メルマガ:日刊ドラマ速報
タイトル:Daily Drama Express 2003/12/12 ヤンキー母校に帰る (最終回)  2004/01/15


===================================================== 発行部数   10 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2003/12/12 (Fri) ☆☆
======================================================================

== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
======================================================================

----------------------------------------------------------------------
1. 金曜日の連続ドラマ
----------------------------------------------------------------------
タイトル ヤンキー母校に帰る
局  名 日本テレビ
放映日時 金曜22時
キャスト 吉森真也(竹野内豊)
 古賀なな恵(SAYAKA)
 奥村和人(永井大)
 菅野徹 (市原隼人)
 千葉健太郎(忍成修吾)
 遠田ユキ(市川由衣)
 金井志穂(篠原涼子)
 安藤由紀子(余貴美子)
 岩崎達 (原田芳雄)
脚  本 飯野陽子

あらすじ  歌い終わってC組に戻って来るや、哲希(石垣佑磨)に詰め寄る
あかね(加藤夏希)。
 「何で大麻なんかに手ェ出したんだよ!」
 「みんな、ごめん。大麻やってた他のヤツらだって合唱コンクール
出たかったのに自分から名乗って、俺だけ、好きなことやってて…。
だけど、ひょっとしたら追求から逃れられんじゃないかって心の中で
思ってた。俺は卑怯だった…」
 哲希はみんなに向かって何度も頭を下げたが、あかねは納得できな
い。
 「岩崎の意識が戻ったら、何て言えばいいんだよ?!」
 「俺は退学する。やめることで責任取らしてくれ」
 あかねは「勝手にしろよ!」と教室を出て行く。
 「そんなことでケジメがつけられんなら、誰も苦労しねえんだぞ。
俺はぜってえにあきらめねえからな!」
 吉森(竹野内豊)も哲希の退学の決意に納得できず、目をまっすぐ
に見つめて哲希を説得する。

 その夜、校長の早乙女(唐十郎)は警察署に出向き、大麻事件を届
けたが、警察官は「何でもっと早く届けなかったか…」と不信感をあ
らわにする。早乙女は5年前の大麻事件の司法判決を持ち出す。
 「事実関係を確かめてから、生徒にどう向き合うか決めた上で相談
したかったんです!――我々にはここに至るまでの歴史があるんです。
…警察にお願いしたところで、79人もの生徒が自分から名乗り出て
くれたでしょうか。名乗り出てくれたのは、何より教師たちとの信頼
関係があったからです!」

 今回事件を起こした生徒の処分は、北夕余市の判断で行うことに教
師たちは合意、その処分は「親元に返して無期停学」と決まった。
 「退学は何の解決にもならない。学校に残して指導していきたい」
 と安藤(余貴美子)。実際はこの停学で出席日数が不足するため卒
業できず、退学する者も出てくることになる。哲希もその一人だった。

 吉森は、最後に哲希をもう一度説得しようと、翌朝金井下宿に向か
った。哲希は既に部屋の荷物を全て梱包し、もう余市には戻らないと
決めている。
 「やり直すために余市に来たんだろ?俺は絶対お前を見捨てないか
らな!」
 としつこく食い下がる吉森を尻目に、哲希は「うるせーな」と繰り
返し、荷造りを続ける。

 徹(市原隼人)らの部屋では、せめて出て行く哲希を見送ろうと、
朝から寝ている順一(柄本佑)を起こすのに躍起になっている。
 やっと目を開けた順一の頬に、和人(永井大)の平手打ちが飛び、
順一は這ったまま部屋を出て行く。
 「哲希、俺、してやれることないか?世話になるばっかりで何もし
てやれてない…。今さら遅いのか?…なあ、残ってくれよ…頼むよ…」
 順一は哲希にしがみつき、泣き始めた。

 一方、必ず毎日反省文をFAXするように、そして絶対に学校に戻
ってくるようにと、元哉(小池徹平)に真剣に話す屋敷(相葉雅紀)。
しかし元哉は、屋敷とは対照的にいたって軽く返事を返すばかり。
 「俺は戻ってくる。借りがあるから」
 言われた屋敷は訳が分からず、変な顔をする。
 「クズみたいな俺を信じてくれた。でも俺、裏切った。帰って来ー
へんかったら、借り、そのままになるし」
 元哉はそう言って、部屋をあとにした。

