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タイトル:Daily Drama Express 2004/01/16 スカイハイ2 (1)  2004/02/01


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2003/01/16 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル スカイハイ2
局  名 テレビ朝日系
放映日時 金曜23時15分
キャスト イズコ(釈由美子)
 天野そら(高橋真唯)
 広田大地(小林翼)
 天野照男(森本レオ)
  門の主(中村育二・声)

 小山田茂(寺田農)
 村瀬竜次(伊原剛志)
 藤吉光一(布川敏和)
 藤吉妙子(粟田麗)
 藤吉綾香(黒岩伶奈)
 藤吉桃香(図司瑛海)
 柳原正治(木下ほうか)

脚  本 田辺満
 小川智子
 公園兄弟

あらすじ 第1死 「星に願いを」

―12月12日午後8時過ぎ 国道147号線―
 長野行きの1台の深夜バスが走っている。車内では「星を見に行く」
とはしゃぎながら「あわてんぼうのサンタクロース」を楽しげに唄う
幼い姉妹(綾香・桃香)と静かにするようたしなめる両親・藤吉光一
・藤吉妙子の幸せそうな4人家族が乗っている。その前に座っていた
初老の男・小山田が姉妹に話しかけ、車内はなごやかな雰囲気。とこ
ろが、後方に乗っていたヤクザ風の男・村瀬がウルサイと一喝したお
陰で子供達は黙り込んでしまうのだった。

 そんな車内の様子を気にする風でもないバスの運転手・柳原はポケ
ットからこっそりと酒瓶を取り出しグイッっとあおる。ハンドルの脇
にあるコンビニ袋にはすでに空になった缶ビールがいくつも放り込ま
れていた。
深夜になり、乗客達はグッスリ寝込んでいる。しこたま飲んだ柳原は
うつらうつらしながらハンドルを握っている。柳原がハッと気付いた
時、目の前には対向車のヘッドライトが迫っていた。思わず急ハンド
ルを切る柳原。大きく揺れた車内では大きな悲鳴、割れたガラス片、
そして赤い血しぶきが飛び散った。


 ふと気付いた小山田は不思議な場所に立っていた。
枯れて捻じ曲がった木々が立ち並ぶ荒涼とした森。もやが立ち込め、
昼なのか夜なのかもわからない。まるでこの世のものとは思えない雰
囲気を醸し出している。さらに歩いていくと、少しひらけた場所に出
た。
そこには見上げるほど大きな観音開きの門。驚いた小山田が辺りを見
回していると、一人の女がやって来た。若く見えるが、見たこともな
い衣を身に纏い浮世離れした雰囲気。女は門の前に立つと小山田に向
かい静かに言う。

「ようこそ、恨みの門へ」

女によると、ここには不慮の事故や殺された人間の魂がやってくる場
所だと言う。そして、女は名をイズコといい、この恨みの門の門番だ
と。小山田が驚いていると、そこへ村瀬と綾香・桃香の姉妹がやって
来た。イズコはあの事故で4人が魂だけの存在になったと告げ、恨み
の門を訪れた魂はここで三つの選択をしなければならないと告げる。

「一つ、死を受け入れて天国へ行き、再生の準備をする」
「二つ、受け入れずに霊となり、現世をさまよう」
「三つ、現世の人間を一人、呪い殺す」

ただし、誰かを呪い殺した魂は地獄に落ち、再生の無い苦痛を味わう
のだ。

 しかし、4人はすぐに己の死を受け入れる事など出来なかった。小
山田と姉妹はこの妖しい森を抜けようと去って行く。イズコは残った
村瀬に自分がいなくなった世界を見せる。
 にじのまち幼稚園。喪服の園長が保母と共に藤吉姉妹の死を悼んで
いる。
 病院の霊安室。村瀬と小山田の死体が横たわる。引き取り手が誰も
いないようだと刑事達が話している。
 読経の中、姉妹の葬式が厳かに進む…。包帯姿が痛々しい藤吉夫妻
は悲痛な表情でうつむいている。
いくら歩いても恨みの門に戻ってしまう小山田達。村瀬から話を聞い
た小山田は、本当に自分達が死んでしまった事を実感し始める。

 事実を受け入れ始めた村瀬は、死のショックで忘れていた事故当日
の記憶を思い出した。懲りずに何度も出入りしていた刑務所からの出
所日。迎えは誰もおらず、自分の女は兄貴分の子を妊娠、さらに組の
中に自分の居場所は無くなっていた。怒り狂って兄貴分を殴り飛ばし
その足でバスに乗ったのだ。
 小山田は身寄りがなかった。20年前に妻に先立たれた後、ずっと
独りだったという。
 この雰囲気に慣れたのか、話に飽きたのか、藤吉姉妹は持っていた
スケッチブックを広げ仲良く絵を書き始めた。


