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タイトル:Daily Drama Express 2003/12/05 ヤンキー母校に帰る (9)  2004/01/06


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2003/12/05 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル ヤンキー母校に帰る
局  名 日本テレビ
放映日時 金曜22時
キャスト 吉森真也(竹野内豊)
 古賀なな恵(SAYAKA)
 奥村和人(永井大)
 菅野徹 (市原隼人)
 千葉健太郎(忍成修吾)
 遠田ユキ(市川由衣)
 金井志穂(篠原涼子)
 安藤由紀子(余貴美子)
 岩崎達 (原田芳雄)
脚  本 飯野陽子

あらすじ  吉森(竹野内豊)は全員を見渡し、大麻を吸っている生徒に手を
挙げるよう説得を続けた。昨夜徹(市原隼人)から、哲希(石垣佑磨)
が大麻のことを下宿で言っていたと聞かされたが、肝心の哲希はうつ
むいたまま黙っている。誰かの手が上がるのを辛抱強く待っている吉
森を見て、あかね(加藤夏希)は、「3−Cにはそんなヤツなんてい
ねえ!」と断言する。
 「このクラスは岩崎が倒れた時全部が一度壊れたけど、また戻った。
もう二度と、あんなことは起きねえ!!」
 そこまで言っても吉森は引かない。言葉に詰まって焦りだす吉森を
見て、あかねたちは確実にこのクラスに大麻を吸った生徒がいて、吉
森もそれが誰なのか把握しているのだと気付く。
 「自分の胸に聞いてみろ、本当に、隣に座っている仲間たちの信頼
を裏切るようなマネをしていないか。明日の朝も、何の後ろめたさも
なく、この教室に来れるのか?春には卒業証書を手に、胸張って巣立
っていけるのか?」
 吉森はもう一度、大麻を吸っている者に手を挙げるように言った。
 「今までお前たちと過ごして来た時間が、全部、ウソになる…」
 ――長い沈黙。
 吉森があきらめようとしたその時、突然泣き出したのは鳥居わかな
(邑野未亜)。大麻を吸ったとわかなは涙ながらに言った。ざわめく
生徒たち。あかねがわめきながら、わかなにつかみかかる。
 遂に大麻を吸った生徒が名乗りを上げた。しかしそれは哲希ではな
かった。
 吉森は哲希だけではなかったことに驚きを隠しきれない。

 吉森がわかなを連れて職員室に行くと、そこは生徒でごった返して
いた。それは相当の生徒が大麻に関わっていたことを物語っていた。
安藤(余貴美子)によると「1クラス平均1人から3人」とのこと。
 屋敷(相葉雅紀)が「B組には一人もいなかった」と安藤に報告す
る。
 「…と言うか、誰かが名乗り出てくるような空気じゃなかった…」
 屋敷が自信なさそうにそう漏らすと、安藤が厳しく忠告する。
 「その空気は教師が作るの!生徒が作るものではありません!!」

 吉森がC組に戻ると、あかねが「軽くシメといた」と「大と貴明」
の2人を指す。井口大(三上大和)と久米貴明(徳山秀典)が、すま
ないと頭を下げた。あかねは、わかなが名乗った時吉森が意外な顔を
したことから、吉森がわかな以外の生徒を既に把握していることに気
づいた。そこで吉森がいない間にあかねが代わりに説得して、2人に
名乗りを上げさせたのだった。C組で大麻に関わった者は今日のとこ
ろ3人となった。

 こっそり教室を抜け出した哲希が、どこかに電話している。そこに
徹がやってくる。あわてて哲希は電話を切る。
 「哲希、大麻やってねえか?」
 徹の真剣な問いかけに、少しの動揺も見せない哲希。シラをきり通
して去っていく後姿を、徹はくやしそうに見つめている。

