メルマガ:イッセー岡田のあはは天国劇場
タイトル:イッセー岡田のあはは天国劇場 163号  2004/01/07


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       _/_/   ★イッセーのあはは天国劇場★  _/_/
              【新春特別編集号】
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                ☆☆☆ 第163号 ☆☆☆         
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☆<目 次> 
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■☆ご挨拶

■☆<イッセーのエッセー> 第94回
                          「京都御所と清水寺漫遊記」part07
■☆<らいぜんのパチ物語> 
                     『チーム・タイラー』第21話
■☆「あとがき」
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   ご挨拶 
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 ご購読者の皆様、新年明けましておめでとうございます。
あは天発行者のサラリーマンスロッター、負け組(涙)のイッセー岡田です。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

近年稀に見る暖かいお正月で、オーバーなんて全く必要がないくらい、少し
動いていると暑ささえも感じるぐらいでしたね。
私は例年通りお正月は伊勢神宮前のお祓い町でアルバイト三昧でした。
天気がよかったせいもあって、もう大変な人出でして、初詣するのに3時間
掛かった方もいらっしゃいました。
ただ混み合うのは時間帯もあって朝早く、または午後3時以降だと比較的
すいておりまして、スッと1時間も掛からずにお参りされた方もあったよう
です。要はタイミングですね。

残念ながら私は初詣にまだ行っておりません。
妻が我が家を代表して元旦に行きましたので、私はゆっくり人が空いてから
行こうと考えています。
 皆さんはどのようなお正月を過ごされたのでしょうかね?

それに皆さんはすでに発打ちに行かれたことと思いますが、私はまだ行っ
ておりません。だから負け額ゼロのままです。
昨年はボッコボコにやられましたので、今年は下に落ちているコインでも玉
でも乞食と言われようが、「ああはなりたくないよな」とか何と言われよう
が10円でも勝って帰る、負け犬のままで帰ることは負かりならん(笑)てな調
子でやっていきたいと思っております。
 てな事言って、どれだけ出来るかわかりませんがね。

今年の目標はずばりプラス50まんえん!
と言いたいところですが、どう考えても無理なようですから負け額を20万円
以内に抑えて、再来年に掛けたいと思っています。
じゃんばりのたいがーさんも本日発行のじゃんばり新春号で仰有っています、
「勝ち組になりたければ、勝つための研究や努力を怠るな!」と。
よーし、頑張るぞ!
そこで昨年の1月の収支を見ましたら10万近くやられてました。
およよっ、こりゃ相当気を付けなければなりませんね。

さて新春第一弾は私のエッセーと専属ライターらいぜん氏の作品をお楽しみ
頂きます。
では今年もルンルン気分で、猛然と張り切って行きましょう!
(まだ今年負けてないので気分がハイテンションでございます、ははははは)

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■■■ ☆<イッセーのエッセー> 第93回
■■■              「京都御所と清水寺漫遊記」
■■■                        part07
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さて引き続き野点をやっている場所での出来事です。
「すみませーん、先輩、こちらのお客さんお願いします。」
と先ほどの受付の女の子は声を掛けるだけで、何もしないし、ウエイトレス
をしている子達は、あっちで茶碗を引き上げ、こっちに茶菓子を配り、また
周囲の待っている客達から
「おいっ、まだなんか?」
「茶菓子が来ていないよ、持ってきてくれ。」
「ちょっと抹茶遅いじゃないの? もうお菓子を頂いちゃったわよ」
なんて周囲のあらゆる客達から怒られながら、更に追い打ちを掛けるように
新しく入ってきた客から切符を手渡され、おそらくもう何が何だか分からな
い様子。
ここの連中には段取りってもんがないようだ。
切符と引き替えにお茶と御菓子を同時に配る、この基本が出来ていないため
に、貰ったのか貰っていないのか、渡したのか、渡していないのか、もう混
乱の極み、半べそかきながらオロオロしている学生達を見て思った。
「これからの日本の行く末が案じられる」
まっ、ここまで深刻には思いませんでしたけれど、実社会でこの状態では使
い物にはなりませんな。

