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タイトル:Daily Drama Express 2004/01/08 白い巨塔 (11)  2004/01/15


===================================================== 発行部数   10 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2004/01/08 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル 白い巨塔
局  名 フジテレビ系
放映日時 木曜22時
キャスト 財前五郎(唐沢寿明)
 里見脩二(江口洋介)
 花森ケイ子(黒木瞳)
 東佐枝子(矢田亜希子)
 里見三知代(水野真紀)
 柳原弘 (伊藤英明)
 東貞蔵 (石坂浩二)
 財前又一(西田敏行)
脚  本 井上由美子

あらすじ  医局はあわただしい。
 ナースステーションも大忙し。

 医局員一同、7階のエレベーターホールに集合。
 到着したエレベーターから、悠然と財前が下り立ち、安西が緊張し
ながら、「財前第一外科講座、総回診開始です」と言う。財前五郎
(唐沢寿明)は少しニヤッとして、「わかった」と言う。

 財前の総回診。
 診察中に患者から、就任祝いを差し出されるが、丁重に断る。

 佐々木よし江(かたせ梨乃)は財前に手術の礼を言う。
 佐々木庸平(田山涼成)は財前に質問しようとするが、柳原弘(伊
藤英明)が止める。

 財前一行が部屋を出た頃、佐々木が喉を押さえる。

 財前は今週末からワルシャワ。安西に、スライドの選定が甘いので
やり直すよう指示。
 そして、英文については、金井助教授(奥田達士)は、文法的に正
しくても表現が不適切と指摘。金井が、「東教授の時は.....」と言
おうとするのを遮る。
 佃友博(片岡孝太郎)講師は自分がやると立候補。財前の発表は第
一外科の誇り、とよいしょ。
 留守中も佃に、と言う財前に対し、金井は、自分は助教授なのだか
ら、自分に預からせて欲しいと主張。
 財前は金井に任すが、留守中、もし万一のことがあれば、徹底的に
責任を追及する、と条件を付ける。

 竹内医局員(佐々木蔵之介)が里見脩二(江口洋介)を、合同カン
ファレンスだと呼びに来る。

 里見と竹内が病院の廊下を歩いていると、前方から財前の一行がや
ってきて、みんな廊下の中央をうやうやしく開ける。

 佐々木は、病床で鼻歌を歌いながら帳簿を付けているが、変な咳を
している。
 そこに里見がフラッと現れる。佐々木はよし江に、店に帰れ、と言
って追い出す。
 里見は佐々木の軽口を聞きながら、亀山君子(西田尚美)に、佐々
木の咳について聞く。

 財前又一(西田敏行)は、財前に見せられた教授への異動通知書を
愛おしそうに抱き、そして院長室に高く掲げる。
 退院の挨拶に来た母親にも、財前を自慢。
 財前に柳原から電話がかかってくる。佐々木の咳で、エックス線を
撮ると、左肺に陰影があり、熱は37.2度。
 だが財前はそれを指摘したのが里見と知ると、「内科に指示を仰い
でどうする。そんなのは、術後肺炎だ。抗生物質で叩いておけ。里見
先生には、御退陣願え」と指示。

 なおも、CTを撮って術前と比較することを勧める里見に、柳原は
お引き取り頂く。


 紅会。財前杏子(若村麻由美)が正式に加入。
 会長の鵜飼典江(野川由美子)は、紅会は夫たる教授を支えるため
のかいであると説明した後、東貞蔵(石坂浩二)について聞く。杏子
は、「自分からは申し上げにくいのですが」と前置きした上で、再就
職先が白紙になってしまったという。
 典江はそれは、引き際を誤ったからで、明日は我が身、気を引き締
めるよう、言う。

 東は庭の植木の手入れに余念がない。政子は、今からでもお願いす
れば、再就職先を紹介してもらえるだろう、とハッパをかけるが、東
は盆栽の本を読んでいる。

 佐枝子が帰宅し、面接を受けたが、まだ一つも内定が取れていない
と言う。政子は、そんなみっともないことはやめるよう言うが、佐枝
子はみっともないなんて思っていないと反論。

 政子は、東が財前に負けたのが悪い、と言うが、東は負けたと決ま
ったわけではない。教授というものは研究者であり、押しや器用さで
できるものではない。これから財前がどうなるか、だと言う。


