」と言っているという。　「この度はいろいろと至らない点があり、申し訳ない」　そう言って謝る石田に、徹朗も「なまいきなことを言ってしまって」と、２人はお互いに頭を下げた。凛が休んでいる間の宿題のプリントなどを徹朗に渡しながら石田は話す。　「教師になりたての頃は、こんなにためないで、その都度、欠席した子の家に届けてたんですけどね…」　用事を済ませた石田が帰ろうとする。一件落着…と思われたが、凛は石田に声を掛けられても、うつむいたままあいさつもしなかった。　「行きたくないです」　「先生、言ってくれただろ？もう大丈夫だって…」　「イヤです」　凛の心の傷は、まだ癒えていないようだ。　翌日。井上が自分のデスクでライターをつけたり消したり、落ち着かずカチカチ鳴らしている。ピリピリしているのがはっきり見て取れる。　「今度の人事で、常務に昇進できるかビミョーなところにいるらしいよ」　小声で話す岸本（要潤）とマミ（山口紗弥加）。　その夜、徹朗は宮林（東幹久）を伴って帰宅した。昼間、会社を辞めることだけ、宮林に話したのだった。　今日は家庭教師の日。宮林は、台所でゆら（小雪）が「お帰りなさい」と徹朗に言うのを見て、「彼女が出来たのか」とたじろぐ。　ゆらが帰り、２人は買ってきたツマミでビールをあける。　「いいのかよ、本当にそれで…」　「意外だな。宮林さんは絶対反対しないと思ったから」　「反対とかじゃなくって、あれほど出世したがったお前がさ…」　徹朗は「本当に出世したかった」と思う。でもそれはもう過去のこと…。　翌日、不登校が続く凛が心配だと美奈子（長山藍子）がやってきた。　美奈子が昼食にお子様ランチを作ってやると、凛は声を上げて喜ぶが、友達や学校の話題になると、急にしゅんとしてしまう。学校に行っていない間の勉強は全て「ゆらせんせい」から教わっていると聞き、美奈子は驚く。　義朗（大杉漣）が入院した。階段から滑って足の骨を折ってしまったのだ。　帰宅して、義朗のことを話すと、「入院してかえって良かったんじゃないか」と美奈子。　「趣味もなくて、ご近所付き合いもなくて、何をしていいか分からずに、長い一日を過ごすより、入院してらしたほうが楽なんじゃないかしら」　「でも、オヤジは“第二の人生を楽しくやってる”って言ってましたけど」　「お父さんは自由になればなるほど、不自由に感じてしまうタイプだと思うけど…」　次の夜、宮林に誘われて徹朗がついて行ってみると、それは『合コン』だった！宮林の真意が分からない。　「今度、電話かけてもいいですか？」　相手の若い女が、徹朗に興味を持って近づいてくるが、徹朗はまるで相手にしない。トイレにたって、自宅に帰るコールを入れていると、さっきの若い女が友人に話しているのが聞こえてくる。　「みどり銀行の人がいるって聞いたから来たのに、何で辞める人が来るの」　「クビ？…仕事出来なさそう」　帰り道、宮林が徹朗に話しかける。　「誰よりも仕事が出来るお前が、仕事出来ないヤツって言われて、正直どうなの？みどり銀行で、お前にしか出来ない仕事してきたろ？！プライドってものはないのかよ？」　「宮林さんがムキになることじゃないです」　徹朗は淡々とそう言うと、宮林と別れる。　井上がバーで一人、酒を飲んでいるところに宮林が入って来て、声を掛ける。宮林は徹朗と別れた後、偶然井上を見かけ、後をつけたのだった。井上は、やはりライターをカチカチ鳴らしている。　宮林が冗談っぽく「井上部長に誘ってもらったことがない」と切り出すと、井上は表情も変えずに答える。　「嫌いだもん、お前かっこいいから」　井上の意外な答えに、どきっとする宮林。更に井上は続ける。　「正確に言うと、『かっこよくて仕事も出来たら、嫉妬されるし上司にかわいがられないんじゃないか』と思って、わざとメガネかけたり、悩みもないのに上司に相談持ちかけて、『俺ってダメなヤツ』とアピールするところが嫌いなんだ。知ってるぞ、お前が誰よりも、出世や肩書きにこだわってること」　宮林は愕然として声も出ない。井上は最後まで宮林の顔も見ない。　「一人で飲みたいんだ…」　急いで徹朗が帰ると、美奈子が「また来るから」と帰り支度をしていた。　「北島さんに日曜も遊んでもらっているようだけど、それはちょっと甘えすぎじゃない？」　美奈子は、凛のことをゆらに頼り過ぎと、徹朗にクギを刺す。　徹朗がベッドに横になると、突然凛の部屋から泣き声が聞こえてくる。