Daily Drama Express 2004/01/27 僕と彼女と彼女の生きる道 (4) 2004/02/02

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タイトル：Daily Drama Express 2004/01/27 僕と彼女と彼女の生きる道 (4) 2004/02/02

===================================================== 発行部数 11 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ 　　　　　　　　　　　 ☆☆ 2004/01/27 (Tue) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 　　1.火曜日の連続ドラマ　　2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1.　火曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル　僕と彼女と彼女の生きる道局　　名　フジテレビ放映日時　火曜22時キャスト　小柳徹朗（草なぎ剛）　北島ゆら（小雪）　小柳可奈子（りょう）　宮林功二（東幹久）　坪井マミ（山口紗弥加）　岸本肇（要潤）　小柳義朗（大杉漣）　大山美奈子（長山藍子）脚　　本　橋部敦子あらすじ　　毎朝食事代わりに飲む徹朗（草彅剛）のココアを、凛（美山加恋）が欲しそうに見ている。　「まず、カップにこれをスプーン１杯入れて…」　ココアの作り方を凛に教えることになった。　「――ここ押すと、お湯出るから――熱いから気をつけろよ――よくかき混ぜて…」　ココアのカップを慎重にテーブルに運び、ひと口すする凛を見て、徹朗の口元がごく自然にゆるむ。　惣菜屋のコロッケを手に帰宅すると、凛がテストの答案を見せにくる。４５点！？徹朗はつい声を荒げてしまう。　「何だ、この点数は！ダメじゃないか、ちゃんと勉強しないと！！」　徹朗の小言を途中に、凛は自分の部屋に引き上げ、ぴしゃりとドアを閉めてしまう。　翌日、早速徹朗は凛の担任の石田（浅野和之）を訪ねた。　「今まではいい点だったんですが…」　と石田は言葉を濁す。　「…お母さんと離れてからは、おうちで勉強をしていないようです。誰かが勉強を一緒に見てあげないと…」　石田は、まだ１年生の凛には、家庭で一人で勉強するのは無理だと言う。　「まさか、凛さんを叱ったりはしてませんよね？」　鋭い指摘に、徹朗は慌てる。　今日は英語の家庭教師の日。徹朗が帰宅すると、ゆら（小雪）が遅くまで、凛の算数の勉強に付き合ってくれていた。　「ダメじゃないか！こんな時間まで！後でお父さんが見てあげるから…」　「もう、お風呂に入る時間です」　「じゃあ、明日…」　「急な残業になるかも知れません」　ゆらは「“急な残業”なんて言葉、よく知ってるなと思って…」と笑う。　――まさか、凛さんを叱ったりはしてませんよね？―― 　徹朗の顔さえ見ずに口ごたえする凛の背中を見て、徹朗は石田に言われた言葉を思い出した。　「――昨日は、テストのこと怒ったけど、……ごめん、悪かったナ」　凛はやっと徹朗の方を向いてにっこり微笑み、言われた通り風呂に行く。　徹朗はマンションの外まで走って追いかけて、ゆらを呼び止めた。家庭教師の回数を、出来れば週４日に増やして、国語や算数も見て欲しいことをゆらに頼むが、ゆらは「他にも教えていて夕方は一杯」とあまりいい顔をしない。夜だけでも、都合のいい時だけでもと徹朗は食い下がり、ゆらは了解する。　「あのことって、ほんと？」　別れ際、ふと徹朗は、以前ゆらが「かつてキングバーンスタイン証券で働いていた」と言ったことを思い出して聞いた。　「正社員だった？」　「はい。辞めたのは１年前です」　徹朗は「何で辞めたの？」と言いかけたが、それ以上聞くのは止めにした。　朝礼で、井上（小日向文世）が「先月の目標が達成出来た」と部下達に報告する。徹朗は、離婚の影響など微塵もなく、前と全く変わらない、いやそれ以上の仕事ぶりで、営業成績はトップ、壁に貼られたグラフがダントツだ。　