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タイトル:Daily Drama Express 2004/01/15 白い巨塔 (12)  2004/01/22


===================================================== 発行部数   12 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2004/01/15 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル 白い巨塔
局  名 フジテレビ系
放映日時 木曜22時
キャスト 財前五郎(唐沢寿明)
 里見脩二(江口洋介)
 花森ケイ子(黒木瞳)
 東佐枝子(矢田亜希子)
 里見三知代(水野真紀)
 柳原弘 (伊藤英明)
 東貞蔵 (石坂浩二)
 財前又一(西田敏行)
脚  本 井上由美子

あらすじ  里見脩二(江口洋介)はハイヤーに乗り込もうとした財前五郎
(唐沢寿明)を呼び止め、夜ではなく、今、話したいと言う。財前は
迷ったが、今里見と話すことにして、ハイヤーには、義父・財前又一
(西田敏行)だけ乗せる。
 里見は、大河内教授(品川徹)の解剖所見を伝える。癌性リンパ管
症が特異な拡がり方をして、佐々木庸平(田山涼成)は死亡。この癌
は転移だった、と。
 自分の診断に問題はなかったと主張する財前に、肺炎と診断したこ
とが誤りだと、里見。
 「術後に、発熱、咳、白血球の増加があれば、術後肺炎を疑うのが
当然だろう」と財前。
 「オペしたこと自体が誤りだったっていうのだ。術前から影自体は
あった」と里見。
 「そんなの大河内教授だって、いつから影が出たかわからないだろ
う」と財前
 「オレは君の責任を追及しに来たんじゃない。この事実を厳粛に受
け止めて欲しいんだ。オレも内科医として、受け止める」と里見。

 柳原弘(伊藤英明)は佐々木の死に落ち込み、亀山君子(西田尚美)
と竹内医局員(佐々木蔵之介)は、こんなことで医者、辞めるんじゃ
ないぞ。そんなことしていたら、医者なんて1人もいなくなってしま
う、と元気づける。

 佐々木の葬儀の準備が進んでいる。だが、佐々木の妻・佐々木よし
江(かたせ梨乃)は放心状態。

 料亭では、財前の凱旋祝い。遅れてきて上座に座った鵜飼教授(伊
武雅刀)は、「留守中は大変だった」と言う。
 鵜飼は宴の途中で財前を別室に呼び、オペした患者が死んだことは、
医学部内でも話題になっている。何か対策は?と聞く。
 「ございません。わたしに何ら落ち度はありません」と財前。
 「じゃあ、間違っても浪速大の名に傷が付くようなことはない、と
言うんだな」と鵜飼。
 「ございません」と財前。


 財前は医局に顔を出すと、留守中の医局員達の労をねぎらう。だが、
医局員達の顔は暗い。
 「留守中に何かなかったか?」と聞く財前に、金井助教授(奥田達
士)と佃友博(片岡孝太郎)講師が、佐々木が亡くなったことを報告
し、謝る。
 財前は、「何を謝るんだ。大学病院は、高度な医療を司るところだ。
そこではこのようなことは避けては通れない。謝ったら却って患者に
失礼というものだ」と言い、本日の業務を始めるよう指示。


 里見が佐々木の葬儀に行くが、よし江は「お引き取りください。浪
速大学病院の方には、いらして頂きたくありません」と断る。里見は
仕方なく引き返す。
 だが、外へ出た里見をよし江は呼び止め、「里見先生だけですか?
財前先生は?出張から帰ってらしたんでしょ?来るんなら財前先生、
連れてきて欲しかったわ」と言う。
 「今日は、ご主人の言葉を伝えに参りました」と里見は、佐々木が
退院したらよし江に、『ありがとう』と言いたいと言っていたことを
伝える。
 「そんなこと、言いに来たの?うちの人は、『悔しい』って言いた
かったの。財前先生に殺されたの!」とよし江は叫ぶ。
 里見が去ると、よし江は、財前を訴えると宣言。


