メルマガ:イッセー岡田のあはは天国劇場
タイトル:イッセー岡田のあはは天国劇場 2005号  2005/01/13


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           ☆彡【 バラエティーマガジン 】☆彡  
  
                          お正月特大特集おまけ号
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       _/_/   ★イッセーのあはは天国劇場★  _/_/
            【Ahaha issay-Raizen-version】
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          毎月16、17のいずれか以外にも発行!
               2005年発行第一号
                ☆☆☆ 第2005号 ☆☆☆ 
        
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(あは天はメルマガ界初のISO14000取得をしました(嘘)。
本メルマガは再生紙を利用して、この地球の環境保全に大きく貢献しています)
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☆<目 次>
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■ < ご挨拶 >               {明けましておめでとうございます}

■       <らいぜんのパチ物語> 
                                『パチプロ探偵』第14話

■ <イッセーのパチ物語> 『パチンコエキスプレス』第45話
 
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   【 謹 賀 新 年 !】
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皆さん、明けましておめでとうございます。
新年2005年を記念いたしまして、あは天2005号(笑)の発行でございます。

あは天発行者、年末から年始に掛けて恒例禁スロ中のイッセー岡田です。
というのは嘘で、年末年間収支ほぼとんとんから、止せばいいのにターミネー
ターでしっかりと負けてしまいました。なんなんだ、あのLTってのは?
ぜんぜん入らないじゃない!
その分はこの正月のアルバイトでなんとか軍資金を作りましたので、今に見て
おれ、おのおのがた!
この恨み、はらさいでおくモノか! 
きっちり返させて頂きますよ。
とは言うモノの、念のために過去の収支を調べてみました。
パチを始めた1999年暮れから6回目のお正月を迎えるのですが、勝利してい
るのは昨年のみで、あとはボロボロ、涙ぽろぽろ、思い出ボロボロですわ!
全く今月は運だけでは勝てそうにないしね、やっぱ。

ちょっと三連休に触りに行きまして、平和のスロット新機種「黄門ちゃま」で
フリーズ演出出したのにBB3RB2のお粗末さ、結局プラス11100円のゲット。
あのフリーズ演出は特にプレミア的なものではなくて、BBと確変が保証される
だけらしいですね、何だよ、喜んで損しました。
てっきり3000〜5000枚は頂けるものだと思ってたのに。
しかし、まぁ、負けなかっただけ良かったです。

さて今日は新年特集の豪華二本立てでお送り致します。
ダブルストーリーパワーアップバージョンです。
お待ちかねのらいぜん作「パチプロ探偵」はいよいよラストに向かって突き進
む第14話でございます。
おまけのイッセー岡田作「パチンコエキスプレス」もアホらしさ全開、いよいよ
誰も読まなくなるのではないか、と今やちまたでも大評判!
では暖かい鍋でもつついて食べながら、じっくりご堪能ください。

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■■■ ☆<らいぜんのパチ物語> 
■■■                      『パチプロ探偵』第14話
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小島印刷に持ち込まれた原稿が、無事すり替わったのを確認したのは、すでに
夜10時を過ぎた頃だった。
俺はそのまま家に戻り、パソコンに向かっていた。

「『月刊・攻略パチプロ』ご担当者様。
 突然のお便り、失礼いたします。しかしながらこれから私が書く内容に比べ
 れば、こんな失礼は失礼のうちには入らないでしょうね。
 この手紙があなたの手元に到着するころには、まだ次号の発売はされていな
 いかも知れませんが、きっと発売されていたとしたら大騒ぎになっているこ
 とでしょう。
 なぜなら、花行美代子と黒崎龍頭の対談の内容がすり替わっているからです。
 その犯人は・・私です。深夜、印刷所にもぐり込んで、密かに版下を変更さ
 せて頂きました。
 何故そんなことをしたかというと、これ以上あなたたちの悪事を放っておけ
 ないからですよ。人気タレントまで使うその姑息さが我慢ならんのですよ。
 義憤にかられたってやつですかね。
 印刷所を責めても無駄ですよ。あの善人たちは何も知らないんですから・・
 そんな暇があるんだったら、早く私を捕まえなさい。

