イッセー岡田のあはは天国劇場　162号 2003/12/25

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タイトル：イッセー岡田のあはは天国劇場　162号 2003/12/25

■■■◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆■■■ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ☆彡【　バラエティーマガジン　】☆彡　　　　　　　＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／　　　　＿／＿／　 ★イッセーのあはは天国劇場★　　＿／＿／　　　　　　　　　　　　【2003年末記念特大号】　＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　☆☆☆　第162号　☆☆☆　　　　　　　　 ■■■◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆■■■ ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ ☆＜目　次＞ ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ ■　ご挨拶　 ◇ <スロ馬鹿日誌>　　勝ったときだけ書いてます(笑) ◇　<イッセーのエッセー>　第93回「京都御所と清水寺漫遊記」part06 ◇ ＜らいぜんのパチ物語＞『チーム・タイラー』第20話 ■　後書き ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ 　当『イッセー岡田のあはは天国劇場』は以下の3つの異なったversionで構成されております、一度の登録で3種類の奇妙な味が楽しめますよ。 ■ 【Ahaha Story-version】イッセーのパチ馬鹿小説連載中! ■ 【Ahaha Essay-version】イッセーのパチ馬鹿エッセー連載中! ■ 【Ahaha Raizen-version】専属ライターらいぜんのパチ小説連載中! ★★★あなたの心にほんのちょっぴり楽しい思い出を!★★★ ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ =========================================================[issay PR]==　　■【ネットパチプロたいがー山本のパチンコ必勝メールマガジン】　　　＜じゃんじゃんバリバリ稼いでや！！＞　　　　　　毎月7日絶賛発行中!!!　イッセー岡田も毎号登場してるよ(笑) 　　　　登録は無料。解除も自由。登録は下記のフォームからどうぞ。　 http://www.mag2.com/m/0000037377.htm（配信提供『まぐまぐ』） =========================================================[issay PR]=== ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■ 　　　ご挨拶　 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■ あは天発行者、伊勢市在住の中高年サラリーマン、イッセー岡田です。ついに今年最後の「あは天」です。年末記念特大号と題して、今回は特別編集で発行致します。だから普段から比べると、結構ボリューム満点ですよ。ごゆっくりお楽しみ下さい。 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■ <イッセー岡田のスロ馬鹿日誌>　　勝ったときだけ書いてます(笑) ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■ 12/19土曜日伊勢の「台南無」にて午前中朝一アントニオ猪木で開始僅か 2kでBBから闘魂チャンス到来! うひょひょ! しばしの連ちゃんドル箱満タン、気が付くと1時間半で+30K、やったぁ! と機嫌良く家に帰る。