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タイトル:Daily Drama Express (2003/03/19) 最後の弁護人(最終回)  2003/04/15


===================================================== 発行部数    5 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2003/03/19 (Wed) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.水曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 水曜日の連続ドラマ
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タイトル 最後の弁護人
局  名 日本テレビ系
放映日時 水曜22時
キャスト 有働和明(阿部寛)
     神崎美智子(浅野ゆう子 )
     赤倉俊哉(今井翼)
     良子(須藤理彩)
脚  本 秦建日子

あらすじ  日本弁護士会・神崎のところに、日の出刑務所から電話が入った。
有働の妻、神崎の妹を殺した<吉野一臣>が仮出所したと言う知らせ
だった。
 吉野は自分の妻と子を殺害した犯人の弁護をした有働を恨み、有働
の妻・ゆりを殺し、娘を傷つけ、服役していたが、模範囚として仮出
所してきたのだ。

 複雑な思いの神埼。そして事務所で連絡を受けた博士は、ゆりの敵
を討つため、この時を待っていた。博士は自分の泥棒の道具箱の中か
らナイフを取り出し見つめ、「とうとう・・・」とつぶやくのだった。

 タクシードライバーの鈴木浩二は、夜勤務をおえて事務所に帰って
きた。同僚たちと和んでいると、鈴木宛に電話がかかってくる。吉野
からだ。鈴木は、今は鈴木と名乗っているが10年前吉野の妻と子を
殺害した瀬戸浩二だった。吉野は瀬戸に少々のいやみを言い「私は家
族を失った、あの弁護士も妻を無くした、あなただけが何の償いもし
ないでいきている。」と、言うと、瀬戸は「どこかで会いましょう、
ちゃんと会って謝りたい。」という。

 瀬戸が上着の胸に手を入れ、一人水辺で待っている。吉野が後ろか
ら階段を下りてくる。振り向き軽く頭を下げ吉野を見つめる瀬戸。冷
たい表情の吉野。
 2人は見つめあい・・・思い出している、吉野が妻と娘の死体を目
の当たりにした時のこと、そして、裁判で瀬戸は「殺すつもりはなか
った。ただ、相手がしゃべるから・・・」と証言し、弁護人の有働は
「無罪を主張します。」と言った。吉野は愕然とした。
 吉野は今、瀬戸を目の前に、詰め寄るように距離を縮めていく。退
く瀬戸。そして、何か言おうとした瀬戸は・・・・

 110番通報が入った、しかし何も言わずに切れる。調べてみると
汐留大池公園の公衆電話からだ。
 パトロールカーに連絡が入り、念のため調べることに。車が公園近
くに着くと、ちょうど階段を上ってくる吉野が見えた。警官は、吉野
の袖口と首筋に血が着いているのを見て大丈夫かと駆け寄った。
 吉野は「人を殺した。これで2人目だ。」と警官に言う。見ると土
手の下に腹にナイフがささったまま倒れている瀬戸がいた。

 有働弁護士事務所
 有働と赤倉が言い合っている。有働は正社員で迎えてくれるGSへ
行けと言い赤倉は、うれしいけどずっとここで働きたいと言う。「め
いわくです!」と突き放す有働に「俺ここで分かったことがあるんで
す。貧乏にはつよいんだって!」と言った赤倉の頭を有働は叩く。
 有働と石田とそしていつの間にかそこにいる博士と4人でずっとや
っていきたいと言う赤倉に、石田は田舎で見合いをしていなくなると
有働は言う。
 
 石田の見合いの相手は弁護士だった。ルックスもそう悪くない。結
構乗り気の石田。相手も石田に会ってますます気に入ったと言ってく
れた。

 事務所で有働と赤倉が賭けをしている。有働は石田が帰ってこない
に千円、赤倉は帰ってくるに全財産の千円。
 石田が事務所にやってくる。見合いの成果を聞かれ、まずまず、ぼ
ちぼちと答える石田。そこにいつもの電話がなる。石田がとった。神
崎からだ。
 神崎は有働の声は聞きたくないので、伝言をと言い「吉野一臣が又
人を殺しました。」と伝える。石田が「誰ですか?吉野一臣って。」
と言ったとたん、有働が電話をとりあげた。
 神崎が、吉野一臣が殺害現場で現行犯逮捕された、と、有働は何が
あったのかと聞くが、自分で聞くといい、吉野は有働に弁護の依頼を
したいと言っているから、と言う。