 あ、そうそう・・私は、あなたの会社の致命傷になるネタ握っていますから
 ね。では、今日はこの辺で・・
             『さすらいのお節介野郎』より」

プリントアウトした紙を封書に入れて速達印を押した。発信者名を入れていな
かったから、切手がなくても届くことだろうが、一応律儀に350円切手は貼
っておいた。
家の近所から出すとすぐに足がつくだろうから、明日別の街のポストに入れる
ことにした。

『月刊・攻略パチプロ』の発売日の朝。
俺は、いちおう花行美代子のマネージャーとして彼女にそばに同行した。あの
陰気な満岡も一緒だった。
きっと羊蹄から何らかの反応があるはずだった。
満岡の携帯が鳴った。案の定、羊蹄企画からだった。
「もしもし・・・はい・・え?・・そうですか・・いや、その件は・・知りま
 せん・・はい、何と言われようが、こちらはそんなことは知りません。はい
 ・・そうです・・ですから、もし何か心当たりを思い出しましたら、すぐに
 連絡します。こちらとしても対談の内容を歪められるのは本望ではありませ
 んから・・はい・・では」
陰気だが見事な満岡マネージャーの対応だった。

羊蹄の慌てぶりが手に取るようだった。
俺が差し替えた内容は、ある意味かなりリスキーな内容だった。誰にとってリ
スキーかと言えば、それは対談相手である黒崎に対してだった。彼が、羊蹄に
対して反旗を振りかざしたような内容になっていた。

最後の彼の言葉の部分を借りてこう言わせたのだ。
「攻略会社の攻略情報は、まず100%インチキだ。そんなまがいものと俺た
 ちの黒龍楼の攻略を一緒にしてもらっては困る。俺たちはかなりリスクの高
 い攻略をこなす度胸がある。それを何も知らない素人にやらせるわけには行
 かないんだ。
 それと、よく『セット打法』と言われるような攻略があるだろ?
 実際あれは裏セット用のロムにしか通用しないんだ。攻略会社が売っている
 ようなセット打法は、そうではないことを前提に売られている。つまり正規
 の台に通用すると・・とんだお笑い種だ。
 まぁそうやって勝てないパチンコ好きの購買欲を煽るわけだな。俺は思うん
 だが、そういう攻略会社は確かに悪いんだが、問題はそれに食いついて来る
 パチンコ打ちが後を絶たないということなんだ。だから攻略会社は蔓延する。
 誓って言おう。俺たち黒龍楼の攻略は、絶対に素人には真似は出来ない。
 だから、アマチュアは楽して勝とうなんて思わないことだ。」

一応、携帯から新橋駅のコインロッカーの留守電を聞いてみた。
「おい!これはきっと、黒崎の野郎の仕業だぜ。黒崎はどこだ!ぶち殺してや
 る!」
かなり怒り狂った声が録音されていた。録音された時間は今朝になっているか
ら、羊蹄はまだ黒崎の所在を掴みかねているのだろう。時間の勝負だった。黒
崎が羊蹄に見つかれば、黒崎が危ない。その前に彼と連絡を取る必要がある。

俺は、黒崎の妹である相川マヤから聞いた彼の携帯番号に始めて電話してみた。
「・・・・」
電話の向こうで誰かが出たが、警戒しているのか言葉を発しなかった。
「記事を差し替えたのは私です。ある意味、あの内容は図星だったでしょ?」
「誰だ?・・お前・・」
「天下一のお節介焼きですよ。あなたが言いたくても言えないことを代わりに
 言ってあげました。」
「ふざけるな!・・てめぇのお陰で俺は・・」
「羊蹄から追われる身になったようですね。まずは羊蹄に見つからないように
 気をつけて下さい。それとあなたとお話しする時間が欲しいのですが・・」
「・・お前の狙いは何だ?・・」
「ある人にあなたの命を守るように言われましてね。こうやっていろいろと小
 細工して動いてるんです。」
「誰だ?」
「それは言えませんね。でもあなたを緊急に保護する必要があります。それは
 ご自身が一番よく分かっていますよね?
 もう一つヒントを言うと、私はあなたと会ったことがあります。つい最近ね。」
「・・・どこに行けばいい?」
何かに気が付いてもう観念したように黒崎は、俺の指示を待った。