「お前、俺より先に課長になるんじゃないの？」　牛丼屋で昼食をかきこみながら、宮林（東幹久）が話しかけてくる。独身で親と同居、家賃も住宅ローンも子どもの教育費もかからない宮林。自由にやっててうらやましいが、一体何にお金を使うのだろうと思う徹朗。　「出世して、どんなもんだいって、可奈ちゃんに見せ付けたいの？」　そう言って笑う宮林は「出世には興味がない」ときっぱり。　外回りが終わって会社に戻ると、「今夜ダメですか？」とマミ（山口紗弥加）。そう言えば先週、何か相談があると言っていたと徹朗は思い出す。　だが、今夜は井上と夕食をともにすることになった。娘と二人で暮らしていると徹朗が話すと、井上は「てっきり一人だと思っていた」と驚く。　「必ず今月もトップを取って見せます！」　胸を張る徹朗に、「確かにトップを取ったよ、でも…」と井上は厳しい視線を向ける。先月他行に持っていかれた融資５億の件を挙げ、分析不足だったと徹朗を責める。　「いちいちこんなこと、言わせるな！俺はお前をそんな風に育てた覚えはない！」　叱咤された徹朗は、会社にとんぼ返り。すると部下の岸本（要潤）が「ゼロ金利商品」の企画書を見せてくる。しかし徹朗は、その企画書に目も通さずに、「ダメなものはダメ」と言い捨てる。　その頃、公園で忘れられたサッカーボールを蹴り合いながら話す、ゆらと亮太（大森南朋）の姿があった。　「何で今さら、好きとか言うの？」　「ゆらが会社、辞めたからかな？」　ゆらが自分の何倍も稼いでた時は、そんなこと気が引けて言えなかったらしいが、実は亮太は厚生労働省のキャリア。　「男はサ、そういうの気にするんだ」　そう亮太が続けるのを聞いて、ゆらは、徹朗が「正社員だったのか」と尋ねてきたのを思い出し、同じだと笑ってしまう。　「亮太とは、ただの仲良しっていうか…２人きりでデートしても、変わる気がしないっていうか…」　ゆらが本題に戻して言うと、亮太が真剣なまなざしで近づいてくる。　「…じゃ、ためしにしてみる？キス。したら、何か変わるかも知れないよ…それとも、うち、来る？」　――ゆらは想像して吹き出してしまい、亮太もつられて笑う。　「…ちょっと、考えてみる」　ゆらの答えに「急がなくていいから」と亮太はうなずく。　翌朝、宮林が「また妹のくだらない話につき合わされてたまらない」と徹朗にこぼしていると、岸本が暗い顔でやって来る。徹朗や宮林を無視して、わざと聞こえるように大声で言う。　「ムカつきます。バカな上司の下で仕事するのは！」　宮林は岸本をなだめようとするが、岸本は収まらないようだ。　「僕、この会社にずっといるつもり、ありませんから」　「そういう半端な考えでよく仕事ができるな。お前みたいなのが会社をダメにするんだ」　と徹朗。　「小柳代理みたいなのが、ダメにするんです！」　徹朗は付き合いきれないという顔をして、休憩室を出て行く。　今日の昼食は、父親の義朗（大杉漣）と一緒になった。徹朗が「今の調子でいけば、同期ではいちばんに課長になれる」と話すと、義朗は首を振る。　「そんなものは誰でもなれる。せめて最年少支店長になるとかサ…。アホな部下がいると言ってたが、お前の責任だろ？家に呼んで、おいしいもの食べさせりゃ、いいんだよ。そうすりゃ、部下なんてなついてくれる」　離婚のことは、まだ話していない。徹朗が「最近のヤツはそういうのけむたがる」と反論すると、義朗はそれを遮って言う。　「お前は黙って、俺の言う通りにすれば間違いないんだ！今までだってそうやってうまくやってきたんだ！」　義朗の言葉に、徹朗は何も言わず黙って食事を続ける。　「僕達若手に、新しいことさせて下さいよ！」　交差点でバッタリ会った岸本が、「ゼロ金利商品」の企画のことをしつこく持ち出してくる。　「お前は黙って、俺の言う通りにすれば間違いないんだよ！」　徹朗は岸本に冷たく言い放ち、先を急ぐ。　徹朗が帰宅すると、凛はココアを作って、ゆらと徹朗に出してくれた。ゆらが「同じことしてる！」と、凛と徹朗がココアをスプーンでぐるぐる回すのを見て言う。　「やっぱり、似ちゃうんだね」　昼間、義朗が自分に言ったのと同じ言葉を、自分が岸本に言ったのを思い出し、徹朗ははっとする。　