メルマガ:イッセー岡田のあはは天国劇場
タイトル:イッセー岡田のあはは天国劇場 142号  2003/10/09


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                ☆☆☆ 第142号 ☆☆☆         
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☆<目 次>
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■ ご挨拶 
  
■<らいぜんのパチ物語>
                                    『チーム・タイラー』第9話

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   ご挨拶 
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あは天発行者、伊勢市在住の中高年サラリーマン、イッセー岡田です。
めっきり涼しくなりましたね。
ついこの間まで残暑まっさかりだったのが、いきなりの気温低下で風邪を
引いている人も結構いらっしゃるんじゃないでしょうか?
季節の変わり目が一番体調を崩しやすい時です。
皆さん、お体を大切に。

さて今号は圧倒的ボリュームで迫る『らいぜんVERSION』です。
では熱いブラックコーヒーにちょっぴりウイスキーでも落として飲みながら、
ごゆっくりハードボイルドスロッタストーリーを存分にご堪能ください。

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■■■ ☆<らいぜんのパチ物語> 
■■■                      『チーム・タイラー』第9話
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翌日、平良が目覚めてみると、胸元にしがみついていたはずの桐子の姿がなか
った。時計を見ると既に午前11時をまわっていた。枕元のフィリップモーリ
スを1本取り火をつける。ニコチンが回り少し痺れた頭を振りながら、平良は
寝巻き姿のままリビングに行った。リビングには誰もいなかった。

健太と亜唯の寝室から声が聞こえたので、ノックをして入る。健太と亜唯、そ
して桐子がはしゃぎながら実機で攻略の練習をしていた。

「あ、平良さんおはようございます。女性陣なかなか筋が良いですよ。ハズシ
 もビタ押しなのにちゃんと出来てます。平良さんは大丈夫ですかぁ?」

「俺が一番、みんなの足を引っ張るかも知れんな・・」

平良は、笑いながら3人が練習する姿を眺めていた。桐子は、青7枠下ビタの
リプレイハズシが成功するたびに、少女のようにはしゃいでいた。出会った頃
の彼女の無表情な姿からは想像できないような表情だった。
小役ゲームすべてを終えた桐子は、右手にコインを3枚持ちコインの投入口に
素早く入れた。レバーのそばに持って行った左手の親指で素早くクレジットを
切った。吐き出されるコインを優しく受け止めるように右手を下皿に差込み、
その音を消した。同時に左手でレバーを軽く下げた。すべてのコインが落ちき
るのを待って再度レバーオン・・

「お、なかなか上手だな。見られていてもきっと気付かれないだろうな・・」

平良は、もう1本火をつけたフィリップのモーリスをくわえながら、平良は寝
起きの少し枯れた声で言った。お世辞ではなく桐子は上手かった。桐子は昨日
メンバーに加わったばかりなのに、もうすっかりチームの一員になっている。
彼ら3人はきっと歳も近いのだろう。平良は、自分がみんなの保護者になった
ような気分だった。

「平良さん、真打ちの技・・お願いしますよ。」

健太が、平良を少しからかうような口調で冗談交じりに言った。

「ようし、『おじさんパワー』を見せてやるぞ!」

女性陣の笑い声の中で、平良が攻略にチャレンジした。平良のスロット歴は、
他の3人よりもきっと短いだろう。ちゃんと目押しできるかどうか少し不安が
あったが、いちおうやって見ることにした。

桐子が揃えてくれたBIGを平良が消化した。小役ゲーム、ジャックゲーム、
小役ゲーム、ジャックゲーム、小役ゲーム・・・リプレイが立った、まだ目は
寝起きでよく見えない。青7を下段に見据え、中段ビタより少しタイミングを
遅らせて押した。無事はずれた。顔では「当然」というフリをしたが、実は少
々冷や汗ものだった。

 なかなか手強いな・・

しかし、次もそのまた次も上手くリプレイをはずすことができた。タイミング
さえわかれば問題ない。後はなんなく外せるだろう。無事完走にたどり着いた。
右手を素早く下皿に入れ、クレジットオフ、レバーオン・・左手で巧みにクレ
ジットの表示を隠し、再度レバーオン。流れるような動作で見事に攻略手順は
完了した。

「平良さん、さすがです。見ていて全然わかりませんでしたよ。」

「そうね。一体何が起こったのかわからなかったわ。」

健太と亜唯が賞賛の言葉を言ったが、平良は両手で二人の言葉を押しのけるよ
うな仕草をして言った。

「おい、お前らいくら褒めても、俺からは鼻血もでないぞ!はははは・・・

 さて、今日のスケジュールだけど、夕方5時の新幹線で東京に向かう。到着
 は7時ごろになるだろうな。上野のホテルに泊まって、翌日のホールの下見
 をする、もちろん上野界隈のホールだ。そこでターゲットを絞り込む。

 というわけで、夕方までは自由時間だ。荷物の整理でもしていてくれ。
 東京でのスケジュールを消化したら、次は別の街をあたる。時期が煮詰まる
 までこの繰り返しだから、かなり長い旅になるかも知れない。こっちでやっ
 ておきたいことがあったら、今日のうちにやっておいてくれ。」

旅行の準備といっても、平良を含めみんなたいした時間は要らなかった。着の
身着のままのスロット生活は慣れていたから、きっと荷物は小さな鞄一つで納
まるはずだったからだ。