 一方B組。屋敷は安藤に言われたとおり、必死でクラス全員に語り
かけるが、やはりシラけた空気は変わらない。
 「だって先生、今まで寝てても中抜けとかじゃなかったら注意しな
かったじゃない?急に方針変えられても、ついてけねえよ」
 元哉(小池徹平)はといえば「誰の話?」といった風な顔で、全く
動揺は見られない。屋敷は肩を落として、ため息をつく。

 今日名乗った生徒たちは、とりあえず処分が決まるまで寮に待機す
ることになった。「情けない」とこぼす吉森。
 「岩崎先生からC組を引き継いだのに、最悪な状況に気付いてやれ
なかった。それに、肝心な生徒に名乗りを挙げさせられないなんて…」
 「あなただけじゃない!闘いは始まったばかりなんです!」
 安藤が落ち込む吉森を元気付ける。

 放課後、体育館に哲希の姿があった。合唱の練習をすると勝手に決
めた哲希だったが、哲希以外は「今日は歌える気分じゃない」らしく、
まだ一人も集まらない。ピアノにもたれてみんなを待ちながら、哲希
は実家の理容店をきりもりする母親(高畑淳子)に電話を入れる。
 「チケットありがとう。絶対行くから。お客さんにも自慢してるの」
 と哲希が送った北海道への往復航空券を手に取りながら、母親は嬉
しそうに話をする。哲希はそんな母親の喜ぶ声に、言おうと思ってい
たことが言えないまま電話を切る。

 夜。生徒会室で、吉森は今日名乗りを上げたわかなら3人に大麻の
入手先について聞き出していた。その最中突然ドアが開き、阿部優夏
(竹村愛美)が震えながら「大麻吸ってもうた」と言い出す。これで
C組は4人になった…。

 夜遅く職員会議が始まった。今日1日で70人、全校生徒の1割近
く、「予想外の多さ」とため息まじりの伊賀上(平泉成)。大麻の入
手先は大体が身近な友人知人からで、最近では大麻自体がかっこいい
ファッションとして雑誌にも取り上げられ、具体的な入手方法まで紹
介されているらしい。しかも安価でこづかいでも買うことが出来ると、
その信じられない実態に職員たちは一様に驚く。
 普通は即退学処分で警察に届けることになるが、ここではどういう
処分がされるのか、学校のスタンスを早く決めるべきだと意見が出る。
犯罪である以上、学校レベルではかたずけられないという意見も。
 「この現実を前に、我々がどういう闘い方をするのか。それ以前に、
闘わないという選択肢もある。生徒を問答無用で切り捨てて、警察に
届けるということ…」
 それが教育現場の主流だと伊賀上が言うと、校長の早乙女(唐十郎)
は首を振る。
 「しかし彼らはここにたどり着くまで、何度切り捨てられてきたか
分からない。やっとたどり着いた北夕余市は、彼らにとって最後の砦
なんです」
 安藤が、5年前の大麻事件を話題に出し、あの時の痛みを教訓に出
来なかった我々教師が責められるべきなのかも知れないと言うと、会
議室はシンとする。
 「俺の話をしていいですか?」
  吉森が沈黙を破って立ち上がった。
 「10年前ここで何度も暴力事件を起こしました。その度に安藤や
岩崎の説教が長くてクソつまんなくて、正直やってられなかった。で
も、立ち直りのチャンスをもらいました。あの時のチャンスがなかっ
たら、俺はここにはいません…」
 吉森は続ける。
 「大麻吸ったヤツの中には、大学の推薦や就職の内定を取り消され
てしまう者もいます。出席日数が足りなくなって、卒業できないやつ
だっています。それが分かってて名乗り出ました。自分や大切な仲間
のために、教師を信頼して、ありったけの勇気を出してくれた。それ
をいい思い出にするのか、消しゴムで消したい後悔の記憶にするのか、
それは教師が握っている問題かもしれません…」
 卒業生の吉森の話には、さすがに重みがある。もう少し時間をとっ
て実態を解明してから、校長が警察に届けることになった。