休日、ゆらの部屋には亜希（田村たがめ）が遊びに来ていた。夜も家庭教師の仕事が入り「すっかり、子どもにハマってしまった」と話すゆらに、一緒にフカヒレの食べ放題に行けないと残念がる亜希。　「子どもの、何にハマってんの？」　「子ども達の、心の奥にある、キラキラしたものに触れたような気がする時があるんだよね」　徹朗はパソコンの画面に向かって、やり残した仕事を片付けていた ――気がつくと、もうこんな時間、夕方になっていた。凛が一人で公園に行ったきり、まだ戻ってないのに気付いた徹朗は、公園に探しに行く。公園のベンチで、凛がしょんぼりと座っているのが目に入る。徹朗が「帰るぞ」と言っても動かない。　「練習したいです。逆上がり…」　「！？…逆上がり、出来ないのか？何で出来ないんだよ！他の子はみんな、出来るんだろ？」　徹朗の言葉に、どんどん落ち込みうつむいていく凛に気付き、徹朗は「出来ないこともあるよな」と何とか元気付けて、一緒に帰る。　翌朝、徹朗はカーテンを開け、まだ寝ている凛をたたき起こす。　「今日から、朝練だ！」　少し早めに家を出て、公園で逆上がりの練習を始めた。凛のそばに付き、お尻を持ち上げてやったり、自分でも手本を見せてやったり、「もう少し」と励ましたり…。家に帰ると、いつもはためておく乾いた洗濯物のたたみ方も教えてやった。　――逆上がりの練習は続いていた。通りかかったゆらが２人を見つける。　「一生懸命ですね、凛ちゃん」　「クラスで出来ない子はあと３人だけだから…。最後の一人になりたくないんだと思うよ。負けず嫌いだから…」　と徹朗。ゆらは凛に「惜しい！」と声をかける徹朗を見て「嬉しそうだ」と微笑む。今日の徹朗は、とにかくよくしゃべる。　徹朗はゆらに「どうして会社を辞めたのか」とまた聞いてくる。　「俺なら絶対辞めないよなあ。…あ、でも北島さんは、女だから？」　ゆらは徹朗の言葉に、「簡単に辞めたわけではない」と怒って言う。　「仕事辞めるのは、やっぱり勇気が要りました。その時の私は仕事だけの生活で、それ以外何もなくて、仕事辞めたら何も残らないんじゃないかと思いましたから。本当は仕事を辞めたかったわけではありません。一度、立ち止まって見たかったんです」　徹朗は意味が分からず、「立ち止まる？」と首をかしげる。　「立ち止まらないと、自分が本当に大切だと思うものに気付かないまま、時間ばかりが過ぎていくと思ったんです。そのためには、会社辞めるしかなかったんです」　そう言い終えて、凛を見てくると立ち上がったゆらに、徹朗が尋ねる。　「見つかった？大切なもの。不安じゃないの？」　「まだです。…会社にいた時の方がずっと、不安でした。いつか見つかると思います、きっと」　徹朗は、ゆらと凛をじっと見つめる。　義朗は今日、定年を迎える。会社では机についたまま、若い部下達が忙しく働くのをぼんやり見ながら、時の経つのを待つだけ――「お疲れ様でした」とささやかな花束と形ばかりの拍手に見送られて、午後５時、義朗はその務めを終えた。　家では徹朗が寿司とビールを準備して待っていた。酒が入った義朗は急に饒舌になって、若い頃の仕事の話を何度も何度も徹朗に話して聞かせる。　「俺が子どもの頃、一緒にキャッチボールしたいと思ったこと、ない？」　徹朗の質問に、義朗の返事はただ一言「覚えてないよ、そんなこと」。なおも仕事の話を続けようとする義朗を遮って、徹朗は遂に切り出した。　「――離婚したんだ」　父親をじっと見据える徹朗。驚いた義朗は、徹朗にその理由を突き詰める。　「何だ！？お前、女房に離婚されたのかよ？！みっともない！！女房に捨てられるなんて、もってのほかだ！……何故、今日なんだ？わざわざ今日話すこと、ないじゃないか！！今夜は気分よく酔うつもりだったのに…！これじゃ、酔えないよ！」　それ以降、徹朗と話もせずに、背中を向けてただビールを飲み干す義朗。徹朗が後片付けを終えて居間に戻ると、義朗は酔って眠ってしまっていた。眠る父親に「長い間、お疲れ様でした」と毛布をかけ、徹朗は居間の電気を消す。もう一度、振り返って父親の顔を見つめる。　「おやじ、それで、良かった？」　休日。ソファに寝転び天井を見て考え事をしていると、凛がやって来る。　