さて私たちも何とか縁台に座ったまでは良いのですが、今度はなかなか切符を
取りに来ない。
「まぁ、時間はたっぷりあるし、ゆっくりしようじゃないか。」
最初こそのんびりと構えていたが、周囲の学生達の動きややり方を見ていると
どうもバラバラで、先ほど見たとおり顧客に対する対応がキチンと出来てない。
順番なんか誰が先で誰が後なんて、もう全然分からない状態なのだから。
さすがに大人しい年配のお客さんもイライラしている様子が良くわかった。

この時に賢い私はこう思いました。
そもそもウエイトレスという言葉は‘wait-less’でしょ?(スペルは違うけどね)
‘wait-less’という言葉は「待たせることがない」と解釈出来るのではござい
ませんか、ちょっとそこをただウロウロ歩いているだけのあなた方。

そう思ったときに後ろの席に座っていた、年の頃なら26,7,8,9才の女二人が待
ちくたびれたのか手持ちぶさたなのか、突然たばこを吸い出した。
まぁ、大抵の人は「今から喫煙します」なんて言ってから吸いませんけどね。

「うわっ、ちょっとこんなところで普通たばこ吸うかなぁ。」
また、妻がこんなこと言うんですよね、後ろに聞こえるように。
「まっまっ、まっ、ちょっとここは押さえて押さえて!」
「あなたは吸わないでね。」
という言葉の前にどういうわけか、私も待つことにイライラしてきて無意識の
内にたばこに火をつけていたのです。
「なんなの、それ? 信じられないわ、もう!」
キッと睨みつけられました。
周囲に人がいなかったら、何をされたか分かったものではありません。
私は話題を変えるために、丁度前を通り過ぎようとするウエイトレスの女性に、
「すみません、これお願いします。」
「あっ、はい、少々お待ち下さい。」
「もうだいぶ待っているんですけどね、どうしてくれるの」
という言葉をグググッと押さえて待つことに。

しばらくして、お客さんに抹茶と和菓子を出したくだんの女性が戻ってきて、
「すみません、チケット頂きます。」
ひとまずホッといたしました。

間もなく和菓子が出てきました。
簡単に描写しますと、
「周囲が小豆色のカステラで中身が粒あんのロールケーキみないな奴」
なかなかさっぱりとしていて、美味しかったです。
程なく出て来た抹茶も、抹茶らしく鮮やかな緑色でなかなか風情があり、どう
考えても抹茶の味がしておりました。
「美味しかったね。」
「そうね、ここって『裏』ね。」
「えっ、『裏』?」
『裏』って言うとすぐにパチやスロの裏モノを連想してしまう悲しい性。
「ああ、裏千家ってことね、でも何で立ててるところ見ないで分かるの?」
「あそこでああしてこうしてこうやってるでしょ、だから『裏』よ。」
すみません、ここの会話は私自身が良く理解できませんでした。

さてバスの出発まで残り時間15分ぐらい、丁度良いぐらいの時間です。
南休憩所の手前で京都名物「五色豆」の量り売りなど豆菓子を売っている
テントがたくさんありましたので、時間つぶしに見る……..というか試食。
ぽりぽりぱりぱりぼりぼりぽりぽり。

二人して食べる食べる、全くこういうものは「別腹」なのだろうか?
あまりにもあれやこれやと試食したため、このまま手ぶらでは去りがたく、
気の弱い夫婦はジャンボ豆菓子630円也をなんと5袋購入することにした。
気楽な土産として買うことにした。
3150円を5000円札1枚と150円の小銭を出して支払う。
「おいっ、暢気にしてたらあと7分だよ!」
全然関係ないのであるが「7」という数字にちょっと良い気分になる、アホな
私。

学生アルバイトの店員におつりを貰って、いそいそとバスに戻る。
座席に着いてからガイドさんの点呼を受け、私たちよりまだ遅い組が1組だけ
有ったが、バスは定刻に出発した。

さて先ほど急いでいてポケットに入れたお釣りを財布にしまおうと思ってみて
みると、なんと3000円もあるではないか。
「アレ? あの子釣り銭、間違えたのかな?」
「えっ、そうなの?」
「うん、そうみたいだ。」
千円を別の時に入れた記憶がないし、3枚が重なってポケットに入っていたので
まず間違いなく彼女が間違えたのだろう。
「やっぱり7分前だったから、良かったんだよ、うわはははは」
「はぁ?」
どう考えても訳の分からない理由で嬉しそうに笑っている私を見て、横に座って
見ていた妻が静かにこう言った。
「アホちゃう?」

