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タイトル:Daily Drama Express 2003/11/07 ヤンキー母校に帰る (5)  2003/11/24


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2003/11/07 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル ヤンキー母校に帰る
局  名 日本テレビ
放映日時 金曜22時
キャスト 吉森真也(竹野内豊)
 古賀なな恵(SAYAKA)
 奥村和人(永井大)
 菅野徹 (市原隼人)
 千葉健太郎(忍成修吾)
 遠田ユキ(市川由衣)
 金井志穂(篠原涼子)
 安藤由紀子(余貴美子)
 岩崎達 (原田芳雄)
脚  本 飯野陽子

あらすじ  北友余市高校は全国から生徒を募集しているため、生徒のほとん
どは寮暮らしだが、3年C組の作田久美子(大塚ちひろ)は、余市か
ら60キロ離れた札幌の実家から毎朝電車で通って来ていた。早足で
人目を避けるように駅まで来た久美子だったが、なな恵(SAYAK
A)からのメールには少女らしい微笑みを見せる。
 普段クラスメートとはもちろん教師とも一切話をしない久美子は、
なな恵とだけはメールで普通に会話が出来ていた。

 その頃金井下宿では騒々しい朝食の真っ最中。徹(市原隼人)や哲
希(石垣佑磨)ら寮生に混じって朝食をとる吉森(竹野内豊)。寮生
たちは弁当のおかずのが魚ばかりで「たまには肉が食いたい」と、志
穂(篠原涼子)に文句をつけている。

 学校でクラス対抗のハーフマラソン大会が開かれることになった。
優勝したら、全員に焼肉をおごってやると吉森が約束する。
 「その代わり優勝できなかったら、35人全員毎日交代で俺に焼肉
おごれよっ!」
 肉に飢えた生徒から「♪さっぽーろやきにく♪」と歓声が上がる中、
厳しい交換条件を出す吉森にクラス全体が俄然はりきり始め、大会ま
で毎朝ランニング練習をすると言い出すあかね(加藤夏希)。
 「やってやるよぉ!明日、朝6時、グラウンド集合っ!!」

 翌朝、校門の前で木刀を片手に吉森は生徒たちを待つが、現れたの
は一番遠くから通って来る久美子だけ。吉森は、“言いだしっぺ”の
あかねのいる高橋寮まで迎えに行く。慌てて起きて来たあかねは、ネ
グセで髪はボサボサ、おまけにすっぴんで、吉森からは「誰?」と言
われる始末。

 何とか全員がそろいランニング練習が始まるが、早朝のせいか、
「やきにく!」の掛け声で走る割には本気とは程遠い走りっぷりで、
思い切りバテバテの様子。そんなクラスメートを尻目に、最後尾にい
た久美子が全員をごぼう抜き、トップで校門に到着する。
 「ありえねぇ〜!」
 その後姿にみんなはただ驚くばかりだった。

 その日の放課後、自転車の吉森が『食べ放題、お一人様2000円』
の焼肉屋のポスターを見かける。
 「…35人で7万!!優勝したらシャレになんねえなあ…」
 通帳とにらめっこして、渋い顔の吉森。これではヤンキー念願の赤
いスポーツカーがいつ手に入るのか…。
 学校へ戻る途中、久美子がジョギングしながら駅まで行くのに遭遇
する。吉森は、自分が着ていた赤いジャージの上着を久美子の肩にか
けてやる。
 「久美子は走るのが好きなんだな。明日も朝練、来いよ」
 「…はい」

 久美子が誰とも話をしないと聞いていたはずなのに突然返事を返し
てくれたと吉森から聞き、伊賀上(平泉成)らは驚く。
 「あの岩崎先生でさえ、返事してもらうまで1年以上かかったんで
すよ!」
 安藤(余貴美子)から、岩崎(原田芳雄)がつけていたという『生
徒の記録』ノートの束を渡された吉森は、誰もいなくなった教室で早
速そのノートの作田久美子の箇所を読んでみる。
 『大事なのは、作田が毎日ここに来ること』
 と、不登校だった久美子を根気よく諭していった岩崎の苦労には、
改めて頭が下がる思いだ。ノートには、最初はクラスに全く溶け込め
なかった久美子が、走ることには興味を示すと岩崎は気づき、久美子
と一緒にジョギングを始めることで少しずつクラスでの居場所を見つ
けていく過程が綴られていた。

 その頃、帰宅途中の久美子はショーウィンドウに映る自分の姿を見
ていた。吉森の赤いジャージの上着――かつて岩崎が同じように上着
を掛けてくれた、あの時は嬉しかったと思い出していた。
 途中なな恵からメールが入り、あかねに似合うシューズを探してと
頼まれる。久美子がスポーツショップに入ると、セーラー服の女子高
生が声を掛ける。
 「やっぱり久美子!…うそぉ!?あんたまだ、陸上やってんの?!」
 その女子高生は久美子の中学時代の同級生だった。心臓がドキドキ
し始め、呼吸が速くなる。久美子は女子高生に背を向けると、持って
いたシューズのパンフレットをぎゅっと握り締めて立ち尽くす。
 逃げるように帰宅した久美子は、急いで自分の部屋に飛び込むと、
持って来たパンフレットを破り捨てる。まだ鼓動が鳴り止まず、久美
子の目から涙がこぼれる。

