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タイトル:Daily Drama Express 2003/10/17 ヤンキー母校に帰る (2)  2003/10/28


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2003/10/17 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
    3.お詫び
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル ヤンキー母校に帰る
局  名 日本テレビ
放映日時 金曜22時
キャスト 吉森真也(竹野内豊)
 古賀なな恵(SAYAKA)
 奥村和人(永井大)
 菅野徹 (市原隼人)
 千葉健太郎(忍成修吾)
 遠田ユキ(市川由衣)
 金井志穂(篠原涼子)
 安藤由紀子(余貴美子)
 岩崎達 (原田芳雄)
脚  本 飯野陽子

あらすじ  1週間の謹慎が終わって、初授業の朝を迎えた吉森(竹野内豊)。
金井下宿に寄って朝食を摂り、弁当を受け取ると学校に向かう。

 「吉森真也です!この北友余市を10年前に卒業して、このクラス
の副担任になりました。よろしく!!」
 勇んで騒がしい教室に入り自己紹介、早速出席を取り始めるが、誰
一人として返事をしない。無視された吉森は出席簿をばんっと叩き付
けて、生徒たちをにらみつける。
 「おめえら!上等だなあ!!俺もナメられたもんだ!」
 しかし生徒から決定的な一言が返ってくる。
 「ここ、3年B組なんだけど…」
 クラスを間違えてしまった吉森は、慌てて出席簿を拾い、冷やかし
の拍手を背に受けながらB組を出て行く。

 吉森は、3年C組の担任岩崎(原田芳雄)に蹴られながら叱られる。
 「教室間違えたことなんか、どうでもいいんだよ」
 岩崎の意外な言葉に、吉森は首をかしげる。
 「C組で出席取り直した時、何か感じなかったか?」
 「別に…」
 と吉森が答えると、さらに岩崎のキックが炸裂。
 「3年になってまだ1週間だぞ、おまけに編入生が5人もいるんだ。
ホームシックの始まったヤツ、寮のトラブルで退学を考えているヤツ
…。今彼らが何を考え何を悩んでるのか、いちばん無防備に発してい
るのが朝なんだよっ!」
 30年の教師経験を持つ岩崎の言葉が重く響き、落ち込む吉森。

 「シボられてたね」
 吉森に声をかけてきたのは同じ新米教師で国語教師の屋敷(相葉雅
紀)。
 「グチなら、いつでも聞くから」
 そう言って立ち去った屋敷に、吉森はいい印象を抱かない。

 3年C組の国語の授業は、屋敷が受け持っている。私語雑談、勝手
な昼食又はおやつの中、古賀なな恵(SAYAKA)が『竹取物語』
を朗読している。
 「奥村和人。立て!何してる?」
 屋敷がなな恵の後ろの奥村(永井大)を当てるが、奥村はひらがな
もうまく読めないのか、教科書にはびっしりと自筆で読み仮名が振ら
れている。
 奥村はなな恵に教えられながらつかえつかえ読み始めるが、屋敷は
それを鼻で笑うと「もういい」と奥村を座らせてしまう。クラスメー
トに笑われ、年下の教師にさえバカにされて気持ちが晴れない奥村は、
机の下で鉛筆を折って気持ちをどうにか抑えている。

 その夜金井下宿の夕食時。同じ下宿生の嶋田哲希(石垣佑磨)らの
おかげで和やかなムードで食事が始まり、事件を起こしたことで最初
のうち戸惑っていた徹(市原隼人)もこの下宿になじんできていた。
 他の下宿生よりはるかに年上で、妻子持ちの奥村の呼び方について、
食卓が盛り上がっているまさにその時、本人の奥村がバイトから帰宅、
一瞬にして食卓は静まりかえる。

 翌朝、金井下宿に吉森がいつものように弁当を取りにやってくる。
吉森が足をさすりながら痛そうに歩いているのに気づいた奥村が、ど
うしたのかと尋ねる。
 「岩崎のケリは愛情の裏返しだからねー!」
 と志穂(篠原涼子)。
 「岩崎には、“借り”があるからな、文句は言えない。自分にそう
言い聞かせて我慢の日々を送っているんだ」
 奥村は吉森の顔を見つめてうなづいている。

