メルマガ:イッセー岡田のあはは天国劇場
タイトル:イッセー岡田のあはは天国劇場 128号  2003/06/11


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                ☆☆☆ 第128号 ☆☆☆         
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☆<目 次>
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■ ご挨拶 
  
■<らいぜんのパチ物語> 超強力新連載開始!
                              『チーム・タイラー』第一話
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   ご挨拶 
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さて今号はお待ちかねの『らいぜんVERSION』です。

今回から新たにスタートする『チーム・タイラー』って、どこかで
聞いたことがあるのではないでしょうか?
そうです、「あいつと俺part2」後半にチラッと出てきましたよね。

………………..ということは?

なるほどこれは「あいつと俺」のpart1とpart2が表裏一体であったように
あのストーリーのもう一つの側面を描いた第三の物語なんですね。

凄いですよ、この三部作とでも言うべきシリーズの最終ストーリーがいよいよ
この「あは天」誌上で始まります。
全編迫力あるシーンとスロットの魅力満載、それに登場する男女の機微が絶妙
にからんで、パチンコパチスロ小説最高のエンタテイメントを作り出しました。

どうか、今後もらいぜんバージョンにご期待ください。

では第一話早速スタート致しましょう!

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■■■ ☆<らいぜんのパチ物語> 
■■■                      『チーム・タイラー』第一話
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陽も明けきらぬ未明・・

男は二重サッシを開けた先の13階の高さのバルコニーから、目の前に広がる
運河の漆黒の川面を見据えていた。
寝起きで半分痺れた頭の中で、男の目は暗く深く沈んでいた・・

「平良さん・・そろそろ行きましょうか・・」

閉じられたバルコニーにサッシが開き、別の若い男がバルコニーにたたずむ男
に声をかける。

「健太」というその声の主は、「平良」と呼ばれた男との共同生活をはじめて
1年ほどだった。健太には、「亜唯」という恋人がいた。彼女もまた健太と同
じように「男」との共同生活をしていた。

平良、健太そして亜唯の3人組の奇妙な共同生活・・・・


もともと健太と亜唯は、棲み家も持たず、翌朝の入場順番待ちのためにスロッ
ト店の前で徹夜をするような自由奔放な「いまどきの」カップルだった。
ことスロットに関して彼らのテクニックは問題なかった。彼ら二人が遊んで暮
らすには充分の戦果を稼ぎ出していたし、完璧に近い目押し、的確な台選び、
台に関する詳細な解析知識・・・どれをとっても充分すぎるほどだった。
しかし当時、つまり「男」と出会う前の彼らの心の中は不安で一杯だった。

 自分達はこのままの生活でいいのだろうか?
 このままいったらどうなってしまうのだろうか・・

いくら彼らのスロットの技術や立ち回りが完全でも、相手のホールが設定を締
めてしまえばもうお手上げだ。別のホールを探すと言っても、狭い都市での話
だ。そうは選択肢はない。いずれ二人は入籍して普通の家庭を築きたいという
夢はあったが、当時の状態ではそれもおぼつかなかった。

そんな不安な日々を過していた二人は、その「男」に出会った。
男の名は「平良」と言った。

平良は、突如この町に現れた。そして健太達の通っていたホールで荒稼ぎをし
た。健太たちが絞りに絞った狙い台は、ほとんど平良に先に奪われ、たまに狙
い台が違った時でも、出るのはいつも平良の方だった。

健太と亜唯・・二人は焦りに焦った。しかしいくら焦ったところで、事態はい
っこうに好転せず、それどころか益々稼ぎは少なくなっていった。
そして、二人が今日食べるものさえ困り始めた頃、健太はある行動をおこした。
それは・・・

ある日・・いつものように大量の特殊景品を街裏の寂しい換金所に持ち込んだ
平良は、人影のない路地を歩いていた。今日はまったくの回収日で他に換金す
る客は周囲にはいなかった。

健太は、換金所近くの四辻の陰に隠れていた。
ジャンパーの胸元には、麻袋に砂をつめた凶器を忍ばしていた。
そして、多額の現金を胸の財布にしまいこんだ平良が、健太が隠れている四辻
を通り過ぎる瞬間、健太の若い体が翻った!襲撃!