 その頃、金井下宿では、徹が哲希に話しかけていた。
 「ごめんな、ああいう言い方なかったって、後から思ったんだ…」
 徹は昼間のことを謝っているのだ。さらに徹は、寮の廊下で大麻の
話をしていたのは哲希だと、吉森に話してしまったことを打ち明ける。
 「でもさ、俺、哲希に名乗り出て欲しかったんだよ」
 哲希は「ほっといてくれ」と徹の説得も気にしていないようだ。

 ――会議はまだ続いていた。
 「まず北友余市の教育理念を思い出しませんか。いいことをした時
には思い切り誉める。悪いことをした時は思い切り叱る。そこから、
いちばんいい形で処分を引き出すことはできないか…」
 早乙女が処分について話を切り出すと、吉森と屋敷は「退学だけは
させたくない。信じ続けたい」と声を荒げる。
 「でも、最初に名前が上がった肝心の生徒はまだ名乗り出ていない
でしょう。信じ続けるのはいいけれど、結果的に彼らが名乗り出なけ
れば、この北夕余市の教育の敗北なんですよ!信じ続けるだけでは、
何も変わらない。この現実を直視しなければ…」
 安藤が指摘するが、それでも吉森は「信じ続ける」と繰り返す。
 「絶対変えてみせます!でなければ、俺は教師をするイミがな
い!!」

 翌日の放課後。吉森に呼び出された哲希がC組で待っていた。
 「『嶋田哲希は大麻を吸った、今はそれを隠してる』…でも、俺は
誰に何言われようと、お前を信じることに決めた」
 目を見据えて話し出す吉森から、目をそらしてしまう哲希。
 「必ず名乗り出てくれるだろう。お前は逃げるヤツじゃない。俺は
待ってるからな」
 哲希は吉森をにらみつけると「勝手に待ってろ!」と吐き捨てて教
室を出て行った。

 その夜。
 屋敷は、生徒から聞きつけた『その場所』を訪ねていた。ドアを開
けると、中は異様な雰囲気、暗闇にいろいろな色のライトが点滅し、
大勢の若者たちが踊っている…。戸惑いながらも屋敷は、カウンター
の奥の店員に話しかける。
 「ここで大麻が買えるってホント?」
 「!?…誰から聞いた?」
 『村瀬元哉』の名を出すと、店員は無言で奥の小部屋に屋敷を連れ
て行き、いきなり屋敷の顔に一発パンチを浴びせる。屋敷は顔を押さ
えてうずくまる。
 「何にも売っちゃあいねえヨ!」

 同じ頃、元哉はケータイで話をしていた。相手は例の店員。教師が
大麻のことで訪ねて来たと、おもしろそうに話す。
 「もちろんお前のことは黙っといてやったからサ」

 学校に戻った屋敷は、元哉とばったり出会う。
 「元哉、どうした?」
 「先生こそ、どうしたの、その顔」
 「――それより喜べ!お前が大麻やってないって証拠、つかんでき
たぞ!」
 と顔の傷を押さえながら嬉しそうに屋敷が言うと、元哉は泣き出す。
 「…全然関係なかったら殴られるかよ?関係あるから殴られるんや
ろ…。先生がこんな目にあうんやったら、言うとけばよかった…」
 元哉は屋敷の方に向き直り、「大麻吸いました」と正直に打ち明け
た。屋敷は愕然とする。
 「まさかと思った?オレみたいなヤツ、信じてたってこと?」
 元哉は、半分泣いて半分笑っている。

 その頃、哲希と徹は下宿で弁当箱を洗っていた。徹は、元哉がつい
に今夜名乗り出たことを哲希に教える。
 「余計なお世話かもしんねえけど、吉森、お前のこと、待ってんだ
よ」
 しかし哲希は「うるせえよ…」と言ったきり口をつぐんで、弁当箱
を洗い続ける。