 財前は、クラブ・アラジンで飲んでいる。
 着物姿の花森ケイ子(黒木瞳)が、教授の椅子の座り心地を聞く。
 「もっと有頂天になっているかと思ってたけど」とケイ子。
 「なるべくして、なったんだ」と財前。
 「まるで、1人でなったよう。この店にも来なくなって」とケイ子。
 「国際学会の準備で忙しくてナ」と財前。
 「助教授の時は、病院抜け出しても来てたのに」とケイ子。
 「遠いからナ。君のマンションは、いっそ都島あたりの高層マンシ
ョンの最上階に引っ越すか?頭金ぐらい、出すぞ」と財前。
 「自分の住む所くらい、自分で決めます」とケイ子。
 財前は、ケイ子をワルシャワに誘う。「奥様は?」と問うケイ子に、
初めて行く土地に女房連れでもつまらない、と財前。ケイ子は、店が
あるのでと断り、財前も二度は誘わない。向こうの医者は不器用だか
ら、自分のオペを見たら、驚く、と尊大な財前。
 「あなたはそうやって偉い気になって、足をすくわれるんだから。
お気を付けてください」とケイ子。


 佐々木が肺炎を起こす。柳原は心配するよし江に、オペ後には体力
が落ちて肺炎にかかることもあるが、集中治療室で点滴を打てば治る
という。
 財前が診てくれたのか、と聞かれた柳原は、財前は学会の準備で忙
しくて、直接は診られないが、連絡は取っていると答える。
 君子も、熱は下がってきたので、帰宅してもいいですよ、と言う。
そして、「何かありましたら、ご連絡しますから」と付け加えるが、
よし江は、「何かあっちゃ、困るわよ!」と食い下がる。が、息子・
佐々木庸一(中村俊太)に促され、病室を出る。

 待合室で良江は里見に診て欲しいと懇願するが、里見は、佐々木は
外科でオペしたのだから、外科を信じて、と答える。


 財前の壮行会が、鵜飼教授(伊武雅刀)の音頭ではじまる。又一は
鵜飼におべっかを使い、財前のことを頼む。

 佐々木の容態が悪化する。
 必死に処置をする柳原によし江がまとわりついて、どうしても財前
に診て欲しいと懇願。
 財前の時間がないことを知った柳原は、思いあまって、佃に相談。
横からレントゲン写真を見た安西は、典型的な肺炎だと言う。
 それなら、なぜ抗生物質が効かないのかと焦る柳原に佃は、効くま
では3,4日かかるものだから、焦るナ、初めて患者を任された時は、
誰でもそうなるがな、と言う。

 里見とすれ違った柳原は、逃げるように病院の玄関へ走り、レント
ゲン写真を持ったまま、タクシーに乗る。

 鵜飼は財前に、財前が海外で成功することは、自分の学長選にも有
利だという。そして、財前の次のステップもちゃんと考えているとさ
さやく。

 その時、柳原が財前を呼び出し、佐々木の処置を問う。
 財前は、それは柳原の処置が悪いのであり、薬剤の種類と量を増や
して投与すればいいと答える。
 なおもレントゲン写真を広げようとする柳原に、「わたしの診断に
不満でも?まだこの件を言うなら、担当者を変え、君の進退も考えな
きゃならんな」と財前。
 柳原はまだ財前を追うが、財前は声をかけてきた他の人と話し始め
る。

 柳原は病院に戻る。だが、すぐには病室に入れない。
 そこに里見が通りかかり、柳原は病室に飛び込むと、安西に財前が
肺炎だと言っていたと伝える。安西の顔にも安堵の表情が広がる。

 里見が佐々木の病室に入ってくるが、柳原は財前に診て欲しいと食
い下がるよし江に、自分の指示に従えないなら、今すぐ、ここから出
て行ってくれと言い放ち、「そんなこと、できるわけないじゃないで
すか」と言うよし江を無視して、更に点滴を追加する。

 医局で悩んでいる柳原に、里見はなぜ財前を引っ張ってこられなか
った、と責める。
 柳原は、財前は自分が言った時は壮行会の最中で、今は明朝早いの
で、早く寝ている、と言う。
 里見は何がどうであれ、自分がオペした患者を診ることが最優先の
はずだと、いらだたしそうに言う。
 悩んでいる柳原に里見は、柳原が財前の見立てに疑問を感じている
から悩むのではないか?手術前の白い影と無関係ではないのでは?と
指摘するが、柳原は強硬に、「術後肺炎!」と言い切る。
 「これだけは言っておくよ。患者を知ろうとしない財前もおかしい
が、知っていて何もしない君もおかしいよ」と里見は言うと、出て行
く。
 柳原は1人、荒れる。


