メルマガ:イッセー岡田のあはは天国劇場
タイトル:イッセー岡田のあはは天国劇場 173号  2004/04/05


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       _/_/   ★イッセーのあはは天国劇場★  _/_/
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                ☆☆☆ 第173号 ☆☆☆         
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☆<目 次>
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■ ご挨拶 
  
■<らいぜんのパチ物語>
『チーム・タイラー』第26話
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 当『イッセー岡田のあはは天国劇場』は以下の3つの異なったversionで
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   ご挨拶 
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あは天発行者、伊勢市在住の中高年サラリーマン、イッセー岡田です。
魔の3月月末がようやく過ぎて、はや4月、すっかりサクラの蕾もほころんで
すでに8分咲き、道ばたには水仙や色とりどりの花が綺麗に咲いております。
いやはや、気が付けばもう間違いなく『春』なんですね。
 皆さん、お変わりございませんか?

2月末にはどう考えても『チームタイラー』は全章発行完結するとの目論見
がどうしたわけか未だ完結することが無く、楽しみにされていた方々には大変
申し訳ありませんでした。
おそらくこの調子で行っても今月中には完結すると思います(おいっ)。

 実は3月は体調がぶっ壊れるぐらいハードな月でございまして、更にその
ストレスを発散すべくパチンコからスロットに変更し(これがそもそも失敗)、
慣れない台で天井地獄ばかりを見ておりました。
でもメタルスラッグに関してはもう授業料しっかり払ってありますので、バッ
チリですよ、でも負けてますけどね。

おかげで余計ストレスに特大の利息までがくっついて貯まってしまいました。
さらに飲酒喫煙の増加から、中性脂肪や悪玉コレステロールもしっかり体内に
蓄積され、健康状態最悪、でもこれだけは大幅に減らすことが出来ました……
小遣銭…………………ガーン!

1999年10月からパチンコを始めてから今まで、大負けした月は数知れず。
しかしこの3月という月だけは常に黒字という結果を出してきたにもかかわらず
今年だけは大幅な赤字を記録してしまいました。
4月になったことだし、気分を変えてパチにスロにガンガンやっていきたいと
考えています。(すでに大負けこいているのですが、どないしょ(/_;))

では静かなクラシックでも聴きながら、らいぜんのハードボイルドなひとときを
ごゆっくりご堪能ください。

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<イッセーの独り言>  打ちましょう! 今の台をトコトン打ち魔性!
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■■■ ☆<らいぜんのパチ物語> 
■■■                      『チーム・タイラー』第26話
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山城組組長の山城と国会議員の権藤との会談の席上。
平良は、大陸系のゴト集団「紅龍」との交渉について、権藤に承諾を求めた。

「権藤先生、紅龍と交渉するために1週間ほどお暇を頂きたいのですが・・」
「よし、君ならきっとやってくれるだろう。期待しているぞ。はっはっはっ。」

権藤は、血色の良い顔で高笑いした。
山城は、まだ値踏みするような目つきで平良を見ていた。

「では、私はさっそく準備に取りかかりますので、これで失礼させて頂きます。」
「今からいくのか?もう深夜だぞ?
 まぁ今はゆっくり飲んだらどうだ。」
「いえ、紅龍との交渉もそう一筋縄ではいかないでしょうから、すぐに始めた
 いのです。」
「そうかそうか、わかった。じゃあ平良君・・気をつけるんだぞ。」

平良は、権藤と山城に一礼してその場を去った。山城のボディガードは、平良
が去ったあとも、まだ平良が去った方向を睨み続けていた。

店を出ると、深夜2時だった。
平良は胸元から携帯電話を出して山木に電話した。数度のコールの後、眠そう
な声で山木の声がした。

「誰だ!こんな時間に電話してきやがって・・・」
「平良だ。良いご身分だな、貧乏人はまだ仕事中だぞ。」
「お・・・おぉ、平良さんかい。まだ生きてたんだな・・」
「山木・・『紅龍』って大陸系の集団の名前を聞いたことがあるか?」
「『紅龍』?・・・確か、かなり荒っぽいことをするので有名な奴らだな。
 5年前、北陸のどこかでゴト集団が検挙されただろ?
 その後、その店の店長と主任が近所の山林から死体で見つかった。通報した
 店側に対する報復で奴らがやったことだ。
 特に、ここの首領の陳という男は筋金入りの冷血漢だ。自分の手は決して汚
 さねぇが、陳の手にかかって死んだ者は二桁じゃ足りないだろうな・・
 俺のところも、あいつらにだけは攻略を売らねぇようにいつも細心の注意を
 払ってるさ・・・
 おい!まさかアンタ、あんな奴らを相手にしようってんじゃないだろうな?」
「その『まさか』さ・・」
「よせよ、いくらアンタでもそりゃ無茶だ。30人以上いる集団だぞ。しかも
 全員その道のプロと来ている。命がいくつあっても足りねぇぞ!」
「いろいろ情報ありがとうな・・じゃあな。」