 「帰ってくるの、待ってるからね」
 小夜子(市毛良枝)が「あんたたちの好きな焼きたらことかつおぶ
し」と、弁当の包みを渡す。別れ際、小夜子は2人を抱きしめ、徹や
一人らは握手を交わす。
 「毎朝早く起きるんだヨ!!朝ごはん、ちゃんと食べて!!」
 小夜子や下宿生の声に送られて、車は出発していった。

 車内の哲希、元哉のケータイに、クラスの仲間たちや安藤から「帰
って来い」とメールが続々届く。なな恵(SAYAKA)とあかねか
らは写メール。合唱大会の「審査員特別賞」のトロフィーを手にして
いるのを見て、哲希の顔が思わずゆがむ。
 「何あれ?」
 急に車を止めた志穂(篠原涼子)が指差す先を見ると、学校のベラ
ンダから『哲希、帰ってこい!』の横断幕が。ベランダからみんなが
哲希に向かって、しきりに叫んでいる。唇をかみしめて、そこから目
をそらす哲希。
 「俺、あいつら裏切ったのに…」
 「ちゃんと見ろよ。お前に帰ってきて欲しくて作ったんだ」
 「俺はもう、帰って来ねえって決めたんだよ!」
 泣き出す哲希。再び車は走り出し、学校は遠く小さくなっていく。

 哲希が仲間たちに返送したメールにはこうあった。
 「横断幕驚いた。でも俺はみんなを裏切ったことを忘れちゃいけな
いと思ってる。俺は帰らない」

 放課後、校門にC組の生徒らが集まっていた。『生活改善運動』と
銘うって、白地の布に緑の絵の具で手形を押すよう、帰りの生徒に呼
びかけている。

       生活改善!!
      大麻追放を願って
    私達はこの痛みを決して忘れない

 「少しでも自分を変えたいと思っている人、手形を押してって下さ
い!」
 メガホンを手に叫んでいるのは徹。驚く吉森にあかねが教える。
 「大麻のような事件をもう起こさないように、みんなで考えたの」
 「あんな簡単にクラスの友達がやめるなんて思わなかった。あんな
こと二度とゴメンだ」
 徹はそう言って声かけに戻っていく。吉森も手を出し、緑の手形を
真っ白の布に押し付ける。

 職員室に吉森が戻ると、わかな(邑野未亜)から電話が入っていた。
言われたとおりテレビのワイドショーを確かめると「生徒79人で大
麻パーティー」「大麻を吸った生徒 79人を処分!」の文字が飛び
込んできた。職員室の電話が一斉に鳴り出し、対応に追われる教師た
ち。
 その噂を聞いたC組の生徒たちも職員室に集まって来た。テレビに
は徹の実父である氏家敬治(大和田伸也)が映り、学校の批判を繰り
返している。
 「仮にも教育の場でこれだけ大麻が蔓延しているなんて、言語道断。
そんな生徒は教育を受ける権利はありません」
 あかねたちが大声で反論する中、徹は黙って画面を見ている。

 その夜、和人に前妻亜紀から電話が入る。戸惑いながら電話に出る
和人。亜紀は思ったとおり、学校のニュースのことを切り出してくる。
その受話器を通して、2人の子どもたちがケタケタと笑いながら走り
回っているのが聞こえてくると、和人はふっと笑みを漏らす。
 「あなたの行くところ、やっぱりそういう世界になるのね」
 何かあったのだろうか、どうやら亜紀は酒を飲んでいるようだ。亜
紀に「体こわすなよ」と和人は静かに電話を切る。

 その夜遅く、徹を心配した吉森は金井下宿を訪ねた。管理栄養士の
資格の勉強中だという志穂が「徹を見直した」と言い出す。
 「大丈夫だよ、徹。今までのあの子だったらテレビで父親にあんな
こと言われたら、キレて大変な騒ぎだったろうけど、全然そういうこ
となかった。フツーにみんなと食事して、今はカゼひいた1年生の代
わりに、フロ掃除やってあげてるよ」
 志穂はそんな徹の姿に感動したようだ。
 「――父親に言いたいことたくさんあっただろうし、暴力に走りた
い気持ちだって…。なのに、それを抑えてがんばってる…」
 志穂は徹を見習って、勉強を再開したのだと言う。志穂の話を聞い
て、安心する吉森。

