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タイトル:Daily Drama Express 2003/12/04 白い巨塔 (9)  2004/01/12


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2003/12/04 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル 白い巨塔
局  名 フジテレビ系
放映日時 木曜22時
キャスト 財前五郎(唐沢寿明)
 里見脩二(江口洋介)
 花森ケイ子(黒木瞳)
 東佐枝子(矢田亜希子)
 里見三知代(水野真紀)
 柳原弘 (伊藤英明)
 東貞蔵 (石坂浩二)
 財前又一(西田敏行)
脚  本 井上由美子

あらすじ  会議室を出た東貞蔵(石坂浩二)教授はニヤつき、残った鵜飼教
授(伊武雅刀)教授は唇をかみしめる。
 大河内(品川徹)教授は、東の行動を立派だと言い、鵜飼は一時の
感情や同情に捕らわれずに投票して欲しい、と言って、投票が始まる。

 屋上にいる財前五郎(唐沢寿明)を里見脩二(江口洋介)が訪ねる。
 「審判を待つのは、難しくてな」と財前。
 「診て貰いたい患者がいる。食道ガンだ」と里見。
 自分が教授になっても患者には関係ないって言うんだろ、と茶化す
財前に、「オレにもだ」と里見。

 所見を見た財前は、オペできるだろうという。
 里見は佐々木よし江(かたせ梨乃)だけを部屋に呼び、「外科の財
前先生です」と紹介。
 「やっぱりガンですか?」と問うよし江に、「その心配も」と財前。
よし江は手に持った上着を床に落とす。

 そこに佃友博(片岡孝太郎)が来て、東が棄権したと言い、財前は
血相を変えて飛び出していく。
 「やっぱり東先生は財前先生を切り捨てられなかったんですね」と
楽観する佃に、これは東の周到な作戦だと、財前は語気を荒げる。

 投票。
 財前12票。菊川昇(沢村一樹)11票。葛西7票。
 過半数の16票に誰も達していなかったため、一週間後に財前と菊
川で決選投票となる。
 大河内は馬鹿げた選挙運動などしないよう、各自襟を正して迎えら
れたいと、釘を刺す。

 医局では柳原弘(伊藤英明)が祝い酒の片づけを命じられる。みん
な、財前を気遣う。
 財前は、教授選で騒いでいては、医局の仕事にならない。各自医局
の一員として、何ができるか、よく考えるよう言って、出がけに、
「君たちの気持ちは嬉しいよ」と労をねぎらう。

 なぜ棄権したのかと問う今津(山田明郷)教授に東は計算の上で財
前への同情票を封じたという。
 2人は葛西に流れてしまった野坂耕一郎教授(山上賢治)派の7票
をどう取り込むかと相談。東はもう一芝居打とうという。


 財前又一(西田敏行)は鵜飼にくってかかる。18票は固いと言っ
ていたのが12票では、鵜飼の政治力も金の力も大したこと無い、と。
そして、これでは決選投票もダメだと、頭をかいて座を立つ。
 財前は、ここであきらめては、今までの金もすべて無駄。名誉も手
に入らない、と言う。
 地区医師会長・岩田重吉(曾我廼家文童)の取りなしに又一は席へ
戻ると、頭を下げて、鵜飼に頼む。
 今度は負けるわけにはいかないと財前。
 「財前君も、一皮も蓋皮もむけたようだな」と鵜飼。

 医局では佃が柳原に、金沢に行って、菊川に辞退を迫って来いと命
じる。
 安西はそこまでしなくても、と言うが、佃は、財前が負けたら医局
全員地方行きだと言い、安西も焦り、佃と一緒に、菊川をどうにかし
ようとする。
 そこに里見が佐々木庸平(田山涼成)のオペの書類を財前に持って
くるが、佃も安西もそれどころではない。柳原が書類を預かる。
 里見は柳原に声をかけ、1年や2年で財前のようにオペができるよ
うになるわけではないから、焦らないよう、言う。


 クラブ・アラジンで酒を飲み続ける財前。花森ケイ子(黒木瞳)に、
追い込まれるほど闘志というのは湧いてくるものだな、と言う。
 ケイ子は、酔えないなら、お酒がもったいないと言い、戦いは汚い
ものなのね、どれだけ相手を憎めるかってことなのね.....と言う。