 ――合唱コンクール当日。体育館には、保護者ら観客が集まってき
ていた。
 その中には哲希の母親の姿もあった。
 C組では、最後のリハーサルを終えて本番を待つばかりとなった。
優勝を狙って張り切る哲希に、なな恵(SAYAKA)が「お母さん
からことづかった」とお守りを渡す。
 「勇気を出せば、何でも出来るって、おっしゃってたよ」
 なな恵が母親から哲希にと託されたその言葉に、哲希の目の色が変
わる。

 C組はトップだ。舞台裏で生徒たちは、指揮をする哲希がいないの
に気付き騒ぎ出すが、訳を知っている徹がその事情を話す――。

 C組の発表が始まった。壇上に並ぶ生徒の中に、「指揮をする」と
聞かされていた息子の姿はなく、哲希の母親はけげんな顔をする。
 「この3年C組の中に、今このステージに立てないヤツが何人かい
ます。大麻を吸って、処分を待っているヤツらです。でも過去の過ち
を語り、名乗り出たヤツらは、立派な仲間です。このステージに立て
なかったヤツらの分も一緒に歌います!」
 哲希の代わりに指揮棒を持った徹の言葉に、客席から拍手が湧く。
哲希の母親は、今ステージ上にいない哲希に何が起こったかを悟り、
愕然としている。

 哲希はその頃教室に残っていた。徹から「哲希が待っている」と聞
かされた吉森がやって来る。校内放送で、3年C組の曲「なごり雪」
が流れ、それを聞きながら並んで座る2人。
 「俺、勇気なかった。お母さんに立ち直ったとこ、見せてやりたか
った。これでやっと、バカ息子から卒業できると信じてた。でも、そ
れも自分をごまかすための言い訳だった気がする…」
 哲希は手にした母親のお守りを見つめながら、話を続ける。
 「俺、やっぱり出来なかった、自分を偽ってまで、みんなと一緒に
ステージには立てなかった…」
 吉森の方に向いた哲希は「俺、大麻やりました」とようやく頭を下
げた。
 「俺、吉森のクラスで良かったよ…」
 涙がぽろぽろこぼれ、哲希は声を上げて泣き出した。
 「俺たちは、これから始まるんだ」
 吉森は哲希の震える肩を抱き寄せた。


寸  評  屋敷先生、とうとうやりましたね。誉めてあげたいっ!(別に相
葉ちゃんのファンではないのですが…)。屋敷先生が変なクラブにた
った一人で行って殴られて、そこまでして自分の容疑を晴らそうとし
てくれた屋敷に元哉が泣いて事実を白状するシーンは、最後の、吉森
と哲希のシーンよりもよかったと思います。
 いよいよ来週は最終回です。最終回とは言っても、ドキュメンタリ
ーを元にしたドラマなので、最終回はあってないようなもの。ドラマ
が終わっても、吉森の、北友余市の闘いは続いていくのですから。

執 筆 者 三森(anponhana@mail.goo.ne.jp)

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2. 編集後記
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 哲希の母親役の高畑淳子さんは、「白い巨塔」で「浪速大学医学部の東教授
夫人」を演じています。何だかそっちのイメージが強すぎて、理容店でお客さ
んに頭を下げているのが不思議な感じでした。
 あかね役の加藤夏希さんはNHKの教育番組にレギュラーで出ています。ぜ
んっぜんイメージ違って、驚いてしまいました。ホントはこんな女の子なんで
すね!!
 そういえば、竹野内豊さんもこの前ドラマで「愛新覚羅溥傑」氏を好演され
てましたね。中国語のセリフもあって大変だったと思います。
 話が変わりますが、「Dr.コトー診療所(フジ)」がスペシャルで帰って
くるそうです!!スペシャルでどういうお話になるのか今からとっても楽しみ
にしています。(三森)

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発行元:ドラマ研究会
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