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タイトル:Daily Drama Express 2003/12/11 白い巨塔 (10)  2004/01/15


===================================================== 発行部数   10 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2003/12/11 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル 白い巨塔
局  名 フジテレビ系
放映日時 木曜22時
キャスト 財前五郎(唐沢寿明)
 里見脩二(江口洋介)
 花森ケイ子(黒木瞳)
 東佐枝子(矢田亜希子)
 里見三知代(水野真紀)
 柳原弘 (伊藤英明)
 東貞蔵 (石坂浩二)
 財前又一(西田敏行)
脚  本 井上由美子

あらすじ  「立ち給え。そこを退き給え」と東貞蔵(石坂浩二)教授。
 立ち上がった財前五郎(唐沢寿明)は、「これは失礼しました。い
よいよ決戦投票ですね。どのような結果になっても、この8年、東教
授にご指導頂いたことは、決して忘れません」と頭を下げて出ていく。

 鵜飼教授(伊武雅刀)は、医局員が菊川昇(沢村一樹)に辞退を迫
ったことを財前に問い、義父・財前又一(西田敏行)は、財前共々土
下座する。
 鵜飼はこのことが大河内教授(品川徹)の耳に入ったら、基礎の票
は見込めない。そうなると野坂派も負ける側には付かないだろう、と
席を立つ。
 財前は、鵜飼が応援すると言ったから又一も何千万も使ったのだか
ら、と責め、「脅すのか?」と怒鳴る鵜飼に、「そんなことはありま
せん。でも、わたしはこれに負けたら、後がありません。崖から落ち
る時、誰かの腕をつかんでしまうかも知れません」と言い、鵜飼は席
に戻る。
 教授選まで、あと12時間。

 佐々木庸平(田山涼成)は夜中、里見脩二(江口洋介)を研究室に
訪ね、自分が死ぬようなことがないか聞く。里見は財前は腕がいいと
いう。佐々木は財前は怖くて、里見が執刀してくれたら、と言うが、
里見が大丈夫だと言い、佐々木は病室へ帰っていく。

 病院の廊下で里見は財前とすれ違い、「いい結果を期待している」
と声をかける。

 財前は手術着を着て、無影灯を点けると、手術台の上に、横たわる。


 いよいよ、決選投票。そして、開票。みんな落ち着かない.....

 財前が、鵜飼の部屋へ入る。鵜飼は、決選投票の結果を伝える。財
前16票、菊川14票で、財前は教授に選出される。
 「あなたはこれを受理しますか?」と鵜飼。
 「謹んでお受けします」と財前。
 「良かったね、財前君。このことは一生忘れないようにな」と鵜飼。
 「肝に銘じます」と財前。
 「これで君も年明けから、第一外科の教授だ。教授は助教授の延長
ではない。そんなことで足を掬われるか....これで君もボクの派閥に
なったんだ」と鵜飼。
 「若輩者ですが、よろしくお願いします」と財前。

 東が意を決して菊川に落選を伝える。菊川はこれを予感していたと
いう。自分は、東と船尾教授(中原丈雄)の道具であり、逆に財前は
まわりのすべてを道具としていたことから、予測できた、と。でも、
これで石川大に残ることはできないので、またオーストラリアへ行く。
向こうには医局という不可解な存在はないので、研究に没頭できると
言い、最後に、「佐枝子さんによろしくお伝え下さい」と付け加える。


 夜財前は、助教授室に入り、1人しのび笑う。

 料亭で鵜飼を囲んで財前教授の就任祝い。又一は鵜飼に配って下さ
い、と風呂敷包みを渡す。野坂票が加われば19のはずだったが、野
坂耕一郎教授(山上賢治)も狡猾だ、と言う。


 帰宅した里見は、財前が教授に選ばれたことを妻・里見三知代(水
野真紀)に言い、教授になると、得られる者は少なく、失うものが多
い、と言う。そして、自分に教授になって欲しいか聞く。
 三知代は、本音を言えば教授になって欲しい。里見が教授になりた
いと言えば、応援できる、と言う。俗人なので、時々楽したくなる、
と。研究に没頭できればいい、と言っていた里見が考える.....