平良は、山木の制止を無視して電話を切った。そのまま歩いて次の目的地に向
かった。

平良は、『山波土木事務所 資材置場』という木の看板が掲げられている建物
に、2本の針金を使って鍵を開け侵入した。ここは平良が以前から目をつけて
いた建物だった。内部で宿泊している者はいないはずだ。
探し物はすぐに見つかった。
その箱を静かに開け、中から10数本分あったダイナマイトの束を出し、用意
してあったデパックにしまいこんだ。

平良はその足で港に向かった。
港にある倉庫のうち、紅龍がアジトである客船『華龍満号』が見える位置の倉
庫をしらみつぶしに調べた。そのうちの一つは、今はすでに使われていないら
しい。さっそく平良は、その古倉庫のさびかけた鍵を外し、中を探索した。
中はほぼガラン堂だったが、事務室らしき区画されたスペースと、宿泊施設ら
しきスペースがあった。事務所スペースの小窓からは『華龍満号』の様子を見
ることができた。

時間はまだ朝の8時30分だった。
とりあえず事務所スペースに行き、小窓から『華龍満号』を観察する。
まだ紅龍の連中は中にいるだろう。そろそろ出勤のために外に出てくる時間だ。
9時になると、20人ぐらいの集団が『華龍満号』の中から出てきた。みな無
言で平良が潜む倉庫の裏手の道を通り過ぎていった。実際のゴトを行う部隊な
のだろう。恐らく船の中で生活をしているとなると、女や子供も混じっている
ことだろう。彼らを傷つけることはできない。目標は、ゴトの実行部隊と頭の
陳という人物だけだ。


3日後。
倉庫から『華龍満号』を監視し続けた平良には、彼らの生活パターンが徐々に
読めてきた。

まず朝の9時に実行部隊が各ホールへ出払う。残された女と子供達は午前11
時頃になると一斉に買い物に出かける。この時、紅龍の船の内部は、頭の陳と
陳のボディガードだけになるようだ。このときは船内への潜入は容易だろう。
潜入時間は決まった。どうやらこのチャンスしかないようだ。

そうやって平良は作戦を徐々に組み立てていった。


すべての作戦が決まり、平良は気分転換のために、まだ見ていないこの倉庫の
天井裏の探索をしてみた。天井裏にはすでに必要のなくなった書類や、恐らく
ここで働いていた従業員の私物らしきものが散乱していた。

その中に珍しいものを見つけた。
すでに埃をかぶって何の機種だか分からないスロット台があったのだ。
丁寧に埃を拭って確認すると「花火」だった。スロットを覚えたての頃は良く
打った機種だ。

スロット台というものは意外と重さがある。平良一人で何とかそれを事務所の
方に運び込んだ。久々の力仕事にうっすらと汗がにじんできた。
固く絞った雑巾で丁寧に花火にこびりついた埃を取り払った。大事に使ってい
たのか筐体にはほとんど傷はなかった。放置されていたのは3年くらいだろう
か?試しに電源を入れてみたら、見事にそのブランクを取り戻したようだ。
筐体の扉を開けてみた。この台を運んでいる時に音がしたからわかっていたが
コインタンクには一杯のコインが入っていた。そして扉の裏側には設定変更キ
ーがテープで止めてあった。

平良は、設定キーで設定確認をしてみる。設定6だった。誰もが自分のスロッ
ト台を手に入れるとこの最高設定6でプレイしたがる。この台の前の持ち主も
例外ではなかったのだろう。そうやって普段打てない最高設定を自己満足のた
めに体験するのだ。しかしそうやって最高設定で打ってみてもハマる時はハマ
るものだ。この花火にしても設定1のBIG確率は297分の1、設定6で2
40分の1だ。その確率差では短時間で目を見張るような違いは出てこない。
絵に描いたような爆裂を想像して設定6を打つものは、やがてそのギャップに
失望を感じ始めるものだ。そうやって実機を打つことを徐々にやめてしまう。

平良は、設定キーで設定2に設定を変更する。目の前のあるこの花火と対等に
渡り合うには、これぐらいがちょうど良い設定なのだ。
コインタンクの中のコインを半分ほど掻きだして、台の下皿に移す。これで勝
負は対等だった。筐体のドアを閉める。