ヘンな夢でも見たのかと、徹朗は飛び起きて部屋に向かう。　「お母さあーん！」　大丈夫と徹朗は凛を抱きしめるが、凛は泣きやまず、母親を呼び続ける。　翌日、義朗の病室を訪れた徹朗。あいにく父は不在だった。　「息子さんサ、来るなら花束のひとつでも持ってきてあげたら？ただでさえ息子さん以外、誰もお見舞いないんだから」　隣のベッドの人の忠告に徹朗ははっとする。見渡すと、どのサイドテーブルの上にも、花の入った花瓶や食べ物、雑誌などの差し入れがある。殺風景な義朗のベッド周りに、徹朗は愕然とする。　帰ろうとするゆらを引き止めて、徹朗はワインを勧める。　「今日、急に小学生の頃のこと思い出したんだ」　と徹朗が話すのを、ゆらは黙って聞いている。父が盲腸の手術をして、入院したことがあった、次々に見舞い客がやってきて、花や果物を置いていった、そんな父をすごいと思った、尊敬していた…。　「お中元やお歳暮もたくさん届いて、母親がここにも送ってくれてた。…でも、ある時から送ってこなくなった」　それは、義朗が５５歳になった時、つまり役職から外れた時からだった。　「結局、花もお歳暮も、オヤジという人間に贈られたのではなくて、会社や肩書きに贈られたたものだったんだ。だから、北島さんが会社辞めた理由が、今なら分かる気がする――実は俺、みどり銀行を辞めることにしたんだ…」　ゆらは、徹朗の話をあまり驚いてはいないようだ。　「間違っていないと思います、会社辞めること」　ゆらが言うのを聞いて、徹朗は「よかった」と微笑む。　ゆらから「凛が気分転換できるところに行くのはどうか」と勧められたとおり、徹朗と凛は電車に乗り、日帰りの旅行に出かけた。凛は車窓に広がる雪景色に大喜びだ。　電車を降り、つり橋を渡った２人は、誰もいない公園で誰にも邪魔されず、存分に雪遊びを楽しんだ。雪を掛け合ったり、そりで坂をすべったり…。　力をあわせて作った雪だるまの横に、２人は並んで座った。　「凛、学校どうするんだ？行くの、怖いか？行きたくないなら、行けるようになるまで待つから」　凛は黙っている。　「会社もうすぐ辞めることにしたんだ。お父さん、ちょっと考え方が変わって、今までと違う生き方をしたいんだ。凛ともっと一緒にいたいんだ」　凛は驚いて徹朗を見上げるが、やがてにこりと笑う。　　――娘は、母親のいない寂しさを、ずっと抱えて生きていくだろう。　　　　だけど、１分１秒でも長く、娘には笑顔でいて欲しい。　徹朗と凛は、日が暮れるまで真っ白な雪の中で遊んだ。　家に帰る前に徹朗と凛はゆらを訪ねた。ゆらが、凛から手渡された発泡スチロールの箱のふたを開けると、中には小さな雪だるまが入っていた。　「うわあ！凛ちゃん、作ってくれたの？」　ゆらが「かわいい」と繰り返している。　　――愛されていると、感じて欲しい…。　翌朝、出掛けようとした徹朗がふと振り向くと、凛が黄色い帽子を被って立っていた。コートを着て、背中にはランドセルを背負っている。　「学校、行くのか？」　「はい」　黙ったまま、２人は学校に向かった。校門に立つ石田の顔が目に入ると、凛はやはり立ち止まってしまう。　徹朗が「ここまで頑張れたんだから無理しなくていい」と言うと、突然凛は『南ヶ丘小学校』と書かれた校門に歩み寄る。　「お父さんが、学校の中にいます」　凛の指差したのは、『校』という字。確かに中に、『父』という字がある。　「お父さんが一緒にいてくれると思ってがんばります！」　凛はそう言って、校門を越えると、石田に「おはようございます」と笑顔で挨拶した。石田も凛に挨拶を返し、向き直って徹朗に一礼する。徹朗はずっと、凛の背中を目で追っていた。　その日、井上から徹朗の退職の話を聞いた行員たちの間では、仕事の出来た徹朗だけに、“ヘッドハンティングで給料倍”と噂が飛ぶ。　岸本は噂を真に受けて、興味津々で徹朗に聞いてくる。　「明日の人事で井上部長が常務になったら、最年少支店長間違いなしじゃないですか！それよりオイシイ話でしょ？で、なかったら、奥さんだって反対するだろうし…」　「俺、離婚したから、奥さんなんていないよ」　ぎょっとして「マジっすか？」と尋ねる岸本に「マジです」と答える徹朗。　その夜、残業のため一人残る徹朗だったが、帰ったと思っていた井上が無言で入って来る。明日の人事の発表で落ち着かないのだろうか。　「すいませんでした。育ててもらったのに期待を裏切ることになってしまって」　「うぬぼれるな！