1時間後。俺は自宅に戻り、黒崎が訪ねて来るのを待っていた。
確かに自分の家の住所を教えることはリスクがあるが、逆にそれで黒崎を信用
させることも出来るだろうという狙いもあった。
ドアチャイムが鳴った。覗き窓で黒崎一人であることを確認した。俺はドアを
開けた。
「やはりアンタだったか、何から何まで余計なことを・・」
黒崎は、対談で会ったときに比べかなり憔悴しきっていた。俺の顔を見るなり、
納得したようだった。
「まぁ、狭いところですが上がって下さい。」
俺は黒崎を部屋に通した。

「どうしてあんなことをした!」
俺が用意した座布団に座るやいなや、黒崎は俺の胸ぐらを掴んだ。
俺はにやりと笑って、ゆっくりその手をどけた。
「だから言っているじゃありませんか・・あなたを守るためだと・・」
「俺を守るだと?・・笑わせるな・・俺はアンタなんかに助けられるほど落ち
 ぶれちゃいない・・」
「強がりもいい加減にしろ!!黒崎!」
久しぶりに怒鳴ったせいか、自分の耳がきーんと鳴っているのが分かった。
「・・・・」
あたりを静寂が包んだ。あれだけ強がっていた黒崎も今は下を向いて押し黙っ
ている。

いつまで待っても黒崎が話し出す気配がないので、仕方なしに俺が沈黙を破っ
た。
「そろそろいいですよ。出てきて下さい。」
俺は部屋に奥に向かって少し大きな声で言った。
すぐに、花行美代子に両肩を抱えられるように相川マヤが現れた。
「マヤ・・」
「お兄ちゃん・・」
感動的な兄妹の再会の場面だったが、今はそれどころではないのだ。無粋な俺
が陳腐な刑事ドラマの刑事のように口を挟む。
「もう妹さんを泣かせるな・・」
黒崎がさらに下を俯いた。しかし声を上げずに泣いているのは分かった。サン
グラスから涙がこぼれて、畳の上に落ちた。泣く子も黙る黒龍楼の黒崎といっ
たって、やっぱり人の子だ。
「黒崎、もう一人、特別ゲストが来てるぞ・・・・どうぞ、出てきて下さい!」
奥から、男が一人出てきた。
「と・・虎本・・・さん?」
「おう黒崎、こうやって会うのは始めてやな、いつもメールでは話してんけど
 な・・」
黒崎は、流れる涙も隠すことを忘れて虎本の顔を見た。
「とぼけんでもええがな。うちの『だんジリ』軍団の長野の攻略プロってお前
 やろ?黒崎」

「えええっ?」
あまりの展開の意外さに、今度は俺が驚いてしまった。虎本が黒崎に会いたい
と言うから、理由も聞かずに虎本を呼んだのだが、まさかこういう展開になる
とは・・
「じゃあ、『サタンの生け贄』の件も?」
「そうや・・」
「ど、どうして?黒崎が虎本さんの軍団に?」
「人間、影があれば、光もあるっちゅうこっちゃ。いつも闇の世界に生きてい
 た黒崎でも、きっと光が欲しかったやろうな。」

黒崎は、もう完全に泣きじゃくっていた。彼が黒龍楼の黒崎という闇のカリス
マに戻ることはもうないだろう。
「そうや、黒崎。生まれ変わったつもりでやり直す覚悟はあるか?」
「・・・・」
「まぁ、これもなんかの縁やさかいな・・困ったことがあったら、いつでも遠
 慮なく言うてこいや・・」
「あ・・ありがとうございます・・」
黒崎は、俺の知る限り初めて、かすかだったが笑顔を見せたように思った。

