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タイトル:Daily Drama Express 2003/09/10 幸福の王子 (最終回)  2003/09/16


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2003/09/10 (Wed) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.水曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 水曜日の連続ドラマ
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タイトル 幸福の王子
局  名 日本テレビ系
放映日時 水曜22時
キャスト 鳴川周平(本木雅弘)
          安元海 (菅野美穂)
          与田良介(渡辺篤郎)
          光石繭 (綾瀬はるか)
          光石桃子(井森美幸)
         見城則子(坂下千里子)
脚  本 遊川和彦

あらすじ     「私を眠らせて…真実の愛が迎える残酷な再会!全ての謎の
答!!」

 繭は危ない状態になっても、周平の心臓を貰う事を拒んでいた。 
悲しむ桃子にも 感謝の言葉を残し、昏睡状態に陥る。 良介は懸命
の救命措置を施す。
 良介「繭ちゃん、死なせない。」
繭が危ない事に気付いている周平は、自分の心臓をあげる事を 良介
に懇願する。
 周平「お願いだよ。 早く海に会いたいよ。」
 良介「まだ 3ヶ月しか経ってないんだな。 お前が海ちゃんと別
れてから。」


 良介の回想。
周平は、海の写真を持って 各地の病院を回っていた。 仕事をせず
に海を捜して 2年。 家賃を滞納している為、2人のアパートを出
ていくことになる。 海に会えないのは 既に死んでいるからではな
いかと疑いを持ち始めた周平。 良介は、必ず会えると信じるよう 
励ます。

 病院に見舞いに来た良介に、海は また自分を襲う気かと怯える。
 海 「ごめんね、私 周平しか愛せないの。」
海の頭の中は、昔 良介に襲われた時に戻っていた。 今更ながら、
後悔する良介。  
 良介「俺があんなことしなければ 結婚できたのに。」
 海 「何言っているの。 私たち結婚しているでしょう。 それな
のにひどい事ばかりして。」
間をおかず、良介と結婚している時の海に変わってしまう。 良介が
涙を流すのに気づき、心配する海。
 海 「どうしたの? 良ちゃん。 私がひどい事を言ったのね。」
海は、話している間にも記憶が錯綜し、わからなくなる状態なのだ。
 それを自覚している海は、周平に居場所を明かさないよう 良介に
頼んでいるのだった。 海は、震える手で 良介に周平の写真を託す。
 誰だかわからなくなるのが嫌だからと。 しかし、良介が去った後
には、もうその事を忘れ、部屋中 写真を探し回るのだった。

 思い出の丘で 泣いている迷子の子供を見つけた周平。 送り届け
た養護施設で、保母になっている則子と再会する。 生きがいを探し
ていた則子は、好きな子供とかかわろうと 保母の資格を取ったのだ
った。  海が出て行ったと知った則子は、かつて則子がされたよう
に 周平を励ます。
 則子「やけになっちゃ駄目よ。 私は、あなたのおかげで頑張れた。
 あきらめないで。」

 周平は、かつてピアノ弾きをしていたクラブで、皿洗いと子守りと
して(時には銃の運び屋として)住み込みで働く事になった。 その
アパートに 両親が訪ねてくる。 真にひどい事をしたと謝る周平に、
真の本当の死因は 乳幼児突然死症候群だったのだと 両親が打ち明
けた。 周平が 苦しむことはなかったのだと。


 現在の病室。
桃子が自分の心臓を与えてと 喉にメスを当てる。 それを遮る周平。
 周平「駄目だよ、桃ちゃん。 叱られるよ。」
周平は 桃子が同級生だと わかっていた。 そして、周平のノート
に『ひとごろし』の文字を書いたのは、小学生の桃子だった。 周平
に好意を寄せていた桃子は、周平が真の顔をふさぐ所を見つけ 自分
を振り向かせようと書いたのだった。 罰が当たったと後悔する桃子
に、心臓がよくなったら親孝行すると話していた繭の言葉を聞かせる。

 回復した周平の事情聴取をしようと 警察が訪ねてくる。 殺人を
犯した周平は、怪我が治ったら逮捕される。 時間が無い事にあせっ
た良介は、眠っている周平に薬を投与しようとするが、できなかった。
 その夜、目を覚まし起き上がる周平。


 再び良介の回想。
真の死の真相を知った周平は、思い出の丘で 「ひとごろし」と書か
れたノートを破り捨て、持ち出したピストルを自分のこめかみに当て
る。それをとめる良介に、自分のこれまでの苦しみを訴える。
 周平「俺は、弟を殺してなかった。 今まで 何を苦しんでいたん
だ。 海がいないのだから もう死ぬしかない。」
良介は、昔と変わらない周平の心の美しさを称え、周平を抱きしめ、
隠してきた海の秘密を打ち明ける。

 良介が案内した病院で、周平は 海のいる鍵つきの病室に入ってい
く。
 良介「何を言われても気にするな。 本当の海じゃないのだから。」
指輪をして眠っている海。 サイドテーブルには、『幸福の王子』の
本やスケッチブックが置かれていた。 スケッチブックには 「…会
いたい周平…愛の挨拶…周平…」と たくさんの文字が とりとめも
なく書かれている。 海が忘れないよう 書いた物らしい。 周平の
後ろで 目覚め起き上がっている海。

 海 「誰?」
周平がわからず、誰も幸福にできない醜い幸福の王子だとからかう。
次には、周平を認識し 周平に棄てられて孤独だったと訴える海。
 海 「さびしくて、惨めだった。 あんたのせい、あたしの人生を
返して。」
奇声を上げ、暴れる海は、病院の職員に取り押さえられる。

