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タイトル:Daily Drama Express 2003/11/21 ヤンキー母校に帰る (7)  2003/12/11


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2003/11/21 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル ヤンキー母校に帰る
局  名 日本テレビ
放映日時 金曜22時
キャスト 吉森真也(竹野内豊)
 古賀なな恵(SAYAKA)
 奥村和人(永井大)
 菅野徹 (市原隼人)
 千葉健太郎(忍成修吾)
 遠田ユキ(市川由衣)
 金井志穂(篠原涼子)
 安藤由紀子(余貴美子)
 岩崎達 (原田芳雄)
脚  本 飯野陽子

あらすじ  「夜の海って怖くない?」
 「『人生は不安定な航海である』…シェークスピアだったかな?」
 「見ているだけで、呑み込まれていきそう…」
 夜の海辺で、遠田ユキ(市川由衣)と並んで座っている千葉健太郎
(忍成修吾)。健太郎が手を握るのを、まるで兄のようだと微笑むユ
キ。

 「吉森先生でさえ卒業できたのに、なかなか現実は難しい…」
 「その吉森先生が教師ってのも、不思議ですけどネ」
 屋敷(相葉雅紀)や猿渡(温水洋一)の冗談に沸く職員室。吉森
(竹野内豊)は「教員免許見せましょうか」と返すが、すかさず「偽
造だったりして」と屋敷が笑う。
 「この学校は、オレみたいな生徒には“最後の砦”でしたから」
 卒業生の吉森の言う言葉は重みがあると伊賀上(平泉成)が言う。
 千葉健太郎を名指しにして、吉森の初めての卒業生に『東大合格者』
が出るかも知れないと話が弾む職員室。
 「東大なんかより、卒業する時にこの学校に来てよかったと思って
くれれば十分ですよ」
 そう言う吉森も、ちょっぴり期待しているように見える。

 ――3年C組では『避妊について』の授業。
 「避妊はSEXする時の義務。自分の体は自分でしっかり守りまし
ょう!」
 B組担任の加賀(氏家恵)が、巨大な『女性用のコンドーム』を拡
げて見せている。キョーミ深い授業にもかかわらず、健太郎は机の上
に参考書とパソコンを広げ、受験勉強に励んでいた。
 「センター試験に避妊の確率でも出るんですか?将棋さしてるわけ
でも、週刊誌広げてるわけでもないんですから」
 パソコンをしまって授業を聞くように注意した加賀に対して、秀才
らしく健太郎はさらっと答える。

 授業後、階段の踊り場で健太郎はユキと会っていた。
 「あれ、今月、まだキテないの…」
 何と答えればいいのか、戸惑う健太郎。ちょうどその時、吉森が階
段を上がってきたため2人は話を中断するが、その直後、ユキが倒れ
てしまう。

 病院に付き添った吉森は、医者からユキが妊娠していると告げられ
驚く。2人にどうするのか尋ねるが、健太郎にもユキにもどうしてい
いのかまだ分からないようだ。
 産婦人科の検診を受けたユキは、お腹の中の赤ん坊をエコーで見せ
てもらい、まだ小さいその子がグルグル動き回り、心臓が脈打ってい
るのを知った。10週目だと吉森にお腹をさすってみせるユキの横顔
は、ついさっきまでとは違って幸せそうだった。

 「夏休みに、お互いに東京出身と聞いて、付き合うようになった…」
 親と相談してどうするか決めようか、と切り出した吉森にユキが答
える。ユキの両親は小学生の時に離婚、10歳年の離れた兄とともに
母親に引き取られたが、母親は再婚相手の子どもばかりかわいがって、
結局望まれない子だったとユキ。
 兄妹はその後独立、ユキの学費も生活費も全て親代わりの兄が面倒
を見てくれた。結婚した兄のじゃまをしたくなくて北友余市に編入し
てきたとユキは打ち明ける。
 「兄にこれ以上迷惑かけたら、北友余市に来た意味がない。退学な
んてしたら、それこそ兄に顔向けできない」
 しかし、赤ん坊のことは出来れば産みたいと言う。
 「自分の子ども、私の新しい家族だもん。小さいけど命なんだよ」

 ユキの気持ちを健太郎に伝えた吉森は、健太郎に退学して働いた方
がいいかも知れないと言うが、健太郎は、進学校に通っていた頃早稲
田から推薦が来たほどだっただけに、吉森の言うことを素直に聞ける
はずがない。
 「学校は辞めない。子どもを産むか産まないかはユキが勝手にすれ
ばいい」
 健太郎はそう言いきって立ち去る。