 翌朝のランニング練習に久美子の姿はなかった。HR中に遅れてや
って来た久美子の顔色は冴えず、風邪かと心配するクラスメートたち。
毎日の朝練に疲れて寝ぼけている生徒がほとんどだが、吉森に焼肉を
おごらせようと、あかねは相変わらずはりきっている。

 掃除中、久美子に話しかけようと寄って来るクラスメートたち。久
美子の走りの噂を聞いて、隣のクラスからわざわざ顔を見に来る者も
いる。
 「クツ買うの、手伝ってよ」
 「マラソンの走り方のコツとかある?」
 「久美子がいれば、鬼に“栗バット”かぁ?!」
 「あ、あの子。よく見ると、カワイイなあ」
 話掛けられる度、動悸がどんどん激しくなるが、震えながら久美子
は必死で耐えている。

 ――いよいよ明日がマラソン大会となったその日も朝練は続いてい
たが、久美子はこの1週間ずっと学校を休んでいた。久美子が急に昔
のように部屋にこもりだしたと久美子の母親から連絡を受けた伊賀上
は職員会議を開く。
 「ひきこもりは、様々な悩みが入り組んで起こるんです。だから、
原因を突き止めるのに時間がかかると大学で習いました」
 と屋敷(相葉雅紀)。屋敷は、家にまで訪ねて行きたいと言う吉森
に「よけい心を閉ざしかねない」と真っ向から反対する。他の教師か
らも「誰とも話をしない上、部屋にこもってしまったのでは話も聞け
ない」という声が上がる。
 「大学の教科書には“作田”のことは書いてない!」
 吉森は反論するが、結局「今は様子を見守る」ということで会議は
終わる。煮え切らない吉森に安藤が言う。
 「様子を見守ると言っても、何もしないということではありません
よ。うちの学校は、どんなことがあっても生徒を見捨てたりはしない
んです」
 吉森は『対人恐怖症』について調べたり、久美子の中学時代の資料
を取り寄せたりして、何か取っ掛かりがないか探ることにした。そん
な吉森の後姿に、こっそり「ガンバ」と声を掛ける安藤。

 久美子が部屋にひきこもっていると知ったあかねは、その夜3年C
組全員を校門前に召集する。
 楓などのひきこもり経験者らの話を聞くうち、マラソンでいきなり
注目されたり、期待されてプレッシャーをかけられたり、そういうこ
とで久美子がひきこもったのではという話になる。
 「岩崎が戻るまで、3年C組は誰一人欠けちゃいけねんだよ」
 と、あかねはみんなにマラソン大会出場自体をあきらめようと提案
する。

 その頃吉森は札幌にいた。作田久美子のいた中学の陸上部の練習を
見学していたのだ。かつて久美子もこのグラウンドを走っていたのだ
ろう、もうすっかり日が暮れているのに、ライトに煌々と照らされて
大人並に練習を続ける生徒らを見つめながら、その陸上部の顧問教師
から聞いた久美子の過去を、吉森は厳しい表情で思い返していた。
 突然ケータイが鳴り、出てみるとあかねからだった。
 「明日のマラソン、辞退するからな!」
 と言うのだ。
 「久美子がいねえC組なんて、みっともなくて、岩崎に見せらんね
え」
 「辞退した方が、久美子のためでしょ?」
 「てめえと賭けなんかしてるバアイじゃ、ねんだよっ!」
 代わる代わるケータイに出てくる生徒たち。全員が久美子を思って
集まり、こういう結論を出したことに、吉森の胸は熱くなる。
 「久美子を信じてやったらどうだ?辞退するってことは、明日久美
子が来ないと思ってるってことだろ?スタートする直前までよく考え
ろ!久美子にとって何がいいのか、俺よりお前らの方が、よく分かっ
てるはずだろ」
 電話を切り車に乗り込むと、吉森は余市には帰らず、作田久美子の
家に向かった。母親に頼んで2人きりにしてもらい、久美子の部屋の
ドアに背を付けて吉森は話し出す。
 「お前の走ってる姿、見せてもらいたいな。――みんなに注目され
て怖くなったか?期待されたからか?プレッシャー感じたか?」
 鍵が4つもついたドアの内側では、暗闇で久美子が膝を抱えて座っ
ていた。
 「みんなといっしょに、スタートライン立ってみないか?――アン
カーじゃないんだしさ、それだったら3年前よりは気は楽だろ?」
 吉森の言葉を、久美子はじっと聞いている。
 「陸上部だったんだなぁ。中3の駅伝大会で、アンカーに抜擢され
たんだろ?――その駅伝大会、緊張したか?期待されてプレッシャー
重すぎたか?――お前の通ってた学校、行って来た。どうして学校休
んでるのか、知りたくてさ…」
 動悸と震えが久美子を襲い始める。久美子はその時、3年前の駅伝
大会のことを思い出していた。