 自宅に着き、起こされた財前は、お金を払おうとして、運転手に
「明日の朝、6時にお伺いします」と言われて、(ハイヤーだと気付
き)財布を慌ててしまう。
 車から降りた財前を里見が呼び止め、佐々木を診てくれと言う。担
当医の話を聞くだけで、執刀医自身が診ないのではおかしい、と言う。
 言い争う声を聞いて、杏子が出てきて、「上がって」と言うが、財
前はその必要はない、と答え、自分は佐々木の体を切って中に入った。
だから、里見の言うようなリンパ節転移などないことがわかる。7階
は第一外科の病棟だから、その患者に対する里見の診察は、第一外科
の教授として拒否すると言い、家へ入る。

 亀山は柳原に、さっきので、一歩憧れの財前に近づいたという。
「何かを捨てなければ、立派な外科医になれないのよ」と。


 早朝、医局の主要メンバーに見送られて、財前はワルシャワに旅立
つ。


 ワルシャワの空港に降り立った財前に、女性が声をかける。浪速大
に出入りの製薬会社の駐在員で、帰国まで、財前の面倒を見るという。

 財前は、お疲れならホテルへ、というのを断り、直接ワルシャワ医
科大へ行く。公開オペの患者の容態を診たいのと、国際外科学会のエ
マーソン教授にお目にかかりたいから、と言う。

 エマーソン教授ならびにオペスタッフと挨拶を済ませると、財前は
チームワークが大切だからと、フランクに各人の愛称を聞く。


 柳原が追加の点滴を用意しようとすると、よし江が、「本当にその
薬で治るんですか?」と聞く。
 「はい、容態も落ち着いてますし」と柳原。
 「弱っているだけじゃないですか?こんなこと言いたくありません
が、財前先生の手術は、失敗難じゃないですか?」とよし江。
 「そんなことありません。わたしも参加しましたが成功です」と柳
原。
 よし江は、財前が再来週帰国すると聞くと、帰国したらすぐ、診察
してくれることを、柳原に約束させる。

 竹内は里見に、佐々木は呼吸不全で、今はマスクでなんとか保って
いると伝える。そして里見が、もう深入りしない方が。深入りすると
里見が傷付くのでは?と言う。
 「いくら同期でも、財前先生は教授で、里見先生は助教授です。万
一都合が悪いことが起きたら、里見先生のせいにされるのでは」と竹
内。
 里見は、「帰りなさい」と言う。
 重ねて「帰りなさい」と言われ、竹内は部屋を出る。


 財前はワルシャワの空に向かって、オペの予行演習。

 財前がオペ室に入り、食道再建手術開始。その様子は、オーディト
リアムのモニターに映し出される。


 佐々木の様子を廊下からそっと里見が見る。よし江は佐々木の傍ら
で、眠ってしまっていた。


 財前の摘出が完了しようとしていた時、助手がおずおずと術前の診
断にミスがあり、癌はもっと食道の上方にまで及んでいると報告。
 財前は術式を変え、対応。
 4時間25分で手術終了。
 みんなの賞賛の拍手の嵐。


 里見は財前にメールを送ったが、返信は無し。
 柳原は迷いながらも同じクスリを佐々木に点滴し続けている。


 財前の講演も済み、財前の人気は高い。エマーソン教授からも認め
られる。

 里見は財前に国際電話をかけるが、そのころ財前はパーティーに出
ていた。製薬会社の駐在員は財前に、エマーソン教授があれほば手放
しで褒めることは、今まで無かったと言い、財前は運がよかっただけ、
と答える。駐在員は、ヨーロッパの言葉に、運は準備が整っていてこ
そ、というのがあると言う。

 ホテルに戻ると、駐在員は、「奥様がお待ちです」と言う。
 いそいで部屋へ行き、財前が部屋の鍵を開けると、チェーンがかか
っている。慌てる財前の前に顔を出したのはケイ子。

 ケイ子は財前の講演を聴いたと言い、でも、食道温存療法が抜けて
いた。これは日本が開発した誇るべきものだと指摘。
 「医大を中退してなきゃ、君が教授になってたかもな」と財前。
 「あなたほど、押しが強くないわ」とケイ子。