 柳原が財前に、佐々木に謝るべきでは?肺への転移を見落としたの
だから、と申し出ると、財前は、柳原の管理が悪い、と責める。
 柳原が、財前が抗炎剤で押さえておけと指示したのではと言うと、
「それは出発前だろ。その後患者の容態が変わったら、治療法を変え
るべきだろ」と財前。
 謝る柳原に、「よくよく謝るのが好きだな。君は謝ればいいが、ボ
クはすべての責任を取らなければならないんだぞ!その調子で患者の
家族にも説明したんじゃないか?」と責める財前。
 「はい.....」と柳原。
 「何で.....」と財前。
 「里見先生が」と柳原。
 財前は持っていたファイルをバン!と机に叩きつけると、「君を担
当医にしたのが間違いだった。なんでよその科の助教授に口をはさま
せるんだ!!君にできることは、このことを糧として、いい医者にな
ることだ。わたしにもそういう時があった。若い頃、患者に死なれて。
でも、謝って楽になるより、苦しみなさい。苦しんで、いい医者にな
りなさい」と諭す。


 裁判をするというよし江を、親戚一同は止める。癌だったんだし、
国立大病院を相手にしても、勝てるわけがないし、第一膨大な費用が
かかる、と。
 だがよし江は、亡くなったことは悲しんでいない。癌だと聞いた時
から、覚悟していたから。でも、財前のせいで、きちんと死ねなかっ
たのが許せない、と。
 従業員達は、それより店のことを考えてくれと頼む。

 みんなが引き上げた後、息子の佐々木庸一(中村俊太)は、よし江
に、一緒に裁判やろう、と言う。勝ち負けではない!と。


 教授会で、財前の科で、患者の死亡があったことが提起されるが、
財前は問題ない、と答える。
 なおも追求が続くかと思われた時鵜飼が、そんな暗い話は止めて明
るい話題として、と切り出す。里見が癌の分野で最も権威のある『橘
賞』を授賞し、文科省に申請していた助成金も下りた、と。

 竹内は里見におめでとうを言う。
 「手伝ってくれた君たちのおかげだ」と里見。
 「この日を見越して、恩を売っておいただけです」と竹内は冗談を
言う。
 財前が入ってきて、大した運動もせずに大きな賞と、億単位の助成
金を貰うのは珍しい、と皮肉混じりの口調で言う。
 「そんなことしか、言えないのか?」と里見。
 「君の言う通り、患者の死は真摯に受け止めたよ。だが、これを機
に、自分の研究に専念するんだな。うちの医局員達も、君の扱いに困
ってるんだ」と財前。


 よし江と庸一は、警察に相談しに行ったが、病死なら民事で裁判を
起こすぐらいだと言われる。
 裁判所はどこかと聞くよし江達に警察官は、まずは医療裁判を扱う
弁護士か、医師会に相談に行くことを勧める。


 東佐枝子(矢田亜希子)は、関口守(上川隆也)弁護士を手伝う。
 短期のアルバイトはする気がないと言っていたのに、来る気になっ
たのは、彼氏が医者か?と関口が聞く。
 「彼氏なんていません」と本気で否定する佐枝子に、「冗談だよ」
と関口。

 佐枝子がこれからのことを聞くと関口は、田舎に帰って、知り合い
の事務所を手伝う。今度は離婚でも遺産相続でも何でもやる、と言う。
 そして、医療裁判を担当しているとつらいのは、負けることではな
く、何も感じなくなってしまうことだと言う。遺族は、患者の死を金
に換えたと非難されて苦しんでいるが、それもいつものことと思えて
しまう。


 財前が帰宅すると、妻・財前杏子(若村麻由美)が紅会のホームパ
ーティーを開いていた。財前はそのまま続けるよう言う。
 「未熟者で」を繰り返す財前に対して、紅会会長・鵜飼典江(野川
由美子)は「『未熟』というのは、何の言い訳にもなりません。男女
の仲でも、お仕事でも」と厳しい。