 その夜ユキの住む高橋寮では、あかね(加藤夏希)やなな恵(SA
YAKA)たちが、ユキに中絶を勧めていた。あかねたちは岩崎の見
舞いの帰りに、産婦人科から出て来たユキを偶然見かけ、ユキの妊娠
を知ってしまったのだ。
 「アイツはその気がねえ。学校も辞めないって言ってる」
 昼間健太郎を脅かして直接その気持ちを聞いてきたあかねは、そう
言って説得するが、ユキは産むと心を決めていた。

 翌日、吉森はユキの妊娠を安藤(余貴美子)らに打ち明けた。3年
担任の緊急会議が開かれるが、ユキは退学しても産みたいと言ってい
るのに対し、健太郎には学校を辞める気が全くないことを知り、頭を
抱える教師たち。安藤の提案で、2人にきちんとした話し合いの場を
設けることになった。

 その夜金井下宿の食堂で、吉森と健太郎が話し合っていると和人
(永井大)が現れる。別れた妻との間の2人の娘の写真を見せるが、
健太郎は目をそらせる。
 「女房を殴った時、こいつらが俺を悲しそうな目で見てた。まだ何
にも分からないガキと思っていたけど、ちゃんと意思を持ってた。そ
れがヤクザから足を洗うきっかけだ。ガキってのは親の人生変える力
持ってんだよ。何か変えようと思って、ここに来たんじゃないのか?」
 「俺はヤクザじゃないから変わる必要なんてない。偉そうに言って
るけど、子ども作ったって、父親失格なんでしょ?産んでくれって言
うのは簡単だけど、そんな軽率なことは言えない」
 和人が言い返そうとするのを遮って、健太郎は立ち上がって叫ぶ。
 「俺には俺の生き方があんだよ!!万年ヒラで、部下に追い抜かれ
ていくそんな父親見てきたから、何が何でも偉くなりたい!!そのた
めには高校卒業していい大学入って、いい会社に就職したい!!そう
やって一生ユキのこと、幸せにしたい!!……だから今は、ユキと子
どもの人生に責任は持てない…」
 健太郎は泣き出した。吉森も和人も、もう何も言えなかった。

 翌日、会議室で待つ健太郎の元に、ユキがやってきた。
 「病院でエコー写真見た時に、お腹の中に命がもう一つあるなんて
って思った。でも、不安なんてどっか行っちゃってすっごく嬉しかっ
た」
 普段編み物なんてしない私が編んだ、とユキはバッグから、編み上
げた赤ん坊用のミトンを取り出して見せるが、健太郎には興味がない
ようだ。
 「ユキとはずっとこのままでいたいけど、今は2人の人生に責任は
持てない。…10年後じゃ、だめかな…」
 ユキは健太郎の言葉に愕然とする。
 「10年後の約束なんて守れる人いるの?私は今、この子を産みた
いの。二度と同じ子は生まれて来ないんだよ!?」
 ユキは「一人で考える」と言って会議室を出て行ってしまう。

 健太郎はユキともう一度話がしたいと、職員室の吉森に言いに来る。
 「自分の真剣な気持ち、ちゃんと伝えなきゃ。俺にはユキが一番大
切なんだ。それに、ユキの子は俺の子だし」
 吉森はうなづく。

 学校を出たユキは小野寺牧場を訪ね、そこで1週間前に生まれた子
牛を見かける。難産でもうダメかと思ったが、家族みんなで取り上げ
て喜んだと、経営者の小野寺(ガッツ石松)の顔がほころぶのを見て、
ユキは健太郎の言葉を思い出しながら「私は違う。みんなに喜ばれて
生まれていない」と感じる。
 丁度その時、牧場にユキの兄がやって来る。出張で青森まで来たか
らと、余市まで足を延ばしてくれた優しい兄の顔を見て、ユキは涙ぐ
む。

 吉森と健太郎が小野寺牧場にやって来たが、既にユキの姿はなかっ
た。牛の柵にあのミトンが引っ掛けてあるのに気づいた健太郎は、ユ
キが病院に赤ん坊を堕ろしに行ったと直感する。
 「何で勝手に一人で判断すんだよ…。病院に行く!」
 「堕ろすのを止めるってことは、産んでくれって言うのと同じだ
ぞ!?」
 健太郎は「当たり前だろ!!」と叫んで走り出した。追いかける吉
森。