 財前は里見からの、佐々木についてのメールを読むが、削除して、
無視する。


 財前からの返信が無く、里見はいらだつ。


 佐枝子は就職活動で、場末の関口法律事務所を訪ねる。中へはいる
と異臭がし、資料の山が崩れる。
 関口守(上川隆也)弁護士は、佐枝子に、事務員の募集はしたが、
もうこの事務所をたたむことにした。大手法律事務所から独立した時
はよかったが、大きな裁判に連続して負けて、と言う。
 「お気の毒でございます」と佐枝子。関口は、お気の毒ついでに片
づけを手伝ってと頼み、「このままでは採用されないでしょ。いかに
もお嬢様って感じで。ここ片づけるのに1ヶ月くらいかかりそうだけ
ど、アルバイトする?少し世間の垢を付けておかないと」と言うが、
佐枝子は、長く勤められるところを捜しているので、と断る。

 佐枝子は片づけていて、関口が医療過誤事件ばかり扱っていたこと
を知る。関口は、医者は自分たちのミスを隠蔽することに熱心で、患
者を人間と思っていないと、憤慨する。
 佐枝子は、「そうでしょうか?そうでないお医者様もいると思いま
す」と反論。

 里見は第一外科の医局へ行き、佐々木のCTを取ることを強く勧め
るが、みんな頑なに拒む。
 「教授の診断に異議を唱えてはいけない、なんて古い考えは捨てな
さい。君たちがCTを撮って見立てればいいじゃないか。それよりも、
佐々木庸平が悪化したら、」財前先生の責任になるぞと財前。

 その時亀山が柳原に、佐々木の急変を伝え、柳原はオロオロし、安
西と佃が処置する。
 自分も診ようとする里見を二人かがりで外へ追い出す。


 財前はケイ子と手をつないでワルシャワの街をデート。
 「オレはこれで終わらないぞ。欲しいものは手に入れると、たちま
ち色あせる」と財前。
 「次は何になりたいの?」とケイ子。
 「それを考えるには、最高の場所だな」と財前。
 ケイ子は財前に、「日本に帰ったら、もうウチには来ないで。別れ
ましょ。それを言いに来たのかも知れない」とケイ子。
 財前はケイ子を追い、惚れるのに理由はいらないが、別れるには理
由がいる、と言う。
 「わたしは五郎ちゃんが教授になれるのを見たかっただけかも。最
高の時に、最高の場所で別れる」とケイ子。
 「妻になりたいってことか」と財前。
 「冗談言わないで!みんなに喝采を浴び、最高の五郎ちゃんを見た。
上り詰めたら、落ちるだけ」とケイ子。
 「上り続ければいい。それともゲームは終わったってことか?」と
財前。
 「そうね」とケイ子。
 「わかった。別れよう。もう、店にも行かないよ」と財前。
 ケイ子は頷き、財前の加えたタバコに火を付けると、去っていく。

 駐在員は財前に、あしたは夜のエマーソン教授との会食まで、時間
があるという。財前は、最高の所に案内してくれと頼む。

 翌日駐在員は、財前をアウシュビッツに連れてくる。コハルチクと
いう名の老人が、館内を案内してくれる。彼はここで両親を殺された
.....

 途中、コハルチクは、「あなたは今、殺す者、殺される者、どちら
の気持ちになりましたか?」と聞き、財前は、「わたしは医者です。
殺す者の気持ちなど、わかりません」と答える。
 「でも、ここでは医師が人体実験をしていました。人を救うはずの
医師が」とコハルチク。
 「これは、負の遺産、ということか」と財前はつぶやく。

 コハルチクと別れると、最後に駐在員は、財前に線路を見せる。労
働に耐える者は右へ、耐えない者は左でガス室へと送られた、と駐在
員に説明され、「運命の分かれ道か」と財前。「でも、いずれかが天
国ではない」と駐在員。「両方とも地獄か」と財前。


 佐々木の病室には、金井も来る。
 よし江は、あしたには目を覚ますのか?と問うが、佐々木は心停止。
 金井はよし江を引きはがし、蘇生術を始める。何もできない柳原は、
もはや邪魔者。
 よし江は泣き叫び、庸一がよし江をしっかりと抱きしめる。


 財前は、貨車で連れてこられたユダヤ人が降ろされたプラットフォ
ームを歩く。


 待合室に座っていた里見は、佐々木の店の従業員達が駆けてくるの
に気付き、佐々木の病室を覗く。
 よし江は、「もうやめてください.....」と弱々しく言い、安西と
金井はよし江の言葉を確認すると、頭を軽く下げて、死亡宣告する。
 柳原は、そんな金井を突き飛ばして、佐々木に心臓マッサージをし
ようとし、金井と安西が、必死に柳原を制止。
 廊下で里見は、顔をくしゃくしゃにする。