平良の頭の中で綱引きの審判の笛がなった。人生最後の勝負になるだろう。

コインを入れレバーを叩くと、花火はガクンとリールを震わせてゲームをスタ
ートした。勝負のルールは決めていた。下皿のコインがなくなったら平良の負
け、コインタンクのコインがなくなれば花火の負け・・

1時間後。いい勝負だった。ほぼ下皿を揉み続ける展開だった。下皿がほぼな
くなりかけるとボーナスが入る。されどコインタンクを空にするような連チャ
ンはない・・そういう展開が続いた。平良は、台との対話を楽しんでいた。

 よう、花火よ。ここは一つ降参したらどうだ?いくら設定2でも俺の手にか
 かったら確率上は勝てる設定だ。それに俺のお陰で長いブランクからやっと
 陽の目を見ることが出来たんだ。その感謝の気持ちがどうも伝わって来ない
 な・・

 平良さん。本音を言えば今すぐコインタンクを空にしてアンタの喜ぶ顔を見
 たいけど、こっちも生来意地っ張りな方でね、そう簡単には勝たせるわけに
 ゃ行かないんだよ。まぁこれから長い付き合いになるだろうから、じっくり
 とオイラの強さを味わってくれよ。

 なぁ花火よ。あいにく、俺にとってはこの勝負は最後の勝負でな・・明日俺
 は、あそこの船に突っ込むんだ。死んだダチへの敵討ちさ。時代遅れだろ?
 笑うなら笑えばいいさ。俺はもともと時代遅れな人間でね。だからこんな世
 の中にいつも違和感を感じていたんだ。それも明日になればスッキリするさ。

 そうかい平良さん。そんなことを言って哀れを誘おうって魂胆だな。でも俺
 にはそんな人情はないぜ。一気にかたをつけてやるさ。悔しいだろ?俺に勝
 ちたいかい?平良さん、アンタはいつも勝ち続けてきたようだね。でも今日
 は相手が悪かったな。まぁそんな死に急ぐことはないじゃないか。この俺を
 倒してからでも遅くはないだろ?

 おい、花火よ。お前は俺に勝とうとしてるのか?俺は人生最後のスロットを
 してるんだぞ。その決心は絶対に変えないからな。だからああだこうだ言わ
 ねぇでコインタンクを空にしちまえよ。なぁ・・

気がつけば、下皿は空になっていた。残るコインは平良の手に残った10枚程
度だけだった。

 おいおい、本当に俺を負かす気だな?
 いいさ、どっちにしろこれは俺の最後の勝負だ。それが負けなら潔く受け止
 めようじゃないか・・

 ・・・

そして最後のコインは飲み込まれた。花火の意地に平良は負けたのだ。花火は
何も言わなくなった。機械であるはずの花火が何も語るわけはない。すべては
平良の相反する心の揺らぎ合いなのだ。それでも平良は花火に語り続けた。

 花火よ。とうとう俺を負かしたな。でも、お陰で決心は決まったよ。
 この世にたいした未練はないさ。自分の人生を今ここで振り返るつもりはな
 いが、他人から見れば馬鹿げたことだろうが、俺は自分の気持ちに正直であ
 りたいと思う。アイツも俺の馬鹿さ加減を笑ってくれるだろう。

 じゃあ・・行くぜ・・少しの間だったが、付き合ってくれてありがとうな

平良は、花火のリール窓をぽんと右手で叩き、椅子代わりにしていたみかん箱
から立ち上がった。 


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 <イッセーの独り言>  子役ナビ、狙ってはずすとコインロス! がくっ!
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 ■後書き
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 天井裏で見つけた古ぼけたスロットマシンである「花火」と主人公平良と
の会話シーン、いいですねぇ。心の揺らぎを上手く描いていると思いますし、
これが映画のワンシーンとして読むと、またまた味わいがありますな。

 らいぜん氏のスロ小説の特徴はこういった映画的情景描写と言いますか、
まさに「絵」になるシーンが多いことにお気づきでしょうか?
そうなんです、常にらいぜん氏は「映画化」を前提に全ての物語を書いてい
るのです。全ての配役にはお気に入りの男優女優がすでにキャスティング
されています。
さぁ、平良には誰をキャストしたのでしょうか?
そう考えると、別の楽しみ方が出てきますよね。

「笑う角には福来る」きっと皆さんに大きな福が授かりますように....
 ではでは、みなさん、次回までごっきげんよう、さようなら。
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