 警察で首にギブスをはめたバスの運転手・柳原が取調べを受けてい
る。飲酒運転について厳しく追及されるがのらりくらりと返答する。
挙句の果てに「被害者に対して何も感じないのか!?」と問われると
「子供のへんちくりんな歌がうるさくてハンドル操作を誤ったかも。
ある意味、私も被害者です」と言う。「ふざけるな!」と刑事に一喝
されるが「タバコをくれ」などと全く反省の色が無い…。
取り調べ室の片隅で小山田と村瀬が一部始終を見ていた。


 その頃藤吉家で訪ねてきた刑事と両親が話をしている。運転手の飲
酒運転という新聞記事について刑事に真偽を確かめた光一は怒りに震
える。例え法の裁きを受けたとしても、あの運転手はいずれ刑務所を
出て何事も無かったかのように暮らすのだ。亡くなった子供達は帰っ
て来ないのに…。妙子は二人の最期の様子を思い出し号泣する。「許
せないですよ!できるならこの手で…!」肩を震わせる光一を見た二
人の刑事達は、思わず顔を見合わせる。

 それを見ていた村瀬は怒り、「やっぱあの運転手を生かしちゃおけ
ねえ」と言う。だが、人を殺した運転手はいずれ地獄に行くとイズコ
は言い放つ。
小山田は「もし父親が本当に手を下してしまったら地獄へ行ってしま
う。だからその前に藤吉夫妻を自分達で呪い殺そう」と村瀬に持ちか
ける。「誰も殺していない人が呪い殺されれば、その魂はここへやっ
て来る。という事は、藤吉一家がここで再会できるという事だろう」
と。
自分達の魂を使って、あの姉妹に笑顔を取り戻そうと言う小山田に、
村瀬はそれは違う、それであの二人が喜ぶとは思えないと拒否する。

 残された者も会いたいに決まっている、と言う小山田は自分の記憶
を語る。実は、小山田の妻は長い闘病生活を苦にした末の自殺だった
のだ。仕事が忙しくてロクに見舞いに行けなかった小山田はそのショ
ックで廃人同様になった。ずっと妻に会いたくて仕方なかった。
 そんな小山田の側にイズコに諭された藤吉姉妹がやって来ると「自
分達は夜空の星になったので、あの門の向こうで両親が来るのを待つ」
と決意を語る。イズコは二人に「大丈夫、両親はちゃんと生きて、そ
して必ずあなた達に会いに来るから」とやさしく励ます。
 姉妹の選択に心を打たれた二人が自分達の選択について悩んでいる
と、姉妹がクリスマスプレゼントと言って、サンタの絵を見せる。思
わず暖かい気持ちになる二人だった。


 運転手・柳原は「危険運転致死傷罪」の適用を見送られる事になっ
た。降りしきる雨の中、留置所から護送される柳原を物陰でじっと待
つ藤吉光一。警察から出てきた柳原にナイフを振りかざして突進する
光一!間一髪、以前家に訪ねてきた刑事達が取り押さえる。光一の様
子が気になって張り込んでいたらしい。
崩れ落ちる光一の脇を走り抜ける護送車の中、柳原は薄ら笑いを浮か
べていた。


 選択を迫るイズコに、どうしてもやりたい事があると村瀬は告げる。
ただし自分の姿が相手に見えないとダメだと言う村瀬に、少しの間だ
け肉体と共に現世に降ろす事をイズコは約束する。
一方、小山田はどうしても柳原が許せない。「酒を飲んで子供の命を
奪うような奴は万死に値する」と、柳原を呪い殺す事を決意する。地
獄へ行ってもいいのかと村瀬に問われると「自殺した人間は地獄へ行
く。妻は待ってるかもしれない…」とつぶやいた後「気にするな、こ
ういう事は年寄りに任せておくものだ」と笑顔で言い切る。
「その選択…承りました」イズコは静かに答えた。

 にじのまち幼稚園ではクリスマス会が開かれており、藤吉夫妻は姉
妹の遺影を持って参加している。園児達による「あわてんぼうのサン
タクロース」の合唱が賑やかに始まった。
そこへ、サンタの衣装をまとった村瀬が現れる。藤吉夫妻はバスの乗
客だった村瀬だと気付き驚いている。夫妻に向かって会釈した村瀬は
風呂敷包みをプレゼントだと言って園長に手渡し去って行く。慌てて
園長が後を追うが、そこにはサンタの服だけが残されていた。風呂敷
包みを開くと、そこには姉妹の書いたたくさんの絵。「パパ、ママ、
ありがとう」と書かれた両親への絵。園児ひとりひとりに宛てたたく
さんの絵。二人からみんなへのプレゼントだった。