しかし今月の負債は未だ完済せず。あと+20K目標で長男と午後からまたまた「台南無」へ。 2匹目のドジョウをと再度猪木を狙うが、朝の台はさすが空いて無くてお兄さんが１箱半持っている状態、「しまった、やはり良い台だったんだな!」止めるかなぁ、としばし待つも、お兄さん行け行けドンドンのご様子。そこは諦めて、昨日設定上げたにもかかわらず出なかった台を探すが、んなもの素人にわかるはずもなく、とにかく設定のよさそうな台を探す努力だけはする。前日BB5回、その前も一桁ばかり、回転数は大体2000回前後、この1 週間で1万回は回っている台を選択、投資5K目でBB、飲まれ掛けた直後にBB、ちょうど100回転目でREG、この６択を全てクリアして闘魂チャンス爆裂という、自分自身のシナリオを脳裏に描いていたのですが、これが物の見事に大ハズレ、3ゲームともかすりもしなかった。ガーン! 朝一はREGの６択を1回当てて、それが上手く中爆発してくれたので、一気にコインを1800枚ほどはき出してくれました。そして200回ほど回して逃げたのですが、さて今回は下皿に300枚程度あるだけ、まぁ、長男もまだ「北斗の拳」でアチョーが一回もなくてカッカ来ているようだし、まぁ、ゆっくり時間つぶしでもするつもりで打ちましょう。そうそう、そうと決まったら何も焦ることはないではないか、各々方? トイレに行って、缶コーヒーを長男にも買ってあげて、周囲を見回しながら、どの台が今どのような出方をしているのか、ちょうど後ろの台が「スーパービンゴ」でファファと言って来るとついつい見てしまう。まぁ、煙草1本吸い終わって、缶コーヒーも半分ほど飲んで、さてこの 100回転目のREGの後にどういう展開が待っているのか? MAXベットを叩き、レバーを叩いた瞬間、我と我が目を疑いました。液晶には燦然と光り輝く「闘魂チャンス」の文字が麗々しくあるではありませんか? ６択スカしまくっていても入るときは入る……のですか? まぁ、入って文句言うのも何だし、ありがたく頂くことに致しました。これが幸先良く20回、果たしてその次が来るのでしょうか? 「お願い、単発だけは止めて下さい、来てよ来てよ、はよ来んかい!」 17Gでトラック演出からまたしても闘魂、これが何と50回! 薄いところを上手く引いたようです。さて10,20,10,5,20,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,あのぉ、止まらないんですけど。 20回が圧倒的に多いし、幸運にも50回をもう一度引くことに。この一撃でなんと5400枚、ありがとうございましたぁ。潜伏していないのを確かめて換金すれば5.5枚交換のかなしさ、98.4K という微妙な金額。まぁ投資金額からすれば会心の一撃でありました。さらに午前午後とあわせたら、まぁ、なんということでしょう? 近年稀に見る大勝ち、これは大価値のあるものでございました。それでも今年は未だ-310K、通算なら……………言いたくない(笑) これで今年は終われば良いのですが、また行って負けることを考えると行きたくない、いや行くだろう、なんとかかんとか言いながら、今年も無事終わりそうです。 (そうかなぁ、まだ一波乱ありそうですけど、なんとなく。) ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■ ■■■　☆＜イッセーのエッセー＞　第93回 ■■■　　　　　　　　　　　　　　「京都御所と清水寺漫遊記」 ■■■　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　part06 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■ 　ようやく御所内から出て、さてこれからどうするか? 出口である清所御門を出たところで私たちは立ち止まりました。このままバスに戻ってもかなり時間がある。「うーん、どうしよう?」ふと周囲を見ると、御所を取り巻くように高い塀がずずずーっと続いております。こんなことを言うと識者からはり倒されそうなのですが、「堀の中の懲りない面々」という言葉が唐突に私の頭の中に入ってきました。別に他意は無いのですが…………….。