 職員室に奥村が入っていくと、そこは一見職員室とは思えない“無
法地帯”となっていた。あぜんとする奥村。
 最近見合いをしたという教師の猿渡(温水洋一)が今年中に結婚で
きるかどうかカケているという常本あかね(加藤夏希)は、岩崎に
「どっち?」と聞いてきて当の猿渡に追いかけられる始末。すねにタ
バコを1カートン、輪ゴムでくっつけてズボンの下に隠しているのを
見つかり、引きちぎられる生徒。奥村の傍らでは、徹が「一緒に牛丼
食った仲」と吉森に借金をせがんでいる。
 「ここはいつもこんな具合だ。お前もキレそうになったら必ずここ
に来い」
 と岩崎が奥村に念を押す。

 今日は『3年C組』をしっかり指差し確認してから教室に入る吉森。
 「もう、間違えるなよー!」
 と生徒からはからかわれ、黒板には『教室あってるかなあ?』と大
書されていた。昨日の失敗を笑われながらも吉森がソラで出席を取り
始めると、さすがに生徒たちは感心している。

 購買前の廊下で、屋敷と奥村がばったり出会う。
 「編入試験の作文読んだよ。君、子供いるんだってねぇ。君んとこ
は双子って書いてあったけど…」
 奥村の顔つきが次第に変わっていく。黙って聞いていた奥村だった
が、ついにぶちギレ。屋敷の胸倉をつかむ。
 「俺は、せーいっぱい我慢してんだよっ!!これからは俺に、二度
と話しかけんな!分かったなあ!?」
 悲鳴を上げた屋敷は階段に倒れ、震えながらうなずく。

 屋敷は職員室の岩崎に、指のケガを見せながら訴える。
 「私は今、3年C組の奥村に脅されました!」
 しかし岩崎らは「殴っちゃいないんでしょ?」とまるで相手にしな
い。屋敷は「もう3年C組の授業には行かない」と言い出す。

 屋敷と岩崎の待つ会議室に、吉森に伴われた奥村が入ってくる。
 「こいつは謝る必要はないと思います。俺だって和人の立場だった
ら黙っちゃいないってことです」
 奥村をかばう吉森の言葉に驚く屋敷。屋敷は奥村の顔をまともに見
ることさえ出来ず、小さくなって座っている。一方の奥村は謝るつも
りはないと堂々としている。理由を聞かれ黙っている奥村を、岩崎が
諭す。
 「黙ってちゃわかんねえだろ。伝える努力ぐらいしないと…」
 これは岩崎の口癖のようだ。これを聞いた奥村は、心にあったわだ
かまりを全て吐き出す。
 「子供がいて、だからあんたに何の関係があるんだ!俺より年下の
くせに…。きょーしづら、してんじゃねえっ!!」
 いすを蹴り上げる奥村が息巻くのを止める吉森。
 「俺は、我慢してんだ!あんたのためじゃねえ、俺の卒業のためだ
っ!!」
 屋敷はびびりっぱなしで、何も言えない。
 「キレそうになったら職員室に来いと言っただろ?――人を威嚇す
ることでしか状況を変えられない、それは昔のお前のやり方をそのま
まここに持ち込んだだけだろ?違うか?」
 岩崎は奥村をこう諭すと、今度は屋敷に頭を下げる。
 「先生、こんなヤツだけど、許してやって下さい。もう二度とさせ
ませんので…」
 「止めてくれ、俺が謝る!」
 頭を下げ続ける岩崎を止めようとする奥村の目を見つめて岩崎が言
う。
 「お前はさっき、謝るつもりはないと言った。――お前、俺の気持
ち、忘れんなよ」
 岩崎はさらに頭を下げる。が、次の瞬間、岩崎の体がぐらっと傾く
…意識を失い床に倒れる岩崎!
 「先生!!」
 吉森の大声が響く…。

 病院のICU前、担任が脳内出血で倒れたと聞いた3年C組の生徒
たちがたむろしている。安藤(余貴美子)が帰宅を促す。
 「岩崎先生、こんなことをしても喜ばないよ!きっと心配するわよ、
ご飯食べてんのかとか、授業さぼってないかとか…。分かるわね?」
 奥村は、自分のせいだと責任を感じている。

