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タイトル:Daily Drama Express 2003/07/31 Dr.コトー(5)  2003/08/07


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2003/07/31 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル Dr.コトー診療所
局  名 フジテレビ
放映日時 木曜22時
キャスト 五島健助(吉岡秀隆)
 星野彩佳(柴咲コウ)
 原剛利 (時任三郎)
 西山茉莉子(大塚寧々)
 原沢咲 (石田ゆり子)
 内つる子(千石規子)
 安藤重雄(泉谷しげる)
 和田一範(筧利夫)
 星野正一(小林薫)


脚  本 吉田紀子

あらすじ  講演会場で倒れた芦田雄一郎(竜雷太)は、激しい痛みで脂汗を
にじませ苦しむ。診察したコトー(吉岡秀隆)が、ふと聴診器の手を
止めて尋ねる。
 「…今日、おしっこ、何回行きました?」
 ――芦田を診療所まで運びこんだ、秘書の純一(井澤健)や島民た
ちに、コトーが病名を言おうとするのをさえぎって、芦田の娘ゆき
(木村佳乃)が説明する。
 「病名は言えません。とてもデリケートな問題で、手術で治るもの
ではありません…」
 本人はもちろん、漁労長の安藤(泉谷しげる)らは“ガン”と決め
付けてしまう。ゆきはさらに、「病気のことは絶対内緒」と、父親に
聞こえよがしにコトーに頼む。一体ゆきはどういうつもりなのか…コ
トーは怪訝に思いながらも承諾する。

 「居酒屋まり」では、ママの茉莉子(大塚寧々)が、昼食をとる原
(時任三郎)につらい過去を打ち明ける。
 「子供はとられたの、離婚してもいいけど渡さないって。あの子は
きっと、捨てられたって恨んでる…」
 そこに店の電話が鳴る。茉莉子の息子“竜一”が行方不明という警
察からの電話だった。――茉莉子と原は急いで本土への定期船乗り場
に向かうが、竜一を探そうにも、顔かたちも身長も分からない。何し
ろ茉莉子は、竜一が五歳の時から会っていないのだから。茉莉子は息
子のことを何も知らないと、自分を責める。

 一方診療所では、入院中の純一の母広子(白川和子)がいなくなり
大騒ぎになっていた。もしも手術の傷口が細菌感染したら、大変なこ
とになる。
 広子は芦田の入院のことを知っているはず。純一は、母のくれた神
社のおふだを見てもしやと思い、コトーと二人、神社に走る。
 思ったとおり、広子は木の枝を杖代わりに懸命に山道を登り、下り
てくるところだった。あいにく雨が降り始め、雨足はどんどん強くな
る。杖が折れ、倒れたところにちょうど駆け登ってきた純一が抱き止
める。
 「これを、芦田先生に…」
 と広子が手にしたのはやはり神社のおふだ。コトーは自分の白衣で
傷口を雨から守りながら、優しく諭す。
 「必ず神様に伝わりますから、もう無茶はやめて帰りましょう」

 その夜、診療所では彩佳(柴咲コウ)がゆきを激しく責めていた。
 「あんなウソつくから大変なことになった。“尿管結石”なんて水
飲めば治っちゃうのに」
 「だって、コトー先生が“10人患者がいれば治療法は10通り”
って。父の心の中の悪いものを取り除く、いいチャンスと思って…」
 「人の命はおもちゃじゃない!本土の病院では治る病気でも、島で
は命に関わることもある。そういうこと、分かってる!?」
 彩佳を落ち着かせようと、コトーが間に入ってゆきをかばうような
ことを言ったため、彩佳は怒って大粒の雨の中を出て行く。

 「居酒屋まり」に、ぬれねずみの彩佳が飛び込んでくる。
 「焼酎、ちょうだい!そのまんまでいい!」
 ゆきの文句をまくし立てる彩佳に、茉莉子がタオルを渡しながらず
ばり、指摘する。
 「そういうのを“嫉妬”っていうの。先生のこと、好きなんだ」
 「な、何言ってんの!?」
 グラスの焼酎を勢いよくゴクリと飲むが、中身は水。
 「勤務中のナースに酒出せるわけないじゃない」
 「大人ぶっちゃって!」
 「大人だもん。だてに子供も産んでないし、離婚もしてないし…」
 初めて聞く茉莉子の過去に、驚きで声も出ない彩佳。
 「誰かに必要とされるのって、幸せなことだよ…」
 彩佳は茉莉子の言葉に深い意味を感じる。