この塀ですが、よく見ると塀の土壁の間に規則正しく、横に5本線が入っております。その上の方をずっと見ていくと瓦のひとつひとつに菊の御紋が入っております。「これこれこれこれ、やっぱり同じやん!」妻が年甲斐もなく、はしゃいでこう申します。実は伊勢にはこれと同じモノがあるのです。そう、伊勢神宮にある皇族の方がお泊まりになる場所や大宮司の家等にはこれと同様の横に5本線、そして菊の御紋の瓦がちゃんとあります。塀を見ただけで格式の高い、皇族のものと分かるようになっているのでしょう。だから私たちには見慣れたモノではあるのですが、妻は「伊勢神宮と同じモノがここにもあるんだ。」と申しておりますが、この言い方は語弊があります。正確には「御所と同じモノが伊勢神宮にある」と考えた方が良いでしょう。ん?　伊勢神宮と京都御所とは、歴史的にどちらが先であったのか? 先ほど購入した「京都御所ガイドブック」にはそんなこと書いてはありません。うーん、また今度気が向いたら調べてみよう、ということでその場を離れました。(まぁ、こう言っても絶対に調べないと思いますが) 時計を見ると集合時間まではなんとまだ40分くらい残っている。宣秋門から入って清所御門を出るまでのわれわれの所要時間は50分、後でバスで同乗の人に聞いたら、「すーっと見たら、たったの15分で出口に来ちゃった」とか、これを聞いて、私は心の中でこう思いましたね。「それでは一体何のために入ったのか分からないではないか?」でも、口から出た言葉はそうではありません。「残りの時間はどうされたんですか?　1時間以上余ったでしょ?」その人達は暇を持てあまし、喫茶店に入っていたのだとか。ふーん、まぁ、私たちも喫茶店ではないが、それらしきところに行ったのです。そこからしばらく歩いた場所に野点(のだて)をやっている場所がありました。赤く大きい傘が所々に立ててあり、赤い毛氈をひいた縁台に大勢の観光客が座って、お茶菓子に抹茶を頂いておりました。「おっ、風流じゃないか?　ちょっと俺たちもご馳走になっていこう。」ところが快諾すると思っていた妻があまり良い返事をしません。「だって、さっき食べたばかりじゃないの?」「別にそんな重いモノを食べるわけじゃないじゃないか? 羊羹みたいなものを少し食べるだけだろ?」さて野点をしている芝生の中に入ろうとすると、受付のような場所があり、なかなか綺麗な女性が黒いスーツ姿で座っております。その前に手書きで書いた以下のようなプレートがありました。「抹茶　500円(お茶菓子付)」「ありゃ、お金がいるんだ、まっ、そりゃそうだろな。ほな、いこか!」甘いモノを食べると体内ですぐに血となり肉となり、普段気にしている脂肪堆積に拍車を掛けることを執拗に嫌っていた妻もしぶしぶ後に付いてくる。野点ですがどうも見た感じ、運営しているのは京都の大学(京都大学?)の学生らしい。皆さん何と言っても若いし、そして何と言っても要領が悪すぎるのですよ。お金を払って簡単な切符(紫色の短冊のようなもの)を購入したのだが、目の前を右往左往しているにわかウエイトレスさん達、一体誰に貰って誰に茶菓子と抹茶を渡さなければならないかが、よく分かっていない。困ったものだ。 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■ ■■■　☆＜らいぜんのパチ物語＞　 ■■■　　　　　　『チーム・タイラー』第20話 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■ 朝予定通り７時３０分にホールの前にチームで到着すると、先客が一人いた。見ると、先日少年達がホールで騒いでいた時に、先陣を切って平良を応援しようとした、普段は比較的おとなしい常連の若者だった。彼は、メンバーに桐子が混じっていることに、一瞬えっ？という表情をしたが、平良は、かまわず彼に黙礼した。「平良さん、先日はありがとうございました。アイツ等、平良さんが来るまで、　やりたい放題だったんですよ。朝一にタバコで一シマ全台押さえたりとか、　コイン持って移動しまくったりとか・・でも、昨日はもう来ませんでした。　お陰で静かに打つことができました。ほんとうに感謝して・・」平良は、礼には及ばないという感じで、彼の言葉を途中で遮った。「いや、あれは盟友のジャグ吉に無理やり頼まれたからさ。