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タイトル:Daily Drama Express 2003/11/14 ヤンキー母校に帰る (6)  2003/12/08


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2003/11/14 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル ヤンキー母校に帰る
局  名 日本テレビ
放映日時 金曜22時
キャスト 吉森真也(竹野内豊)
 古賀なな恵(SAYAKA)
 奥村和人(永井大)
 菅野徹 (市原隼人)
 千葉健太郎(忍成修吾)
 遠田ユキ(市川由衣)
 金井志穂(篠原涼子)
 安藤由紀子(余貴美子)
 岩崎達 (原田芳雄)
脚  本 飯野陽子

あらすじ  北海道は短い夏が終わり、秋を迎えていた。
 『寮下宿管理人会議』に、“掃除をさぼった生徒にカツを入れてい
て”遅れてしまった吉森(竹野内豊)は、またもや安藤(余貴美子)
に注意される。今回の議題は『喫煙について』。吉森は安藤から、喫
煙の指導や対応について意見を求められるが、自分も喫煙者である吉
森は、「偉そうなことは言えないし、どうしてタバコが悪いのか生徒
に答えられない」と話しながら、うっかりタバコに火をつけてしまい、
安藤にたしなめられる。
 「タバコは体に悪いし、未成年の喫煙は法律で禁止されている」
 と同じ新米教師の屋敷(相葉雅紀)がありきたりな回答をすると、
安藤は、実際26歳の生徒『奥村和人』がトイレでタバコを吸ってい
たのを見つけたという設定で、彼より年下の屋敷がどうやってタバコ
を止めさせるのか、ロールプレイングを始める。
 「法律でお墨付きもらってる26の俺が、何でタバコダメなんだよ
ぉ?」
 和人になりきった安藤が年齢のことでカランでくると、法律も何も
力はなく、屋敷はしどろもどろになってしまう。

 会議後の職員室、喫煙の指導に信念を持っていないと、安藤に厳し
く叱咤される吉森と屋敷。
 「ルールを守ることが大事だと分かってる。ただ、1本吸っただけ
でそいつの何が変わるのかっていう疑問もある」
 と吉森が反論すると、安藤から「教師やめたら?」とまで言い返さ
れムカつく吉森。
 「安藤先生には安藤先生のやり方があるんですから…」
 「あなたとはさんっざんやりあって、たくさんのことを教えてきた
つもりなのに、残念ねー」
 吉森は、安藤に対して反発する気持ちを抑えるが…。

 その夜の金井下宿。徹(市原隼人)が弁当箱を洗っていると、後ろ
から志穂(篠原涼子)が弁当箱の洗い方や冷蔵庫の使い方について注
意してくる。いらいらして聞いている徹。大体弁当箱を自分で洗わな
ければいけないのは、この下宿だけらしい。風呂掃除をもう一度やり
直しと言われ、徹は渋々風呂場に向かう。
 2階では、奥村和人が宅急便の箱を前に落ち込んでいた。和人が子
どものためにと買って送った服を、『センスない服、着せる気ないか
ら』というメモと共に、別れた妻の亜紀が送り返してきたのだった。
 和人は下の公衆電話から亜紀に電話するが、その番号はもう通じな
かった。灯の消えた食堂で電話番号を書いた紙を乱暴に破り捨て、涙
ぐむ和人。ふと流し台の脇に忘れてあった志穂のタバコに目が留まり、
一瞬ためらうが、ついに火をつけてしまう。

 丁度そこに帰宅したのはB組の二戸秀雄(速水もこみち)。秀雄は
実は、外でもう一服ヤッてきていた。付き合っているC組の鳥居わか
な(邑野未亜)が、赤いスポーツカーの大学生とデートして、買って
もらった“GUCCI”のバッグを手に戻ったところを目撃してしま
った秀雄は、わかなと口げんか、帰る途中の自販機でタバコを買って
しまったのだった。
 風呂場の掃除がやっと終わった徹が、ぶつくさ文句をたれながら戻
ると、食堂には2人の紫煙が立ち込めていた。
 「吸わなきゃ、やってられねえこともあんだよ」
 秀雄の言葉にさっきからムカついていた徹もつい、「俺にも1本」
とタバコに手を伸ばしてしまう。
 そこに現れたのは寮母の小夜子(市毛良枝)。まさかの登場に3人
は慌てて火を消し、タバコを隠すが、小夜子の跳び蹴りが炸裂、結局
3人とも捕まってしまう。

