イッセー岡田のあはは天国劇場　182号 2004/05/18

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タイトル：イッセー岡田のあはは天国劇場　182号 2004/05/18

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あは天発行者、伊勢市在住の中高年サラリーマン、イッセー岡田です。中学の同窓会の準備をようやく今夜する段取りになりました。初めてやったのは今から12年前、そうオリンピックの年の夏休みに開催することになっているのですが、もう慣れてしまったためか、役員一同なかなか重い腰を上げてくれません。日時と会場を決めて、予算を決めて、出欠席のはがきを出してと結構忙しいのですが、それよりなにより恩師の先生方の健康状態が気になります。もう中にはヨタヨタされている方もいらっしゃいますからね。「頼むから２年に一度ぐらいのペースにしてくれ。そうでないと４年先まで生きている自信がないよ。」こんな弱音を吐く恩師の方もいらっしゃいます。年々恩師の参加が少なくなっていくのは自然の摂理でございましょう。なんたって生徒がもう50歳なんですから、その恩師たちは想像がつくでしょう?　しかし同窓会っておもしろいですね、現在社長をやっていようがぷー太郎であろうが、その当時の力関係が如実に表れてきます。中学時代強かったものが同窓会でも発言力が強いのです。その当時背の大きかったものが、今大きいものより強いのです。いくら変身していても当時人気のあった子がやはり人気があるのです。そばで見ていると　ホント可笑しいですね。それに当時のあだ名で自然に呼びあっていたり、深刻な身の上話をしたり、どさくさに紛れて抱きついてみたり、でも中学の時はみんな大なり小なり馬鹿やってましたね。さぁ、今年の同窓会はどんな風になるのか楽しみです。さて今号は「パチプロ探偵」第三話です。登場人物の輪郭も段々見えて来て、この美代子は浅田美代子をイメージしているのか、とか、今回登場する司会者の板東太郎は板東英二だろうとか　アシスタント司会の斉藤麗奈ははてさてウッチィーみたいな感じなのか、などなど登場人物のイメージを自分なりに作って、楽しく読まれるのも一考でしょうね。では冷たいアイスコーヒーでも飲みながら、ごゆっくりご堪能ください。 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■ ■■■　☆＜らいぜんのパチ物語＞　 ■■■　　　　　　『パチプロ探偵』第3話 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■ 「それ私の携帯の番号よ。本番中以外は出るから掛けてね。」と言いながら、花行美代子は、俺にその紙を渡してきた。例え別れたとはいえ、元夫の目の前でそれを受け取るのはいかがなものかと思い、一瞬それを受け取ることを躊躇したが、安西は特に気にしてる素振りもないので、とりあえず素直に受け取ることにした。「ねぇ、あなたの名刺かなんかあったらちょうだいよ」今度は逆に彼女から、自分の連絡先を要求してきた。さすがにそれを拒める雰囲気ではなかったので、仕方なしに、探偵業のために用意したが、ほとんど使うことがなく財布の中で黄ばんでくしゃくしゃになった名刺を１枚取り出して、しわを伸ばしながら彼女に渡した。「ふ～ん、どれどれ？・・『○○探偵事務所』・・う～ん何か地味ね。」「よく言われます・・」「この名前で呼ぶのは何かピンと来ないわねぇ・・　そうだ！あなたのことを『探偵さん』と呼ぶことにするわ。それで構わない？　だって本名の方は、なんかぱっとしないんだもの・・」何度も言うようだが、彼女の場合こういう憎まれ口を聞いても全然不快感を感じない。これも人徳なのか。同じようなことを俺が言ったら、命がいくつあっても足りないかも知れない。「ええ、そう呼んでもらえるなら、嬉しいです。　何せ冴えないし、ぱっとしない名前ですからね・・」俺は、彼女に対してちょっと拗ねてみた。「はははは、良い子は拗ねないの。じゃあ、私は次の仕事に行くことにするわ。　またね、探偵さん。」「は、はい、是非・・」俺が、彼女へのお別れの挨拶を言えないうちに、彼女はマネージャーと部屋を出ていった。明るかった室内が急に静かになったような気がして、少しさびしかった。「まぁ、あんな奴ですけど、これからも長く遊んでやってください。　僕も、５年前浮気の虫が起きなかったらいまだにアイツと夫婦なんでしょう　けど、何せこの業界にいるといろんな誘惑があってね。今はもう４０歳を超　えましたから、そういう願望も消えかかってますけどね・・」美代子が部屋から出てゆくのを一緒に見送っていた安西がそう言った。「さて、探偵さん・・呼び名これで構いませんか？」「か、構いませんよ・・ええ構いませんとも。　名前も生き方も地味～ですからね。」そう何度も「本名が地味だ」と言われると、やはりちょっとムッとするものだ。そのことに安西が気付いたのか分からないが、次のように彼は言葉を続けた。「さて、番組の方なんですが、出演されるつもりはありますか？　こちらとしてはあなたのことはウェルカムなんですけどね。」「ちょっと、考えさせていただけますか？」「え？」安西は、ちょっと意外だ、という顔をした。普通、こういう主演依頼を断るような人間はいないのだろう。「気分を悪くされたらすいません。いちおうこれでもパチンコで喰ってる身分　ですからね。顔がブラウン管に映ることの影響も考えなくてはいけません。　パチプロは芸能界と違って、顔が売れることと、収入が増えることが比例す　るとは限らなのです。いや、むしろ反比例することの方が多いかも知れない　のです。それと・・」安西は、俺の話を聞きながら、神妙な表情でうんうんと頷いている。「もう一つの探偵業の方なんですが、もし番組が自分の探偵事務所の宣伝にな　るなら、その広告効果は計り知れないと思うのですが、なんせウチは私一人　でやってますから、尾行するのにも顔が売れると非常にやりにくくなるわけ　です。こちらはまったくの諸刃の剣、と言わざるを得ません。」腕組みをしながら目をつむって俺の話を聞いていた安西プロデューサーは、ここでやっと口を開いた。