・・・・
しかし数秒後には、なぜか無傷であった平良に腕の自由を奪われもがいている
惨めな健太の姿がそこにあった。
健太の、換金所から出た平良を襲い平良を傷つけ、彼の数日間の稼動を奪い、
ついでにその日の稼ぎも奪い取ろうという、若い彼らしい稚拙な計画は見事に
失敗したのだった。平良は、もがいている健太に向かって冷静な口調で言った。

「おお・・誰かと思えば、常連さんのカップルの男のほうじゃねぇか・・」



話は現在に戻る・・

13階のバルコニーにたたずんでいた平良は、健太の呼びかけに対して言った。

「あぁ・・もうそんな時間なのか・・・健太、今日の狙い台は?」

「『エイリアン』の36番台です。
 昨日はBIG8回しかついていませんが、あのボーナスマップは明らかに高
 設定ですからね。で『据置狙い』を・・」

「そうか、たぶんそれで『当たり』だろうな。36番台はホールが出したい位
 置だ、昨日不発ならまず据置だろう。」

「亜唯の方は、閉店間際に『タイムパーク』を3台ウォータースライダーステ
 ージで終わらせてますので、コイン3枚持たせて1枚ずつこっそりと入れさ
 て、ステージを確認させてから座らせます。あそこのシマは設定の打ち替え
 が頻繁ですからね。」

「なかなかきわどいことさせるな・・。
 俺たち男じゃ度胸がなくて、なかなかできないことだなぁ・・」

平良は、少しおどけた口調で笑った。

「ところで平良さんは?」

「俺か?・・あぁ・・俺の狙い台は『あの女』に決めさせる。」

「えっ?」

「ここ1週間ほど、ことごとく出しまくっている『例の女』さ。」

「ああ、あの女ですか・・・でも平良さんあの女は、たぶん『サクラ』ですよ。
 もし彼女から無理やり台を取り上げたりしたら、あとでホールから嫌がらせ
 とかされませんかね。」

健太は心配そうに平良の顔を覗き込んだ。平良は笑いながら健太の目を見なが
ら、目の前のハエでも追い払うかのように、手をひらひらさせながら言った。

「確かにあの女は、健太が言うように『サクラ』だろうな。でも店ぐるみのサ
 クラとはちょっと違うんだ。通常『店ぐるみのサクラ』というのは、同じ人
 間を1週間も使うことはありえない。それにもし店が用意した人間なら、あ
 の女のように閉店まで打ち切ることはしない。多くの人間が換金所に向かう
 閉店時にサクラを動かすことはリスクが大きすぎるからな。」

「じゃあ・・店の誰かが個人的に彼女を使って抜いてる・・と?」

「そう、でもあの店で設定を知ってるのはあの新任の店長だけさ。設定の打ち
 替えもアイツが全部やってるからな・・・それに加えて、店長赴任と彼女の
 登場が同じ日だったしな・・」

平良達の行きつけのホールは、先週店長が交代したばかりだった。そのホール
は比較的規模の大きいチェーンだった。店の売上の具合にも拠るが、2年に1
回ぐらいのペースで店長は交代する。設定を打ち替える人間が交代すると言う
ことは、平良達の稼ぎに直接影響する。少しの間、設定が読めなくなるからだ。

「でも、それは新店長を敵に回すことになりますよ。平良さんの今後の稼動に
 影響が出るんじゃないですか?・・あ・・でも平良さんなら大丈夫かな・・」

健太は笑いながら寝室兼解析室の方に消えて行った。
平良は自分の寝室に戻り、グレーのフリースをクローゼットから出し羽織った。


1年前。
平良襲撃に見事に失敗した健太は、逃げることは不可能と解り開き直っていた。

「誰かと思えば、カップルの兄ちゃんの方か・・
 さしずめ、俺に稼ぎをとられておまんま食い上げって所だろう・・だからこ
 んなことをしたんだな。もうちょっと理知的なやつだと思ったが・・若いな、
 まだまだ・・」

「・・・」

「なぁ、お兄ちゃん・・強くなりたいか?
 強くなって彼女に高いものでも買ってやりたいか?
 ならば、こんな馬鹿げたことしないで自分の腕で稼げ!
 それが出来ないならスロットで生活するなんて止めちまえ。」

平良に何を言われようが、健太はだんまりを決め込んでいた。
少しの沈黙の後、平良は有無を言わさぬような口調で健太に向かって言った。

「なぁ、お兄ちゃんの大事な彼女を今ここに携帯で呼びな・・」

「?!・・ど・・どうしてだよ・・」
健太は平良の強硬な雰囲気に気圧されたのと、亜唯に危害が及ぶのを恐れ、つ
いに不安いっぱいの口調でぽつりと口を開いた。

「お前の大事な彼女をこの場でなぶりものにするんだ・・・ははははは・・っ
 ていうのは冗談だよ。アンタ達をあるところに連れてゆくんだ。そこで説教
 してやるんだ。」