しんみりしていた雰囲気も虎本のお陰でぱっと明るくなったようだ。
俺は、明るい声で言った。
「そう言えば、番組の出場者が全員揃いましたね・・」
「おっ、そう言えばそうやな・・番組の打ち合わせでもするか?」
「・・・」
黒崎は、どう答えて良いものか困っているようだった。
俺は黒崎に質問してみた。
「なぁ黒崎さん。アンタが裏スポンサーとして羊蹄企画から安西プロデューサ
 ーに渡るはずの金、いくらだい?」
「・・3千万円です。」
「そんな大金、どうやって集める?黒崎さん個人で賄うつもりだったんだろ?」
「はい・・実はまだ金は払ってません。番組がこちらの狙い通りに進行できた
 ら払うと約束しました。」
「それで本当に払うつもりだったのか?」
「・・・・」
「最初から払うつもりはなかったんですね?」
「は・・はい」
黒崎は、素直に安西を騙したことを認めた。

「何?なんなの?
 それじゃ、安西があまりにも気の毒よ!ただの道化じゃないの!」
花行美代子の珍しく怒りを含んだ甲高い声が黒崎に突き刺さった。俺は彼女の
怒りを制止した。黒崎はうなだれたままだった。
「美代子さん待って!今、彼を責めても仕方がない。悪の世界に浸かった者は、
 悪をもって美徳とされる・・そういう世界にさっきまで身を置いていたので
 すから・・」
正直、俺は美代子の反応は意外だった。別れた旦那とはいえ、彼女の心のどこ
かにやはり愛情は残っていたのだ。

「さて、黒崎さん・・もうひとつ質問があります。あなたの妹さんであるマヤ
 さんは、ある者があなたに危害を加えるからと、番組を中止させようとした。
 だがそれが誰なのか、マヤさんは決して言わない。」
「待って!その話は・・」
「マヤさん!たぶん番組はここまで来たら中止は出来ない。そうしたら必然的
 にあなたのお兄さんは危険にさらされるのですよ!誰をかばっているのか知
 らないが、こうなったら、もうすべてを言ったらどうですか?」
「・・・・」
「探偵さん・・もうマヤを責めないでやってくれ・・俺が話すよ・・」
黒崎は妹をかばうように言葉を挟んだ。
「みんな俺が悪いんだ・・マヤにとって傷つけてはいけない人までも傷つけて
 しまったんだ。それもみんな俺が、俺が悪いんだ・・」
黒崎は、ぽつぽつと話し始めた。マヤはその間ずっと泣き続けていた。
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※この物語はフィクションであり、登場する個人名・団体名はすべて架空のも
 のです。もし同じ名前や良く似たものが実在しても、やっぱり架空です(笑)。
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■■■ ☆<パチバカ物語> 
■■■         「パチンコエキスプレス」第45章
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さて試運転後の評判は玉三郎自身も驚くほどの大反響、ちょっと出来すぎの感
があるが、本格運転する営業開始日の半年前にはまず各JRトラベル窓口で前
売りチケットが一瞬で完売してしまった。
もともとプロジェクト開始当初ということもあり、チケット数が少数であった
ことから、JR系の旅行会社のみに販売を委託したのだが、これが後で大問題と
なった。絶対量があまりにも少なかったということと、JTB等の大手ツーリス
トから大量のクレームが来てしまったからだ。

当然パチンコ・スロ列車の増便を至急しないと乗れなかった人達の不満が募る。
そこで東海鉄道経営企画室では急遽改造列車の生産計画を前倒しで進めながら、
接続列車数や便数を増やすことによって1日のチケット発行枚数を大幅に増や
すことした。

しかし当初の予定枚数の10倍以上を確保出来るようにしたとしても、そもそ
も最初の絶対量が少ないのだから、そう簡単には行かなかった。
結局追加チケット発売段階で、これも一気に全台満席となってしまった。
またまた東京・大阪間を往復でフル回転するタイムテーブルを追加して、チケ
ットを出すがまたしても一瞬にして完売状態となった。
チケットを発売しても発売しても完売完売売り切れゴメン状態だったのだ。
「焼け石に水」とは、まさにこのことだった。