「そうですか・・私のみたいに長くテレビ界にどっぷりと浸かっていると、そ　ういう『顔が売れると商売がやりにくくなる』という世界の話が、ある意味　非常に新鮮に感じられます。　う～ん、ますます出演していただきたいですねぇ。　そうだ、変装するっていうのはどうですか？もちろん本名は出さない・・　『パチプロ探偵』！それで行きましょ。ちょうど良いじゃないですか。それ　で、あなたの探偵事務所も宣伝できる。変装してるから、顔バレもしない。　ね、行きましょう、それで。ＯＫですね！？」さすがは大手局の敏腕プロデューサーである。とても出演を断れる雰囲気ではない。知らないうちにどんどん話を進めてしまっているではないか。「え～っと、来月の１０日に最初の収録があります。　一応出演予定者リストをお渡ししておきましょう。」安西は、近くにいたＡＤらしき若者に何か指示をした。若者は、恭しく安西に１枚の紙を渡した。その紙を、押しつけられるように受け取った俺は、その内容を確認した。「『道を極めし者／ＴＨＥ　チャンピオン』　○月○日放送予定分　＜出演予定者一覧＞　　司会：板東太郎（㈱大音所属）　アシスタント司会：斉藤麗奈（局アナ）　出場予定者・・・」その下に５人ほどの出場予定者の名前があった。もう自分の名前も入っている。そのうち「大会の華」である「花行美代子」と自分除いた３人は、パチプロの世界では、そうそうたるメンバーだった。まず「マウンテン虎本」。地元大阪では「ナニワの虎」と恐れられ、その軽妙な語り口からは想像できない釘見力の鋭さと迅速さで、換金率・遊技条件ともに劣悪の大阪エリアで稼ぎまくる伝説の男。彼のモットーである「だんだんジリジリ稼ごうや！」を合言葉に、全国のプロたちと「だんジリ軍団」を結成し、ネットの世界でも大活躍中。次に「黒崎龍頭」。関東最大の攻略集団「黒龍楼」の会頭。年齢・性別などすべてが闇に包まれた謎の人物。ゴトまがいのことまですると言われる黒龍楼のしかもそのトップがテレビに出ることは誠に珍しい。ちなみに大手攻略会社の「羊蹄企画」のバックにはこの集団がいるらしい。そして「相川マヤ」。アイドル系とでも言うべきか、人気の女性パチプロである。噂では近々ＣＤデビューもするらしい。年齢はまだ２０歳になったばかりという。水着写真集発売の噂も何度もあったが、浮上してはすぐ立ち消えになってしまうのは、実は背中にピンクの昇り龍の刺青があるからだという説が有力である。どうして、これだけのメンバーの中に自分が入れたのか、不思議だった。探偵業と兼業でパチプロをやってるということ以外は、自分には大した話題性もなかった。パチンコの稼ぎも並だし、立ち回りも地味な方だ。雑誌の記事も過去に一度も書いたことはない。「出演者に関してはずいぶん悩みましたよ。５人中４人はすぐに決まったんで　すけど、あともう一人がね。　そんなとき、私のところにある情報筋から電話がありましてね。　『探偵をやりながら本業もこなすパチプロがいる。』って言うんですよ。　そりゃあいける！って言うんで、さっそく昨日メールした訳なんです。」「探偵業を兼業してる、ってそんな珍しいですか？　そういう話題性にこだわらなければ、他にも凄いプロがたくさんいるじゃな　いですか・・」俺は、疑問に思ったことをそのまま安西にぶつけてみた。「いや、実は・・他にも理由がありましてね・・その件に関してはちょっと場　所を変えて話をしたいんですが・・」安西プロデューサーは、小声で俺にそう耳打ちしたのだった。安西に連れて来られたのは、局の打ち合わせ用の小部屋だった。「いやね・・まずはこれを見て下さいな。」と安西が胸元から差し出した紙が、テーブルの上に置かれたのだった。＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ ※この物語はフィクションであり、登場する個人名・団体名はすべて架空のも　のです。もし同じ名前や良く似たものが実在しても、やっぱり架空です(笑)。＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ {magclick} =========================================================[issay PR]== 絶好調発行中!!! あの「らいぜん」が満を持して放つ、究極のパチンコストーリーメルマガ! 「虚構師らいぜんのパチンコ百景」 http://www.mag2.com/m/0000108898.htm ====================================================================== ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ 　<イッセーの独り言>　今年度目標年間収支プラス500Kと過去の負債半減! ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ 　■後書き ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ 　らいぜんの新シリーズ第三回は如何でしたでしょうか? 　次第に物語りの行き先が見えてきましたね、これからの展開が楽しみ　になっています、どうかご期待下さい。では次号はイッセー岡田のエッセーバァージョンとして「黄金週間熱血熱闘回胴遊技実戦記」の四回目をお送り致します。　(まだ続くのか、なんて言わないでね。) 「笑う角には福来る」きっと皆さんに大きな福が授かりますように.... 　ではでは、みなさん、次回までごっきげんよう、さようなら。 ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ ◎メールマガジン★イッセーのあはは天国劇場★ は以下の配信システムを利用して発行しています。　『まぐまぐ』 (マガジンID: 0000047327) http://www.mag2.com/ 　『E-magazine』(マガジンID: 333777) http://www.emaga.com/ 　『カプライト』(マガジンID: 1103) 　http://kapu.cplaza.ne.jp/ 『メルマガ天国』(マガジンID: 3262) 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