そうでなきゃ俺は　何もしなかったさ。それに何度もあんなこと頼まれたくないからな・・ああ　いうときの対処法をジャグ吉に教えるためにやって見せたのさ。ついでに言　うと、狙い台を無理やり奪う時にも応用できるってな・・」平良は、笑いながら言った。若者は平良の言葉を、恋する人を見るように瞳を輝かせながら聞いていた。「僕はぜひお礼を言いたくて、朝、平良さんたちが来る時間に合わせてきてま　したけど昨日は空振りでした。べつに僕が先頭になりたかったわけでありま　せんので皆さん僕の前へ入ってください。抜け駆けしようなんてこれっぽち　も思っていませんので・・」「いや、このホールは先着順なのだから、先に来た君が先頭だ。そうでなけれ　ば俺たちが割り込みをしたことになってしまう。」「あ・・いいんです・・そんなことは思いませんから・・　それこそ毎日先頭に陣取って、平良さんたちのために順番を取っていてもい　いんですよ・・」「それはもっと遠慮しておこう。俺たちは、ここで我が物顔で動き回るような　ことはしたくない。なにはともあれ、今日の先頭は君だ。ただひとつだけお　願いがある。入場の時は絶対走らないでくれ。途中で俺たちが君の前に出る　ことは絶対無いと保証する。もし走って入場が混乱でもしたら大変だからな。」平良が強い口調でそういうと、若者はおとなしく先頭に戻った。亜唯・健太・平良のいつもの順番を変えて、亜唯と健太の間に桐子を入れた。つまり、亜唯・桐子・健太・平良の順番で並んだ。用意した新聞紙を地面に敷き、そこにメンバーは座った。先頭の若者はどこで拾ってきたのかダンボールを既にホール玄関前に置いてあった。いつも朝の並びの時間は、打ち合わせの時間だった。平良の次に客が並ぶまで、狙い台を絞る時間にあてた。しかし今日は先頭にチーム外の若者がいる。平良と健太で内緒話程度にとどめるしかなさそうだった。２人は小さな声で話し出した。若者がやりばなさそうに平良のほうを見ている。「なぁ健太、主任の設定変更の痕跡は覚えてるな？」「はい、わかってます。それと変更のクセもね。　ところで、別の事ですがひとつ聞きたいんですが・・」「なんだ？」「桐子さんが、５万枚以上出したって言ってましたよね？平良さんは見てたん　ですか？」「朝方はここでガキどもの相手をしてやっていたから見てなかったが、午後様　子を見に行った。」「変なこと聞きますけど、それって普通に出したんですか？それとも・・」「何か攻略をつかったのか、という意味か？それならいっさい使わなかったよ　うだ。あくまでも自力さ・・」「ということは、たまたま出ちゃったということですか？」「いや違う、必然的に出したのさ。」「？？？」「俺もなかなか信じがたい話なんだがな・・」平良は事の詳細を話した。玲子の話、裕太という玲子に憑いた若者の霊、その裕太が桐子に移ったこと・・・話を聞いていた健太は信じられない、という顔をしていたが、ライジングサンⅤの攻略を見つけたときのことを思い出したのか、すぐに納得したようだった。「しかし、桐子さんは凄いですね。なんというか・・まったくもって・・」健太は桐子のほうを向いて、言葉が出ないほど驚いていた。桐子はそんな健太には一切構わずに、亜唯と仲良く世間話をしていた。徐々に別の客が並びだした。常連達は、珍しくチーム全員がいることに気付き、わざわざ前の方まで挨拶を言いにくるものが大半だった。そしてみんな新しいメンバーが混じっていることにちょっと意外な表情をした。そのうちジャグ吉もやってきた。「いやぁ平良さん、この間はすまなかったな。お陰であの後２箱出たよ。」先日、少年達をどかしてもらって、台を確保してもらって、その後平良が不意に帰ってしまったことを気にしてるのか、ジャグ吉は、平良に、なんか照れくさそうな表情で言った。ジャグ吉本人にはこれが最高の愛想顔なのだろう。「なに気にするな・・俺とジャグさんの仲じゃねぇか・・良いってことよ。」「いや、ほんとすまなかったと思ってるよ。お礼と言っちゃ何だがこれ渡して　おくよ。ほら。」ジャグ吉が寄越したのは、自分が経営してる風俗店の割引券だった。「来てくれたら、店の女の子全員に大サービスさせるぜ。はははは。」そう言うとジャグ吉は、列の最後尾の方に向かって去って行った。平良は割引券を片手に困った顔をしていた。それをみて察しの良い亜唯は笑い転げていた。平良は、先頭の若者を呼んだ。