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■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■ ■■■ ☆＜らいぜんのパチ物語＞ ■■■ パチプロ探偵2『消えたカリスマ』第10話 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■ 美鈴から渡された紙を一通り読んでみる。 「○○探偵事務所 殿 調査依頼書 下記事案に関し、貴殿に正式に下記条件にて調査を依頼いたします。 なお調査によって生じた損害については補償いたしかねます。 また、調査上必要な旅費交通費などの経費関しては、調査料とは別にお支払 いいたします。 記 調査内容：安西晴樹・行方不明にかかる所在解明および身柄の確保 調査料 ：金５００，０００円也（消費税別途） 以上」 この下に「安西明日香」と幼い文字が書かれ、印鑑が押されていた。 「５０万？・・これって、ちょっと高くない？」 「いいのいいの、明日香の家は金持ちなんだから。」 「だって友達なんだろ？、高校時代の・・」 「それとこれとは話は別よ。 プライベートはプライベート、ビジネスはビジネスよ。」 果たしてこんな美鈴からいくらの給料を請求されるのだろう・・それを考えて 一瞬憂鬱になった。 翌朝、俺はＭ市に新幹線で向かった。 美鈴のお陰で出張旅費も請求できることがわかったから、これ以上東京での下 調べをしなくても、まずは直接安西を捜しに行くことにした。 出がけに美鈴も一緒について来たがったが、さすがに二人分の出張旅費は請求 できないだろうと判断し、何とか思いとどまらせた。その代わり俺が東京で調 べたことを調査報告書にまとめるように指示しておいた。お陰で調査結果を伝 えるのに夜中になってしまったが・・しかもその後また・・う〜んモテる男は 辛いかも・・ 結局寝たのは朝方だった。睡眠時間２時間足らずで俺は新幹線に飛び乗ったの だった。 降車駅で何とか目を覚まし、俺はまず太賀湾に向かった。電車とタクシーを使 い、太賀湾に到着すると、爆破された中国船の残骸らしきものが、埠頭に引き 上げられていた。 腹にダイナマイトを巻き付け、船にいざ乗り込むとき・・平良は何を考えてい たのだろう。それまでの自分の人生か・・愛する女のことか・・ん？イカン、 イカン・・気がつけばいつも平良のことを考えている。 そもそもこの太賀湾に来て何の意味があるのだ。この場所と安西は、現時点で はあまりにも飛躍しすぎているではないか。 そうは思いながらも、曇り空に灰色に染まった海面をしばらく眺めていた。 自分の生き方と海に散ったと思われる男の生き様を重ね合わせながら・・ タクシーで町に戻り、喫茶店に入った。自分がこれからどこを拠点に動くか決 めなければならない。 席につくなり出されたおしぼりで顔を拭いながら、俺は観光用の地図をテーブ ルの上に広げてみた。 かなり都市化したＭ市だが、まだ山に行けば林業、海に行けば漁業が盛んなと ころだった。人口は１００万人を超え、パチンコ屋、スロット屋は無数にある。 来るには来てみたものの、これから行く先にまるで宛がないことに恥ずかしな がら初めて気がついた。俺は途方に暮れた。途方に暮れつつも、ある名案が浮 かんだ。 さっそく携帯を取りだし電話をする。 「もしもし？」 花行美代子の声が聞こえてきた。 「すいません、今Ｍ市に来てるんですけど、こちらのテレビ局でどなたか知り 合いの人を紹介してもらおうと思って・・」 「そうねぇ・・西京テレビのキー局のＴＶＭなら２年ほど前に仕事したことあ るわ。えぇっと・・誰だっけな・・ごめん、度忘れ・・う〜ん・・ごめ〜ん、 もうすぐ本番だから、マネージャーの満岡から連絡させるわぁ・・」 ここで電話が切れた。どうやら本番前の一番忙しい時に電話してしまったよう だ。 満岡というのは花行美代子のマネージャーで、えらく陰気な男で最初は胡散臭 い感じがしていたものの、何度か会っているうちに実はそうじゃなのではない かと思い始めていた。だが、まだ腹を割って話すような関係じゃない。どちら かというと、まだ電話で話したい相手ではない。 すぐに電話が掛かってきた。話題の満岡だった。 「ただいま花行の方より、ＴＶＭの担当者を探偵様にご紹介するようにとの命 を受けましたので、ご連絡致しました。制作局に鯨岡というディレクターが おります。先ほど電話しておきましたので、今日であれば、いつでもお訪ね になられても大丈夫だそうです。電話番号は・・・」 「あ、ありがとうございました。」 「いえいえ、陰気なだけじゃ生きてゆけませんから・・では」 満岡のあまりの手際の良さと、最後の自虐的な一言にどう反応したらよいか一 瞬悩んでいたら、電話が切れてしまった。どうも満岡は自分が陰気であること を楽しんでいる節がある。今度本人に直接確かめてみよう。 ＴＶＭの局舎は街の中心部にあったが、意外とこぢんまりしていた。まぁ中央 の西京テレビのような巨大テレビ局と比べること自体無理があるのだが・・ 入口は特にチェックもなくすんなりと入れた。この警備の甘さも地方局ならで はだろう。 制作の事務所に行き、鯨岡なる人物を訪ねる。奥から、３０代中盤だろうか俺 と同じ歳くらいの特徴のあまりない男が出てきた。 俺は自分の名を名乗った。 「あぁ、先ほど花行美代子さんのマネージャーの満岡さんから連絡ありました。 東京からですか？、それは遠いところようこそいらっしゃいました。まぁ狭 いところですがどうぞどうぞ。」 応接と言うにはあまりにも狭く粗末な椅子を勧められた。客としてはこの程度 の扱いの客だと言うことか、それとも本当にこんな応接しかないのか・・ 「すいませんお仕事中に・・いくつかこの地方のことを聞かせてもらいたいの ですが・・・」 「ええ。どうぞどうぞなんなりと・・」 鯨岡という男の態度は全く屈託がなく他意はないと思われる。やはり応接はこ こしかないのだろう。 「パチスロというギャンブルがありますよね？」 