 東が再就職の話を断ったと聞いて、烈火のように怒る妻・東政子
(高畑淳子)。
 「お父様も少しゆっくりしたら」となだめようとする娘・東佐枝子
(矢田亜希子)にも、菊川との縁談を無くした、と怒る。
 「当分、どなたとも結婚する気はありません。学校を卒業したら就
職します」と佐枝子。
 東が退官してしまったら、紹介してくれる人もいない!と更に政子
が怒ると、佐枝子は自分で探すと言い、「佐枝子に探せるかな」と気
弱に心配する東。
 「できるわ。今までお父様はご立派にお勤めを果たしていらっしゃ
いましたわ。今度はわたしの番です」と佐枝子はキッパリという。そ
して、「たとえ医師を辞めても、わたしたちのお父様よ。だから無理
せず、いつまでもお元気でいて欲しいの」と続ける。東は、「そうか、
ありがとう」と涙ぐみながら言う。
 政子は佐枝子の肩に手を置き、泣く。


 医局員一同、酔っぱらいながら財前におめでとうを言う。
 「君たちのおかげだ。これからもよろしく」と財前。

 医局員たちが行ってしまい、花森ケイ子(黒木瞳)と2人残ると、
ホーッと深いため息を1つつき、「財前教授、最高の星空ですか?う
ちでお祝いする?」とケイ子。
 「ああ」と言ってよろける財前をケイ子は支え、教授となったら、
重くなったみたい、と言う。

 そこにタクシーが来て、妻・財前杏子(若村麻由美)がおりる。
 杏子は財前だけをタクシーに乗せると、「これから教授夫人と教授
の愛人とでお祝いするの」と言って帰す。

 喜んでいる杏子に、ケイ子は少し怖いという。教授は生半可なこと
ではやれないから、と。
 「あなたが心配することはないわ。教授夫人はわたしなんだから」
と杏子。
 「夫人が偉いと思っているの?」とケイ子。
 「だって愛人は何人でも持てるけど、夫人は1人だけ」と杏子。
 「でも、愛人を自慢する男はいても、夫人を自慢する男はいないわ」
とケイ子。
 「そういうの、負け惜しみって言うの.....注いで、ホステスでし
ょ!」と杏子。
 「注いで欲しかったら、今度お店にいらして」とケイ子。
 2人は互いを見、そして杏子は自分で注ぐ。
 「今度あなたとお会いするのはいつかしら?財前が学部長になった
時?」と杏子。
 「できれば、お葬式までお会いしたくないわね」とケイ子。


 財前が、医局の新体制を発表。金井講師(奥田達士)を助教授にす
る。教授を助ける立場として頑張って欲しい、と。
 佃友博(片岡孝太郎)を講師に、安西を医局長に。
 柳原弘(伊藤英明)には、佐々木の主治医として、これから責任を
持ってやってほしい、と。
 財前が発表を始めたのは、年明け早々、ポーランドの国際学会で特
別講演とオペがあるからだった。

 里見から財前に電話。
 財前は部屋に訪ねてきた里見に、佐々木のオペは26日、年内最終
の診療日、と言う。年明けはポーランドへ行ってしまうし、患者にと
ってもオペは早いほうがいいから、と。


 東の退官は26日。
 東は乱暴に私物を片づける。

 財前の部屋には、沢山の製薬会社などの営業マンが挨拶に訪れ、手
みやげを置いていく。
 そこに柳原が、佐々木が手術の同意書にサインをくれない、とやっ
てくる。

 佐々木は知り合いの医者に、切らずに抗ガン剤で抑える方法もある
と聞いたけどと言うと、財前は佐々木に専門用語でまくしたて、「わ
からない」と言う佐々木に、「わかりやすく言えば、『助かりたけれ
ば、オペを受ける』ということです」と切り口上で言う。
 柳原は簡単なオペだと説明しようとして、レントゲンの肺の隅に影
を見付け、説明が止まる。

 講義室。
 財前は柳原の懸念に対して、その影は患者がヘビースモーカーだか
らできたもの。内視鏡検査などしていては、患者の体力が落ちて、年
内のオペができない。自分がワルシャワから戻るまで待たせるつもり
か?と一蹴。
 そこに看護師の亀山君子(西田尚美)が、同意書がとれた、と報告
に来るが、「カンファレンス中に入るな!」と財前は一喝。
 そして、次の症例に移る。


 東、最後の日。
 政子は、「財前さんの慢心をお諫め下さいな」と言うが、東は「手
を差し伸べるつもりだよ。一度師弟関係を結んだ者同士がいがみ合っ
たまま別れるのは、よくない」と言う。そして、ハイヤーに乗り込み、
出勤していく。
 「お母様、財前さんがどんなやり方で教授選を勝ち抜いたとしても、
お父様のこれまでのお仕事がなくなるわけではないわ。それだけは忘
れずにいましょう」と佐枝子。