 東京拘置所
有働は吉野に面会に来た。自分の妻を殺した男と10年ぶりの再会だ。
吉野「おひさしぶりですね、弁護士さん。」
有働「どうして私に弁護を?」
吉野「あなたのあの時の言葉、身を持って証明して貰おうと思いまし
てね。」
 吉野は、自分の妻子が殺害された時の裁判の理不尽さを訴えた。捜
査方法が違法だからと、有罪の証拠が退けられ、無罪になった。何故
だと問うた吉野に、有働は、私は弁護士だ、たとえどんな人間でも依
頼人の為に全力を尽くす、と答えた。
吉野「今でも同じ事がいえますか?私はあなたの奥さんを殺し、そし
てあなたの娘さんを・・」言葉をさえぎるように、
有働「もちろん、言えますよ。あなたは依頼人で、私はあなたの弁護
士だ。」

 石田・これが私にとって、いや、有働弁護士事務所最後の事件とな
った。

 帰りの車の中、赤倉は有働に他の人に弁護を代わってもらえばいい
と言う。石田もそうだと同じ意見。石田は、きっと有働に弁護を頼ん
で情状酌量を狙っているんだと言う。そんなことで量刑は変わらない、
と有働は黙り込む。

 石田・10年の時を経て起こった二つの殺人事件。妻子を殺害され
た男は、10年後に犯人の男を殺害し、なんの罪も無い妻を殺された
男が、10年後妻を殺した男の為に走り回っている。私にはわからな
い。何故この人がそれまでにして弁護士と言う立場を貫こうとするの
か。

 神崎が妹・ゆりの墓へゆりの花を持ってきた。墓の前には博士が先
に来ている。墓の前でじっと座り込んでいる。遠くから見つめている
だけの神埼。

 事件現場
有働・石田・赤倉の3人が検証に来ている。有働は<妙>なところが
3点ある、と話し出す。
 1つは、吉野は凶器のナイフを自分で買ったと自供しているが、出
所時の所持金と現行犯逮捕されたときの所持金を差し引くと、分かっ
ているものだけでピッタリで、ナイフを買った形跡がない。
 2つ、110番通報したのは誰か?通りすがりでも名前さえ言わな
ければいいのに、何も言わずに電話を切っている。
 3つ、・・・いきなり有働は石田に見合いの話を振る。3つ目はな
かったのか?石田は自分の見合いのことで有働と赤倉が賭けをしてい
ることに怒って、さっさと先に行ってしまう。

 第一回公判
傍聴席に神崎も入ってきた。裁判が始まる。
検察側「起訴状・・・・罪名及び罰状・殺人、刑法第99条」
弁護側「弁護側は、無罪を主張します。」
沢登検事「被告人は現行犯逮捕され、自供し、復讐と言う動機も在る」
有働「被告人は虚偽の供述をしている可能性があります。」
沢登「なに??」
吉野「嘘はついていません。この10年間、瀬戸を殺すことだけを考
えてきました。」
有働「ではお聞きします。凶器のナイフはどうしました?」
吉野「ひろいました。」
有働「ナイフに瀬戸さんの指紋がついていましたがどうしてですか?」
吉野「刺した時に瀬戸さんがさわったのでしょう。」
有働「どうしてあなたにも、ナイフの傷がついていたのです?」
吉野「あ、それは、刺した時に、え、抵抗にあって、その時に私にも
傷がついたのだと思います。」しどろもどろだ。「無駄なことはやめ
ませんか。あなたも人間だ、私のことを殺したいと思ってるでしょう
?今なら合法的に私を殺せるんです。ただ、黙ってみているだけで私
は死刑になる。」・・・

 一人でとぼとぼ歩いている石田。見合いの相手のことを思い出して
いた。法律のテクニックを駆使して犯罪者の罪を軽くする、それが世
の中の為になっているとは思えない、そう彼は言った。だから民事裁
判しか手がけない、と。しばらく考え込み、思い切ったように駆け戻
る石田。

 事務所では、博士と赤倉が酒を飲み話していた。赤倉は、有働は自
分には就職しろ、石田には冷たい、じぶんは有働の為に力になりたい
のに何をすればいいかわからない、と博士に言うと、博士は、人間な
んて無力なもんだ、10年ぶりの酒だ、飲め!!と言われる。博士は
どうにもやりきれないようだ。