 すべて終わり、外科医達が引き上げた後の佐々木に、里見が頭を下
げる。よし江は、放心状態。


 財前が部屋に着くと、メールが届く。里見が佐々木の死亡を伝えた
ものだ。


 鵜飼が全身に怒りを浮かべて、病院の廊下を歩く。
 そして、佐々木について金井の説明を聞く。
 金井は、ガン性肺炎だったかもしれないと言いだし、鵜飼は、「な
ぜ、どんな状況で手術したんだ!!」と怒鳴るが、「起こってしまっ
たことは仕方がない。あくまで肺炎で通すんだ」と言い、泣きじゃく
る柳原にも返答を迫り、無理矢理うなずかせる。
 鵜飼は、合併症ということだと解剖するのが普通だが、それを上手
く断らせるのだ、と指示。

 鵜飼が金井と安西を連れ、よし江に、学問のために佐々木を解剖さ
せて欲しいと頼む。「お断りされる方もいらっしゃいますが、そこを」
と鵜飼が言うと、よし江は断り、鵜飼は気分を害されたら仕方ない、
と引き下がる。
 それに対して里見が、解剖は医学のためだけではなく、亡くなった
原因を家族に明らかにし、最後の声を聞くことです、と言いだし、鵜
飼は焦るが、よし江は、やはり断る。
 よし江は、一刻も早く、この病院から夫を連れ出したい、と言う。

 霊柩車の運転手は、よし江に自宅に向かうことを確認した後、医学
部長までもが、見送りに来るというのは、医療ミスがあったのでは?
遺体を焼いてしまってからでは遅い、と言う。

 よし江は霊柩車を止めさせ、佐々木は大河内教授(品川徹)によっ
て、解剖される。解剖は、3時間ほどで終わる予定。


 財前が帰国。
 報道陣に囲まれ、又一も上機嫌。
 財前は、疲れている、とその輪を抜け出すが、その前に里見がいて、
里見と一緒にいた庸一が、財前の前に立ちはだかり、「佐々木です」
と言う。
 「どちらの佐々木さん?」と財前。
 「あなたが手術した、佐々木庸平の息子です。父は死にました。あ
なたに殺されたのです」と庸一。

 その男は誰かと問う又一に、財前は患者の1人が亡くなったが、病
院ではよくあること、と言い、庸一は財前に向かおうとし、里見は必
死に押さえる.....


寸  評  2時間スペシャル&海外ロケで、第二部が開幕しました。
 東にも、「前教授」と「前」という字が付きましたし、財前は遂に
ワルシャワの国際外科学会で、会長にまで絶賛されることになりまし
た。

 また、第二部の山、医療ミスを巡る裁判の弁護士も登場しました。

 ケイ子は、教授になったところで財前が終わり、と見ていますが、
このまま、医療ミスが問われると、本当に終わりかもしれませんね。
でも、現行法の下では、医師免許を剥奪はされませんから、医者とし
て、仕事を続けていくことはできますし、名誉にこだわらなければ、
「腕のいい外科医」として、私立の総合病院で評判をとれるでしょう。
 医療ミスがなければ、教授の先に、鵜飼のように、学部長になると
か、さらに学長もあります。財前がやる気満々だったのは、別に不思
議ではないのですがね。

 アウシュビッツを見学したことが、財前の転機のように書いてあり
ましたが、されほどの大事件?という感じです。見る前は、もっと衝
撃的なことが財前に起こるのかと思いましたが、これだけで、改心す
るとは思えません。
 実は、アウシュビッツより、ケイ子に振られたことの方が、痛手?

執 筆 者 鈴木(sumire_@anet.ne.jp)

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2. 編集後記
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 さて、第二部では、医療ミスが争点です。
 でも、あんなわかり易い問題、起こすのでしょうか?まあ、この間も、難し
い手術を初めて、という外科医だけでやって、問題を起こした病院がありまし
たが。
 医療ミスというと、印象深いのは、「太陽は沈まない」ですね。また、「ダ
イヤモンドガール」でも、似たようなシチュエーションがありました。
 これらを先に見て、それから「白い巨塔」を見ると、よくあるパターンだな、
と感じますが、本当は、「白い巨塔」がこれらの問題に三十数年前に食い込ん
で、他のドラマがそれをなぞっている、というべきなのでしょうか?
 佐々木よし江と庸一、どこまで食い込んでいくのでしょうか?(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
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ID  :MM3E195F16414CD 
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