Daily Drama Express 2004/02/03 僕と彼女と彼女の生きる道 (5) 2004/02/09

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タイトル：Daily Drama Express 2004/02/03 僕と彼女と彼女の生きる道 (5) 2004/02/09

===================================================== 発行部数 10 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ 　　　　　　　　　　　 ☆☆ 2004/mm/nn (Tue) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 　　1.火曜日の連続ドラマ　　2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1.　火曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル　僕と彼女と彼女の生きる道局　　名　フジテレビ放映日時　火曜22時キャスト　小柳徹朗（草なぎ剛）　北島ゆら（小雪）　小柳可奈子（りょう）　宮林功二（東幹久）　坪井マミ（山口紗弥加）　岸本肇（要潤）　小柳義朗（大杉漣）　大山美奈子（長山藍子）脚　　本　橋部敦子あらすじ　　「ゼロ金利商品」を提案した岸本（要潤）をリーダーとして、具体的に企画が進むことになった。　「こういう企画が通ることは二度とない。岸本を調子に乗らせるなよ」　と小声で井上（小日向文世）が徹朗（草彅剛）にささやく。岸本は晴れ晴れしい顔で「一生小柳代理について行きます！」と、企画のことを考えるよう、井上に頼んでくれた徹朗に向かって、大声で礼を言う。　今夜は坪井マミ（山口紗弥加）と、以前からの約束どおり夕食をともにすることになった。自宅には家庭教師のゆら（小雪）が来ているので安心だ。　「相談って、何？」　「別にないです」　徹朗のウーロン茶を横目に、マミはジョッキのビールを仰ぐ。　「どういうつもりだったんですか？３年前のあの夜」　突然の質問に、徹朗はウーロン茶を吹き出し、服を汚してしまう。　「小柳代理を困らせようなんて思ってないですから。本当にゴハンだけで帰してあげますから」　マミは徹朗の服を拭きながら、いたずらっぽく微笑む。　翌朝、徹朗は凛（美山加恋）がベッドの下から何か出して、背中に隠したのに気付いた――上履きだった。何で隠すのか、分からなかった。　玄関を出る時も、この前買った新しいくつではなく、古いのを履いている。　「昨日、上履きのまま帰ってきたんじゃない？履き替えるの忘れたのか？」　と徹朗が凛のドジを笑うと、凛はうつむく。　「違います。なくなりました」　徹朗は凛と手をつなぎ、一緒に道を歩く。　「気にすることないって。お父さんだって子どもの頃、隠したり隠されたりしたんだ。遊びなんだから、気にするな」　今夜の夕食はレトルトのカレー。義母が作り置きしておいてくれたキンピラゴボウも食卓に並ぶ。凛のくつは見つからなかったらしい。　「…体操着袋も、なくなっちゃいました」　凛はスプーンの手を止めて、泣き出してしまう。　「お母さんが作ってくれた、袋なのに…」　凛の目から、涙がポロリとこぼれる。　徹朗は井上に、「今夜の宴席は急な用事でキャンセルして欲しい」と頼んだ。今日は凛のために早く帰ることに決めたのだ。井上は役に立たない徹朗の代わりに、岸本に声をかけた。　徹朗が急いで帰宅すると、「先生に言えなかった」と凛。盗られた理由も分からないと言う。　ゆらは凛の様子から「いじめられているのではないか」と言い出す。徹朗は信じられなかったが、ゆらの勧めで、そのことを連絡帳に書いて担任に伝えることにした。　帰りかけたゆらに頼んで、徹朗は“連絡帳の書き方”を教えてもらった。　その頃、残業していたマミに岸本が声をかけると、突然マミが真顔で話し出す。　「私ね、子どもの頃から真面目でいい子だった。そんな自分がヤで、ずっと殻を破りたいと思った…それでネ、３年前に、ちょっと悪いことしちゃった…。やめとけばよかったかな。おかげで、好きになっちゃった…」　冗談めかして照れ笑いするマミ。訳が分からず岸本は首をかしげる。　「かえって岸本でよかったよ」　翌朝、徹朗が井上に頭を下げると、無視するように井上が言う。先方と岸本の趣味――スキューバダイビング――が合い、話が盛り上がったようだ。　今月は出遅れている。徹朗の営業成績のグラフはまだ最下位だ。　「すぐに挽回しますよ」　残業中声をかけてきた宮林（東幹久）に、堂々と切り返す。一人職場に残り、仕事を続けていると、ゆらからゆらのうちに凛が来ていると電話が入る。今日は下敷きがなくなって、かなり落ち込んでいると言う。　仕事を終え、ゆらのマンションに急いだが、凛は眠ってしまっていた。　