 財前とケイ子がふざけていると、佃と安西が堅い顔で現れる。
 2人はこれから金沢に行き、菊川に直談判するという。
 だが財前はそこまですることはないと止める。それでも2人は医局
員として、できる限りのことをしたいと言い、財前は、「君たちがそ
こまで言うなら、ボクに止めることはできない。その代わり、これは
聞かなかったことにしておく」と言う。


 東は菊川に電話して、きっと吉報を待っていてくれ、今日のことは
計算の上だと言う。

 今日は佃も安西も、風邪で休み、ということになっている。

 柳原が、佐々木が検査室に入ったと財前に報告すると、財前は柳原
に担当してみるように言う。

 検査をしていると佐々木は弁当屋がこんな何日も休めないと文句を
言う。
 「お体も大切なのでは?」となだめようとする里見に財前は、「こ
こは刑務所でも警察でもありません。無理に検査することはできませ
ん。どうするかは、ご自身でお決め下さい」と突き放した言い方をす
る。

 検査後のカンファレンスで里見は、佐々木夫妻に、佐々木は食道ガ
ンだとつげる。


 佃と安西は菊川を訪ね、決選投票を辞退して欲しいと迫る。
 教授選はすべて浪速大に任せてあるという菊川に佃は、東が菊川を
担ぎ出したのは財前に対する個人的感情で、当て馬にしただけだと。
菊川は自分で望んで浪速大の教授になりたいと望んだわけではないと
言い、佃と安西に帰るよう言う。
 佃と安西は仕方なく帰ろうとし、最後にもし菊川が選ばれて浪速大
の教授になっても、医局員一同、一切の協力をしない。それでは研究
者生命にかかわるだろうと釘を刺す。


 今津、東と同じハイヤーに、野坂が乗っている。
 野坂票を菊川に欲しいという今津に、野坂は葛西がいないなら白紙
投票だという。
 東は2人をとりなし、これでは事前運動になってしまう、とたしな
める。そして野坂に、整形外科医学会の会長になってみませんか?と
誘う。日本医師会の船尾教授の推挙だった。
 野坂は、目先の利益より、研究を大切にする人間です、と答える。

 東政子(高畑淳子)が慌てている。そして、ニコニコと帰宅した東
に、船尾が怒っていると、電話の受話器を渡す。菊川からの電話を受
けた船尾が東に、浪速大医局員の時期談判の文句を言っているのだ。


 野坂は、オペが長引いていて、と言って、又一と岩田の待つ料亭の
一室に入ってくる。
 岩田は、医師会で講演して欲しいと依頼し、テーマを聞かれた又一
は、札束の入ったふくさを取り出す。
 「えらく解釈の難しいテーマですな」と野坂。
 又一はあと6つ包みを取り出し、「お仲間とよく相談して下さい」
と言う。
 「そういう相談には応じられませんな」と野坂。
 「ホナ、何でこられたんですか?この時期、我々の呼び出しに応じ
るということはどういうことかわかりますでしょ」と岩田は脅す。
 「大人になりましょうや。うちのムコはあれで使いでありまっせ。
今ここで恩を売っておいたら、のちのち役に立ちまっせ」と又一が迫
る。


 船尾が東を自宅に訪ね、菊川が辞退すると言っているという。
 事実関係を調べるという東に船尾は、辞退させない。ここまできて
辞退されては、船尾自身の面目も丸つぶれだから、と。
 そしてさっそく票読みに入る。
 野坂の取り込みについて、東では心許ないので、外科学会の大阪支
部長の役職も加えようと言う。
 他の教授に対しても口約束しか取り付けていない東に対して船尾は、
それぞれに様々な役職を割り振る。
 そして、さっさとハイヤーで帰っていく。

 そのハイヤーが見えなくなっても、東はずっと頭を下げている。
 娘・東佐枝子(矢田亜希子)に呼ばれて我に返った東は、佐枝子に
オーバーを着せて貰うが、裾が鉢植えの枝に引っかかり、それをきっ
かけとして、狂ったように植木を次々と蹴り倒す。佐枝子が止めても
やめない。政子もあきれる。
 やがて東は地面に突っ伏し、嗚咽を漏らす。