平良は、それでもためらっている健太の胸倉に手を入れ、携帯をつかみ出した。
そして鮮やかな手つきで名簿から亜唯の電話番号を探し出した。

「『亜唯』?・・これだな・・」

健太に確認することもなく、平良は彼女に1回コールした。そして切った。健
太は、今回の計画をしっている彼女から心配して返信が来ることはわかってい
たが、そうならないことを祈った。

しかし無情にも、1分しないうちに彼女から健太の携帯宛に返信がきた。
そして受話器を取り上げた平良は、ぞんざいな口調で亜唯に言った。

「もしもし、スロッターカップルのべっぴんさんかい?
 アンタの大事な彼氏は俺の反撃で地面に這いつくばってるさ。もちろん心配
 だろ?だったら今すぐここに来るんだな・・・」

健太は何も出来ない自分に対する口惜しさで意識を失いそうになった。

 亜唯・・俺たちいったいどうなってしまうんだ・・・

5分後、亜唯が現場にやってきた。放心状態の健太を見て、般若のような目つ
きで平良を睨みつけた。

「来たな、べっぴんさん。おいおい、そんな恐い目で見ないでくれよ。あんた
 達に危害は加えるつもりはないんだ。ただなぁ・・またこんな恐い目にあい
 たくないからな、二度とこんなことが無い様に、これから説教してやる。
 さぁついて来い・・」

健太はまだ放心状態だった。亜唯は相変わらず平良を睨みつけていた。
しかし、二人ともおとなしく平良についてきた。

時間はすでに夜の11時半をまわっていた。こんな時間に営業してる飲食店は、
居酒屋か焼肉屋ぐらいしかなかった。平良は少し悩んだ末、焼肉屋にふたりを
連れて行った。4人がけのテーブルにつき、奥に健太と亜唯の二人を座らせ、
向かいの列を平良が独占した。平良は、オーダー取りの店員に素早くビールを
3つ頼み、メニューの端から順にかなりの種類の肉をオーダーした。

「今日は、あの店は完全な回収日だったな。こんな日に勝てたのは俺にとって
 は余禄なのさ。自分が計画してる収支とは別物だ。だからそういう時だけは
 こうやって豪勢に使うのさ。そうしたら運気は消耗しない・・」

すぐに運ばれてきたビールには、健太たちは手をつけなかった。
その後運ばれてきた肉類を平良は素早く赤く焼けた網の上に並べた。肉はどん
どんと焼き上がり、平良は焼きあがった順に健太たちの皿に分配した。
二人の生唾を飲み込む音が聞こえてくるくらいだったが、それにも二人は手を
つけようとしなかった。

「アンタたちは、俺をやくざかなんかと間違えてるようだな。信じようと信じ
 まいと関係ないがな。俺はただのスロット好きが高じて脱サラした善良なス
 ロッターだ。アンタ達をどうこうしようと言うわけじゃない。」

平良がこう言うと、まず亜唯が空腹に負けたように恐る恐る焼肉に手をつけた。
平良とは目を合わせようとはしない。
二人ともよっぽど空腹だったのか、これを契機に二人は欠食児童のように食い
始めた。旺盛な食べっぷりの二人を前に、平良は誰に聞かせるというわけでな
く静かに話し始めた。

「俺が、スロットを打つようになったのは、まだほんの最近さ。それまでは死
 人のような生活だった。いま俺は年齢は34歳だがな。世間で言えばこれか
 ら働き盛りという年齢だよな・・・ところがな・・・」

平良は、健太と亜唯がいる位置より少し上に視線を向けながら、タバコの煙を
ゆっくりと吐いた。


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現在「稼げる攻略パチンコ」という雑誌でプロの作家として活躍中の絶倫男
らいぜんのパワフルなストーリーがタダで読めるのはメルマガ業界広しと言
えど、えへん! この「あは天」だけでございます。
「イッセーはん、ええかげんに原稿料振り込んでおくれやす!」
と言われるまでは大丈夫ですからね。なははははは。

ん?
ちょっと待てよ、そういえば絶頂男らいぜん発行の「パチンコ百景」が
あったか、でも本人発行のメルマガはしょうがないもんなぁ。

ではこの新作の展開がどうなっていくのか、ハラハラドキドキしながら
毎号お楽しみくださいね。

イッセーの「エッセイ」と「小説」交互発行の間に「らいぜんversion」
を発行していきますので、これからたっぷりと堪能していただきますよ。
乞うご期待!

「笑う角には福来る」きっと皆さんに大きな福が授かりますように....
 ではでは、みなさん、次回までごっきげんよう、あ、さようなら。
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