なんか楽しいウキウキ感が正直言ってこの時に有った。
バイトの彼女には気の毒なことをしたが、今更どうなるものではなく、というこ
とは二人が飲んだ抹茶代がチャラになったというのが事実として残るわけで、こ
れはどう考えても私に責任は無いわけだし、このお金は拾ったわけではないのだ
から警察に届け出る必要は少なくともない、ありとあらゆる国際法上の条文と照
らし合わせてもこのお金は、現在の所持者である私の所有物、つまりこれは所有
権移転手続きを取らなくても持っている者に権利が移るということである。
そうだ、このお金は私の財産として国際的にも認められたのだ。
「やったぁ、今日はツイてるぞ!」

スロットやパチンコを打っている時のたった1枚の千円札には全くこのような感
情が沸き上がると言うことがなかったが、今回のようなケースは「思いがけず」
というスパイスのおかげで、素晴らしい思い出を作ってくれました。
どうもありがとう、京都御所周辺の土産物店のおネェサン!
(後で怒られててもわしゃ知らんぞ!)

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■■■ ☆<らいぜんのパチ物語> 
■■■                      『チーム・タイラー』第21話
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チーム4人のうち最初に火がついたのは、桐子の猛獣王だった。朝一番でつけ
たBIGから高確中に見事ハズレを引き、そこから上乗せ含め35連。

 今日も走るつもりか?

平良は、桐子の台の挙動を気にしながら打った。明らかに裕太が介在してるよ
うだった。しかし桐子の秘密を知らないものにはそんなことはわからないだろ
う。現時点では、単なる「引き強」で済むだろう。しかしもしこのまま出し続
けたら、さすが周囲も「何かある」と思い始めるはずだ。

平良は、自分の読みが正解だったようで、次の入替には平良の打ってるスペー
スバニーは撤去候補外と思われた。店としても使い続けると決めた機種で、少
し客付きが落ちた台は、大きな勝負に来る可能性が高い。その証拠に平良の台
は、桐子ほどではもちろんないが、中間設定以上の出方をし始めた。

亜唯はなかなか良いスタートだったが、3連でとりあえず連チャンは止まる。
BIG中のハズレから、設定5以上の可能性もあるということで続行した。し
かし出玉はすべて飲まれ、追い金を重ね1000回越えのところでようやくボ
ーナス。ここから13連してやめた。50G以内にどんどん連チャンする様は、
設定5であることを物語っていたが、一日打ち続けるメリットはあまりない。
夕方こなれた頃にまたターゲットになる台だ。

健太は、昨日据置確定のアラジンAだったが、なかなかハズレ目を引くことが
出来ずに苦労してるようだ。しかし何とかハズレを3回引いて2回アラチャン
高確率に突入するも両方ともショートだった。高設定の可能性が高いというこ
とで、追い金し続けているが、いまいちボーナスのつきが良くない。今日は
「我慢のパチスロ」だろう。

見ると、ジャグ吉は朝苦戦していた。600でREG、そこから400でやっ
とBIG。しかしBIG終了後クレジットが落ちた。これで設定4以上が確定。
この店のジャグラーは朝一のBIG後にクレジットが落ちれば高設定確定だ。
ジャグ吉の台は、よくある高設定の「寝ぼけ状態」ってやつだった。低設定か
ら高設定に上げたときにはよく起こる現象だ。ジャグ吉に一日タコ回す時間が
あれば挽回の確率が上がるだろうが、自分の風俗店の開店時間があるために、
展開としてはきついかもしれない。おそらくジャグ吉がやめる時には、平良に
「打つ?」と言ってくるだろうから、その時は亜唯に打たせても良い。

そのジャグ吉の風俗店の割引券を持って赤面した先頭の若者は、最初に座った
花火が判別で落ちなかったのか、すでに別の台を打っていた。腕前は確かなよ
うだが、台の見切りが遅い。最初の台に結構金が入っているだろう。