 ――『生活改善運動』は続いていた。しかし職員室では、この大麻
事件をきっかけに退学を言い出した生徒と教師との面談があちこちで
行われていた。
 運動の声かけが職員室にまで聞こえてくる中、吉森はなな恵を呼び
だした。
 吉森はなな恵に、この間の推薦入試が不合格だったことを告げる。
なな恵は一瞬がっかりするが、「まだチャンスいっぱいあるから」と、
努めて明るく振舞って戻って行く。その明るさが、かえって吉森には
悔しさを感じさせる。

 HRのためクラスに行くと、成績優秀のなな恵がどうして推薦に落
ちたのか、生徒たちが騒ぎ始める。
 「大麻がこんだけ報道されたせいだろ?」
 「俺たちはやってねえのに、ひどくねえか?」
 「この先履歴書に『北友余市』と書くと、大麻の学校と言われるん
ですね」
 「やっぱり退学になったほうがよかったんじゃない?」
 ここ連日の報道で生徒たちの心は乱れていたのに、事件に振り回さ
れて忙しい教師たちは、残された生徒達のフォローをないがしろにし
ていたのかもしれない。
 吉森は、停学処分中の生徒たちが送ってきた反省文を読み上げ始め
た。
 「テレビ見たときは驚いた。まさかあそびの1本がこんなひどいこ
とになるなんて思わなかった。テレビの言ってることはウソばかりだ
けど、大麻吸ったことは事実だから、黙って嵐が過ぎるのを待つしか
ない。みんなに迷惑かけて会わせる顔がないけど、今、いちばんみん
なに会いたい。それだけで私は、くじけそうな気持ちを立て直せそう
な気がする」
 最後に「会いたい」と何度も書き綴ったわかなのFAX。大(三上
大和)は「テレビ局に抗議文を送った」と速達を送ってきた。貴明
(徳山秀典)からは「申し訳ないことをした」、阿部優夏(竹村愛美)
からは「今度は私がみんなの支えになりたい」とメールが届いていた。

 なな恵が立ち上がる。
 「推薦落ちてよかった。だってこんなテレビのニュースで受かった
り落ちたりする学校なんていやだよ。次は、私自身をちゃんと見てく
れる学校を選ぶ」
 和人も、前妻から学校のことで電話があったと話す。
 「俺のようにいろんなこと言われたヤツ多いだろうけど、傷つかな
いでくれ!俺たちが自分の足で立てばいいだけだ!」
 いつしか生徒たちは泣いていた。
 「黙って闘えばいいんだな。離れてても同じ気持ちで闘えばいいん
だな!」
 あかねが泣きながらみんなに言う。吉森はクラスを見渡して「大麻
はやったヤツだけの問題ではない」と話し始める。
 「俺も含めてだけど、大麻に気付かなかったヤツらの問題でもある
んじゃないか?注意し合えなかったり、他人のことに無関心だったり、
それが大麻を拡げてしまったのかもしれない。俺はこんなことで仲間
を失いたくねえ!だから、これからお前達と一緒に闘っていく!」

 ――1ヵ月後。大きなクーラーボックスと紙袋を手に教室に向かう
吉森。生徒はもちろん教師も手形を押した『生活改善運動』の幕をし
げしげと見ている早乙女が、腕の大きな傷を吉森に見せながら言う。
 「昔、教え子で、暴力団に足を突っ込んだヤツがいてね、乗り込ん
で助け出そうとしたら、その時切り付けられたんだ…。教師というも
のは、果てしない戦場を闘い続けていく宿命があるんだ。――いよい
よ今日は生徒たちが帰ってくる。やり直しが始まる、特別な朝だ」