 吉野が有働と2人きりで話したいと有働を呼んだ。有働に吉野が言
う。二人きりなら素直になってくれるんじゃないか、私に復讐したい
と言う本心を聞きたい。
 有働は、自分が知りたいのは事実の解明だけだ、無言の通報者が誰
なのか?納得がいかない、と言う。
 吉野は、家族を殺した犯人がにくくて殺したい、同じ気持ちのはず
だ、と、有働に詰め寄る。憎しみの連鎖は、関係者がすべて死ぬまで
無くなることは無い!あなたが合法的に私を殺してくれればすべては
終わる。私を殺してくれ、瀬戸が私の家族を殺したように、私があな
たの家族を殺したように!!と。

 有働は吉野の言葉を反芻しながら、現場にきた。石田が池を浚って
いるのを見つけ声をかける。そんなことはやめて早く嫁に行け!と。
 しかし、石田はこの事件が終わるまで助手だからと、池から出てこ
ない。そこへ柴田刑事らがやってくる。30人が浚ったが何も出てこ
なかった、目撃者無し、通報者も出てこない、電話ボックスにも指紋
は無し。
柴田刑事「しかし物好きだね。どうして家族の仇の弁護なんてひきう
けた。」
有働「被告人に依頼されたもんで。」
柴田「つくづくばかもんだね。」
有働「よく言われます。」わらってみせる。
 柴田刑事が、電話ボックスに関する鑑識の報告書を有働に渡し、面
白いだろうと言う。自分が吉野を取り調べた、供述に嘘があるならじ
ぶんも真実が知りたい、と。有働は報告書を見て、柴田にありがとう、
と足早に行く。
 
 有働は慌てて事務所に帰り、酔っ払っている博士に質問した。事件
当夜、博士は何処にいたのかと。目を見張る石田と赤倉。
 博士は話をはぐらかすが、有働は続ける。博士が親しかったのは、
私でなく妻の方だったのに、どうして何時も事務所にいるんだろうと
不思議だった。博士は吉野の仮出所の情報をここで待っていたので
は?
 博士が外で話そうと言い出した。人間はやることが無いと生きてい
けない。家族もいない、泥棒も止めた。今から新しいことをやるには
年を取り過ぎた。博士の話の途中で有働が聞く。吉野の後をつけまし
たね。後をつけて何を!・・・博士は答える。由利ちゃんは自分にと
って大切な人だった、吉野を殺そうと思っていた!!と。
 有働は吉野の言葉を思い出していた。「殺人と言うのは連鎖する。」
有働は博士になにを見たのか証言してくれと頼む。しかし博士は何も
見なかった、途中別のことに気を取られて見失ってしまった、と言う。