 ――前の走者の姿が、どんどん近づいてくる。
   「がんばってね」「がんばれ!!」「大丈夫!」
   みんなの応援の声、それしか聞こえない。
   スタートラインに立つ久美子に、タスキが渡され…。
   「!?」
   だが久美子は、ただの一歩も走り出すことは出来なかった。
   後から次々入ってくるランナーの脇で、タスキを持ったまま呆
然と立ちすくむ――
 
 「…その後、すぐ部を辞めたよな。退部届けを勝手に出されたんじ
ゃないのか?」
 「止めてぇーー!!」
 久美子がついに重い口を開いたその声は悲鳴に近かった。陸上部の
仲間たちに「辞めろよ」と詰め寄られ、アンカーのゼッケンを踏みつ
けられたあの瞬間がまざまざと甦る。
 「それがきっかけで中学にも行かなくなったんだろ?――けどな、
今のお前にはC組っていう居場所があるだろ」
 「いっしょです!!走らなかったら、居場所なんて、ないんで
す!!」
 「じゃ、なんであかねがマラソン大会に出ないなんて言ってきた?
なな恵はどうしてそれが久美子のためだと言ったんだろ?――お前に
いい成績だけを期待していると思うか?!お前を失いたくないんだよ。
仲間が一人でも欠けたら走れねえヤツらなんだよ。みんなお前の気持
ちくらい、よーく分かってる。あいつらはお前にそこまでのことをし
てくれる。お前は、あいつらに何をしてやれる?」
 声を上げて泣き出している久美子。
 「今までのお前は、岩崎にC組っていう居場所を与えてもらった。
でもこれからは久美子が自分で居場所を見つけなきゃ。――明日みん
なと一緒に走ろう。今までみたいにあいつらにくっついて歩くんじゃ
ない。あいつらを引っ張ってやれよ。それがお前がしてやれることだ
よ。勇気出せよ、作田久美子!」
 久美子の鳴き声はずっと聞こえていた。

 翌朝、久美子の部屋のドアが開いたのに気づいた吉森が目を覚まし
た。吉森はドアの前で眠ってしまったのだ。そこにはジャージ姿でう
つむいた久美子が立っていた。
 「みんなと一緒に、走りたいです」
 少しひげの伸びた吉森が久美子に微笑む。

 車で学校に到着した吉森と久美子は、スタートに誰一人残っていな
いのにがっかり、後を追いかけようと走り出す。
 「どこに行くんだよ」
 あかねの声が聞こえ振り返ると、そこにC組のみんなが立っていた。
驚く吉森。
 「どーしたんだ?!みんなもう、スタートしたんだろ?!」
 「ウチらだけ今からなんだよ。ウチらのスタートは久美子だ」
 「久美子が来たら一緒に走る!そう決めたの」
 なな恵とあかねが、久美子に手作りのハチマキを渡す。
 「久美子、おかえり」
 「…ありがと」
 「しゃべった?!!」
 久美子の声を初めて生で聞いたクラスメートたちが驚く中、5分遅
れでC組がスタート。職員室の窓から安藤が微笑んでいる。
 「今なら追いつける!ぜってえ、負けらんねえ!気合入れて行けえ
ーっ!」
 生徒たちと一緒に吉森も叫びながら走り出すが、気合だけが先走り、
その直後つんのめってコケる吉森だった。


寸  評  今回も「こんなに簡単に説得できるのかなあ?!」と思うところ
がありましたが、吉森先生の熱さには脱帽しました。まさか生徒んち
に泊まっちゃうとは!そんでもって、突然クラスの一体感がものすご
くて、なな恵の事件がここまでさせたかとちょっとびっくりでした。
 安藤先生が「この学校はどんな生徒も見捨てない」と言っています。
北星余市高校は今回ドラマになってしまって知名度が上がり、来年度
の新入生、編入生には「狭き門」になるかも知れないですね。
 だけど、先生の力だけで「どんな生徒も見捨てない」のでは決して
ないことを理解してもらいたいです。この学校の生徒たちは各々何ら
かの覚悟と決意を胸に、この最果ての地にやって来ているのは確かで
す。ただ単に「こんな学校だったら行きたーい」と軽く思ってやって
来ても、卒業は難しいのではないでしょうか。人にどうこうしてもら
う前に、自分の人生です。まず、今の自分の状況を自分自身があきら
めないことです。

執 筆 者 三森(anponhana@mail.goo.ne.jp)

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2. 編集後記
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 美容院の兄さん(年下だけどネ)に「今の流行はこれ」と髪を切ってもらっ
たけど、「今の流行」がよく分からないことにドキっとしました。そういえば
最近、そういった女性誌を見たり買ったりしたことがない!大体興味がない!
だからいつも同じような服ばかり買ってしまうのか…。おしゃれの冒険が怖く
て出来ない年齢になってるってのもあるかな(金銭的にも…)。
 …でも、彼に洗髪してもらう時はいっちょ前にドキドキしてしまう、そんな
カワイイ私もいるにはいるんですがネ…。(三森)

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発行元:ドラマ研究会
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