 廊下で待つ周平の耳に、海の呟きが聞こえてくる。 周平を忘れな
いようにと ずっとつぶやき続けているのだ。
 海 「周平、周平、周平…」

 改めて訪ねた周平に、ベッドにうずくまった海が気づく。
 海 「ごめんね、ひどい事言ったでしょ。 信じて、本心じゃない。
 別れる前に言ったことが本当の気持ちなの。 …教えて。 私 な
んて言った? 思い出せないの。」
 周平「君はこういったよ。 俺に会えて本当によかった。 あなた
のおかげで幸せだった。 私の事を忘れないでって。」
 海 「それであなたはなんて言ったの?」
 周平「愛しているよ、海。 これから何があっても ずっと一緒だ
よ。」

 手を硬く握り合う2人。 幸せをかみ締めた海は、周平に願い事を
する。
 海 「周平、私を殺して。 もうすぐ周平が誰か わからなくなる。
 思い出もなくしてしまう。 いやなの。 もう限界。 助けて。 
私が眠ったら殺して。 目覚める前に。」
周平とキスを交わし抱き締めあうと、海は安心し眠りにつく。
 海 「好きよ、周平。」
 周平「眠るな。海。」

 海の手のひらに 百日草の花の絵が書いてあるのを見つけた周平。
 迷いを吹っ切り、海の顔に枕を押し当てる。
 周平「ごめんね。」
海が抵抗しても、力を緩めない。
 周平「ごめんね。 …ごめんね、真。 ごめんね。」
真を殺害しようとした時と オーバーラップする周平。
 周平「ごめんね、真。 お父さんとお母さんに嫌われちゃうんだ。」
心が8歳に戻ってしまった周平は、呟きながら立ち去る。

 その後、街に出た周平は 街中で人助けをするようになった。 疲
れたおばあさんに手を差し伸べ、恐喝されている若者を助ける。 そ
して、街で男に付きまとわれていた繭との出会いがあった。
 周平「男の子は 女の子をいじめちゃいけないんだよ。」


 周平と海を思い涙を流す良介の元に、周平が自殺を図ったと知らせ
が入る。 血の海で脳死状態になっている周平。
 良介「わかったよ 周平。 お前の言うとおりにするよ。 死ぬま
で親友だよな。」
良介は 周平の意思を無駄にしないよう 心臓移植手術を決断する。

 周平の心臓を取りあげ、繭に移植する良介。
 良介「繭ちゃんは俺が助ける。 頼むよ、周平。」
手術は成功したかに見えたが、繭の心臓が停止する。 蘇生措置を施
しながら、懸命に繭に呼びかける良介。
 良介「冗談じゃない。 いっぱいしたいことがあるんだろう。 君
のおかげで楽になれたんだ、自分の罪を聞いてもらえて 救われたん
だ。」


 思い出の丘に立っている海と周平に 繭が駆け寄る。
 繭 「私たち いつ会ったんだっけ?」
 海 「まだ、思い出せないの? あなたは私たちの幸福のお姫様な
のよ。 あなたが私たちを結び付けてくれたの。」
気がつくと 繭の手には赤い風船が握られている。 繭は、海と周平
が付き合うきっかけになった 赤い風船の女の子だったのだ。 海は
繭にも周平のような素敵な人が現れると予言し、周平も自分の心臓が
そこにあるから大丈夫だと励ます。 2人に急かされ 立ち去る繭。
 繭 「ありがとう 周平。 さよなら 海ちゃん。 私二人の事絶
対に忘れない。」


 繭の鼓動が回復する。
 良介 「お帰り。繭ちゃん。」
別室で眠る周平の顔には、安らかな微笑が浮かんでいた。

 手術から一年後。
変わらず医師をしている良介による 繭の術後の検査結果は 良好だ
った。 チェロを習い、好きな男の子に告白もした。 どきどきした
けど、周平がここにいるから勇気が持てたんだと 胸に手を当てる。
 やけになっていた自分を反省し、幸せをかみ締める繭。 15年前
海が言ったように いい時代になれるように。


 周平と海の告白の場面。
 小さな繭「お姉ちゃん。 あのお兄ちゃんが好きだって。」
海と周平が口付けを交わすのを、離れた場所から繭と桃子が見守って
いる。 現れた良介が構えたカメラに向かって、幸せな2人が笑顔を
向けた。

        −終わり−


寸  評  枕を押し当てた相手が抵抗するのに、それでもひるまず押し通す
のは 相手の望みとはいえ 凄いことですね。 人格が狂ってしまう
のは当然の事だと思いました。

 良介が医師になって数年で病院を持ったり 心臓の手術をしたり、
お話の中心の丘の近所に皆が住んでいたりと 不思議な事はあります
が、お話がよかったから 構いませんね。
 でも、やはりサブタイトル。 「全ての謎が明らかに」でなく、
「私を殺して」だけで 十分な気がします。 次回ご一考頂けたらう
れしいな。

 現在から過去に戻るお話しでしたが、第一回の差し込み方がうるさ
くなく 程よかったのが印象に残りました。 最後に 生きていた時
の幸せな場面が映る『きらきらひかる』風のきれいな終わり方だった
のが、本当に嬉しかったです。 よかった、よかった。

執 筆 者 飯塚(iizuka.g@infoseek.to)

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2. 編集後記
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 とうとう最終回です。 前回担当させて頂いた『動物のお医者さん』も楽し
かった。 今回のも楽しかった。 また秋に どんなドラマに出会えるか 本
当に楽しみです。 3ヶ月間 ありがとうございました。
 我が家のアゲハチョウは 次々さなぎになっています。 これまた楽しみで
す。(飯塚)

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