 吉森は、教師としての初日と同じように、各机を周り、生徒一人一
人の顔を確認しながら出席をとり始めた。
 睡眠障害で昼間はずっと寝ていた順一も、今日はちゃんと起きてい
た。「嶋田哲希」はやはり来ていない。徹が代わりに返事を返した。
父親になるため退学していった「千葉健太郎」を呼んだ時には和人が
代わりに返事をした。
 今日久々に学校に戻ってきたのは、わかな、貴明、大、優夏の4人。
吉森が4人それぞれに声をかけると、大は「俺は吉森みてえな先生に
なってやるヨ」と頼もしい言葉を返してくれる。
 まさにHRを始めようとしたその時、がらっと教室の戸が開いた。
振り返る生徒たち。見慣れた、あのヒョウ柄の上着の哲希が立ってい
た。
 「みんなとは一緒に卒業できねえけど、もういちどやり直してえ!」
 「よく帰ってきた!」
 ただいま、と言って哲希が席に着く。トレードマークの黄色いメガ
ホンと竹刀が、どこからかぽんっと哲希に渡される。吉森がもう一度
哲希の名を呼ぶと、哲希は「逆ピース」で「はいっ」といつもの元気
で返す。

 今日のHRは特別授業。校庭の一角でバーベキューが始まった。最
近搾乳が板についてきたという健太郎(忍成修吾)とユキ(市川由衣)
も顔を出し、C組全員が揃った。嬌声をあげて焼肉と焼きそばにむら
がる若者たちを、吉森は嬉しそうに眺めている。
 「よおーし!お前ら、一人ずつ叫ぶぞおっ!!」
 吉森が「とにかく一度吠えてみろ」とみんなを促す。それぞれの夢
や思いのたけを、澄み切った空に向かって全員が大声で叫び終わると、
最後は吉森。
 「お前たち、これからどんなに苦しいことがあっても、自分を奮い
立たせる自身を持つんだ!前向いて歩いていけ!どんな遠くにもお前
たちなら行ける。どんな高みにもお前たちなら登っていける!お前た
ちは、俺の夢だ!!」
 大の字に寝転んだ吉森の上に、生徒たちが集まってくる。安藤が職
員室からその大騒ぎを微笑みながら見つめている。

 ――その頃、病院のICU。岩崎(原田芳雄)が意識不明のまま、
ベッドに横になっている。その指がかすかに動き、岩崎は遂に長い眠
りから目を覚ます――。

 ――北星学園余市高校で実際に大麻事件が起こって2年余りが経過
した。過ちを繰り返さない、という生徒たちの決意は、学校に残され
た手形と共に後輩たちに受け継がれている。
 今も北星余市では、様々な問題が連日のように起きている。その度
に教師と生徒は、もがき苦しみながら前へと進んでいる。
 この高校の闘いに終わりはない――


寸  評  「あれ?卒業式は?」と思ってしまいました。義家先生、これで
いいんでしょうか?やっぱり中途半端ですよね?無理やり「健太郎」
や「ユキ」を登場させた感じでした。それとも3月あたり「ヤンぼこ
卒業式スペシャル」でもやるんでしょうか?
 なーんかすっきりしない最終回、やっぱり「闘いは続いていく」っ
つーことで、最終回とはいえ終わりはないんですね!
 キャストの皆さんは言い合うところが多くて、大変だったと思いま
す。特にあかね役の加藤夏希さんなんか、声がガラガラではっきりし
んどそうなのが見てとれて、かわいそうでした。
 最後のシーンで、生徒が吉森に群がってくるところは、何だか金八
先生のようでしたね。そう言えば金八先生も続編が気になるところで
す。

執 筆 者 三森(anponhana@mail.goo.ne.jp)

----------------------------------------------------------------------
2. 編集後記
----------------------------------------------------------------------
 もうすぐクリスマスですね。皆さんのお宅には、サンタさん来てくれます
か?10歳の子どもに「きっともう、サンタさんは来ないよ」と言ったら、
「どうして?20歳までは子どもなのに」と言われました。20歳までは子ど
もなのかぁ???本当にいつからが大人なんでしょう(肉体的だけではなく精
神の面でも)?
 最後に、お読み頂きましてありがとうございました。つたない文章で、しか
も長くて反省ばかりですが、最終話まで無事書き終えることができ、よかった
と思っています。またお会いしましょう。(三森)

======================================================================
発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。
(http://www.mailux.com/)
======================================================================

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。