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タイトル:Daily Drama Express 2004/01/22 白い巨塔 (13)  2004/02/01


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2004/01/22 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル 白い巨塔
局  名 フジテレビ系
放映日時 木曜22時
キャスト 財前五郎(唐沢寿明)
 里見脩二(江口洋介)
 花森ケイ子(黒木瞳)
 東佐枝子(矢田亜希子)
 里見三知代(水野真紀)
 柳原弘 (伊藤英明)
 東貞蔵 (石坂浩二)
 財前又一(西田敏行)
脚  本 井上由美子

あらすじ  医局は、初めての証拠保全に慌てる。
 財前五郎(唐沢寿明)は、訴えられることはない。だが、万一のこ
とを考え、開示するのはカルテだけにするように、柳原弘(伊藤英明)
に指示。CT画像等はいらぬ誤解を招くので見せるな。見せろと言わ
れたら、佃友博(片岡孝太郎)が対応しろと指示。

 柳原と佃が、裁判官、書記官、そして関口守(上川隆也)弁護士に
対応。

 関口はCT画像について問うが、佃は用意しろとは今日の命令書に
は書かれていないと突っぱねる。
 関口はそれを探していては診療に支障が出ると断る。そして、カル
テはこの部屋から持ち出すな。コピー機を貸す義務もない、と言う。
 裁判官はカメラで撮るのかと聞くが、関口は安物のボールペンしか
持ってきていない.....

 佐々木よし江(かたせ梨乃)と佐々木庸一(中村俊太)が関口を訪
ねる。そこには留守番の東佐枝子(矢田亜希子)だけがいて、よし江
は着手金200万円を差し出す。よし江は引き受けてくれただけでも
嬉しい、と言うが、佐枝子はアルバイトですので.....と話の相手を
することを避ける。

 関口が戻ってきて、浪速大のガードは固くて、めぼしい証拠はなか
った。このままでは裁判も難しい。浪速大の関係者が誤診だと言って
くれれば別だが、と言う。そして、応接机の上の金包みを見て、急に、
「やるだけやってみましょう」と言う。


 鵜飼教授(伊武雅刀)が財前を呼ぶ。
 財前は裁判に負けることはない、と言い切るが、鵜飼は、裁判に勝
つことなど関係ない。訴えられたら、それだけで問題なのだ。弁護士
が乗り込んできて、マスコミに、浪速大の名前が出ることだけは、絶
対避けなければならないと言う。

 そこに同じく鵜飼に呼ばれた里見脩二(江口洋介)が来る。
 里見は、財前のオペは完璧だったが、術前に肺への転移を調べるべ
きだったと主張。
 鵜飼は、里見が佐々木の葬儀に行ったことは軽率だと責める。個人
の自己満足のためだとしても、医師は医師で、世間では浪速大の代表
者と取る。
 そして鵜飼は、明日、弁護士も交えて、事故調査委員会を開く。絶
対に訴えられないためだ、と宣言。二人に出席するように言う。
 最後に鵜飼は二人を見比べ、全く正反対のように見えても、二人に
は似たところがある、と言う。


 財前は、総回診をしていると、患者に強く腕を捕まれる。患者は、
「肺への転移、見落としていませんか?」と訴えているが、その人物
は佐々木庸平(田山涼成)。

 それは、財前の悪夢だった。庸平を振り払おうとした財前は、妻・
財前杏子(若村麻由美)をベッドから突き落としていた。

 財前は早朝に家を出る。
 新聞を見ていた杏子が財前が載っているという。佐々木の件かとド
キッとする財前だったが、記事は外科学会の名誉会員となった件での
インタビュー記事だった。
 杏子は、もっともっとお仕事して!と見送るが、財前の心はここに
あらず。


 事故調査委員会は、鵜飼の同期で、日本弁護士会副会長の河野弁護
士と、河野の事務所で若手でやり手の国平学文(及川光博)を招いて
始まる。
 河野はよくある訴えなので、心配することはないと言う。
 国平弁護士は座席表を熟視した後、自分のネクタイを外して内ポケ
ットにしまうと、やおら安西から順に、どんな柄のネクタイをしてい
たか聞く。
 黄色、グレー等々、みんなバラバラの答えで、正確に覚えていない。

 国平のネクタイは黒と白の千鳥格子。
 国平はこのように人間の記憶は曖昧で、人それぞれ同じものを見て
いたはずなのに、異なるが、裁判ではそうはいかない。病院としての
事実をまとめ。皆がそれを共有しなければならない、と言う。そして、
皆にメモを取るように言い、まとめ始める。

佐々木庸平遺族の主張
・術前診断の問題
1.肺への転移を見落としオペを行った。
・術後治療の問題
2.癌性リンパ管症を術後肺炎と誤診し、適切な治療を行わ
なかった。