若者は嬉しそうに平良の傍に行ったが、平良から渡された「ランジェリー姿の美女が今宵あなたを官能の世界へ・・」と書かれたジャグ吉の店の割引券を見て、とたんに耳まで赤くなった。「ジャグ吉にそんなもんをもらっちまったんでな。まぁ万枚でも抜いた日でも　行ってやってくれ。いらなきゃ捨ててくれても良いが・・・。」桐子はきょとんとした顔でなりゆきを見ていたが、亜唯は脇で相変わらず笑い転げていた。健太はどう反応して良いかわからず、下を向いて頭を掻き続けていた。平良は朝のこういうリラックスした雰囲気が好きだった。スロ屋の前に並ぶ誰もが夢見る時間。自分の未知の収支への期待・・今日は万枚抜けるだろうか？・・座った台が高設定だろうか？・・・それらの期待はすべての客に平等にやってくる。もし今日負けて帰っても、また明日になればまた期待に胸を膨らませてここに集まってくるのだ。チームのメンバーには勝つことが義務付けられている。実際に入場が稼動が始まれば、頭は常にフル回転だ。常に高設定台を見つけるためにしのぎを削るのだ。そういう戦いの前の朝の静かな時間・・平良が、右手のオメガシーマスターを覗きこむ。午前９時４５分だった。店内から新入りの店員が２人出てきて、１人は店の前に花やボードを飾る。もう１人の店員が、並んだ客を整列させる。間もなく自動ドアは店員の手で手動で開けられ、いよいよ入場が始まった。先頭の若者は平良の言うことを守り、ゆっくり歩いて入場した。続いてチームのメンバーが入場する。平良の後ろにいる客は、決して気がせいて平良の背中を押すようなことはしない。全員がゆっくりと入場していった。平良は、店内に入場すると、それとなく台の側面の注目した。主任がつけた指紋を探す。昨日ＢＩＧ７回の猛獣王が目に入る。主任の痕跡ありだ。総回転数を見ると昨日は３０００回以上回っている。奇数設定だ。たぶん設定１。これは「上げ」とわかる。とりあえずタバコでその台を押さえる。気がつくと、他の台はどんどんと埋まってきている。スペースバニーにまた痕跡を見つけた。これも「上げ」と判断して、携帯電話で押さえる。しかも角台だった。昨日は反対側の角台が出ていた。最近は、この台も客付きが落ち始めていた。客付きアップの「上げ」の可能性はこちらの方が猛獣王より断然高い。押さえた猛獣王のタバコをどけようとシマに行くと、桐子が平良が押さえた台の前に立っていた。「俺は、スペースバニーを取った、よかったらこの台を打つか？」桐子は、無言で頷いた。桐子は台取りはあまり得意ではないようだった。初めて出会った時からそれはわかっていた。それにまだ主任の設定変更の痕跡について教えるのを忘れていた。もしかしたら、しばらくは桐子の分も平良が台を確保しなければならないかもしれない。亜唯は、相変わらず得意のキングパルサーだった。この店のキンパルは幸いなことにまだ裏化していなかった。攻め方としては幾通りもある。まず朝の設定変更狙い。これは主任の痕跡があるのでまず高確率で出る。亜唯は、昨日多く回っていて出ていない台でなおかつ主任の痕跡が残る台を確保した。これをおおむね取りきって、ＢＩＧ中の小役ゲームでのハズレ回数から設定５・６でないことを想定できれば１２８Ｇでやめる。そしてひたすら待つ。ストックの残っていそうな台で１２８Ｇ近辺で捨てられている台を２５６Ｇまで回す。あるいは８００Ｇ以上はまった台を出るまで回す・・これらがキンパルの打ち方の王道だった。健太は、どちらかと言えばＡＴ機好きだ。波の荒いＡＴ機だから何日か負けが込むこともなくはない。しかし「獣王」ではかなり稼いだ。立ち回りのヒントが多くあったからだ。今日はアラジンＡを攻めるようだ。こちらは据置狙い。昨日１万３０００枚以上出た台で、主任の痕跡のない台を確保したようだ。　さて・・桐子はどうするのだろう・・　裕太という若者の霊の助力で今日も出し尽くすのか？桐子の猛獣王の設定は、まず２以上だろう。この店は奇数設定を好んで使うようだから、設定３か５だと思って間違いない。先頭にいたあの若者は、花火に座っていた。彼はいつもそうだった。朝設定判別をしてその台で一日粘るかどうかを判断してるようだ。地道なタイプなのだろう。不人気なシマを除き、あらかたの台が朝の見合い相手を見つけたところで、開店の音楽が鳴り始めた。 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