 財前に、義父・財前又一(西田敏行)からの呼び出し。すぐに来い
と言う。

 財前が駆けつけると、そこには、地区医師会長・岩田重吉(曾我廼
家文童)もいて、医師会によし江達が来た。医師会の息がかかった弁
護士を紹介しておいたから、当分は大丈夫だろう、と言う。
 「問題はないと言ったはずじゃ」と責める又一に財前は、患者が誤
診だと思いこんでいるだけ、と言う。
 「ほな、被害妄想ってこっちゃな」と又一。
 財前は頷き、岩田のメモを丸める。
 岩田はそれを止め、「これは大切なメモや。こういう手合いは捨て
身でかかってくる。最新の注意でかからんとな」と注意する。


 よし江達は紹介された弁護士に相談する。
 弁護士は、これは勝ち目がないので裁判出来ないと言う。
 納得出来ないよし江達が、他の弁護士に相談しますと席を立つと、
弁護士は、「1時間5分なので、5分は切り捨てて、相談料1時間分
1万円いただきます」と請求。
 庸一は腹を立てながら、財布を取り出す。


 息子・里見好彦(片岡涼)は、里見の橘賞の額を誇らしそうに正面
に掛ける。
 だが、里見は佐々木が亡くなったことで暗い。
 里見三知代(水野真紀)は、財前のようになって欲しいとは思わな
いけど、家族ぐらいには嬉しそうにして、と言う。
 里見は今まで他人のことに首をつっこみすぎた。財前を気にしすぎ
た、と反省する。


 関口は佐枝子に、佐枝子のおかげで思った以上に早く片づいた。バ
イト代も出さないと、と言う。
 「借金があるのでは?」と佐枝子。
 「借金とバイト代は別だよ」と関口。

 その時、事務所にノックの音。出ようとする佐枝子に、「借金取り
かも」と関口。

 だが、入ってきたのはよし江と庸一。
 二人は一件ずつ事務所を回っていたが、どの弁護士も相談に乗って
くれないと言う。
 「仕事の依頼でしたら、残念ですが、事務所を閉める所なんです」
と関口。

 しかしその時、突然よし江が倒れる。


 財前教授の総回診。
 だがその途中で事務長が財前を呼び止め、2時間後、裁判所が証拠
保全のために来ると報告。
 動揺する医局員達に財前は、これは予測していたことだという。

 佐枝子は関口の机上の訴訟委任状が、よし江を原告、財前を被告と
するものであることを知る。

 関口達が浪速大病院に到着。

 里見は偶然、関口と同じエレベーターに乗り合わせ、関口達がよし
江のカルテの証拠保全にやってきたことを知る。


寸  評  遂に、カルテの証拠保全がはじまります。
 財前の医療ミスによる医療裁判、ということですが、これを財前側
から見ると、「危機管理」の甘さ、ということになるのでしょう。
 ずさんな診療、管理だったというのは論外ですが、その後の対応も、
財前はどこからでてくる自信なのか、よくわからない自信をいただい
たまま、何の手も打たずに大丈夫だと言い切っています。
 また、このような状況だと、柳原や里見から、関口は財前が術前か
らあった肺の影を見落とした事実があったこと、また、その影を検査
するよう再三依頼しても、勝手にレントゲンの所見のみから、術後肺
炎と決めつけたことなどの事実が次々と出てきてしまうでしょう。
 一般に、医療裁判で原告が勝つことは難しいです。それは、「太陽
は沈まない」が、そのことだけでドラマが成り立っていたことからも
おわかりになると思います。でも、今回の事例では、術前のレントゲ
ンを保全され、解剖された病巣を保全され、里見と柳原にしゃべらせ
られれば、案外、勝てるのではないでしょうか?

執 筆 者 鈴木(sumire_@anet.ne.jp)

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2. 編集後記
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 テレビ雑誌では、盛んに、財前がアウシュビッツを訪ねたことによって変わ
った、と書かれていましたが、どうかわったのでしょう!?相変わらず傲慢な
態度だし、患者を対等の人間として扱ってないし。
 チラッと財前の頭をアウシュビッツへと通じる線路の映像と、医師が人体実
験をした、というコハルチクの言葉がよぎりますが、あれは何だったんでしょ
う。線路は、自分がどう対処しても、行き着く先は、同じ地獄ってこと?
 大学病院で、治療をしたんだから患者が死んでもしょうがない、という考え
方が人体実験に通じるということ?
 これから、どうなるのでしょう。(鈴木)

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