 そのころ、神崎は事件現場の電話ボックスの前で立っていた。何か
を迷っているように、考えているように。

 ゆりの墓の前で有働はひとり花を抱え立っている。

 石田と赤倉は有働がどうしてここまでやるのか分からない。

 神崎の所に裁判所から、呼び出し状がきた。この裁判のものだ。

 有働はゆりの墓に花束を置き、まだ複雑な様子で歩きだした。

 死を覚悟した硬い表情の、拘置所の吉野。

 第2回公判
始まる時、吉野は聞く、私を殺す決心はついたかと。しかし有働は、
いえ、無罪を主張します、と答える。意外そうな吉野。
 弁護側の証人尋問、有働は神崎を呼んでいた。
神崎が証人台に立つ。いきなり有働は「事件当日、どこで何をしてい
たか?」と聞く、当然神崎は「覚えておりません」ときっぱり!
有働「吉野の仮出所の連絡後、どうしていたか?」
神崎「おぼえていません」
有働「ここに、通報のあった電話BOXの報告書があります。」
神崎「そこに私の指紋があったのですか?」
有働「だーれの指紋もありませんでした。」
 検察側の異議にそのまま続ける有働。
有働「電話BOXの指紋は綺麗にふき取られていた。通報しようとし
たが思い直して無言で切った、そして指紋を拭いた。身元の発覚を避
けるため、つまり通報者は容疑者に極めて近い人間。あの日、吉野の
仮出所を知っていたのは、3人。瀬戸・花岡(博士)・そしてあな
た。」
神崎「状況証拠にもならないわね。」
有働「しかし、私は通報したのはあなただと確信しています。お願い
なんですが、あなたの見たありのままをはなしてほしい。」
神崎「何かを目撃した覚えはありません。」
有働「最初にナイフを取り出したのはどっちですか?」
神崎「なにかを目撃した記憶はありません。」
有働「先にナイフを取り出したのは、吉野ではなく瀬戸さんではあり
ませんでしたか!」
沢登「異議あり!吉野は殺意を持って瀬戸を呼び出している。」
有働「被告人は本当のことを言っているとは限らない。被告人は生き
る目的も無く、ただ楽になりたいが為に極刑を望んでいる!・・神埼
さん、答えてください。」
神崎「なにかを目撃した記憶はありません!」
有働「当日現場近くであなたを目撃した人もいるんですよ。」
神崎「近くにいたからじけんに関係してると言うのは乱暴ではありま
せんか」
有働「法律家としての良心を信じています。」
神崎「私が目撃したと言う明確な証拠を示してください。」
有働「証拠はありません。」
神崎「証拠が無ければこれ以上、無意味です。検察側、反対尋問を。」
沢登「え?あ、・・ありません。」
 立ち去ろうとする神崎に有働が話し掛ける。「10年前、初めて妻
に自分の裁判の相談をしました。被告人・瀬戸浩二が殺人を犯してい
ることは明白でした。私は新人刑事が功をあせり不当な捜査をしてい
たことを知っていた。悩みました。法の下の正義が分からなかった。
そんな私に妻は言った。<あなたが人を裁いてはいけない。あなたが
神様になろうとしてはいけない。人が裁かれるのが許されるのは事実。
美しくても醜くても、事実のみ>だと。私は10年経った今でも吉野
一臣を憎んでいる。死刑台に送りたい、いや、この手で八つ裂きにし
てやりたいと。しかし出来ない、妻に軽蔑されたくないからだ。世界
中からうらまれても妻から、有働ゆりからは軽蔑されたくないんです
よ、お姉さん。あなたの妹は最高の弁護士でした。」
 神崎は涙をこらえながら「はぁ、ばかなんだから、ゆりは小さい頃
から人のことばっかり考えて、そんばっかりしてて、・・ゆり・・・」
神崎の目から涙が・・・
有働「神崎さん、事件当日、瀬戸の殺害現場を目撃しましたね。凶器
のナイフを持ち出したのは、吉野ですか?瀬戸ですか?」
 神崎は、事件当夜のことを思い出しながら、涙をすすり上げ、証言
台に戻りいつものようにキリリと証言する。「ナイフは、吉野ではな
く、被害者・瀬戸が取り出しました。瀬戸は吉野に襲い掛かり揉み合
いになり・・・逃げる吉野を瀬戸が追いかけ、土手で滑って倒れた吉
野を切りつけようとして瀬戸も滑った、勢いで自分の腹を刺し土手を
転げ落ちた。・・・」
有働「殺人ではなく、事故だった。それが事実ですね。」
 神崎は有働の方をしっかり向いて、そしてはっきり力強く言った。
「はい!それが事実です。」

 静まりかえる廷内。

有働「以上の証言を持ちまして、被告人の無罪を主張します。」

 有働弁護士事務所
石田は見合い話を断ったようだ、有働が茶化している。赤倉も博士も
健在!!しかし・・・
 「実はおまえらに相談が在る。来月からこの部屋追い出されるん
だ。」
一同「えぇーーーー!!!」
 「有働弁護士事務所の名前じゃ何処も貸してくれないんだ。だから
な、ロバ(石田)に新たに金を借りてもらって、さらに(赤倉にも)
借りてもらって、<有働田倉 弁護士事務所>の名前でここを借りよ
うかと思って・・」
 「つまんない冗談やめてください。」
 「背に腹はかえられないんだよっ。ほい、千円。」
 「あ、こないだの賭けのだ。」
 「サイテー!」と、いつものように電話が・・・・・おわり


寸  評  最後の事件って、そういうことだったのねぇー、と言う感じで終
わりました。
 何だか、説得力があるような無いような有働の喋りには、こんなユ
リさんへの気持ちが、ずっとずっと保ちつづけられていたのね、と、
やっぱり納得がいくようないかないような、・・・15分ほど延長で
作ってほしかったですね。
 パート2が見たいですが、皆様はいかがでしょうか??

執 筆 者 ぶー()

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2. 編集後記
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 手違いがありまして、最終回の配信がめちゃくちゃ遅くなってしまいいまし
て、誠にもうしわけありませんでした。ご迷惑をおかけいたしました。(ぶー)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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(http://www.mailux.com/)
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