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タイトル:Daily Drama Express 2003/11/28 ヤンキー母校に帰る (8)  2003/12/27


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2003/11/28 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル ヤンキー母校に帰る
局  名 日本テレビ
放映日時 金曜22時
キャスト 吉森真也(竹野内豊)
 古賀なな恵(SAYAKA)
 奥村和人(永井大)
 菅野徹 (市原隼人)
 千葉健太郎(忍成修吾)
 遠田ユキ(市川由衣)
 金井志穂(篠原涼子)
 安藤由紀子(余貴美子)
 岩崎達 (原田芳雄)
脚  本 飯野陽子

あらすじ  もうすぐ合唱コンクール。3年C組ではみんなの趣味がバラバラ
な上、好き勝手なことを言うばかりでちっとも歌う曲が決まらない。
哲希(石垣佑磨)やあかね(加藤夏希)が「最後だから負けたくねえ」
と息巻く中、吉森(竹野内豊)が『カラオケリスト』の中から「これ
にしろ」と決めた曲、それは『なごり雪』。しかし今時の高校生には、
大昔のフォークソングなどピンとくるはずもなく、知っていたのは2
7歳最年長の和人(永井大)ぐらい。安藤(余貴美子)によると、校
長の早乙女(唐十郎)が毎年忘年会で歌う十八番、いわゆる「マイフ
ェイバリットソング」だそうだ。
 そんな騒ぎの中、大学の推薦入試の面接から戻ったなな恵(SAY
AKA)だったが、顔色が冴えない。なな恵は吉森と安藤を、誰もい
ない生徒会室に連れ込み、突然泣き出す。

 面接を終えて帰ろうとした時、なな恵はかつて高橋寮で世話になっ
た先輩に呼び止められ、先日北友余市の卒業生の一人が、大麻で警察
に逮捕されたと教えられたのだ。
 「…ひょっとして、今の3年生に、大麻流れてないかな?」
 彼女の話では、逮捕された卒業生の住むアパートに出入りする『哲
希』を何度も目撃したということだった。なな恵は真剣に哲希のこと
を心配している。
 「あいつはバカだが、ちったぁ考えるバカだから」
 驚きを隠して吉森と安藤は、なな恵を元気付ける。

 安藤は真相を確かめるため、出張中の伊賀上(平泉成)と合流して、
なな恵が話を聞いた卒業生に会いに行くことになった。
 「今日中に哲希をシメて、ヤッたこと、吐かせますから」
 吉森が当然のようにそう言うと、安藤はダメだと突っぱねる。
 「そんなことしたら一斉に情報が周って、もし荷担した生徒がいた
ら潜ってしまうじゃない?タバコと同じレベルで考えてない?」
 安藤は「まず事実関係を確かめてから」とクギを刺して出かけてい
った。
 職員室の隣の校長室では、C組が何人か集まり白いギターを抱えた
早乙女が歌う、かなりアレンジされた「なごり雪」を大騒ぎで聞いて
いる。吉森ははしゃぐ哲希たちを見つめる。

 その夜、3年担任の緊急会議が行われた。卒業生が大麻で逮捕され
たのは本当で、ここにもいるのかも知れないと安藤が切り出す。
 「確証はないが、哲希と元哉が頻繁に出入りしていたのは確かだ」
 と伊賀上から聞かされた屋敷(相葉雅紀)は、自分の受け持つB組
の村瀬元哉(小池徹平)の名が上がり、愕然とする。
 「あいつはクラス全員と卒業するのを目標にして、今目が覚めたと
ころだ。学祭の実行委員や合唱の指揮者にも立候補したんです!」
 いまだ信じられない吉森も、「疑うのはまだ早い」と安藤たちに訴
える。