俺が育てたのは、お前だけじゃない」　禁煙が続いていますかと徹朗が聞くと、「当たり前だ。俺はそんな意志の弱い人間じゃない」と壁を見つめたまま言う。　帰り際、井上が呼び止める。　「小柳！……おつかれさん！」　徹朗は父の見舞いに向かう。　井上はオフィスの暗闇の中で一人笑う。ポケットから取り出したタバコの封を切り、タバコに火をつける。吸い込んだ煙は、ゆっくりと深く肺に入っていく。体中に染み渡るようだ。　花を携えて病室へ入ろうとすると、義朗が隣のベッドの人と、自分のことで話しているのが聞こえてきた。　「実はウチの息子、みどり銀行に勤めているんですよ…」　義朗の顔を見ることなど出来ないと思った徹朗は、花を持ったまま、来た道を引き返してしまった。　なぜか、徹朗はゆらに電話をかけた。ただ無性に話を聞いてもらいたかったのだ。ゆらが風呂あがりにも関わらず、外にまで出てきてくれた。　「言ってしまいそうなんだ、『俺は、親父みたいに肩書きだけでしか生きられない人間にはなりたくない』って。オヤジは、そんなのきれい事だとか何でそんな人生歩むんだとか言うんだろうな…」　見舞いをせずに病院から帰ってしまったことを、黙って聞いているゆら。　「…俺、嬉しかったよ、会社辞めること、北島さんが間違ってないって言ってくれて」　「…私も会社辞めるとき、すごく悩みましたけど今は思うんです。どの道を選ぶかより、選んだ道をどう生きるかの方が重要じゃないかって」　見つめあう２人。　「どうして、来てくれたの？」　徹朗の問いかけに、ゆらはどきっとする。ついこの前、亮太（大森南朋）が同じように悩みを打ち明けたいと言って誘ってきた時は、出て行く気になれなかったのに…。　沈黙を破って徹朗のケータイが鳴る。徹朗は電話の相手と二言ほど話をした後、ケータイを持ったまま固まっている。ゆらが声をかけると、やっと徹朗の口が開く。　「井上部長が…飛び降りた…？」寸　　評　　先週の予告編を見て「誰が飛び降りたんだろう」とずっと考えていました。やはり井上が筆頭に上がりましたが、義朗や石田の線も捨てきれませんでした。井上の自殺が徹朗にどんな影響を及ぼすのか、来週ちょっと心配です。　ゆらとの関係が今回ものすごく盛り上がってきました。この女性は、いわゆる『癒し系』なんだと思います。悩みを黙って聞いてくれるだけでなく、一つぽんっと背中を押してくれるのです。亮太も徹朗も凛も、そんな彼女がとても心地いいんでしょうね。　予告では、可奈子が出てきました。３人でせっかく盛り上がっているのに、とんだ邪魔が入ってしまいます。きっと凛は、母親が自分を捨てた理由を理解することなく、母親を選んでしまうんだろうなあ。執筆者　三森(anponhana@mail.goo.ne.jp) ---------------------------------------------------------------------- 2.　編集後記 ---------------------------------------------------------------------- 　「どの道を選ぶかより、選んだ道でどう生きるかの方が重要だ」とゆら。その通りです！と画面に向かって、つい口走ってしまいました。四十路を？年後かに控えて、今までの人生やこれからのことなど、本当に真剣に考えることが多くなりました。何をしようかあれこれ迷うより、「これかも」と思った道でどうやっていくのか、それが大事なんだと考えさせられた一言です。　最後に訂正を一つ。以前「徹朗は２９歳」と書きましたが、「３０歳」の誤りでした。（三森） ====================================================================== 発行元：ドラマ研究会 e-mail：info@j-drama.tv url ：http://www.j-drama.tv/ ＩＤ：MM3E195F16414CD このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。（http://www.mailux.com/) ======================================================================

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