 財前は肺への転移を見落としたこともないし、これは原発性のもの
と診断した。術後も時期から見て、術後肺炎という診断に問題はない、
と主張。

 違うことは?と問われ、里見が、自分と柳原は、肺への転移を疑い、
財前に胸空腔検査を勧めたという。
 国平に問われた柳原は、覚えていないと言う。そんな柳原を亀山君
子(西田尚美)が見守る。安西や佃たちは、そんな話があったことを
知らない、と言う。

 国平は、では事実は、『肺への転移を疑った者はいなかった』だ、
とまとめ、柳原に、『事実に沿って、カルテを整理』するように言う。
 「カルテを書き直すのですか?」と驚く柳原に国平は、「事実の通
りに整理するんです」と指示。
 国平は里見にいいかと問うが、里見は、これは事実ではなく、改ざ
んだと主張。
 財前は里見に、協力してくれるよう頼む。里見の言葉で、誤解を受
けたくない、と。
 鵜飼は里見に、「大人になりなさいよ。君だって、橘賞を取った研
究者だ。ここで訴えられたら、せっかく波に乗り始めた研究がやりに
くくなる」と言う。
 「個人の研究のために事実をねじ曲げることはできません」と里見。
 「里見君、浪速大が訴えられて、診療がやりにくくなるということ
は、ひいては患者の不利益になるんだよ」と財前。
 「医師の責任とは、病院を守ることなんですか?」と里見。
 「そういうことだよ」と鵜飼が答え、里見は部屋を出て行く。

 財前はどこの組織にもはみ出し者はいるので、先を続けましょうと、
国平を促す。

 会議後、柳原の他、佃や安西も手伝い、修正液片手に、カルテを
『整理』する。


 よし江が関口に200万円払ったことを、親族や従業員たちは責め
る。
 よし江は、今後のことは庸平(亡くなった夫)と相談して決めると
答える。


 関口は佐枝子に、「アルバイト、今日までだったね」と、よし江の
着手金の中片ら、何枚か万札を抜き取り、別の封筒に入れて差し出す。
 佐枝子は、「それは、着手金.....」と受け取らない。
 関口は、どんな金であれ、金は金、と諭す。関口は正規な弁護士の
報酬として着手金を受け取ったのだから、佐枝子もアルバイト代を受
け取るように言う。
 佐枝子は関口に、どうして佐々木の件を受けたのか聞く。
 関口は、事務所をたたんでも、弁護士は弁護士。田舎に帰っても裁
判は続けられると言う。でも、更に見つめる佐枝子に、「お察しの通
り。事務所をたたむための小金が必要だったんだ。こういう裁判は、
あっというような新証拠でも出てくるまで、難しいんだ。それをわか
ってもらうのが今回の仕事かな。それが仕事ってもんでしょ」と関口。
 佐枝子は怒って出ていく。

 関口は、コピー機のリース代を着手金ですぐ払おうとしたが、思い
直して、少し待ってくれと頼む。そして和泉大との医療ミス裁判の記
事を広げる。勝訴だったが、賠償金はたった80万円。

 帰宅した佐枝子は、アルバイト代の入っている関口法律事務所の封
筒を見る。


 財前はカルテに、『転移の疑いか?』という記載が残っていること
を指摘し、柳原に直すよう、命じる。
 だが、柳原は動かない。
 「事実の整理をしたはずだろ」と財前が言い、佃が修正液を渡し、
「事実を整理するんだ」と重ねて言う。
 柳原が直す。

 里見は息子・里見好彦(片岡涼)の診察をして、もう一回吸入を行
えば大丈夫、と言う。
 妻・里見三知代(水野真紀)は、大学から呼び出したことを里見に
詫び、この間は偉くなって欲しいようなことを言ったが、里見は研究
に没頭し、自分はその話を聞く、今のままが、やはり一番いいと言う。
 里見は研究も大切だが、診察し、患者と触れていることも大切だと
いう。研究を通して多くの人を救えるかもしれないが、それも、患者
と触れていなければならない、と里見。


 関口が事務所を閉めようとすると、そこに佐枝子が入ってきて、や
はりアルバイト代は貰えない、と言う。
 関口はそれを佐枝子から受け取り、内ポケットにしまうと、閉める
から、早く出ていくように言う。

 佐枝子は、今まで黙っていたが、自分の父は昨年まで、浪速大第一
外科の教授をしており、佐々木の話を聞いた時、これは真剣に話し合
うべきだと思ったという。
 関口は、「それで同情したのか」と言う。
 佐枝子は、やはり医者は最低と思うかと聞く。
 関口は、今まで裁判で多くの医者を見てきて、やはり、最低だとい
う。
 佐枝子は、よし江は、勝つこともさることながら、この件が世間に
取り上げられることを望んでいる。その力にもならないのに、着手金
だけ貰うような弁護士も最低だと言って出ていく。