「お母さんの作った大切な体操着袋がなくなって、お母さんへの思いが一気にあふれてしまったようです。『お母さんは凛に会えなくてさびしくないの？凛はお母さんに会えなくって、こんなにさびしいのに…』って――私にはそんなふうに聞こえました」　凛は母親に会いたがっていたのだ。ゆらは「泊まってってもいい」と言ってくれるが、徹朗は恐縮してそれを断る。　翌日、登校前に嘔吐した凛を連れて、徹朗は病院に行った。会社に「午前中には出社する」と連絡を入れたが、病院は混んでおり、徹朗は結局仕事を休んだ。その夜、心配したゆらが訪ねてきてくれた。　「今朝吐いたんだけど、精神的なことっていうか…学校行くのが嫌だったからみたいなんだ」　「担任と話し合った方がいいんじゃないですか？」　徹朗は、「親が出ていったりしたら、嫌われるんじゃないか」と大げさに騒ぐのが嫌で、ためらっている。ゆらがそんな徹朗をにらみつける。　「…行くよ。行くべきだよ、な…」　「既に対処しました」　担任の石田（浅野和之）は朗らかにそう話し出すが、「犯人探しをするつもりはない」と言う。そして「凛のことには触れずに、他人のものを盗ってはいけないと道徳教育をしっかりした」と簡単に説明した後、「もう行かなきゃいけない」とそそくさと応接室を出て行った。たったこれだけの話のために、石田に待たされたせいで、徹朗は約束の時間に遅れてしまったというのに。　帰社した徹朗は井上に「夜の接待をはずして欲しい」と頼んだ。　「理由は子守りか？接待も仕事のうちだ。それじゃ仕事にならないぞ」　禁煙に成功した井上が、いらだちながらライターをカチカチ鳴らしている。　「いっそのこと、接待のない総務にでも行くか？」　「…それも、やむを得ません…」　頭を下げる徹朗に、井上の檄が飛ぶ。　「５０件、２億円！必ず達成してくれ！絶対にやれ！！」　休日。美奈子（長山藍子）が来て、凛にハンバーグの作り方を教えている。凛は学校のことなど忘れたように楽しそうで、徹朗は心が和む。　そこに義朗（大杉漣）が急に訪ねて来る。玄関に入るなり「離婚したと言ったきり何の連絡もよこさないで！」と徹朗を叱りつけ、凛に祖父らしい愛想を見せる気配もない。徹朗は、凛を公園に遊びに行かせる。　「どうして亭主と子どもを置いて、好き勝手にパリになんか行けるんだ？」　美奈子の目の前で、可奈子をなじる徹朗。美奈子は「夫婦のことは当人にしか分からない」とやんわりと反論するが、義朗に聞く耳はない。　「離婚だぞ！？一家の恥ってこと、分かっているのか？！」　徹朗が「凛の持ち物がなくなって、傷ついている」と凛が最近学校に行ってないことを言うと、義朗は「そんなことぐらいで学校を休ませるな！！」と一方的に話を続ける。　「甘やかせてきたからだ。どういう育て方してきたんだ？学校で起きたことにいちいち親が出てったら、嫌われるだろ！！先生に全て任せておけばいいんだよ！！」　自分の言葉にいらだっているかのように、義朗はこう言い終えると、タバコに火をつける。　亮太（大森南朋）とテニスに興じていたゆらのケータイが鳴る。凛が「今から遊びに行ってもいいか」と尋ねてくるので、ゆらは「公園に迎えに行く」と答える。喜んで電話を切る凛。　「また凛ちゃん？日曜日まで凛ちゃんに付き合うこと、ないんじゃない？」　と亜希（田村たがめ）。亮太もイイ顔をしていない。　「構い過ぎるんじゃないの？親でもないのに…」　「近くにいる大人が、その子のこと見てあげられるんなら、それでいいんじゃない？」　ゆらは２人に微笑み、公園に急ぐ。　やっと義朗が帰り、一息つく徹朗と美奈子。　「でも、何で定年退職したのに背広にネクタイだったんだろ？」　「お父さんらしいじゃない？背広とネクタイに、なかなかサヨナラ出来ないなんて」　徹朗はおかしくてならない。美奈子はしきりに凛の学校のことを心配している。　ゆらが、凛と一緒に体操着袋を探していると連絡を受けた徹朗は、すぐに通学路の河川敷に向かった。茂みの中をあちこちかき分けて３人は探し回る。　西の空が赤く染まり始め、やがて夜になった。結局体操着袋は見つからなかった。しょんぼりしている凛に「また探そう」と徹朗は声をかける。　翌朝、もう一度話を聞いてもらおうと徹朗は小学校を訪ねた。しかし石田は「やれることはやった」と校門を閉めてしまう。仕方なく校長に話を聞いてもらっていると、石田が慌てて校長室に飛び込んでくる。　「その件はすでにきちんと対処しました。私のクラスに犯人がいるという前提で、話をすることは出来ません」　「小柳さんのお気持ちは分かりますが、彼のいう通りなんです。みんなの前で犯人を見つけ出したりすると、今度はその子の人権という新たな問題が起こるのです」　校長の話を、石田は隣でうなずきながら聞いている。　「そもそも犯人はいるんでしょうか？盗まれたフリをした可能性もあるわけです。おたくはいろいろと問題がおありのようですから」　笑みを浮かべながら、石田が言う。親の気を引くために、凛がウソをついたというのだ。