全台に主任の設定変更の「痕跡」である指紋が残っていた「不二子2」のシマ
はやはりなかなか好調のようだった。もちろん朝一はすべての台が「ベル落ち
台」だった。ここの客層ではなかなかノーマルBIG中の青7ビタハズシが辛
いのかもしれない。そのことにホールもようやく気が付いたようだ。ここの客
なら中間設定でちょうど良いと言う事だ。
健太が展開で苦しむようだったら、こちらに移動させてもよかったが、もう少
しアラジンAでハズレを引かなければ何とも言えない。

一時は7000枚以上あった桐子の猛獣王は、ハマリを食らって5000枚ぐ
らいまで落ち込んでいた。しかしカウンターを見ると「1185G」だった。
もうすぐ天井だ。もしかしたら、わざとなのだろうか?この台を楽しむには、
天井が一番だ。毎ゲーム毎にスリルが満点だ。チェリーよ出ろ!と願い、ボー
ナス来るな!とも願う。いずれにせよ桐子は嬉しそうに打っている。

それに対して平良の台は徐々に徐々にと言う感じで増えていった。一撃の長い
ATがなく、主にBIGで出玉を増やしていたからだ。

今のアマチュアの若者がAT機に走る気持ちはよくわかる。いやプロでも健太
のようにちゃんとAT機を打ちこなせなければいけない時代はもう来ている。
いつまでもノーマルA400にしがみついていたら、生きてゆけなくなる。一
昔前、大量獲得が出始めた時に「あれはプロが打つ台ではない」と言われた。
しかし今となっては大量獲得をもレパートリーに出来なかったプロは消えてい
ったことだろう。そしてAT機・・・しかしもうAT機も斜陽の時代かもしれ
ない。これからの機種は、おそらくストック機が主流になることだろう。これ
はプロもとっつきが良いかもしれない。上手く立ち回れば、設定1でも機械割
を100以上にすることも可能だからだ。ただし稼働時間に多くの無駄が出て
くる。ストック機は長時間稼動に向かないために、美味しい台の待ちの時間が
長くなるからだ。時代の流れはどんどん変化している。その流れについていけ
なくなった時がプロとしてのヤメ時なのか・・平良は、そんなことを考えなが
ら目の前のスペースバニーを回していた。

健太の台にやっとロングらしき高確率状態がやってきた。ウェイトが途切れな
いように猛スピードで打っている。これは彼の「おまじない」だ。過去にこれ
で1500G以上の超ロングの高確状態をなんどかゲットしている。他人から
見れば明らかにオカルトだが、打っているものが信じていれば、それは結果と
して表れる。

こうやってスロ屋の時間は、時として早く、時としてゆっくりと流れる。
今日の平良の台との対話状態だと、時間は非常にゆっくりと流れる。高速で回
していたために右手が少し痺れ出したので、一時中断をする。どうも平良の台
は思ったより設定が良くなさそうだからだ。

夕方になり、予想通りジャグ吉が平良に耳打ちした。

「俺のジャグ・・打つかい?たぶん設定4だろうが・・」
「そう・・それなら亜唯に打たすよ。いつもありがとな・・」

平良は、キンパルの前で空き台待っている亜唯を呼んだ。察しの良い亜唯は、
平良がまだ何も言わないのに、何もかも承知したと言う顔で言った。

「ジャグさん、いつもありがと!もうキンパルばっかでカエル恐怖症になりそ
 うだったの・・たまにはピエロと戯れてみるわね。」
「亜唯ちゃんが打つんだったら、俺なんかより台が喜ぶだろうな。でも気をつ
 けろよ、あのピエロ、純情そうに見えて結構スケベ野郎だからな。ははは。
 ところで亜唯ちゃんうちのお店で働く気ない?彼氏に内緒でさ!」
「う〜ん・・ムチ持って『女王様とお呼び!ビシッ!』っていうのなら興味あ
 るけどなぁ・・だってジャグさんのお店、下着姿でお酒飲むだけでしょ?
 ちょっとねぇ・・。遠慮しとくわね。」

亜唯は、こういう会話はそつなくこなす。だから結構常連客にも人気があった。
ジャグ吉は久しぶりに亜唯と話ができたことに満足したように笑いながらホー
ルを去って行った。