 朝の職員室。吉森は怒って安藤と一言も口を聞かない。
 「俺だって我慢してるよ、いろいろ気ィ遣ってさ。あのくそばば
あ!」
 と、そこに志穂から“喫煙事件”の連絡が入る。

 吉森は、3人を中庭に呼び出して説教を始めるが、3人は意外にも
素直に罪を認め、頭を下げる。
 ひとりひとり、何故タバコに手をだしたのか理由を話していると、
安藤が3人を呼んでいる大声が聞こえてくる。慌てて逃げるが、校舎
に入ったところで安藤に出くわしあえなく御用。
 「昨日タバコ、吸いましたね。3人を謹慎処分とします!」
 安藤に「理由さえ問わないで謹慎にするのはどうか」と吉森が反論
するが、安藤の返事は冷たい。
 「タバコは1本でも吸った時点で謹慎。原則的に親御さんを呼んで、
三者面談する“決まり”になっているんです」
 3人の家庭環境などを考えると、親と会う時ぐらい胸を張って会わ
せてやりたいと吉森は訴えるが、安藤は「決定事項だから」と聞く耳
を持たない。

 吉森はクラスで、和人と徹の謹慎処分の話を発表する。
 「そんなこと誰でもやってる。2人とも運が悪かっただけ。しょせ
ん吉森もふつーのセンコーだったってこと。どーせ吉森なんてこんな
もん!」
 と哲希(石垣佑磨)。喫煙に至った2人の気持ちを全然考えていな
いと言われた吉森は、何も言い返せない。

 その夜、徹の母牧子(永島映子)は駅まで来たものの、息子に会わ
す顔がないから東京に帰ると言い出した。安藤は三者面談ではなく、
何とか親子だけで会わせようと考える。
 「今まだお母さんに準備が出来ていないの。挨拶だけでもいい、た
だ無理強いはしない。会うか会わないかは、自分で決めてちょうだい」
 と徹に言う。

 徹は吉森に連れられて、母が待つ駅前の食堂にやって来た。意外に
も牧子は笑顔で徹を迎える。
 注文した好物のオムライスをほおばりながら、徹は母が大きなスー
ツケースを持って来ているのに気づく。牧子は微笑みながら、話し出
す。
 「今朝、家を出てきたの。徹のことでケンカになって、何かがプツ
ンと切れて…」
 「出て来ちゃった」と繰り返す母親に複雑な表情の徹だったが、以
前とは親子の雰囲気が明らかに変わり、安藤の機転のおかげで2人を
会わせることが出来てよかったと安堵する吉森と伊賀上(平泉成)。

 一方、秀雄の母(水沢アキ)は和服で現れた。担任の加賀(氏家恵)
と屋敷は、水商売で話の上手い母親のペースに完全に乗せられていた。
最近は千葉で『自衛隊パブ』をやっていると母。秀雄はずっとうんざ
りした顔つきで話を聞いているが、『自衛隊パブ』の特別なサービス
内容に、若い屋敷は興味津々、身を乗り出して聞いている。店の話を
止めさせて、加賀がやっと秀雄の事件のことを切り出すと、母親は大
声で泣き出す。

 秀雄は母と千葉に帰っていった。和人の母は体調が悪くて、余市に
来られないらしい。
 和人の別れた妻亜紀が下宿に来ていると志穂から連絡を受けた吉森
は、吉森のアパートに泊まる事になっていた2人を連れて、金井下宿
に向かった。

 食堂のテーブルの上に亜紀が置いた箱、それは一人が2人の娘にと
買った衣服の入った荷物だった。和人はあの荷物をもう一度送り返し
たのだった。
 「私、今お付き合いしてる人がいるの。たぶんその人と結婚する」
 と亜紀。
 「春には偉そうなこと言ってたくせに、タバコ一本我慢出来ないで
謹慎処分受けるなんて。本当に卒業できるの?そんなんだから子ども
たちに会わせたくないのよ!」
 亜紀はこう言い捨てて帰っていく。吉森はその言い草に腹を立てる
が、小夜子がそれを押しとどめる。

 「いっくらでも話聞くぞ〜!今夜は朝までオールナイトだ!」
 徹夜で2人のつもる話を聞いてやろうと思っていた吉森だったが、
和人と徹は吉森のアパートに着くなり勝手に布団に入って眠ってしま
った。隣室の悩ましげな声も、今日の2人には気にもならないのだろ
う。