徹朗は石田の言葉に怒りを抑えられず、ついに激高する。　「凛はウソはつきません」　「あなた、自分のお子さんだけが、正しいとおっしゃりたいんですか！？」　「私は、凛の父親ですから！」　じっと石田を見据える徹朗。　「私だって一生懸命やってるんだ。これ以上どうしろと言うんですか？！」　「本気でやって下さい、建て前は結構ですから。大人が本気で話せば、子どもだって本気で聞くと思います。問題は解決します。そう、思いませんか？」　徹朗は、校長と石田を交互ににらみつける。　「やってくれないなら、毎日でも来ますから。１ヶ月でも、半年でも、１年でも！…私は本気ですから！」　徹朗の気迫に押され、ついに校長は再調査を約束した。　校長室を出て廊下を歩いていると、石田が走って徹朗を追いかけてくる。　「どういうつもりですか！？校長と話す時は、必ず担任の私を通して下さい！」　石田の顔を見て、徹朗はつい笑ってしまう。　「何がおかしい！？」　怒鳴りつける石田に「失礼します」と言って、徹朗は再び歩き出す。　　――まるで、ついこの前の俺を見ているようだった。　　　　あの先生は、子どものことより、自分のメンツが大切なのだ。　　　　どうして人は、それほど必死にメンツを守ろうとするのだろう。　帰り道の河川敷で、徹朗は木の枝に引っかかっている体操着袋を見つける。　「あったよ！凛の体操着袋！」　徹朗はいささか興奮気味に、ゆらにケータイで伝える。　「洗濯してから見せた方がいいと思う？それとも、ちょっとでも早く見せた方がいいと思う？な？迷うだろ？」　徹朗は走り出す。　徹朗が帰宅すると、ゆらが凛に勉強を教えていた。　「じゃーん！！」　凛にきれいに洗濯した体操着袋を広げて見せると、久しぶりに凛の顔に笑顔が戻った。徹朗は凛の背中を見つめながら、ある決意を固めていた。　「よくやった！」　井上がポンと徹朗の肩を叩いた。徹朗の営業成績は今月もトップで、井上に言われたとおりの実績を残した。　「正直、無理だと思ってたけど、さすが小柳！俺が見込んで、育てただけのことはある。総務に行こうなんて、二度とバカげたこと、言うなよ」　満足そうにニヤニヤする井上に、徹朗は真剣な顔で話を切り出した。　「会社を、辞めさせていただきたいんです」　井上の顔が、凍りついた。寸　　評　　徹朗は会社を辞め、凛を守ることに徹すると決めたようです。このドラマに感化されて、会社を辞めてしまう若いお父さんが出てくるかも知れませんね（いやー、いないと思うけど）。　結局、自分の生きがい（仕事）をとるか、家庭をとるかってことでしょうね。大魔神の佐々木投手は、自分の夢を捨てて、家族のために日本に戻ることを決意しました。世間の中に、一体何人のお父さんが、こんな生き方を選択できるのでしょう。実際は難しいと思います。住宅ローンや子どもの教育費、老後の糧…それなりの収入を得るためには、家庭への犠牲は仕方がないのでしょうか。ま、佐々木投手は日本に戻っても、ものすごい年棒で、ローンも何もたいしたことないのでしょうけど。執筆者　三森(anponhana@mail.goo.ne.jp) ---------------------------------------------------------------------- 2.　編集後記 ---------------------------------------------------------------------- 　ゆらが「近くにいる大人がその子のこと見てあげられるなら、それでいい」と言っています。岸和田の中学生虐待事件、たくさんの大人が気付いていたにも関わらず、こうなるまで誰も、何もしてあげられなかった。ニュース番組を見て、「どうして？」と思った人は多いはずです。　やっぱり、亜希の言うとおり「構い過ぎじゃない？親でもないのに」ってことなんでしょうね。あの容疑者、鬼畜同然、最低な親でも「親」は「親」、そこが誰にも越えられない大きな壁だったのですね。　あの少年の一日も早い回復を祈っています。そして、二度とこんな事件が起こらないことを願ってやみません。（三森） ====================================================================== 発行元：ドラマ研究会 e-mail：info@j-drama.tv url ：http://www.j-drama.tv/ ＩＤ：MM3E195F16414CD このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。（http://www.mailux.com/) ======================================================================

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