 関口は、佐枝子と共によし江を訪ね、着手金を差しだしながら、断
ると言う。
 やはり訴えたいというよし江に関口は、今回の問題は、輸血などの
ように、明らかなミスではなく、医師の判断能力の問題である。負け
るとわかっている裁判を勧めるのは、依頼人の利益に反するので勧め
られない、と言う。
 よし江は、財前は教授であり、名医と言われている。それが本当は
どんなにひどい医者か、世間に知らせたい。「あきらめたらあかん」
と言うのが佐々木の口癖だった。店が苦しい時もそうして頑張った。
だから、負けても裁判したいという。
 関口は、裁判に負けるのは、想像以上につらい。たとえわずかでも
可能性がなければ戦えない、と言う。

 佐々木家を辞し、佐枝子が関口に本当に勝てないのか聞いていると
ころに、里見が来る。佐枝子が関口と一緒にいるのを見て、びっくり
する。
 里見は少しでもよし江の力になりたくて来ているという。最初に佐
々木を診たのは自分で、佐々木の転移の可能性に気付きながら検査を
させられなかった。オペを頼んだのも自分だと言う。
 関口は、患者のためを思うなら、それを法廷で証言してくれるよう
に頼み、里見は請け合う。


 財前は佐々木のCT写真をパソコンで見ていた.....そして母親の
黒川きぬ(池内淳子)に電話し、教授になったら大阪に呼ぶといって
いたのが、海外の学会に招かれていて、呼べなくてゴメン、と謝る。
きぬは、上ばかり見ていては危ない。上がれば上がるほど、転んだ時
の怪我は大きくなる、と。
 財前は下を見ていては危ない。上がる時は、一気に上り詰めなけれ
ば、と言う。
 きぬは、財前の記事の出ている雑誌を広げ、記事のスクラップをし
ていた。


 財前が今日のオペについて説明。
 患者が高齢なので.....と心配する金井助教授(奥田達士)に、リ
スクばかり心配していては、救えるはずの患者が救えなくなる。癌を
根治するなら、オペしかない。外科医は、果敢に挑戦することを忘れ
てはいけない、と教える。
 そこに看護師が来て、また裁判官がカルテの開示を求めてきたとい
う。財前は、オペが優先するからと、柳原だけを行かせ、佃煮は、そ
のままオペの第二助手をさせる。

 カルテを抱えた柳原と国平が、関口と裁判官と書記官の前に現れる。
 柳原は部屋に燦々と注ぎ込む日差しをブラインドで遮る。
 今日は、関口はポータブルコピー機と一眼レフカメラを持参してい
た。そして、今日の開示命令書には、カルテの他、画像等、すべての
資料について網羅されていた。
 柳原は、今、オペ中で、と断ろうとするが、裁判官は、断ることは
できない、と言う。関口は、いつまでも待ちます、と言う。
 柳原は国平を見るが、何も言わない。

 柳原が持ってきた資料を、関口は次々とコピーし、写真を撮り、付
箋を付けていく。

 財前たちのオペは進んでいく。

 よし江はまた、弁当屋を再開する。

 関口はカルテの修正痕を見付ける。あの柳原が修正させられたとこ
ろだ。
 関口はそのカルテの一葉を、日差しの差し込む窓ガラスに貼り、修
正液の下の字を透かして、写真を撮る。


 ニュース速報:『浪速大医学部医療過誤。財前教授提訴』の文字が
舞う。

 その記事を新聞で読んだ杏子は半狂乱。
 花森ケイ子(黒木瞳)はその記事を読み、「五郎ちゃん」とつぶや
く。
 柳原はトイレの中でその記事を読む。
 里見は家で三知代と記事を読む。
 財前はその記事を破く。

 里見家のチャイムが鳴る。
 里見が出ると、国平で、先日の件をよろしく、と言う。


寸  評  遂に財前は訴えられたのですね。
 でも、よし江の、「訴えてやりたい」と言う願いは、本当に負けて
もいいと思っているなら、印紙代だけで、本人訴訟を起こすこともで
きますよね。世間の話題にしたいなら、そのことを新聞社なり雑誌社
なりテレビ局なりに、メールで知らせれば、どこかは報道するでしょ
う。
 この裁判、里見が証言したら、浪速大は苦しいですよね。この獅子
身中の虫を、どう扱うのでしょうか?

執 筆 者 鈴木(sumire_@anet.ne.jp)

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2. 編集後記
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 青色ダイオードの発明に対して、東京地裁が、企業に200億円の支払いを
命じました。
 200億円.....どうしましょう、と思う金額です。3億円でもそれほどの
贅沢をしなければ、一生食べていける金額です。
 でも、こういう時って、たいがいそのお金はどこかの研究機関に寄付するか
財団でも立ち上げるのでしょうね.....
 とはいえ、まだ貰えるわけではありません。企業側は即時に東京高裁に控訴
ましたから。(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
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