 診療所では、純一が、広子が命をかけてもらいに行ったおふだをゆ
きに渡していた。
 「純一さん。正直、父のこと人として尊敬できる?」
 何も言えずうつむく純一。

 ゆきがおふだを渡すと、芦田はそれを放り投げて、広子には病室が
あてがわれているのに、代議士の自分はストレッチャーのままのこと
に腹を立てた。病室はひとつしかないのだ。
 「ごいっしょさせてくださーい!!」
 ゆきは強引にかつ明るく、父親を広子の病室に連れて行き、勝手に
相部屋にする。あっけにとられているコトーには、シーツと枕を準備
させる。

 ソファーに並んで座った和田(筧利夫)とコトー。2人の前には
「ヤシガニラーメン」のカップが二つ。今晩の夕食らしい。
 「彩佳さん、どうして怒ったんだろ。疲れてたのかな」
 「先生って、病気のことはすぐわかるけど、それ以外のことはぜん
っぜん分かんない人なんですね」
 ふと思い出した和田は立ち上がり、診察室で拾った手紙を渡す。
――咲(石田ゆり子)からの手紙、忙しくて読むのを忘れていた。
 お待ちかねのラーメンに箸をつけようとした時、電話が鳴る。急患
だ!
 ――島の老人、通称“あきおじ”が運ばれてくる。転んで胸を打っ
て息が出来ないと言う。外傷性気胸と診断したコトーは、いるはずの
ない彩佳に処置の指示を出してしまう。代わりに和田とゆきが動き出
そうとする――と、そこに、仏頂面の彩佳が。戻ってきてくれたのだ。

 「先生!」また患者。今度は42度も熱がある子供だ。待合室で診
察する彩佳。芦田は、診察室と待合室を何度も往復し忙しく立ち回り、
細かく的確に指示を出すコトーの姿をじっと見ていた。大粒の雨が、
夜じゅうバタバタとたたきつけるように降り続く――。

 雨が上がり青空が戻った翌朝、芦田が目覚めると、もうすでに診察
が始まっていた。驚いたことに一番の患者は6:00だったそうだ。
 その日、コトーとゆき、彩佳は芦田を外に連れ出す。そこは、島で
も一番景色のいいところ。車椅子の芦田は真剣な面持ちで尋ねる。
 「俺はガンか?どれくらいもつ?はっきり言ってくれ!」
 コトーは、ちらっとゆきの顔を見て答える。
 「今は何とも言えない。ただ、どれくらい生きられるかは誰にも分
からない。でも、人は誰でもいつかは死ぬんです。その最後の時に
“いい人生だった”と思えたら幸せなんじゃないか」
 芦田は、その絶景が見えているのか見えていないのか、海を臨んだ
まま動かない。

 その日から芦田は“自分から面会謝絶”にしてしまい、丸2日点滴
だけで食事をさっぱりとらなくなった。
 診療所の屋上で包帯を干している彩佳に悩みを打ち明けるゆき。
 「まさか父がものも食べなくなるなんて。私のしたことは間違い?」
 「医者なんだから、自分で何とかしなきゃ」
 とつっけんどんな答えに、がっかりして帰ろうとするゆきを、彩佳
が呼び止める。
 「…ゆきさん、この間は言い過ぎました。ごめんなさい」

 廊下に純一が立っているのに気付いて、近づくゆき。病室では、広
子に芦田が話し掛けているところだ。純一と二人、耳をすませる。
 「私のためにおふだありがとうございました。何も出来ないが、早
く良くなって下さい。健康がどれだけ大事かよく分かった。あの事故
も私のせい、すまなかった」
 「真面目だけがとりえの息子、どうかよろしくお願いします…」
 謝る父親の姿を初めて見るゆきは涙を流している。ゆきを見て、純
一も涙ぐみながらささやく。
 「ほんとにお父さんのこと嫌いだったら、あんなウソはつかない。
僕だって、もし尊敬していなかったら、とっくに秘書なんか辞めて
る…」
 遠くから話を聞いていた星野(小林薫)と目があい、微笑み合う三
人。