 夕方金井下宿に奥村が帰ると、奥村の離婚した妻、亜紀が立ってい
た。亜紀はもらう理由がないと言って、奥村が毎月のように子供たち
に送った手紙や仕送りのお金を、そのまま返してくる。しかも“お父
さんはお星様になった”と子供たちに話していると言う。
 「いつか、会わせてもらうのもだめか?」
 「私も子供もあなたに一度捨てられたのよ、そんなお金ぐらいで心
が動いたりはしない」
 「俺、今高校通ってるんだ。ここで生まれ変わって、卒業してまと
もな仕事に就いて、全部やり直して、許してくれるなら――」
 「許さない!」
 亜紀は帰っていった。

 その頃、ICUに再び戻った吉森もまた、自分のふがいなさをただ
責め続けていた。落ち込む吉森に安藤は「ガンバよ!」と力づける。

 朝、奥村を吉森が迎えに来たが、昨晩からセキをしていた奥村は熱
を出して寝込んでいた。熱にうなされながらも、奥村は岩崎の病状を
心配していた。
 一方3年C組の教室には、クラスの半分の生徒しか来ていなかった。
慌てて病院に向かう吉森だったが、生徒たちは「病欠」と言って、学
校に戻るように説得する吉森を完全に無視し続ける。

 3年生の職員会議が始まった。5日前に倒れ、意識の戻らない岩崎
の代わりに、C組担任代行として生活指導の伊賀上(平泉成)の名前
が挙がるが、吉森が担任代行に立候補、土下座して安藤に頼む。
 「私にやらしてください!」
 「この問題を土下座で解決する気はありません」
 と安藤の厳しい言葉。
 「3年C組の授業が、集団による中抜けや度重なる遅刻、早退で成
り立たなくなっています。あなたに具体的な対策案はある?岩崎先生
が寸暇を惜しんで育ててきたクラスが、ガタガタになりつつあるんで
す。今までの岩崎先生のご苦労が全部、無駄になってしまう――。そ
の苦労が分かってたら、立候補なんて簡単に出来るわけがない!…こ
れは、非常事態なんです」
 吉森は何も言えず、床に座り込む。

 吉森が3年C組に戻ると、生徒らは教室の後ろに真っ赤な旗を貼っ
ている最中だった。『岩崎組』と書いてあるその旗が、まっすぐきれ
いに貼られると、歓声が上がる。
 「ここは『岩崎組』だとちゃーんと分からせてやんねえと、勘違い
するバカがいるからよお、例えば副担任とか…」
 カチンときた吉森だったが、大騒ぎする生徒たちをとりあえず席に
着かせる。病状を気にする生徒たちに「待つより仕方がない」と答え
るだけの吉森。
 「吉森!!ホントお前、使えねえなあ!」
 と常本あかね。
 「岩崎はお前にとっちゃあ他人かもしんねえが、ここの連中にとっ
てはなあ、岩崎は家族以上なんだよ!!」
 「俺にとっても、他人じゃあねえ!」
 応戦する吉森にあかねが詰め寄ってくる。
 「大体お前、土下座までして担任に立候補したって言うじゃあねえ
か。はっきり言っとくが、岩崎以外このクラスの正担任はいねえんだ
よっ!」
 「俺を認める必要なんかねえんだよ!でもな、岩崎先生が今の
3−Cの様子知ったらどうする?きっと嘆くぞ」
 それを聞いて一瞬ひるんだあかねだったが、続けようとした吉森の
言葉を遮る。
 「うるさい!!…みんな、今日は解散!」
 あかねの一声で勝手に授業が終わってしまった。むきになって生徒
らを追いかける吉森だったが、そんな努力も水の泡、全員が帰ってし
まった。

 生徒たちを追いかけて病院にやってきた吉森だったが、ICUの前
に座っていたのは奥村だけだった。他の生徒らは一瞬来て、すぐ帰っ
てしまったらしい。
 「この前、東京から、別れたうちのヤツが来たんだ…」
 突然奥村は吉森に話し出す。
 「仕送りした金を返されて、俺、覚悟が決まった。ぜってえ卒業し
て、真っ当な仕事に就いて、あいつらを迎えに行く。これからも仕送
りは続けるつもりだ…」
 奥村自身、自分のことをこんなに他人に話したのは初めてだった。
 「俺、先生に礼を言わなきゃと思ってた。会議室で俺をかばってく
れただろ?ああ言ってくれなかったら、岩崎先生の言うことも素直に
聞けなかった…。俺の、卒業するのを、見届けてくれよ、先生…」
 吉森は微笑みながらうなずく。

