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タイトル:Daily Drama Express 2004/02/05 白い巨塔 (15)  2004/02/12


===================================================== 発行部数   10 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2004/02/05 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル 白い巨塔
局  名 フジテレビ系
放映日時 木曜22時
キャスト 財前五郎(唐沢寿明)
 里見脩二(江口洋介)
 花森ケイ子(黒木瞳)
 東佐枝子(矢田亜希子)
 里見三知代(水野真紀)
 柳原弘 (伊藤英明)
 東貞蔵 (石坂浩二)
 財前又一(西田敏行)
脚  本 井上由美子

あらすじ  関口守(上川隆也)弁護士に問いつめられた柳原弘(伊藤英明)
医局員は、「カルテの改ざんなどしていません」と答える。
 「そうですか。あなたがそういうなら、仕方ありません。しかし、
今後、真実が明らかになっていった時、あなたは偽証罪に.....」と
関口が言い始めた時、国平学文(及川光博)弁護士が、「異議あり。
弁護人の発言は証人に対する脅迫.....」と立ち上がり、関口は着席
する。

 佐々木よし江(かたせ梨乃)に対する尋問。
 国平の尋問に対して、よし江は、財前五郎(唐沢寿明)は、いつも
大名行列のように大勢の助手を引き連れていて、近づけるような状態
ではありませんでした、と言う。
 国平は、佐々木庸平(田山涼成)にとっての初めての病院。年末の
お店の忙しい時。仕事の合間を縫っての病院通い。そして癌の告知。
よく正気でいられましたね、とよし江を攻める。
 そして、柳原の、「肺に影が.....」という言葉を、そんな状況で、
よく正確に覚えていますね.....と揺さぶりをかける。

 次に国平は、9,000万円という請求額に触れ、お店の改装費の残、
1,000万円。そして45歳のよし江が平均寿命まで生きたとした時の
生活費としても、随分お釣りが来る。
 「怖い怖い財前教授に、ふっかけたってわけですか?」と国平。
 「わたしはただ一言、謝って欲しかっただけです」とよし江。

 国平が尋問を終わり、着席しても、よし江は、「お金のために裁判
しているんではありません!」と国平にすがる。

 裁判官が、「原告は着席して下さい」とよし江に言い、次回証人が、
被告・財前と里見脩二(江口洋介)でいいことを確認する。


 いつもの料亭にいつものメンバー。
 地区医師会長・岩田重吉(曾我廼家文童)は、「5回裏で逆転。
4対2ってとこですな」と喜び、義父・財前又一(西田敏行)は、後
は証人尋問一回と鑑定を残すのみ。「7回裏で6対2ってとこでしょ」
と浮かれる。
 だが国平も財前も、そんな2人に、次回尋問で、里見が不利な証言
をしたら、おしまいだ、と言う。

 又一が鵜飼医学部長(伊武雅刀)を責める。
 鵜飼は、「ボクは学長選を控えた身だからね。あんたのように、見
境のないことはできないんだ」と言う。
 又一は、鵜飼がそんな悠長なことを言っているなら、自分が里見に
会うと、立ち上がりかけ、財前が押さえる。里見は金にも地位にも興
味のない男。又一に説得はできない。自分が話を付ける、と財前。
 国平は、被告が原告側証人に会いに行くことになるのだから、注意
するように言う。


 里見の元に、救急で運ばれてきた15歳女子は、腹腔内の肉腫によ
る出血と激痛と診断。両親に、内科的治療で根治は難しいが、手術で
肉腫を取り去れば、根治も可能、と説明。両親は、手術の方向で、と
頭を下げる。


 頭が真っ白になってしまって、法廷であんなことを.....と詫びる
よし江に、関口はあれで良かった、と言う。
 よし江は、次回、本当に里見が証言してくれるか、心配する。
 関口は、最初から病院を守ろうとするなら、証言するといいはしな
いだろう、と安心させる。
 よし江は、「里見先生だけが本当のお医者さんだったんですよね」
と言う。
 佐々木庸一(中村俊太)は、「信じない。裏切られて傷つきないか
ら」と言う。
 「随分、身勝手なんですね。里見先生が君のお父さんのために証言
するということはどういうことか、わかっていますか?浪速大にいら
れなくなるだけでなく.....よしましょう」と関口。


 里見三知代(水野真紀)は、息子・里見好彦(片岡涼)のオセロの
相手をしているが、心ここにあらず、という様子。
 鵜飼典江(野川由美子)から電話。
 三知代は、里見がまだ帰宅しておらず、大学で研究に打ち込んでい
るはず、と答えると、「その研究ができなくなったら、さぞ.....い
え、たとえ話ですから。それよりも明日、わたくしとお食事なさらな
い?」と典江。
 典江の後ろでは、鵜飼がパターの練習をしていた。