健太と亜唯の2人は、昨夜の作業と練習のための早起きのせいか、新幹線の中
では眠りこけていた。亜唯が健太の肩にもたれかかるように小さな寝息を立て
ていた。桐子は起きていたが黙りこくっていた。
平良は、東京に行くのは久しぶりだった。大学を出て銀行に入り、初めての赴
任先が東京だった。

 あの頃は、何もかもが不透明だった。
 自分がどう生きてゆくのか、そして、どうやって死を迎えるのか・・
 まったく想像も出来なかった。ただただ目の前に積みあがる膨大な仕事をこ
 なすことで自分の時間を消費していた。

 今はどうだろう?
 相変わらず不透明さは変わらなかった。
 でもどうだろう、目の前の若い2人、そして桐子・・
 こいつらのために生きてゆこう・・そう決めた。
 今はスロットでのつながりが主体だが、いずれは変わってゆくだろう・・
 そしてもし俺が死んだら・・
 それでもこいつらは仲良く生きてゆくだろう・・そうあって欲しい

「私・・・少し前、東京にいたの・・」

いつの間に目覚めたのか、桐子が不意に話し出した。

「東京は、住みやすい街だったわ。私みたいに浮き上がりやすいタイプには、
 東京みたいに他人に干渉しない環境があっていたわ。でも暮らしやすかった
 けど、寂しかった・・誰も他の人の領域には入らない・・楽だけど、寂しか
 った・・」

「今は、どうだい?君の領域に土足で入り込んだ俺が言うのもなんだが・・」

「わからないわ、でも平良さんたちと一緒にいたいと素直に思ったわ。心変わ
 りするかしら・・わからないわ・・でも今は・・」

「俺はよく、死ぬときのことを夢に見る。
 暗い中で一人で死んでゆく。誰にも苦痛の叫びは届かない。痛みはやがて安
 楽に変わり、死が近いことを悟る。
 この世のいられる時間が短くなり、慌てて自分の人生を振り返ろうとするが、
 何も浮かんでこない・・焦る・・でも死はすぐそこまできてる・・・
 どうしようもない焦りが頂点に達した時、そこの二人、健太と亜唯が出てき
 て俺に言うんだ・・『平良さん、死んじゃダメだ!』って、そこでいつも目
 が醒めるんだ・・

 昨日も同じ夢を見たよ。でもいつもとは一つだけ違っていた。
 最後に出てきたのが、桐子・・君だった。そして言った。
 『お疲れ様・・安心して死んでね・・』そして俺は死んだ・・・暗闇・・・
 おかげで今日は大寝坊さ・・」

桐子が笑った。平良も笑った。二人の笑い声に健太と亜唯も目を覚ました。
間もなく、新幹線は上野駅に着いた。


駅に近いビジネスホテルをダブルで2室確保した。部屋に荷物を置き、御徒町
に近い裏道にある韓国料理屋で夕食を済ました。旅行中は外食生活になるだろ
うから、食費がかさむことより、栄養が偏ることが心配だった。楽しいだけの
毎日ではないのだ。腹いっぱいになった4人は、近くのホールを偵察で回った。
4人で動くと目立つため、平良と桐子、健太と亜唯の2組に分かれて行動した。

上野のスロット屋は多かった。8時を回った時間帯になっても、朝から高設定
台を粘っている若者と、会社帰りのサラリーマンで、どのホールも台はほとん
ど満台だった。リストに落とした上野界隈の「ライジングサンV」導入店を手
分けしてすべて回った。あまり人気の機種ではないので、すべてのホールを見
るのにそうは時間はかからなかった。

ホテルに戻った4人は、翌日のシフトについて話し合った。
客付きの多い店は、稼動が多くストックの量もそこそこ期待できるが、その分
台の確保が難しくなる。逆に、客の少ない店は、台の確保は容易だが、それだ
け「ボッタクリ店」の烙印を押されているために、ストックの量が期待できな
い。そんな中から、4店のホールに絞り込んだ。どれも稼動がそこそこあって、
夕方サラリーマンが来る前の時間帯には台が容易に確保できそうな店だった。

 「パチスロエッグマン」
 「オリエンタルマジック」
 「上野会館」
 「パシフィック2000」

それぞれ違う系列の店だった。同じ系列で店を回ると業務連絡などで平良達の
ことがチェックされるかも知れない。つまりそれだけリスクが大きくなるとい
うことだ。

平良は4人のシフト表をホテル据付ののメモ用紙に書き出した。

 第1日 10:00〜 パチスロエッグマン  健太
     16:00〜 パチスロエッグマン  桐子
     10:00〜 オリエンタルマジック 平良
     16:00〜 オリエンタルマジック 亜唯
 第2日 10:00〜 上野会館       平良
     16:00〜 上野会館       桐子
     10:00〜 パシフィック2000 健太
     16:00〜 パシフィック2000 亜唯

女性陣をすべて後半組に回したのには訳がある。男性陣は朝から打てばストッ
クは大体夕方くらいまでには取りきれるはずだ。その時間帯から台がすいた頃
に女性陣が現れ打つ。出し終わった男性陣は、近くの台を打つなどして、女性
陣に何かあったときにために待機する、そういう意図があった。

不人気とはいえ新台だから、一応男性陣は朝は早めに並ぶために早く寝ること
にした。女性陣はまだ行きたい所があるようなので、亜唯と桐子は夜の上野の
街に消えていった。


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