 奥村が帰宅した後、吉森はベッドで寝たまんまの岩崎のことを思う。
 『黙ってちゃわかんねえだろ。伝える努力ぐらいしないと…』
 いつもの岩崎の口癖が、吉森に何かを気づかせていた。

 その夜吉森は、あかねやなな恵らが暮らす高橋寮に踏み込んでいた。
部屋のドアをたたくが、あかねは鍵をかけてしまう。吉森はドア越し
に話し出す。
 「俺は岩崎に“借り”があるんだ。10年前、俺は岩崎を病院送り
にしたことがある。他の高校の生徒とタイマンはったヤツがいて、俺
はそいつを助けようとした。そこにノコノコやってきた岩崎を、俺は
メッタ打ちにしたんだ」
 なな恵はその話を驚いて聞いているが、あかねはCDのボリューム
を上げ、雑誌を読み続ける。吉森は大声を出して話を続ける。
 「あと一度、騒ぎを起こせば、俺は退学になるしかなかったんだ。
そんで上等と思って、俺は岩崎を締め上げた。岩崎は、階段から落ち
たことにして、黙ってそのまま入院した!このことは、担任だった安
藤も知らねえことだ!」
 他の寮生らが、ドアを開けてこの話を聞いている。CDを切ったあ
かねが口を開く。
 「言いたいのはそれだけか?!てめえの勝手な事情だ!関係ねえ!」
  「でもな、俺はあん時岩崎に体張って守ってもらった。今自分がやる
べきことを教わったんだよ。お前が今やるべきことは、俺に絡んで学
校休むことか?思うようにならない現実にいらだって、世間を恨むこ
とか?もう二度とない高校3年の春を棒に振ることか?!」
 「うるせー!!帰れ!!」
 真実を突かれたのかあかねはCDのボリュームを最大にしてそう叫
ぶ。次の瞬間、ドアを蹴破って入って来た吉森は、CDの電源コード
を乱暴に引き抜く。
 「お前、何やってんだ!?人の、話を、聞け!!」
 がんを付け合う2人を、なな恵が怖そうに見つめている。


寸  評  こんな高校では、普通の神経の教師はみんな、1ヶ月でこぞって
ICU送りでしょう。相葉クンが演じる新米の屋敷先生が、この先ど
んなふうに変わっていくのか、楽しみです。(やっぱり一度はボコボ
コにされて病院送りかも…)
 私の知り合いで「バイトは割のいい家庭教師しかやらない」と言っ
ていた人がいました。当時から「こいつにだけは自分の子供を見ても
らいたくない!」と真剣に思っていました。そんな先生には、どんな
悩みを打ち明けても、何かにつまづいて困っても、先生以外の経験の
ない先生には絶対分かってもらえるはずがないと思ったのです。
 吉森先生は若くして人生につまづいたけれど、満身創痍で彼を受け
止めてくれる良き教師に出会ったことで、人生をやり直すことが出来、
今の教師としての彼があります。この人の経験もすごいけれど、岩崎
先生や安藤先生の過去ものぞいてみたいと思います。

執 筆 者 三森(anponhana@mail.goo.ne.jp)

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2. 編集後記
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 秋祭りのシーズンです。ここ東北では「芋煮」というのがあって、言ってみ
れば大鍋で作ったトン汁なんですが、家で作ったものとは味わいが違います。
基本は同じなんですが、作る人毎に入れるものが違う(豚肉か牛肉かとか)し、
味も違います(味噌か醤油か)。それが楽しみで、いろんなところで頂いてい
ます。米や野菜が取れなかった残念な年でしたが、そんな時だからこそ、収穫
の喜びをともにかみしめたいものです。(三森)

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3. お詫び
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 発行担当者のドラマ研究会・鈴木です。
 先週から今週にかけての発行が軒並み遅延して済みませんでした。
 体調不良等があり、発行作業が滞りました。
 これから、遅れを取り戻していきますので、どうぞ、ご容赦ください。
 なお、執筆者の皆様にもご迷惑をおかけして、済みませんでした。(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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