 「君の仕事ぶりを見ていた。たくさんのあらゆる症状の患者を、た
った一人で、寝る暇もなくて…。どうしてがんばれるんだ?」
 「それがぼくの仕事ですから。元気になって喜んでくれればそれで
いい」
 「ムリしてるんじゃないか?…私には理解できん」
 芦田がコトーと話しているのを、星野が傍らで黙って聞いている。
灯台のある高台、ここから例の“ゴミ処理場”の予定地が見える。
 「東京の病院のオペ室にいた頃は忙しすぎて、時間に追われていた。
名前を覚える間もなく、亡くなっていった患者さんも…。この島に来
て、見えてきたものがたくさんある」
 「…ただ、誰かの役に立ちたいという気持ちだけで働くことが出来
たら、いい一生だったと笑って死ねるんだろうな。…ゴミ処理場のこ
とはどう思う?」
 「世の中には変わって良くなるものとそうでないものがある。僕は
この島には変わらないでいて欲しい。それが魅力になる日がいつか、
来る気がする」

 いよいよ芦田は東京へ帰ることにした。診療所を出ようとした時、
スーツ姿の安藤が“リサイクルセンターの賛成署名”を携えて、いそ
いそと現れる。
 「あれは白紙に戻す」
 とあっさり言われ、うろたえる安藤。それを気にもかけず芦田は広
子に声をかける。
 「志木神様のおふだ、利いたようです」
 そして、純一にもう3日ほど広子に付いているように“命令”して
行く。別人のような父親に、あぜんとしているゆき。
 「お父さんにはあなたが必要」
 「今の志を忘れなければ、きっといいドクターになれる。ここでな
くても」
 と彩佳とコトーに言われ、ゆきはあらためて感謝の気持ちを伝える。
突然、和田の名を呼び、頬にKISS!!和田は嬉しさを隠し切れず、
そばで微笑むコトーに言う。
 「先生!写真、撮って下さい!」

 診察が終わって、しんと静まり返った診療所。コトーはようやく、
咲からの手紙の封を切る。
 「…そちらは遠い世界です。やはり、最先端の医療は最先端の設備
でしか出来ない、結局それが多くの人を助けることになると思ってい
ます。また議論になってしまう…。さよならとは書かない。いつか、
また…」
 そう締めくくられた手紙を読み終え、ぼんやり考えるコトー。そこ
にあきおじ一家が現れ、お礼と言って新聞紙に無造作に包まれたカボ
チャを手渡す。そして“志木神様のおふだ”。カボチャとおふだを手
にしたにこやかなコトーに和田がカメラを向ける。――これが島の暮
らし、今の僕の大切なもの――。

 「…わしは”ガン”なんだろ?」
 港に向かう車内、神妙な顔の芦田がゆきに問いただす。
 「いつ、そんなこと言った?お父さんの病気はただの“尿管結
石”!!」
 あはははとゆきの明るい笑い声に、愕然とする芦田は自然に手を合
わせる。途中、黄色いリュックの少年に遭遇するが、あまり気にもせ
ず、車は遠ざかる。
 ――その黄色いリュックの少年。胸には、「杉本竜一」の名札。陽
炎が立ち上る夏のアスファルトの道を、たった一人、歩いて行く――。


寸  評  原(時任三郎)とタケヒロの場面(母の思い出とタケヒロの決意、
とでも書いときます)、サイズが重くなりそうだったので、今回のお
話には直接関係ないと思いカットしました。ほんとに盛りだくさんの
第五話で疲れました。端折ったところが、予告編によると次回出てく
るそうなので、乞うご期待。
 医療関係の言葉(薬剤名など)が書けず、もどかしいです。コトー
が指示したあきおじの処置を、戻った彩佳がすぐ反復したところ、と
ってもかっこよかった。出来れば文字にしたかったです、「」でくく
って。
 このドラマは、セリフがとっても大事な個所がいくつもあって、そ
う思ったセリフは「」でくくって、なるべく忠実に書いているつもり
です。
 「ヤシガニラーメン」予告編から気になってましたが、コトーたち、
結局食べられたんでしょうか。そういえば、「踊る大捜査線」でも、
時々「そんなのどこに売ってんだ?」と思わせるあやしいカップめん
がありましたね。結局、深津絵里ちゃんにとられるんだけどネ。

執 筆 者 三森(anponhana@mail.goo.ne.jp)

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2. 編集後記
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 梅雨が明けたようですね。やっと夏らしくなりました。今年買ったノースリ
ーブの服を出して着たら、何か恥ずかしい…二の腕のプルプルが気になるので
す。昔からあんまり体重変わってないんですけど、若い頃とは明らかに違う肌
のハリ。よる年波には勝てませんな、やれやれ。(三森)

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発行元:ドラマ研究会
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