 財前が帰宅すると、珍しく財前杏子(若村麻由美)が起きていた。
 「最近出かけてないから、よく寝られないの」と杏子。
 「旅行にでも行ってきたら?」と財前。
 「教授の妻なら楽しいけど、被告の妻じゃ、ゴミ出しするのもイヤ」
と杏子。
 「そりゃそうだな」と財前。
 「裁判って、いつまで続くの?」と杏子。
 「これからボクの尋問があって、鑑定があって、判決はその先だ」
と財前。
 「まさかと思うけど、負けたりしないわよね」と杏子。
 「ああ」と財前。
 「そうよね。国立の大学病院が、負けるわけないわよね」と杏子。

 財前の携帯が鳴る。花森ケイ子(黒木瞳)からだが、財前は出ない。
ベッドに誘う杏子にも生返事。


 佃友博(片岡孝太郎)講師が財前に、甲南火災の松下社長が、裁判
の被告に手術して貰うことに対する社内の反対から、洛北大学に転院
したと報告。
 「あのオペができる奴が、他にいるか」と財前は鼻の先で笑う。

 里見が財前にあの女の子のオペを頼む。
 財前は、大量出血と、腫瘍残存の可能性を両親が承諾していること
を確認すると、金井助教授(奥田達士)にオペをさせると言う。
 財前本人が手術してくれるのでは?と問う里見に、財前は、頭の中
が裁判のことで一杯で、メスを握るとミスをおかしそうだ。それに、
裁判に負けたら、この大学を辞めなければならない。
 だが、里見が証言を止めてくれれば、だいぶ楽になる、と言う。
 顔色を変える里見に、「ボクは証言をやめろと言っているのではな
い。ただ患者のためにメスを握らないのだ」と財前。


 三知代がお店に行くと、出迎えたのは杏子。
 店に通されると、そこには紅会のメンバーが揃っていた。
 典江は、夫が訴えられるなんて、と杏子に同情的。そして、同僚の
里見先生が原告側証人になるなんて.....と遠回しに里見を非難し、
三知代に、里見に一言言ってくれるように言う。

 典江が三知代のグラスにワインを注ぐが、三知代の手は、ブルブル
と震え、そしてグラスを落とし、床の上で割れる。
 慌ててかけらを拾おうとしゃがむ三知代に、一同は立ったまま、冷
たい視線を投げる。


 少女のオペで、金井が執刀している。
 やってきた里見は、手術をモニター室で見守る竹内医局員(佐々木
蔵之介)に、「思ったより、腫瘍が大きいな」と言う。
 危険だと思った里見は、財前に電話する。
 少女の出血は広がる。
 電話は財前につながらず、竹内が捜しに行こうとした時、オペ室に
財前が現れる。
 財前の指示は的確で、腫瘍摘出は完全にでき、患者の年齢も考えて、
脾臓もなんとか残した、と財前。

 「見事だった」と言う里見に、「一度は断ったが、やはり患者は助
けなければな。見ただろ。ボクが大学を追われれば、助かる命も救え
なくなる。君だってそうだ。証言台に立って、君がいなくなったら、
君が診ている患者たちはどうなる」と財前。
 「君は勘違いしている。ボクが証言台に立つのは、君を辞めさせた
いためじゃない。佐々木さんの最後を明らかにしたかったんだ。真実
を明らかにすることで、この先、同じケースで患者さんが亡くなるの
を防ぐために」と里見。
 「ちゃんちゃらおかしいね。君は目の前の患者より、まだ会ったこ
とのない患者の命が大切だと?本末転倒だ。もっと足元を見ろよ」と
財前。

 三知代は、家事もできずに、ボーっとしている。

 夜遅くまで、東佐枝子(矢田亜希子)は、関口の手伝いをしている。


 ハイヤーで法廷に向かう財前に、ケイ子が電話する。
 「やっと出てくれたわね」とケイ子。
 「別れた男が溺れるところを見て、楽しいか?」と財前。
 「あなたは人様の命を軽く見るような人ではありません。人を救う
立派なお医者さんになるんだと、夜遅くまで勉強していました.....
と、あなたのお母さんが言ってた。それだけは伝えたくて」とケイ子。
 「裁判に勝ったら、会ってくれるか?」と財前。
 「それは勝ってから考えさせてください」とケイ子。

 裁判所へ行こうとする里見が、食器を洗う三知代の背中を見ている。
 「あなたが行くなら、わたしも、ここを出て行きます。好彦を連れ
て」と三知代。
 「わかってくれないか」と里見。
 「あなたは患者さんの最後を明らかにしたい。それが医師のつとめ
だって、言いたいんでしょ.....でも、わたしにはそんな立派な夫は
いらない。患者さんのことより、好彦やわたしのことを一番に考えて
くれる夫が欲しいの。わかっていないのはあなたよ」と三知代。
 それでも里見は出かける。