全く信じられない程チケットを追加で作っても作っても売れてしまうのだ。
これで文句言う経営者がいたら、お目に掛かりたいモノだ。
最初影でこそこそ言っていた役員達も手のひらを返したように、このプロジェ
クトに力を入れ始めた。
ただ心の中では、
「やれるとは思っていたが、ここまでやるとは思わなかったよ。」
「こんなもの普通流行る訳がないんだが、全く世の中わからんものだよ。」

会社にとってもお客が乗る前からお金が支払われることから、財務体質は大幅
に好転し、日々のキャッシュフローが加速度的にどんどんプラスになってくる
のだ。
 これに勢いづいた経営陣は積極的に「こだま増産策」を発表、現在の車両の
ほぼ半分にこのパチンコ・スロット車両を大幅導入し、よりファンの期待に応
えることとした。
当然パーラーアシスタントの女性の数も足らなくなるため、一気に増強である。
とにかくとりあえず様子を見ようとしていたのが、いきなりの大ブレイクで大
あわての図であった。

さて「こだま号」にパチンコ・スロットが出来るように改造したイベント列車
を実際に営業運転開始して丁度一ヶ月が経過した。
予想通り東海鉄道企画室の公式発表では、こだま(パチンコ・スロット搭載列車
に限るが)乗車率が平均180%を越えたことがわかった。
(従来の乗車率は平均46%だったようである)

さてその人気の原因としては数々あったが、各ワイドショウレポーターの説では、
 1.全席自由席で、しかも値段が通常より3000円安いことが今の時代に受けた。
 2.もし勝てば「旅費分」が簡単に浮くと、世の出張族に大評判となった。
 3.乗車時間中、全く退屈しなくなった。
 4.パチやスロを打つ人達にとって、こだまの遅いことがかえって良くなり、各駅
で停車時間の長いことが全く苦痛にならなくなった。
(従来は駅で停車中に「ひかり」「のぞみ」に抜かれてばかりいることに腹を
立てた乗客がかなりいたらしい。)
 5.当然新幹線『こだま』でも大幅黒字を確保することが出来た。

またその影響からと思われる効果については、次の2点が上げられていた。
 1.東海鉄道が高卒・大卒の今年度就職希望人気ナンバーワンになっていた。
 2.こだま乗車率が高まったために、逆に『ひかり』『のぞみ』の混雑が急速に
緩和され、乗客から大変好評を得た。
 
 もうどれをとっても良いことずくめ、評判が評判を呼んでこのパチトレイベント
は日本全国津々浦々に一大センセーションを巻き起こしたのだ。

 これに気を良くした企画室長玉三郎、翌年パチトレイベント新企画として
「朝一から最終までパチンコ・スロット三昧、パチトレ特別割引周遊券」発売を
提案、試験的に1000枚用意したが希望者殺到で収拾がつかず、中にはプレミアが
つき1枚50000円で販売されると言うフィーバーぶりとなり、これがまたまたマ
スコミの話題をさらったのである。

今までお荷物とまで言われてきた『こだま』だったが、このダメ社員玉三郎の発
案で、従来の鉄道業界の常識をひっくり返すほどの衝撃的な出来事として世の中
に受け入れられたのだ。
パチトレイベント列車、これがもう大評判で経営陣はウハウハ状態だ。

マスコミにも連日のように取り上げられ、ついにインターネットのyabooの欄に
は「昨日のパチトレ万発万枚結果速報」、ライフドアでは「今日の出玉予想台コー
ナー」、楽勝天では5万円以上ネットで購入した人を対象に「こだま特別優待席券」
まで登場してきた。
 ネットでもかなりの評判を取ってきていた。
2チャンネルでも議論が活発に交わされていた。
「やっぱ356号の北斗139番台と思うよ、だって今月ずっと出てなかったからな。」
「あまいね、明日は317号の吉宗291番、これで決まりだよ。絶対6だね。」
「バカか、お前らは、根拠もなく話てんじゃねぇよ、ばーか!」
「うるせぇ、幾らなんでも設定6をそう簡単に入れられるか、アホ!」
良きにつけ、悪しきにつけ話題を振りまいていることには間違いなかったのだ。
                       