「え？・・あ、はい『スロット』ですよね？」 パチスロをあえてスロットと言い換えたところから見て、この鯨岡はそれなり の認識があるものと判断した。まずこういうところから話を始めなければ、そ の後の話は噛み合わなくなってしまう。 「ええ、そのスロット打ちでこの地域で有名な人っています？」 「スロット打ち、ですか？・・つまり有名プロ、ということになりますかね。 ・・すいません、私それほど詳しくないモンで・・ちょっと待って下さい、 ＡＤでその方面に詳しいのがいますから、ちょっと呼んできますよ。」 そう言って鯨岡は、慌てて席を立った。 まもなく万年寝不足のような頭をボサボサにした若い男と共に戻ってきた。 「コイツがスロット詳しいので連れてきました。ええっと、有名なスロット打 ちですよね・・おい、お前誰か知らないか？」 「そりゃ・・平良さん・・でしょ？やっぱり・・」 その寝ぼけ男はあっさり意中の名前を口にした。やはりカリスマなのだ。 「・・その平良というスロット打ちの話なんだけど・・どの辺で打ってるか知 ってる？」 平良は行方不明だと言うことをあえて知らないフリをしてその若者に尋ねてみ た。 「平良さんが、今どこにいるのか分かりません。どうやら行方不明らしくて。 ・・でもチームの連中は、隣町の『ヘブン＆セブン』という店で打ってます。」 これで次の目的地に行くために必要な情報は手に入った。最後に念のためにも う一つ質問をしてみる。 「話変わりますけど、西京テレビの安西というプロデューサーがここに来ませ んでしたか？」 「ああ、いらっしゃいましたよ。いやぁ緊張しましたよ、中央局の名だたる大 プロデューサーですからね！」 そう答えたのは鯨岡だった。 失態だった。まさに俺の失態だ。またまた本来の目的を忘れかけていた。俺は 安西を捜しに来たのであって、平良ではない。立ち直れないほどの自己嫌悪に 陥りながら、立ち上がりかけていた俺はもう一度席に就き質問を続けた。だが その内容は俺をさらに自己嫌悪の坩堝に叩き込んだのだ。 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ ※この物語はフィクションであり、登場する個人名・団体名はすべて架空のも のです。もし同じ名前や良く似たものが実在しても、やっぱり架空です(笑)。 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ {magclick} =========================================================[issay PR]== 絶好調発行中!!! 男も女も読め! あの「らいぜん」が満を持して放つ、究極のパチンコストーリーメルマガ! 「虚構師らいぜんのパチンコ百景」 http://www.mag2.com/m/0000108898.htm 毎月5日、20日発行! あっと驚く奇想天外なプロットで、読者を興奮のるつぼに巻き込んでいく! なんと仕事中に書き続けた、らいぜん渾身のパチンコ小説メルマガ!(笑) ====================================================================== ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ ■後書き ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ そうそう、たいがー山本氏がまたまた新たなメルマガを担当されましたよ。 まぐまぐの携帯パチンコ・パチスロ公式サイトでパチンコを担当することに なったそうです。 しかも本日７日に発刊らしいですよ。 名付けて『パチ・スロ攻略の砦』です！ こりゃ、もう要チェックでしょ！ 下がそのURLですよん。 http://cgi.mag2.com/cgi-bin/w/mag?id=pachi_t1006 皆さんのお持ちの携帯でパチンコ、パチスロの様々な情報を奪取出来そうで すね。読者の皆さん、たいがーさんの携帯サイトもよろしくお願いしますね。 ほんじゃあ、この3連休じゃんじゃんばりばり出してくださいねぇぇぇぇ。 「笑う角には福来る」きっと皆さんに大きな福が授かりますように.... ではでは、みなさん、次回までごっきげんよう、さようなら。 ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ ◎メールマガジン★イッセーのあはは天国劇場★ は以下の配信システム を利用して発行しています。 『まぐまぐ』 (マガジンID: 0000047327) http://www.mag2.com/ 『E-magazine』(マガジンID: 333777) http://www.emaga.com/ 『カプライト』(マガジンID: 1103) http://kapu.cplaza.ne.jp/ 『メルマガ天国』(マガジンID: 3262) http://melten.com/ 『Mailux』(ID: MM3E194C6CD54F5) http://www.mailux.com/ ----------------------------------------------------------------- 責任編集／イッセー岡田 ＜じゃんバリ＞レギュラーライターの信用と実績 <専属ライター> らいぜん http://www.geocities.co.jp/Bookend-Kenji/6968/ E-mail mailto:issayokada@mub.biglobe.ne.jp ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ ★『 ★イッセーのあはは天国劇場★ 』の記事の一部、 もしくは全部の無断転載・無断配布を禁じます。 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