「お父さん！逆上がりの練習、お願いします！」　徹朗は「行こう」と体を起こす。　公園の鉄棒で、凛が練習しているとゆらが現れる。ゆらは、徹朗がこの間とは違って沈んでいるのに気付く。　徹朗がぼんやり見ている途中、凛がついに逆上がりに成功する。　「お父さん！！見た？！」　「……見たよ！！凛！！」　凛を抱き上げて喜ぶ徹朗。凛を下ろし、今度は頭を撫でてやる。ゆらに気付いた凛は、「初めて出来た！」と報告しに行く。ふと凛が振り向くと、徹朗が涙を流してうれし泣きしていた。ゆらと凛は、そんな徹朗を見て笑う。徹朗は涙を拭きながら、一緒になって笑う。　その夜、ぐっすり眠る凛の寝顔を見ながら、徹朗は思う。　　――おやじが今までの人生で守ってきたものが何なのか、　　　　俺には、分からない。　　　　でも、　　　　俺に分かっていることが、一つだけある。　翌朝、井上に仕事の成果を話した後、徹朗は今まで無視し続けてきた岸本の企画のことを取り上げてくれるよう頼む。驚く宮林と岸本。　帰宅。微笑みながら「おかえりなさい」と言う凛に「ただいま」と徹朗。　　――俺は今、この子が何よりもいとおしい。寸　　評　　離婚は徹朗にとって、結局今までの自分を見直すきっかけになりました。残念ながら父の義朗には、６０年間そういうことが全くなかったか、気付かなかったのでしょう。自らが招いたこととはいえ定年の日の義朗は本当にかわいそうでした。上司が定年を迎えるということは、部下にとっては「厄介払い」で、どんな上司であっても扱いはさほど変わらないかも知れません。　徹朗が変わったように、義朗も、井上も、何かに気付いて変わってくれれば、本当に嬉しいのですが。でも、以前ある本で「人格は２８歳以降は変わらない」と読んだことがあります。徹朗は２９歳、ギリギリセーフだったんでしょうか。執筆者　三森(anponhana@mail.goo.ne.jp) ---------------------------------------------------------------------- 2.　編集後記 ---------------------------------------------------------------------- 　私は結婚と同時に退職し、専業主婦になり、子どもを生み、今に至っています。ゆらが会社を辞めた理由を聞いて「じゃ、私は立ち止まりっぱなしや！！」と思いました。子どもは確かに大切、何にも変え難い宝物です。でも、子どもが成長するにつれ、「あれ？自分の人生は？」と思うことが、ものすごく頻繁になってきています。私がこの約１０年、立ち止まってきた中で、一体何を得たのだろうと考えてしまう…。私はダメな親なんだろうか…。　閑話休題、草彅くんが凛の前で逆上がりをすんなりやって見せていて、「さっすがＳＭＡＰ！」と思いませんでしたか。昔は出来ても大人になると出来なくなっていることがたくさんあって、特に何十年ぶりの鉄棒なんて、親が見せて教えるのは至難の業、大変です。　うちの息子は縄跳びが出来ません（逆上がりもね…）。この前担任の先生から「家でも練習を見てやって下さい」と電話をもらいました。徹朗を見習って、縄跳びを教えてやらなくちゃ。ただ、長く跳ぶと翌日立てないので（椎間板ヘルニア持ち）、気をつけないと。年はとりたくないものですな。（三森） ====================================================================== 発行元：ドラマ研究会 e-mail：info@j-drama.tv url ：http://www.j-drama.tv/ ＩＤ：MM3E195F16414CD このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。（http://www.mailux.com/) ======================================================================

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