 その頃、病院の産婦人科前にユキたちの姿があった。ユキから全て
を聞いた兄は「だからこんな問題児のいる学校行かせるの、反対だっ
たんだ」といらだっている。ユキは受付から名が呼ばれても、まだ迷
っているようだ。
 「ユキ!!俺たちの子ども、堕ろさないでほしい!…やっと決心つ
いた!」
 必死で病院まで走ってきた健太郎が、怪訝な顔をする兄に「お腹の
子の父親」と告げ、『他人に頭を下げる人間にはなりたくない』と昨
日まで言っていた健太郎が、その場に這いつくばって土下座した。
 「結婚させて下さい!絶対幸せにします!!学校辞めて働きます!
今、この子を失いたくないんです!」
 「お前に何が出来る?!ふざけんな!!」
 「お兄ちゃん、産ませて!!」
 真剣な健太郎の姿を見たユキも一緒になって頭を下げる。兄は健太
郎につかみかかるが、そこに吉森が到着、2人の間に割って入る。兄
は「北友余市の先生」だと言う派手なジャージの吉森の姿を一瞥する。
 「やっぱりこんな学校に行かせるんじゃなかった」
 吉森が、何故ユキが北友余市に来たいと言い出したかその理由を兄
に教えると、兄は一瞬愕然とするが「妹は北友余市を辞める」と突然
言い出す。
 「もう関係ないんだ!!」
 強引にユキの手を引いて病院から帰ろうとする兄に吉森が言う。
 「もし辞めたとしても、一生北友余市の、俺の大事な生徒です。道
はずすようなことがあったら、俺がきっちりシメてやりますから。お
願いします!」
 吉森は頭を下げる。ユキ、健太郎もそれを見て、吉森に続けて頭を
何度も下げた。

 ――職員室に現れたユキと健太郎が『退学届』を提出した。C組の
生徒らも集まっており、なな恵が代表して、全員でメッセージを書い
た大きめのお守り袋『安産のお守り』をユキに手渡し、教師からも出
産の足しにと祝い金が渡された。
 2人はみんなの卒業式に合わせて入籍する予定で、それまで、健太
郎は小野寺牧場に、ユキは金井下宿に、それぞれ住み込みで働くこと
が決まっていた。
 「お前がうらやましいよ」
 と和人。大学進学は生活が軌道に乗ってからと、健太郎の決意は今
も固い。
 健太郎は、今さっき手渡した『退学届』を読ませて欲しいと言う。
 「この度、千葉健太郎と遠田ユキは結婚出産のため、北友余市高校
を辞めさせて頂きます。わずか半年の間でしたが、僕たちはここで普
通の学校では教えてくれない大切なものを学ぶことが出来ました。学
校辞めても、北友余市の生徒だったことを誇りに、これからはお腹の
子と3人で頑張っていきます。皆さんに心から感謝したいと思います。
ありがとうございました!」
 「おめでとー!!」
 拍手に送られて、ユキと健太郎は退学していった…。

 夜の職員室、あの退学届をもう一度吉森は読み返していた。
 「あいつら、ちゃんとやっていけるでしょうか…?」
 「信じてあげなきゃ。あなたの生徒でしょ。あの2人は学ぶべきこ
とは学んで、卒業していったんです」
 安藤は、退学届を指差して微笑む。
 「それは、退学届ではないわね。立派な卒業証書ね」


寸  評  生徒の妊娠ネタはよくドラマになりますが、本当に“産めばそれ
でいい”のかという疑問がわいてきます。
 若くして親になると、実際の子育てや経済面で、その父母(つまり
若い祖父母)に頼ることが多く、そのおかげで若い親子が生活出来る
と、以前テレビで見たことがあります。それって本当の意味で親にな
ったって言えるのかな、子どもの責任を全部親が負っているって言え
るのかなって思ったのですが…。ユキは実母にも頼れず、この先大変
なことが多いと思うけれど、他の人に甘えないところは絶対に譲らず、
しっかり自分たちの子どもを育てていってもらいたいと思います。
 それにしてもあのエコー画面は、どー見ても4ヶ月位ですね。
10週だともっと小さいと思うんですけど。

執 筆 者 三森(anponhana@mail.goo.ne.jp)

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2. 編集後記
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 指輪物語をずっと前から読んでいます。今6巻目。苦しいことばかりでした
が、ようやく嬉しいことがありました。フロドやガンダルフ、アラゴルンたち
と、肩を抱き合って泣いている自分の姿が見えてきそうな気がします。6巻ま
で読むと、勝手に旅の仲間に入れてもらった気がして、喜びも悲しみも他人事
ではないのです。どこかのコンビニのCMでも、「あいつらもがんばってるん
だよおお〜!!」と店長らしき人が涙ぐんでいますが、ホントその通りです。
途中で挫折した方も、ぜひ読み続けてみて下さい。(三森)

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発行元:ドラマ研究会
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