桐子の方を見ると何か凄いことになっている。ボーナス間2500G、ずっと
ハマリ続けだった。もちろんチェリーのたびにサバに入り、徐々にコインは増
え続けている。もう1万枚に届こうかという感じだった。

平良は、まったりとし始めたスペースバニーに見切りをつけ、通路で桐子の様
子をうかがっていると、平良の傍に朝の並びで先頭にいた若者が寄ってきた。

「あの女の人、新しいメンバーなんですか?」

若者は桐子の方を見て言った。

「そうさ、彼女はその類稀なる『感性』でコインを出すことができるんだ。技
 術もそこそこあるしな。心強い新入りだ。」

平良は、すこし事実をぼかして桐子のことを説明した。

「僕は、平良さんのチームって、ずっと3人なのかと思ってました。まさか新
 しい人が加わるとは思っても見ませんでした。

 でも平良さん・・彼女・・前からこのホールに来ていましたよね?その時に
 常連の間で悪い噂があったんです。つまり『彼女はサクラじゃないか?』っ
 て・・。それぐらい出しまくってましたよね?
 これは余計なお節介でしょうけど、彼女がいることで、平良さんのチームに
 変な憶測が飛び交うんじゃないかって心配です。僕は信じてますから・・・」

「ご忠告ありがとう。彼女に、実際そういう噂があったことは知ってるさ。で
 もすべて事実無根さ。それが確認できたから彼女を仲間にした。俺たちとし
 ては、真実がそうなら、世間の目なんか気にしちゃいないさ。
 仮に常連全員が俺たちを追い出そうとしたら、俺たちは本気で牙をむく。尻
 尾を巻いて逃げるようなことはしない。できればそうならないことを祈るが
 な。なんせこのホールは気に入ってるんでな・・」

平良は話しながら、一瞬凄みを帯びた目になりまたいつもの平静な目に戻った。
事実とは少し異なることも言ったが、平良の信念の部分で嘘はなかった。平良
の気迫が若者に伝われば、きっと彼がチームのことを代弁してくれる。そうな
ればチームもこのホールでは安泰だろう。

若者が、意を決したような表情で言った。

「平良さん!・・お願いがあるんですが・・・僕をチームの一員に加えては貰
 えないでしょうか?テクニックには自信がありますし、チームでいろいろ勉
 強させてもらいたんです・・お願いします!」

かなり緊張していたのか、言葉の後半は声が少し震えていた。若者としては最
高の勇気を振り絞って言ったのだろう。平良は、少しの間を置いて、食い入る
ような目で平良を見つめる若者をまぶしそうに見ながら言った。

「なぁ・・君は、今日の設定を誰が打ってるかわかるか?」
「設定ですか?・・いや・・あの・・わかりません・・」
「それなら・・自分に何かスロットに関係なく、人に抜きん出た能力はあると
 思うか?」
「・・スロットは大好きですし、設定を判別する方法も知ってる方だと思いま
 す。解析も苦手ではないです。」
「悪いが・・それだけじゃ無理だ・・あきらめてくれ・・」

若者は悲しげな目をした。

「僕の実力が足りないと言うことですか・・でも僕、平良さん達のチームに入
 れれば、死に物狂いで勉強するつもりです。ですから・・・」

悲しそうな目をしながらも、さらに詰め寄ってくる若者に、平良は諭すように
言った。

「どうして、かと言うとな・・・」

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■■■ ☆<あとがき>
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 今年は163号からスタートとなります。
さて年内にどれだけ発行出来るでしょうか?
週一ペースで行けたとすると、月4号で年間48号、つまり年内には200号
という大台代わりを体験することになります。
 いやはや夢にまで見た200号をいつ達成出来るのか、毎月楽しみに発行
作業をしていくことに致します。
では皆さん、今年も引き続きお引き立ての程よろしくお願い申し上げます。

なお『pubzine』 (マガジンID: 010226)でご購読の皆様にお知らせします。
来月初旬で発行元が無くなりますので、今の内に他の配信システムに乗り換
えをお願い致します。
(変更につきましてはご自身で行って下さいますようお願い致します。)

今年も「笑う角には福来る」きっと皆さんに大きな福が授かりますように...
ではでは、みなさん、次回までごっきげんよう、あ、さようなら。

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