 実は大麻については、以前も問題になったことがあったと、安藤た
ちは新米教師の2人に打ち明けた。
 金井下宿の寮母小夜子(市毛良枝)が、ある寮生のベッド下に偶然
大麻を発見し、その生徒は安藤たちに伴われ警察に出頭した。退学も
仕方ないかと思われたが、家裁で不起訴処分となり、学校に戻ってき
た生徒は、全校集会で生徒職員全員の前で事件についての報告と謝罪
をした。彼は立派に更生して大学に進学、今は出身地の役場で働いて
いるそうだ。
 普通の学校なら表沙汰にもならず、水面下で退学届を書かせて放り
出すのが一般的だが、その時は「教育のプロがいる学校こそ、更生の
場としてふさわしい」と司法判断が下されたのだ。
 「あの司法判断が下された時、私は励まされた」
 と伊賀上が感慨深そうに話す。
 吉森と屋敷は、それぞれの受け持つクラスから名前が上がっている
ことから、この事件の事実関係の調査を自分たちにやらせて欲しいと
頼むが、安藤は、前回と違って物証が何一つ出ていないため、この役
は経験を積んだ教師に頼むつもりだときっぱり断る。
 「何もやってないことを信じたい気持ちが強すぎると、真実を見落
としますよ。生徒たちのちょっとした変化を、冷静に観察できないと
思うわ!」
 吉森は屋敷と顔を見合わせ、不満そうにイスに座り直す。

 「一人前に扱われないのが腹が立つんじゃなくて、どうして俺はあ
いつらの変化に気づけなかったか…。岩崎先生なら気づいていたんだ
ろうな…」
 会議後の職員室、吉森は屋敷にそうつぶやく。口数こそ少ないが、
2人の思いは同じだった。

 夜の3年C組。吉森は一人、昼間はしゃいでいた哲希の姿を思い出
しながら考え込んでいた。と、そこに大日向順一(柄本佑)があわて
て入ってくる。順一は睡眠障害で、昼間は絶対に何が何でも寝ている
生徒だ。順一によると、今夜8時に『ジャージ着用で』合唱の練習を
するとのこと。――つまり今夜哲希は下宿にいない…。吉森はふと思
い立ち、金井下宿に向かう。

 今回名の上がった哲希と元哉は同室で、確かに哲希は留守だったが
部屋には元哉がいた。お香を焚いたその部屋を、隅々までじっくり眺
めるが、何も怪しいものは見つからず、吉森は部屋を後にする。
 丁度、徹(市原隼人)と和人が「哲希が練習に遅刻した」と怒りな
がら下宿に帰ってきた。吉森は徹から「元気がない、何か隠してる」
と指摘され、和人も「何かあったなら話してくれ」と真剣な面持ちで
吉森を見つめる。

 吉森が遂に大麻の事件のことを話すと、「下宿内で『大麻がどうの
こうの…』と聞いたことがある」と徹。
 「ここで食い止めねえとエラいことになる。この位の年のガキは刺
激的なものに流されるからな…。俺の弟や妹たちは、まっとうな道に
進んで欲しいんだよ」
 と和人。帰り際、「出来ることがあったら言ってくれ」と和人が気
遣うのに、「ありがとう」と吉森は答える。

 翌朝、屋敷は中庭に元哉を呼び出し、「何か隠してることないか?」
と尋ねるが、元哉はおチャラけるばかりで話にならない。
 その頃C組では、いよいよ「なごり雪」のパート譜が出来上がり、
哲希を中心に盛り上がっているところだった。

 昨晩町内のゴミ集積場に大麻を吸う道具が見つかったことで、緊急
の職員会議が始まった。教師が大麻の調査をしていることが、確実に
生徒たちに広まりつつあるのだろう。
 現在、大麻を吸っていると名前が上がっている生徒は3名、しかし
彼らを呼び出せば、たちまち噂が知れ渡ってしまい、他に吸った生徒
がいたとしても、証拠を隠してしまうのは必至だ。
 「生徒一人一人の良心に、訴えかけるしかない」
 と提案する安藤。

 緊急の全校集会が始まり、合唱練習の真っ最中だった3年C組全員
も体育館に集まった。突然のことで、生徒たちは不満げに、ざわざわ
と騒いでいる。
 「静かにしろ!!今日は地獄の1日になる。覚悟して聞いてく
れ!!」
 伊賀上の一喝に、しんと静まり返る体育館。壇上に神妙な顔の校長
早乙女が上がり、マイクをはずして話し出す。
 「皆さんの中に、大麻を吸っている者、いるだろうか?!」
 いきなりの意外な話題に、ざわめく生徒たち。早乙女は生徒ひとり
とりに語りかけるように話を続ける。
 「過ちを犯した者がいるとしたら、これから教室に戻って先生の話
を聞いた後で、自分から名乗り出て欲しい!もちろん処分もあるし、
三者面談もする。北友余市の生徒は、自分の過ちを認める強き者だと
信じている。待っている」