 佐々木夫妻を財前は里見から引き取る。柳原が入院の説明をする。
 どのくらい切るのか聞かれ、「食道の手術では普通、喉、胸、お腹
の3カ所を切りますが、大したことはありません」と財前。
 佐々木は自分の喉を押さえて、「大したこと無いって.....」と不
満顔。

 財前は、東が呼んでいるという電話を受けると、後を柳原に任せて、
東の部屋へと向かう。
 東の部屋の前で財前は、東の部屋から出てきた佐枝子と会う。
 「お体の具合でも?」と財前。
 「大丈夫です」と硬い表情の佐枝子。そして、財前の笑みに、不快
感を表す。
 「わたしが笑うと、不快ですか?」と財前。
 「はい」と佐枝子。

 佐枝子は帰ろうとして、思い直して里見の部屋を訪ねるが、里見は
不在。
 だがあきらめた佐枝子の前に里見が現れ、2人は病院の中庭を歩く。
 佐枝子は里見に質問する。「医師になってよかったと思ってらっし
ゃいますか?」「はい」と里見。「三知代さんのお父様の主治医でい
らっしゃったそうですね」「はい。でも末期ガンで救うことはできま
せんでした」「三知代さんも里見先生が主治医で心強かったでしょう
ね」「さあ」「三知代さん、おっしゃってましたよ。里見先生もお父
さんも必死で頑張ってくれたって」
 「頑張ることが裏目に出ることもあります。わたしは一日でも長生
きして欲しいと思ったし、三知代の父もそう願い、必死で治療法を探
しました。でもそれが結果的に死期を早めてしまいました。患者さん
に出会うたびに迷います。頑張るべきか、頑張らないべきか。でもそ
れが医師の仕事かな、と」と里見。
 「先生は強いんですね。わたしも見習らわなくちゃ」と佐枝子。
「そんなことありません。あなたは芯の強い人です」と里見。「わた
しが!?」

 里見をよし江が呼び止め、佐枝子は、「わたしはこれで」と去る。

 よし江は、財前が大丈夫かと聞く。「偉い先生なのはわかりますが、
いつもお忙しそうで、わたしたちなんて診てくれるんでしょうか?」
と。
 「財前先生は、信頼できる先生です」と里見。


 東は財前に、佃と安西が菊川に辞退を迫ったことを問いただす。財
前は、自分は菊川の対立候補であり、医局を束ねる立場にあるので、
そのようなことはしないと答える。医局員の動きを財前が知らないの
は不自然だという東に対して、東が棄権して以来、医局が殺気立って
いると財前。自分は愛弟子の財前と葛西が相争うのを直視できなかっ
たという東に対して、医局はそうは取っていないので、東自身で説明
を、と財前は勧め、東は自分が医局に申し開きをしなければいけない
いわれはない、と怒る。
 頭を下げて謝る財前に東は、自分の手のひらの傷を見てから、「謝
ったり許したりするのは、人間関係がある間柄でのことだ。君との間
に、それはない」と言い、まず、財前に椅子を勧め、東は応接セット
のソファーに執務机を背に座る。
 だが、財前の前のソファーに財前は座っていない。
 東が振り返ると、財前は東の執務椅子に座り、タバコを灰皿に押し
つけているところ。
 「東教授の薦めに従っただけです」と不敵な笑いを浮かべながら財
前は答える。


寸  評  このドラマを見ていて、今ひとつよくわからないのは、そもそも
なぜ、これほどまでに東教授と財前助教授が対立してしまったのか?
ということです。
 財前がオペで脚光を浴びていることに対する東の嫉妬だけで、あん
なに対立するのでしょうか?
 確かに、女性の嫉妬もややこしいですが、男性の嫉妬も怖いらしい
ですが.....

執 筆 者 鈴木(sumire_@anet.ne.jp)

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2. 編集後記
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 年末、NHKの「映像の世紀」や「大奥−総集編」、「ワルシャワの秋」等
を見ました。
 今、イラク問題で揺れていますが、やはり、大義名分はどうであれ、戦争は
怖いです。
 それと、これらの番組で思わず涙が出てくるのは、いろいろありますが、少
し前まで、日本人はとても勤勉で、情に厚かったのだ、ということを思い知ら
される時です。(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
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