 マンションの前で待っていた佐枝子に、里見は「遅くなりました」
と挨拶する。
 「わたし、お迎えに上がったのではありません」と佐枝子。

 開廷。
 ケイ子も傍聴している。
 里見は、未だ到着していない。
 裁判官は、被告の本人尋問から始め、それが終わるまでに里見が到
着しなければ、証人の採用を取り消す、と言い渡す。

 佐枝子の話は、「もう一度、里見先生に考え直して欲しいと思いま
した」というもの。
 「わたしはよく考えました」と里見。
 「佐々木さんは亡くなったご主人のために、戦っておられます。里
見先生は.....」と佐枝子。
 「あなたは、関口先生のお手伝いをされているのでしょう。それが、
止めに来るとは.....」と里見。
 「お止めしているのではありません。わたしはいつも一生懸命な里
見先生を見ていました。だから、後悔して欲しくないのです。里見先
生が、よく考えられた上での結論なら、わたしは何ももうしません」
と佐枝子。

 財前に対する関口の尋問。
 医療には、100%の診断が付いてからの処置などない。ましてや佐々
木のケースは、食道癌で、一刻を争うケースだった、と財前は答える。
 「では、転移の可能性について、あなたに指摘した人は?」と関口。
 「おりません」と財前。
 「1人もですか?」と関口。
 「はい。佐々木さんの画像を見た、すべての医師が、佐々木さんの
影は、炎症性変化だと、診断しました」と財前。

 その時、里見が法廷に入る。
 関口は、財前に同じ質問をする。転移の可能性を指摘した者はいる
か?と。
 財前はいない、と断言した後、外科医として付け加えれば、みんな
生と死の狭間で、真剣にメスを握っているのだと言う。

 里見の尋問。

 そのころ、三知代は家でのための荷造りをしていた。

 佐枝子が法廷に現れる。

 関口は、里見が遅刻したわけを問う。
 「出廷するか否か迷っていました」と里見。
 「何を迷っていたか、正直に言ってください」と関口。
 「大学病院の医者が、患者側の証人になることは、公的にも私的に
も、影響が大きいからです」と里見。
 「それなのに、出廷されたのは?」と関口。
 「法廷は、医者を裁く場ではなく、医療の進歩に資する場だと思っ
たからです」と里見。
 「もっと平易に言うと?」と関口。
 「先ほど財前教授も言われたように、医者は生と死の狭間で戦って
います。でも、その結果が、万一不幸な結果に終わった時、その真実
を明らかにする必要があります。その場が、この法廷だと思ったから
です」と里見。


寸  評  いよいよ、山場の、里見の証言です。まずは、里見は証言台に立
ちました。この後、転移の可能性について指摘したことを証言するか、
です。出頭したからには、多分、証言するのでしょうね。
 その後、里見と財前がどうなるかです。
 里見が証言した後は、裁判所が、その「可能性の指摘」に対して、
「財前が」処置しなかったことに対して、どれだけの重きを置くか、
です。今の東京地裁を見ていると、あそこなら、重要視しそうですが。
 実際を考えると、里見が証言した後、反証として、財前は、「わず
か−例えば1%−の可能性のために検査したことによる佐々木の、肉
体的、病変的、経済的負担の大きさの立証」、そして、「財前が検査
しなかった」ことの重要性−「本来は柳原が担当医」という点だと思
います。
 裁判は、特に民事は比較考量の世界。関口は、わずかでも可能性が
あれば.....という点を突いていますが、可能性が否定出来なくても、
「検査をしない方が患者の利益が大きいと推測された」場合は、可能
性の低さは、原告側の不利になります。どうなるのでしょうか?

執 筆 者 鈴木(sumire_@anet.ne.jp)

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2. 編集後記
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 テレビ雑誌を見ていたら、及川光博は、法学部卒業と出ていました。まじめ
に勉強していれば、法律用語にはなじみがあるはずですね。
 編集子も法学部卒で、学生時代、法廷の傍聴に行ったことがあります。ただ
し、東京地裁の刑事部でしたが。大学の先輩の裁判官の法廷で、事案は確か、
チンピラが喧嘩で相手を怪我させたとかなんとかいうことだったと思います。

 なんか、勘ぐると、秋ドラマで「ビギナー」をやっていて、あれを見ていた
人は、わりあい、すんなりと法廷場面を理解出来ると考えたのでしょうか?

 ところで、新聞沙汰になるほどの有名裁判は、傍聴券の入手が抽選になるこ
とがしばしばです。今回は、あんなに記者が集まっていました。
 でも、いつも傍聴席にいるのは、おなじみのメンバー。
 あの人達は、関係者と言うことで、抽選なしで傍聴できているのでしょうか?
 そして、その人達の人数が多くて、関係者以外の傍聴には、わずかしかいな
い!?(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
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