 全校集会は終了、今日の授業は全てなくなり、代わりにHRが各教
室で行われることになった。
 「これからが本当の闘いです。命がけでいきましょう!」
 早乙女は職員室の教師らを前に、力強く語りかけた。吉森は机に貼
ってある岩崎の写真に「行ってきます」と声をかけ、職員室を後にし
た。
 B組の前で、屋敷が教室に入るのをためらっている。吉森が無言で
屋敷に軽くケリを入れると、屋敷も無言で何かを確認したようにうな
づき、教室に入っていった…。

 吉森もまた、C組に入っていく。と、すぐにあかねが口を開いた。
 「吉森が来る前に、この中に大麻やってるヤツがいるかどうか、確
認したがひとりもいなかった。てめえは生徒を疑うのかよ!」
 他の生徒たちも「そんなことするかよ」と文句を言い出す。吉森は
和人に前に出て来てもらい、「妹や弟たちのために話してくれ」と頼
む。
 「俺の背中には、龍のホリモノがある。ダチが彫ってくれたものだ。
でも、もうこいつは、この世にいねえ…クスリに手ぇ出して、地獄を
這いずり回った末に死んだ。…大麻を吸ってるヤツはみんな同じこと
を言う。こんなもの、いつでも止められる、吸ってても法律で裁かれ
ない国もあるんだって。でも俺は、そんな言い訳は聞き飽きた!大麻
はそんな甘いものじゃねえんだよ。今の日本で確実に、覚醒剤や
LSDの入り口になってんだよ!!」
 和人の声が涙声に変わる。
 「クスリの怖さをイヤと言うほど知ってるやつでもこのザマだ!…
俺はあいつを救ってやることが出来なかった。…大麻吸ってるヤツ、
お前の周りで一体どれだけの涙が流されるか考えろ!地獄に堕ちるの
はお前だけじゃねえんだよっ!たった今から大麻なんか止めてくれ!!
…お前たちは、俺にとって、大事な仲間なんだよ…頼む…!」
 和人は壇上で長い間頭を下げていた。代わって吉森が壇にあがる。
 「俺は大麻やってるヤツを、きっとボコボコにシメあげる。俺の骨
が折れるまでやってやる。命がけでまっとうな道に引きずり戻す!!
…そうでなかったらな、30年後、お前らとどうして上手い酒が飲め
るんだ?――北友余市を卒業しても、俺とお前らの関係は続いていく。
ずっと俺たちは続いていくんだ」
 吉森はクラス全員を見渡し、最後にはっきりと重々しくこう問いか
けた。
 「大麻を吸ってるやつ、手を挙げてくれ。犯した間違いを、俺が一
生かけて正していく!どうだ?」


寸  評  大麻事件は事実で、確か何十人も事件に連座したと記憶していま
す。
 「良心に訴えかける」という方法は「生徒を信じる」気持ちからく
るのでしょうが、大きな賭けですね。本当のことを正直に言わせたく
て我が子にも使ってみますが、うまくいったりいかなかったり、です
ネ。
 腕まくりした早乙女校長の左腕に、大きな傷あとがありました。は
っきり見せていたところを見ると、何か校長の過去が隠されているの
かも知れないぞ!っと思った私は深読みしすぎでしょうか?

執 筆 者 三森(anponhana@mail.goo.ne.jp)

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2. 編集後記
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 先日終了した昼ドラの「ピュアラブ」、何だか波紋を呼んでいるようです。
HPによると、「終わり方に納得がいかない」という視聴者(多かったそうで
す。私もその一人)に対する制作側の返答が「信じられない回答のされ方」だ
ったということらしくて…。私も制作者側の返答を読んでみましたが、うなづ
けるところもあれば、は?と思うところもあったのは確か。言葉の綾なのかも
知れませんが、ここは本を書かれた宮内婦貴子さんにぜひお話を伺いたいとこ
ろです。(三森)

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