 財前の部屋の荷造りは済み、最後に、『助教授財前』の札を捨てる。

 東の部屋も片づいており、教授の名札の付いた白衣を羽織る。

 いよいよ、佐々木の手術。
 佐々木は、見送りに来た里見に、「万一の時は、家族を頼みますよ」
と言い、六甲おろしを口ずさみながら運ばれていく。
 佐々木の妻・佐々木よし江(かたせ梨乃)が里見に何か言おうとす
る。

 オペ直前の財前に里見が肺への転移があったら、オペが無駄になる
と言いに来る。
 その里見に、これは炎症性のもので、君にもガンの転移には見えな
いだろう、と言う。
 せめて検査でも、と言う里見に、そんなことをしていては、年内に
オペできない。佐々木は第一外科の患者だから、里見の行為は越権行
為だと激しい口調で言う。
 「何かオペが延びてはいけないことでもあるのか?」と里見。
 「いや、患者のためだ」と財前。

 東の最後の回診に従う者は、看護師を含めてもわずか4人。
 東は財前がオペで来ていないと知ると、寂しそうな顔をする。

 オペ開始。
 財前は「オペ室では教授も助教授もない。最も優れた腕を持つ者が、
最もすぐれた医師だ」と言って、開始する。
 里見はわずかの人数の、東の総回診の行列を見送る。

 財前のオペの見学者は多数。

 東は総回診を終え、十人ぐらいの医師・看護士・職員から花束を渡
される。
 鵜飼がそこに挨拶に来て、浪速大の功労者という。「その功労者の
最後がコレですよ。財前君はオペだそうですね。さすが仕事熱心とい
うか.....」と鵜飼。
 「わたしは、こんなやり方で教授になった彼には、将来はないと思
いますよ。でも、まあこれからも彼を見守っていきましょう。それが
彼を育てた者の義務ですから」と東は言うと、1人花束を持って去っ
ていく。

 財前は里見に、オペは完璧だった。リンパ節への転移もない、と自
信たっぷりに言う。里見は今からでも検査すべきでは?となおも言う。
財前はそんな必要はないと反発。
 「これからのことを言ってるんだ。医者は慎重であるべきなのだ」
と里見。
 「医者は大胆であるべきなんだ」と財前が言い、2人は対立する。
 「1つ聞きたいことがある。佐々木庸平のオペを今日にしたのは、
東教授の退官日だからか?」と里見。
 「そうだよ」と財前。
 「いくらなんでも、思い上がりが過ぎるのでは?」と里見。
 「里見君、ボクに意見するのは、これきりにしてくれないかな。年
が明ければ、教授だ。一助教授の意見に耳を傾けてはいられない。そ
ういえば、君からはおめでとうを言って貰ってなかったな」と財前。
 「悪いけど、喜べないね。君が教授になったことを喜べる日が来る
とは思えない」と里見。


 医局員たちが大勢大急ぎで階段を駆け上がっていく。
 エレベーターから財前が悠然と降り立つ。胸には『教授』の名札。
 財前教授の総回診が大勢の行列を従え、始まる。


寸  評  第一部最後で、財前の教授選出が決まりました。
 財前はますます天狗になりましたが、東は、さすが最後、財前を赦
そうとしました。財前の反抗により、失敗しましたが。東が財前を赦
せたのは、佐枝子の気持ちがあったからでしょうか。

 第二部は、ワルシャワから、とのことです。昨年暮れからの『ワル
シャワの秋』、そしてNHKアーカイブズと見ていると、なんだか、
ワルシャワが身近に感じてしまいます。

執 筆 者 鈴木(sumire_@anet.ne.jp)

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2. 編集後記
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 2004年第一回の放送が過ぎてからの配信で申し訳ありません。
 2004年第一回目(通算11回目)の原稿は今作成中です。
 この10回目まででは、東が佐枝子にとっていいお父さんに戻ってくれると
嬉しいです。
 財前教授が誕生しましたが、わたしは、いくらオペが上手でも、断定的な説
明をし、インフォームド・コンセプトをないがしろにする財前先生には、重病
になっても、オペして欲しくないな、と感じてしまいます。
 でも、本当に死の淵に立った時、腕は確かだが、人間性に問題有りの先生を
選ぶか、人間性はいいのだが、腕が今ひとつの先生でも命をゆだねるか。
 もちろん、腕も良くて、人間性もばっちり、というオールマイティーの先生
がいれば、いうこと無いんですがねぇ。(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
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