 朝、吉森が包丁の音で目を覚ますと、一人は朝食作り、徹は部屋の
掃除をしていた。秀雄が朝いちの飛行機で千葉から戻ってきたと、ア
パートに顔を出す。大量の握り飯と味噌汁で4人の朝食が始まる。
 秀雄は昨晩『自衛隊パブ』に行き、あの母親までがミニスカートの
迷彩服に身を包み、乱暴な客に頭を下げ、相当無理して一生懸命働い
ているのを目の当たりにした。
 「タバコ1本10万円って本当だった。飛行機代で看板ぐらい新し
く出来るのに…。申し訳なくってさ。でも、かっこ悪くて見てられな
かった」
 「そっか。じゃその分、牧場でしっかり働けよ」
 徹は両親が自分のことでケンカして、母親が家を出て来たと話し出
す。
 「あいつら、俺のことなんかぜんっぜん考えてねんだよ」
 「自分のことで精一杯な親は多い。でも、いつか徹がもっと大人に
なって、許してやれる日が来たらいいな」
 吉森の言葉を神妙に聞きながら、徹は握り飯にかぶりつく。
 「俺はやり直すためにここに来た。卒業がゴールだと思ってた。で
もここから出た後が勝負だ。ルール一つ守れないヤツは、きっと同じ
ところから抜け出せねえ。タバコが見つかって、かえって運が良かっ
た…」
 と一人。今回の事件でそれぞれに何か収穫があったようだ。黙った
まま4人の朝食は続く。

 夕方、3年C組をのぞくと、安藤がしゃがみこんで一生懸命に床に
ついたガムをはがしていた。その姿に、吉森も一緒になってはがし始
める。
 「先のことを考えるってことを、13年前教えたはずなんだけどな
あー」
 「掃除の仕方も校則の意味も、“北友余市の魂”は全部先生に教え
てもらったはずなのに…。でも、もう忘れませんから」
 と吉森は安藤に反抗したことを謝る。
 「俺は、生徒と同じ目線に立てるのは自分だけ、と思い上がってた。
目先のことばかり考えて、今のやつらに必要なものに気づいてやれな
かった。それを昔、先生に教えてもらったのに忘れてしまって、やつ
らにそれを伝えることが出来なかった…」
 「あなたが3年生の時、弁論大会で言った言葉、私忘れない。『人
に優しくするのは誰でも出来る。厳しくするのはその人を大切にして
ないと出来ない』って…。暴れたら手を付けられないあなたが“北友
余市の魂”をちゃんと分かってくれた。…私のバトンを、次の世代に
渡してちょうだい」
 そこに屋敷が「やっと分かった」と教室に飛び込んでくる。
 「俺は法律でお墨付きもらってんだよ。どーしてタバコ、ダメなん
だよっ」
 と和人になりきった安藤。先日のロールプレイングのやり直しだ。
 「20才過ぎて高校生やってるのは誰のせいだ?それでもやり直そ
うと、ここに来たんだろ?北友余市の生徒でいたいなら、タバコはダ
メだ。これは校則だ、例外はない!」
 必ず言える、僕も教師だからと胸を張る屋敷に、安藤の「合格です」
の声が嬉しそうだ。屋敷も床掃除の仲間に入って、教師3人、地道な
作業を続ける。赤い夕日が3人の晴れ晴れとした気持ちまでも映し出
していた。


寸  評  結局事件を起こした彼らに必要だったものは、今自分の置かれた
立場をもう一度理解し、本当にやるべきことが何かを、先生からじゃ
なく自分自身でつかむことだったのでしょう。「厳しい校則を守るこ
とは、結局この先の人生でもとても大切なものになる」という“北友
余市の魂”、テレビを見た現役中高生に「そうかも」と思わせること
が出来たら、このドラマが成功したと言えると思います。
 徹の母親牧子が以前とは全く違った態度で徹に接しているので、こ
れは何かあったなと思いました。徹の一家はもうどーしようもなく父
親に問題があるんです。そして牧子は夫と息子にはさまれて、身動き
できなかったんでしょう。牧子さん、がんばって!要らない親は絶対
に要らないんです。

執 筆 者 三森(anponhana@mail.goo.ne.jp)

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2. 編集後記
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 中高生の時は「校則なんて、そん時だけ、上っ面だけ守ってりゃいい」と思
っていた方だったけど、そうじゃなかったと今やーっと分かりました。社会で
決まりを守れる大人になるための教育の一つだったんだと。
 社会的に地位のあるお方が、見つかんなきゃ大丈夫と平気な顔で悪いことを
して暴露される事件が多いこの頃、“北友余市の魂”のような教育が徹底され
てなかったのかも知れないと思いました。(三森)

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発行元:ドラマ研究会
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