 留置所の中にいる柳原は鼻歌を歌っている。ふと気付くと背後に立
つ小山田!死んだ乗客だと気付きパニックに陥る柳原の首を「天誅
だ!」と叫んだ小山田が片手で高く持ち上げる。激しい悲鳴が轟き渡
った後、静寂が訪れる。
柳原は独房の便器に顔を突っ込んだまま絶命していた。


 恨みの門に戻った村瀬は小山田が地獄へ行った事を知る。「あなた
はどうするの?」とイズコに問われた村瀬は「どうするって…あいつ
ら連れて行かなきゃしょうがねーだろ」とぶっきらぼうに答えた。イ
ズコはゆっくりと門を指差すと優しく言う。

「お生きなさい」

藤吉姉妹と手をつないだ村瀬達の前で恨みの門がゆっくりと開く。ま
ばゆい光があふれ出す。3人は「あわてんぼうのサンタクロース」を
歌いながら、光の中の階段をゆっくりと昇って行くのだった。
姉妹の書いた絵を見ながら、藤吉夫妻は子供達のつらい死を乗り越え
前に進んで行こうと決意する。夫妻が星が流れる夜空を見上げると
(バイバイ!)…どこからともなく、二人のあどけない声が聞こえた
ような気がした。


 イズコは誰もいなくなった恨みの門の前で、姉妹が書いてくれた自
分の絵を眺めていた。”声”が響いてきた。”声”は村瀬を現世に降
ろした事を咎め、死者の選択に私情を挟むなと厳しく言い渡すのだっ
た。
次の死者がやって来た。イズコはゆっくりと立ち上がり門の前に立つ。
「ようこそ、恨みの門へ」


寸  評 前作が好評で映画にまでなった作品のパート2ともなれば、否が応
にも期待が高まります。
「恨みの門」「おいきなさい」「死者」といった言葉や殺人シーンな
どからホラー系だと思われそうですが、あくまでテーマは「人間の業
(カルマ)」や「輪廻」などで、怖いだけのホラー物とは一線を画し
ています。死者が背負ったつらく悲しい過去、すべてを受け入れた後
自らが決める魂の選択…感動や切なさを含んだ物語です。実際にあっ
た事件を連想させる話もあり、いろいろ考えさせられるドラマでもあ
ります。
このパート2はパート1と同じ時間軸における「別の恨みの門と別の
門番イズコ」のお話であり、前作の続きではなくパラレルワールド的
な位置付けなのだそうです。少々こじつけっぽいですが。前作ラスト
で旅立ったイズコ役の釈さんを復活させるためには仕方ないのかな。
ですが、園長役の森本レオ氏はいただけません。パート1での死者役
のイメージが強く、前作を見ていた場合、かなり違和感を感じる配役
だと思います。

記念すべき第一回ですが、やりきれない話です。愛らしい姉妹の魂と
そこに絡む初老の男とヤクザの魂。紆余曲折を経てそれぞれが選んだ
再生と地獄への道。改心した村瀬と共に笑顔で天国へ向かった姉妹の
冥福を心から祈ります。
果たして小山田は妻に会えるのでしょうか?限りなくゼロに近い可能
性を信じ、再生への道ではなくあえて地獄行きを選んだ決断がどうか
報われますように。
悲しみに暮れる両親へ姉妹の気持ちが届いて本当によかったと思いま
す。見ていてボロ泣きしてしまった悲しくも感動するお話でした。

執 筆 者 ごんた(gonta_tvdr@hotmail.com)

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2. 編集後記
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 …いきなり反省ですが、自分の好きな作品だと長々と語り過ぎてしまうよう
です。すいません(汗。
 さて、前クールのラブコメから180度反転。今回はシリアスな作品を担当
させていただく事になりました。この金曜23時枠が今クールから配信対象と
なり、喜んでいるのは私だけでは無いはず(だと思いたい)。かのトリックも
この枠で放送されていましたが、遅い時間帯ゆえに大人向けな内容が多く、シ
リアスからコメディ・お色気までバラエティに富んだ比較的ハズレの少ない枠
だと思います。…もちろん好みはありますけれど。
 前作スカイハイはお気に入りの作品でした。パート2のあらすじという事で
気合を入れて行きますのでよろしくお願います。(ごんた)

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発行元:ドラマ研究会
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