そしてお堅い事で知られる新聞雑誌週刊誌などでも、さすがにこの現象は無視でき
ず、それなりの切り口で取り上げられるようになった。

 たとえば朝読新聞12月8日朝刊には
「民営化初の意表をついた快挙に時の運輸大臣が遊説先の伊勢国際ホテルで、
『従来のように政府を頼りにすることなく巨額の赤字を解消せんとして発案  
された今回のJRのイベントはまさに不況に喘ぐ他業界の見本となるもので
大変喜ばしいことである。これを高く評価したい』とのコメントを発表した。」

 週間ポストペット12月13日号によれば
「従来の乗物と従来からある娯楽が絶妙な融合を遂げて、全く新しい、いわば
 アミューズメントトレインとしてこの沈滞した世に颯爽と登場した。
この奇抜に飛んだ発想を提案したのは現在東海鉄道総合企画室室長大銀玉三郎
氏(38)で、……………………..
今回の東海鉄道の快挙は新幹線のお荷物とまで言われた「こだま」路線を立派
に立ち直らせたばかりか、企業収益の向上にも大きく貢献している.......
この功績を認められて大銀氏は次期取締役総合企画部長に役員会全員一致で推
薦されたようである。」

 夕刊フジヤマの12月17日紙面には
「かねてから乗客全員による投票によって決定されるミスパチンコトレイン
 に名古屋9時発こだま135号7両目のアシスタント山口智子さん(23)が初代
 ミスパチンコトレインに決定した。現在芸能関係者の間で出演依頼殺到」
「パーラーアシスタントから芸能界入りする事が多くなり、今やこの職業は芸能
界入りを目指す女性達から垂涎の的になったようである。」

 極楽スポーツの12月18日紙面には
「パーラーアシスタントと俳優Mが不倫関係に!」
「こだま158号東京行きのスロガールは美乳の19歳!」
「貴方はどの子が好みですか? ボディコンアシスタントの私生活密着取材!」

 また専門誌パチンコ必殺マガジン12月19日号では
 「新パチ新台情報---博多午後3時発こだま531号についに新台入荷、松屋か
  らの今世紀最大の超話題機種「CR良く出る運子ちゃん」が登場。
  またサムイから出だしたら止まらない店側出血覚悟間違いなしのスロット
新機種「銭形イボ痔700」が満を持して登場。
  この機種は乗客だけでなく、特に新幹線運転手の間でも話題沸騰。
  新年の話題を一手に集めることは、うーん、間違いない!」

 このようにありとあらゆるマスコミ各紙に毎週話題となり、とうとう発案者の
大銀玉三郎は「不採算路線『こだま』の危機を救った男」として新聞テレビに雑
誌にとタレント並の忙しさとなった。
もう会社からもボーナスなんか立っちゃうぐらいドドーンと出ちゃいました。

またどう間違ったのか国会の金融再生委員会でのオブザーバーとしての参加とか、
ニュースステーション司会者の朝立一郎と「明日の魅力ある鉄道マンの姿」と題
しての対談など、今やマスコミの寵児となったのである。
しかもなんとその翌年新年号最初のTIMEの表紙まで飾ってしまったのだ。
どうよ、これ!

★★★「瓢箪から駒」とはこのこと、今や玉三郎は『時の人』となった★★★

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 ■後書き
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
  読者の皆様、今年も一年よろしくお付き合いのほどお願いいたします。
 私も精一杯頑張って、2000号まで出せるようにがんばります。
 (まぁ、こればかりは生きていればの話ですけどね)

  訂正:今号の表示が2005号となっておりましたが、205号の間違いでござい
  ました。ここに謹んでお喜び申し上げます。
  がははははははは!

「笑う角には福来る」きっと皆さんに大きな福が授かりますように....
 ではでは、みなさん、次回までごっきげんよう、さようなら。
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